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糸子(イトコ)

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店長の休憩

ライスレポーター

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ブログ:ライスレポート
今日はここ、天布県丘宝市山王山の、「不思議の定食屋」にきました。なんでもここのお米定食やおにぎり美味しいそうです!
他にも様々な定食がお米ととてつもないマッチだそうなので、食べていきたいと思います!

お米定食
ある男がやってきた。彼は、ネットでは一部界隈で有名な男だ。なぜかって?
彼は、「ライスレポート」というブログを展開。全国各地の飲食店にある米を使った料理を食べまくり、評価していくというもの。
それがなんとも正確であり、一部界隈で人気になったのだ。
「あなたが店長さんですか?」
男は、白米と炊き込みご飯と炒飯の乗ったお盆を持ちながら店長に話しかけた。
「ん?なに?」
眠っていた店長は素早く返答した。
「私、ブログをやってるものでして。」
「ブログ…まさか…」
「あ~聞いたことあります?ライスレポート。」
男は少し自慢げに答えた。
「あれね。料理の参考になったり、うまい飯屋を探すなら見ろって言われてるやつね。」
「そうですそうです!いや~知っていただけているとは、光栄です!」
「それじゃ、私は寝るから、食べ終わったら聞かせて。」
「えっ?」
店長は目を閉じ、Zを3つ、定期的に出した。
「寝た…まぁいいか。とりあえず、ここ座らせてもらお。」
困惑しながら、店長の眼の前の席につき、食べ始めた。
「たしかこれ、日よって変わるんだっけ?今日は白米、炒飯、炊き込みご飯か。別のやつもまた食いたいな。」
男は手を合わせ、匙を持った。
「まずは、そのままの白米!」
一口。
白米はいつも水の量との戦いだ。少し違うだけで艶に噛みごたえ、味に香りも少し違ってくる。
だが、やはりここの白米は素晴らしい。十分な噛みごたえを持ち、よく噛む必要がある。しかし、そのおかげで、噛めば噛むほど旨味の出る米を長く楽しめた。香りもうまい米のそれだ。ほかほかの白米は、そのままでとても十分なうまさだった。
また一口、また一口と入っていく。しかし、最後の三口は残す。
次の一口。
炒飯。実はここの炒飯は二種類あり、一つがこの、モチモチ炒飯。パラパラじゃないってこと。家庭では余ってしまった米末路となりやすい。そのため、炊きたての米で作ることは少ない場合もある。
だが、この炒飯はちゃんと炊きたての米を使っているのだろう。白米同様、噛みごたえがあり、味付けがさっぱりなのに舌に残る旨味がある。そしてなにより、こぼれにくい。米同士がくっついて、全然こぼれない。食べやすい。パラパラじゃないからこその良さが存分に出ている。
たま一口、また一口と飛び込んでくるようだ。それでも最後の三口は残す。
最後、炊き込みご飯。家でやる炊き込みご飯はいつも味が薄くなりがちである。調味料がどれくらいがいいのかよくわからないからだ。
しかしこの炊き込みご飯は最高だ。もちもちした食感、濃くないのに脳に刻まれるだしの効いた旨味に香り。味付けを盗もうも盗めない旨さと上手さ。所々の野菜たちは味が染み込み、なのにちゃんとした食感があり、米とともに口の中で踊るようである。
また一口、また一口と口が受け入れてしまう。しかし、また三口残した。
あとは、それぞれが一緒に食べて合うのかである。
白と炒、炒と炊、白と炊、全部。
すべてがベストマッチ。白米はそれぞれを引き立て、炒飯と炊き込みご飯もお互いを邪魔しない。最高のベストマッチ!他のも気になってくる。
「…最ッ高…」
「そりゃ良かった。」
「あぁ…これほどうまい飯はなかなか…いや、全くない。ありがとう…この飯をありがとう!また来るよ!ブログ、見てみてくれ!最高の評価にする!」
「そりゃどうも。」
「明日また来るよ!」
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