御簾の向こうの事件帖

里見りんか

文字の大きさ
上 下
5 / 36
第1章 姉妹だけが知っている

5 夕星と明星

しおりを挟む

 殺された夕星ゆうづつ
 結婚が決まった明星あかぼし
 それに付き添うつもりの女房。
 そして、消えた侍女と小間使いの下男。


 土筆つくしは、手のひらの上の小さな竹の欠片をじっと眺めた。
 素人が荒く削ったような薄い竹片は、土筆の指先よりも小さい。そこに、紐でも通すのだろうか、小さな穴が2箇所空いている。

 こんなこと、考えるなんて馬鹿げている。

 でも、ひょっとしたら……万に一つ。あるかもしれないーーー

 その考えが浮かんだとき、土筆は、口にせずにはいられなかった。

「夕星姫は……本当に殺されたのでしょうか?」
「……どういうことでしょう?」

 時峰ときみねが、怪訝な声で問い返す。
 土筆は、自分の考えたことを、順を追って説明した。

 すると時峰は、土筆の言わんとすることを理解し、そして頷いた。

「なるほど、そういうことも考えられますね。」

 話を最後まで聞き終えた時峰は、立ち上がって、言った。

「それでは一つ、貴女の仮説に立って動いてみましょう。」

 土筆は慌てて、扇で顔を隠した。
 立った時峰は、几帳よりもずっと高い。覗き込まれたら、顔を見られてしまう。

 しかし時峰は、こちらに視線を寄越すことなく、庭に降りた。

「あっ、くつ……」
「沓なら、ちゃんと、ありますよ。」

 時峰が自分の足を指している。
 今夜は、意外と雲が厚いようだ。明かりのない庭は暗く、薄っすら浮かび上がる時峰のシルエット。足元は、確かに沓のような形をしている。
 女房に案内されてここに来たはずなのに、何故、沓を持っているんだろうと不思議に思っている土筆に構わず、時峰は、

「今宵、私は、これで失礼いたしましょう。」

 告げる時峰の表情は見えない。

「なんせ、これ以上ここにいると、その几帳を越えてしまいたくなりますからね。」

「なッ………!!」

 土筆は驚きのあまり、思わず、扇を取り落とした。

「ご冗談は止してください。」

 そんなことを、なんの躊躇いもなく言うなんて、流石、好色男プレイボーイと名高い、藤原時峰だ。

「明日の晩も、来ていいですか?」
「ダメです。」

 土筆は即答した。

「二日続けて、夜に訪れるなど、誤解されます。」
「うーん。私は誤解されてもいいのですが……」

 時峰がまた、さらりと凄いことを言ってのける。と、その瞬間、強い風が吹いた。

 花の宴をしている庭の方から飛んできたのだろう、紅色の花びらが、二人の間に舞う。それと同時に、雲が切れた。月明かりが差した。

 慌てて扇を拾う土筆に、

「それでは、三日後、昼間に訪れましょう。事の顛末をお話しに。」

 それくらいはいいでしょう、と無邪気な子供みたいに、時峰が訊ねた。

「……分かりました。」

 確かに、事の顛末は気になる。自分が考えたことが合っているかどうか。
 だから、昼に訪れるならいいだろう。

 時峰に、再び会うのは危険ではないかと頭の中で鳴り響く警鐘を、土筆は理屈で抑え込んだ。

 時峰は、土筆の返事に満足したらしく、

「では、また三日後に。」

 と、爽やかに手を振って、庭の木の陰に消えていった。


◇  ◇  ◇


 部屋の外で、蛙がなく声が喧しい。
 春だから、仕方がない。
 ましてや、ここは右京の外れだから、仕方がない。

 明星あかぼしは、筆を手に持ったまま、軽く目を閉じた。

 父が生きていた頃が懐かしい。
 あの頃、屋敷は、左京三条にあって、庭には、季節の花々が趣味よく植えられていた。

 父はあまり社交的な人ではなかったから、他の貴族たちに比べれば、来客が多いわけではない。それでも、夕星ゆうづつ、明星姉妹は、それなりに評判だったと思う。

 あの日々が、遥か遠い昔のことのようだ。

「……明星さま?」

 明星は、女房に呼ばれて、ハッと気を取り直して、筆を置いた。

「写経……でございますか?」
「えぇ。まさか、あんなことが起こるなんて、思わなかったから……」

 不思議なものだ。

 そう仲が良い姉妹ではなかったのに、死んだと思うと、自分の身体の一部が消えたような気がする。

「せめて、弔ってあげたいと思って。」
「それは、良いことでございます。」

 年老いた女房も、しみじみ答えた。父の代から当家に仕えている、この女房は、何度、暇を告げても、頑として聞き入れない。

「それで、私に何か用事だったかしら?」
「あぁ、そうでした。」

 すすすと膝行して、明星の前で両手をついた。

「また、近衛中将殿がお見えです。」
「………藤原時峰どのが? また?」

 先日、夕星が死んだことは告げたはずだ。明星とは、元々面識がないのだから、もうここに来る理由はない。

「困ったものですね。中将殿も。夕星と添うつもりがあったわけでもないくせに、何をそんなに拘っておられるのか。」

 ため息をついた。

「お会いするつもりはない、とお断りくださいな。」

 明星は、再び小筆を手にした。
 しかし、女房が首を振った。

「それが……中将殿がおっしゃるには……」

 女房は、オドオドとしながら、

「下手人が分かった。だから、ーーーと。」

 明星はハッとして顔を上げた。筆先から墨がポタリと落ちる。黒いシミが広がった。

「中将殿は……藤原時峰さまは、夕星に会わせてくれ、とおっしゃったのですか?」
「えぇ。えぇ、確かに。」

 女房は首をブンブンと縦に振った。 

「聞き間違いではございません。確かに、そうおっしゃいました。」

 明星が、筆を硯に戻す。

 それを見て、女房が尋ねた。

「お会いに………なりますか? 。」

 気づかれた以上、このまま黙ってやり過ごすことは難しいだろう。

 やはり、自分が明星あの子に成り代わるのは無理があっただろうか。

 夕星は、目を瞑って、ゆっくりと頷いた。

「………えぇ。会うしかないようね。」


*  *  *


 夕星が都に戻ってきたのは、父が亡くなってから、ちょうど3年後だった。

 父が亡くなる少し前にまとまった縁談は、父の喪が開けて、すぐに結ばれた。そのときは、父という後ろ盾がなくなっても、約束通り履行された婚約に、安堵したものだった。

 それから夫となった人の地方への任官が決まり、それに付き添った。

 そして2年。

 夕星にとっては、辛い日々だった。

 都とは勝手の違う土地で、それでも最初の頃は、良かった。夫が夕星を大切にしてくれたし、土地の者たちも、京からきた姫を饗してくれた。

 雲行きが怪しくなったのは、半年ほど経った頃だった。

 段々と、夫が、夜を外で過ごすようになった。

 その約1年後、女に子ができたらしいと告げられた。

 夕星には出来なかった子が、できたのだ。

 それも、厄介なことに、相手の女が土地の豪農の娘だった。

 夫は、女を屋敷に引き取った。
 夕星は、その女のために、夫が屋敷の北側に設けてくれた上等な部屋を、譲らなければならなかった。
 それはつまり、実質的な北の方(正妻)の地位を明け渡すということだった。

 土地の者たちは、当然のように、その女を持て囃す。まるで、京から来た姫のように。
 本当の京の姫はーーー見向きもされなくなった。

 屋敷に産声が響いた翌日、夕星は、古くから付き添っている女房と二人、屋敷を出た。

 夫にも、情けがあったのだろう。
 京への道中の足だけは、手配をしてくれた。

 京へ帰ったとて、頼るものは妹しかいない。
 父が亡くなり、後ろ盾のなくなった妹は、父が所有していた古い右京の屋敷に移っていた。

 仲の良い姉妹ではなかったが、それでも、頭を下げて、置いてもらった。

「あら、お姉様。結局、出戻ってきたのね。」

 妹は、冷たく嗤った。

 明星は、幼い頃から、周りにチヤホヤされて、持て囃されるのが好きだった。男に媚びることばかり考えていた妹と、夕星は、昔から気が合わなかった。

「離縁されたんですって? 仕方がないわ。お姉様は、面白みも、可愛げもない女ですもの。」

 夕星が京を離れていた2年。明星もまた、辛く惨めだったのだろう。
 夕星も援助らしい援助をしてやることは出来なかった。彼女の気性からしたら、耐え難い屈辱の日々だったと思う。

 その耐え難い日々の中に、夫を女に寝盗られ、追い出された女ーーー夕星という、見下すべき存在が現れたのだ。

 その惨めさからくる鬱憤は、すべて夕星に向けられた。

 明星のところには、ひっきりなしに違う男が出入りしていた。

「お姉様のところは、誰もいらっしゃらないのね。お気の毒さま。」

 会えば嘲るように詰ってきたが、文句を言う事は出来なかった。

 夕星にも、負い目があった。妹を一人置いて嫁ぎ、そして、なんの援助もしてやれなかった。

 それに、今の夕星の食卓には、あの子が男から贈ってもらった食べ物の残り滓が並ぶ。
 食事の支度を始めとする雑事も全て、彼女の雇った侍女と下人がしてくれていた。

 彼女がいなければ、夕星の日々の糧はままならない。

 だから、夕星は、明星の嫌味も嘲笑も受け止めた。

 ある日のことだった。
 明星が、夕星を自分の部屋に呼びつけた。

「お姉さま。私、結婚が決まったの。」
「結婚……? そう……おめでとう。」

 あちこちの男と娼婦のように関係を持っていた明星だから、一人の男と結婚することはないと思っていた。だが、それでも、めでたいことに変わりはない。

「ごめんなさいね。何もしてあげられることがなくて……」

 父がいない今、唯一の身内の自分が、嫁ぐ妹に何かしてやるべきなのだろうが、夕星には、その財力がない。

「別に、あてにしちゃいないわ。」
「でも……」

 すると嗜虐的に唇を歪めて、

「ねぇ、聞かないの? 私の結婚相手。」
「……誰なの?」

 嫌な予感。
 こういう言い方をするときの明星は、たいてい夕星を見下すのだ。

「お姉さまも、よく知っている方よ。」

 明星の結婚相手は、かつて、父の従者をしていた青年だった。今は出世して、美濃にいるという。
 夕星が幼い頃から、よく面倒を見てくれた、優しい人だった。

「それでね、私たちが苦労していることを知って憐れに思って、妻にという話を頂いたの。」
「そんな……話は、聞いていないわ。」
「当たり前じゃない。手紙は、私にあったんだもの。」
「そう……だったの?」

 明星がクッと嗤った。

「嫌だわ。お姉様のところに、縁談が来ると思ったの? あちらも、傷物の女はお断りだって、おっしゃいましたよ?」

 身の程知らずなのね、と憐れむように言う。

「だから、あれほどお通いの中将さまも、お姉様に手を出されないのよ。」

 明星の言葉に、ガンと頭を殴られたような気がした。
 地面がグラリと揺れる。

 何度となく浴びてきたはずなのにーーーそれでも、中将のことを言われるのは、堪えた。

 憧れはあった。素敵な方だな、という好意も。だから、淡い期待を抱いた。

 けれど、中将は、夕星のことを、そういうふうには扱ってくれなかった。友人以上の関係には、してくれなかったのだ。

 中将が求める女性は、自分ではないのだ。

 心底、自分という存在に、価値がないのだと思わされる。

 いや、今更そんなことを考えていたって仕方がない。

「ともかく、お屋敷は、お姉様に譲るわ。私はここを出るから、どうぞ、あとはお一人で。」

 明星が、お寂しいこと、と高らかに嗤った。

 女房から真相を聞いたのは、その三日後だった。何やら、慌てた様子で部屋に飛び込んできた。

「夕星さま。」

 手に、蛇腹に折り畳んだ手紙を数通、携えている。

「これを……これを、ご覧ください。」

 手紙は、明星の婚約者が明星に宛てたものだった。だが、一通目のみ、宛名が夕星と明星に宛てになっている。

 手紙の中身は………ーーー

「これを……どこで……?」
「明星さまの部屋でございますッ!!」

 手紙には、父を亡くし、辛い想いをしているであろう姉妹を思い遣る言葉。そして、その中には、明確に書いてあった。世話になった父の恩に報いるために、自分で良ければ、夕星姫か明星姫のを娶りたい、と。

「私か明星を………?」

 夕星が結婚したことは知っているはず。にも関わらず、このように書くということは、離縁されたことをどこかで聞いたのだ。
 それでも、妻に迎えて良いと言ってくれたのだ。

 だが、明星は、「離縁された女は娶れない」と告げられたからと、言った。

「嘘っぱちだったんですよ、全部ッ!!」

 女房が悔しそうに地団駄を踏んだ。

「これを読んでください。続きです。」

 渡されて開いた手紙は、明星が出した手紙への返事らしい。
 中には、非難めいた口ぶりで、「離縁されて傷ついたとはいえ、夕星が家に男を代わる代わる呼ぶような女だとは残念だ」、「失望した」と書いてある。また、近衛中将もつくづく女の見る目のない方だ、と。

「明星が相手方に言ったんですよ! まるで、夕星姫が男漁りをしているかのように!! しかも、あの女、夕星さまが、近衛中将殿と結婚する予定だって告げたみたいです!!」

「そんな……」

 あれほど、中将とのことを憐れみ、蔑んだのに。
 本当に次から次へと男と関係を持っているのは明星の方なのに。

 なのに私は、離縁されたという、その事実一つで、まるで価値のないもののようにされたのだ。


ーーーだから……だから、私は……

 握った拳の爪が、夕星の手のひらに食い込んだ。


「だから、私は……あの子を……」

「殺してませんよね?」

 御簾の向こうから、低く、落ち着いた声が響く。

「夕星姫。貴女は、明星を殺していない。そうですよね?」

 中将、藤原時峰は、夕星に確認するように、そう尋ねた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

伏線回収の夏

影山姫子
ミステリー
ある年の夏。俺は15年ぶりにT県N市にある古い屋敷を訪れた。大学時代のクラスメイトだった岡滝利奈の招きだった。屋敷では不審な事件が頻発しているのだという。かつての同級生の事故死。密室から消えた犯人。アトリエにナイフで刻まれた無数のXの傷。利奈はそのなぞを、ミステリー作家であるこの俺に推理してほしいというのだ。俺、利奈、桐山優也、十文字省吾、新山亜沙美、須藤真利亜の6人は大学時代、この屋敷でともに芸術の創作に打ち込んだ仲間だった。6人の中に犯人はいるのか? 脳裏によみがえる青春時代の熱気、裏切り、そして別れ。懐かしくも苦い思い出をたどりながら事件の真相に近づく俺に、衝撃のラストが待ち受けていた。 《あなたはすべての伏線を回収することができますか?》

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

消された過去と消えた宝石

志波 連
ミステリー
大富豪斎藤雅也のコレクション、ピンクダイヤモンドのペンダント『女神の涙』が消えた。 刑事伊藤大吉と藤田建造は、現場検証を行うが手掛かりは出てこなかった。   後妻の小夜子は、心臓病により車椅子生活となった当主をよく支え、二人の仲は良い。 宝石コレクションの隠し場所は使用人たちも知らず、知っているのは当主と妻の小夜子だけ。 しかし夫の体を慮った妻は、この一年一度も外出をしていない事は確認できている。 しかも事件当日の朝、日課だったコレクションの確認を行った雅也によって、宝石はあったと証言されている。 最後の確認から盗難までの間に人の出入りは無く、使用人たちも徹底的に調べられたが何も出てこない。  消えた宝石はどこに? 手掛かりを掴めないまま街を彷徨っていた伊藤刑事は、偶然立ち寄った画廊で衝撃的な事実を発見し、斬新な仮説を立てる。 他サイトにも掲載しています。 R15は保険です。 表紙は写真ACの作品を使用しています。

ビジョンゲーム

戸笠耕一
ミステリー
高校2年生の香西沙良は両親を死に追いやった真犯人JBの正体を掴むため、立てこもり事件を引き起こす。沙良は半年前に父義行と母雪絵をデパートからの帰り道で突っ込んできたトラックに巻き込まれて失っていた。沙良も背中に大きな火傷を負い復讐を決意した。見えない敵JBの正体を掴むため大切な友人を巻き込みながら、犠牲や後悔を背負いながら少女は備わっていた先を見通す力「ビジョン」を武器にJBに迫る。記憶と現実が織り交ざる頭脳ミステリーの行方は! SSシリーズ第一弾!

【R15】アリア・ルージュの妄信

皐月うしこ
ミステリー
その日、白濁の中で少女は死んだ。 異質な匂いに包まれて、全身を粘着質な白い液体に覆われて、乱れた着衣が物語る悲惨な光景を何と表現すればいいのだろう。世界は日常に溢れている。何気ない会話、変わらない秒針、規則正しく進む人波。それでもここに、雲が形を変えるように、ガラスが粉々に砕けるように、一輪の花が小さな種を産んだ。

【完結】リアナの婚約条件

仲 奈華 (nakanaka)
ミステリー
山奥の広大な洋館で使用人として働くリアナは、目の前の男を訝し気に見た。 目の前の男、木龍ジョージはジーウ製薬会社専務であり、経済情報雑誌の表紙を何度も飾るほどの有名人だ。 その彼が、ただの使用人リアナに結婚を申し込んできた。 話を聞いていた他の使用人達が、甲高い叫び声を上げ、リアナの代わりに頷く者までいるが、リアナはどうやって木龍からの提案を断ろうか必死に考えていた。 リアナには、木龍とは結婚できない理由があった。 どうしても‥‥‥ 登場人物紹介 ・リアナ 山の上の洋館で働く使用人。22歳 ・木龍ジョージ ジーウ製薬会社専務。29歳。 ・マイラー夫人 山の上の洋館の女主人。高齢。 ・林原ケイゴ 木龍ジョージの秘書 ・東城院カオリ 木龍ジョージの友人 ・雨鳥エリナ チョウ食品会社社長夫人。長い黒髪の派手な美人。 ・雨鳥ソウマ チョウ食品会社社長。婿養子。 ・林山ガウン 不動産会社社員

処理中です...