2週間と200余年と。出会って変わったふたりの始まり。~ハロウィンダンションで

なかむ楽

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07.ヤればヤれる子①

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 ボコボコに殴ってやる予定で拳と足に力を入れる。セムは指を振ってなにやら文字を書く。知らない魔法だと、虚をつかれた。空中に残った光る文字が光る縄になり、フィーリーの手首、腕、足首を拘束した。

「なんでそーなる!? なんでこーなる??」

「フィーリー。愛を語らいながら、えっちしましょう」

「断る」

「減らないんでしょう?」

「根に持つ男はモテねぇぞ」

 フィーリーは後ろに下がろうとして、どすんと尻もちをついた。ブーツのヒールさえなければ転ばなかったのに。その上にはぁはぁと興奮しているセムが乗ろうとする。

「いつも僕ばかり下でしたし、いいですよね?」

「すぐに射精して、魅了チャームを解いてやんよ。シラフに戻った時に後悔させてやるからな」

「後悔させてくださいよ」

「じゃあ、しゃぶってやるから来いよ」

「きゃー。惚れちゃいそう☆ ……女子はそんな言葉使いませんよ~」

「うるさいなぁ。さっさとイかせてやるって言ってんだよ。さっさと出しやがれ」

「いつもは、まだイくなって言うくせに」

「それはそ──んんっ」

 輪郭をなぞっていたセムの指がフィーリーの口のなかに入ってくる。
 ふんっと鼻息をしてから、フィーリーは丁寧に指をしゃぶる。唾液をたっぷり出して舌で扱く。

(生意気な。絶対、先にイかしてやる)

「あは。すっごくえっち」

言ってやがれいっへやはれ

 ちゅぱちゅぱ指を舐められているセムの目元は、すっかり赤く上気している。いやいやと言いつつもノリノリになる可愛らしいペットのような男はここにいない。ガッテム。
 ブラジャーの上からもにゅもにゅとおっぱいを揉まれているだけで、ぽろりとおっぱいがあらわになる。頼りにならねぇ防具だ。

「フィーリーのおっぱい……。とてもきれいですよね。おっきくて、秋の豊穣の女神より、優美」

 秋の豊穣の女神は像でしか知らないし、実在しているのかも知らない。そんなもんと比べて褒められて嬉しいと思い上がるなよ。ほんとはちょっと嬉しいんだからな。

「ちょっと揉んだだけで先っちょがツンツン。女の人全員がこうじゃないですよね? フィーリーがえっちな牝犬だからこうなるんですよね?」

誰が牝犬だひゃれがめふいぬらシバキ倒すぞひはきはおふそ

 指を舐めているせいで、なんの凄みもない。
 ふるふる揺れる乳首を、あんっと大きく口を開けたセムが銜える。舌で転がされ、れろれろと尖った舌先がくすぐる。

「んっ」

 シラフのセムに教え込んだこと。飴を転がすように転がせ、をちゃんと実践している。弱々しい転がし方ではなく、遠慮しないのがいい。
 そのうち、薄い肌をちゅうちゅう吸われ始め、腰にじんじんと熱が溜まり始める。
 ちらっと合った、青い目がぎらついていて、フィーリーの胸を期待で高鳴らせる。
 ぢゅぅうっ。突然強く吸われ、自然に背中がしなった。

「あ、はぁっ」

「強がっているけど、本当はドMえっちっちなんでしょう?」

「なに言っ────~~っ♡」

 乳首を噛まれて、目の前がチカチカした。どうやら軽くイったらしい。とぷとぷと零れる愛蜜が小さなパンツから溢れそうで、太腿を擦り合わせてしまう。すると、勃ちそうな秘粒と膨れつつある陰唇がぬるぬる擦れてもどかしい。

「ふふっ。フィーリー。かわいくイったじゃないですか。可憐な僕のフィーリー」

 反対の乳首もちゅぱちゅぱ吸われながら、片手で唾液まみれの敏感な乳首をつまみ扱かれる。乳首に形よい歯を当てられると、ゾクゾク熱が背筋を駆け下りる。
 誰がかわいいのか。人生で可愛いと言われた年頃はとうにすぎた。現在は駆逐者デストロイヤーという通称が似合う、逞しい女魔法剣士だ。これまでの恋人たちからも、かわいいだの、可憐だの言われたことはついぞない。

(だから、ちょっと照れるじゃねーかァ!)

「ここはどうなってますか?」

 ちゅぱっと離れた指が、コウモリの翼がついた小さな小さなショーツの下の恥丘をふにっと押す。ちょっとめくられたら和毛が見えてしまうくらい、布がない。
 セムは無遠慮に乳首をちゅうちゅう吸いながら、薄い布越しに恥丘を押して、勃ち始めたばかりの秘粒をくにくにと押している。

(うそ。同時に触れないセムが!?)

 そう。セムはおっぱいを愛でる時はおっぱいだけ。秘所を触る時は秘所だけ。シングルコアのようにひとつずつしか処理できずにいた。10日前まで童貞だったからしかたない。
 魅了チャームのおかげで、やればできる子になっている。ほんのちょっぴり、あの女の子アンデッドに感謝だ。

「セム。ちゃんと触って」

 刺激が小さい。もっとガツンとほしい。

「ドMえっちっちって認めます?」

「はぁ!? そんなん認めるわけ……」

「ぐしょぐしょにしてる場所を大きく開いて見せてくださいよ。ねぇねぇ。はーやーくー」

 と言っている天使ほんにんが、足首の拘束を解き膝を押して、大きくぱかぁっと開脚させる。

「太腿までぐっしょぐしょにしてますよ。……ああ、大事なところがくぱぁって丸見え。ああ、そうか。だから、着たままで僕のを挿入できるんですね。人間は便利でおハレンチな下着を履いてるんですね。サキュバスみたい」

「……見……」

 見るなと言いたい。だが、言ったら負けのような気がする。だいたい。攻めることは多々あれど、攻められるのは慣れてなくて、照れる。恥ずかしい。自分から進んで見せる分には恥ずかしくないのに!
 しとどに濡れている肉びらをセムの指が解してゆく。早く、早く、しっかり触ってほしいのに、むず痒さが込み上げてくる。



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