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4.番外編②
57-11.紅茶にミルクとお砂糖と幸せを⑦
しおりを挟む「さあ、藍さん」
「え、でも……」
座った舜太郎の腕に招かれ、しっかりとした男の腰に背中を向けてまたぐ。愛蜜でべったりとしたお尻に、熱い塊がくっついて、胸が高鳴る。
けれども、舜太郎に背中を向けているのに不安を覚える。
(入れるところ、見えちゃう)
明るい昼間のうちのセックスにも慣れないし、こんなに丸見えのセックスにも慣れない。
薄暗いと安心して乱れられるが、明るいと舜太郎の目が気になって大胆になりきれない。
(反対に、舜太郎さんが感じているのが見えていいんだけども。逆も然りってやつよね)
ぬらりとした屹立に手を添えて、息を吐きながら迎え入れようとする。柔らかくなっている蜜口に亀頭の一番太い場所が挿入ると、腰にぞわぞわっと熱が走る。
「ん……、あぁ。お……っ、きい」
藍は目を閉じて恥ずかしさを追いやり、そこに意識を向ける。
舜太郎の男性器は大きいと思う。過去、付き合ってきた数少ない彼氏としか比べられないし、そんなにまじまじと性器を見たわけじゃないから、どれくらいが平均か実体験ではわかりかねる。
ネットで調べた平均的な長さと太さよりも、かなり大きい。でも、苦痛がないのが不思議だった。
「上手になりましたよね。こちらで呑み込むの」
「や、見ないで……っ」
と言いつつ、感じている舜太郎が見たくて薄目を開ける。
すると、曇りつつある鏡に淫らな顔をした自分が舜太郎の上に乗っているのが丸見えだった。
「気がつきました?」
「や、鏡……っ」
舜太郎の眼差しは、熱く、ぎらついているのに、赤くした目元が蕩けている。涼やかで飄々とした普段の彼から信じられない色気ある情欲だ。「はぁ……」と聞こえる深い溜め息は、藍だけのものだ。
(やっぱり、過去のことにやきもち焼いてたんだ、わたし)
でも、現在愛し愛されているのは自分だと自信を持って言えるのは、舜太郎が惜しみなく愛をくれるからだ。
「あ、あ……、ぜんぶ、挿入っちゃい、ました。……ぁ」
ぐじゅっと結合部が音を立て、藍から愛蜜が溢れるのを聞かせる。
鏡の向こうの顔がとろけている藍の大きな胸を後ろから大きな手で捏ねられる。いやらしくかたちを変える胸を見ると、下腹部がきゅうんと切なくなる。
「……あ、はぁっ。……ん、あ♡」
「ん。藍さんの腟内ぎゅうぎゅうで……あたたかい。……すごく、すてきだ」
動くとも言ってないのに、藍の腰が勝手に動いて最奥と秘粒を結合部に擦り付ける。
目を閉じれば、舜太郎だけ感じられる。それに、恥ずかしさが少なくなった分、快感が大きくなる気がした。
「あっ!」
上下に揺れる乳房を掴まれ、過敏になっている乳首を乳輪ごと嬲られて、より昂る。足を使って激しいピストン運動が止まらないのは、舜太郎を感じさせたいのと、藍自身が感じたいからだ。
お気に入りのところを逞しい肉の先でぐりぐりするのも、太い幹が出入りする浅いところを夢中になって味わい酔いしれる。
限界が近くてぶるぶる震えているのに、腰が止まらない。
「そこがお気に入りですね」
男の舜太郎には生殺しになっているのを藍は知らない。目を閉じているから、気持ちよくて、強すぎない快感を藍は自然に選んでいる。
「止まらない……んだもの……っ♡♡」
「そろそろ、僕も止まらなくなっていいですよね?」
「どういう……? あああっ♡♡♡」
しっかりと腰を掴まれて、力強く突き上げられた。強い衝撃が藍のしなやかな背を弓のようにしならせた。がつがつ突き上げられるたび、乳房が大きく弾んで揺れる。
「あっ♡ は……っ♡ つよ……ぃ♡ ……っちゃうっ、だめ♡ もぉ、……くぅっ♡ ああ、だめぇ♡ それ、だめ♡」
身体は倒れそうなほどしならせて、あまりにも強い快感から逃げようとする。でも、寄越される快感を受け取っている心は、絶頂をたまらなく悦んでいる。
「あぁ────♡ あ──ぁぁ──~~♡」
涙と涎を零しながら、全身全霊を舜太郎に委ねている。強すぎる快感から解放されたい。でも、永遠に続いてほしい。
「もう少し、付き合ってください」
舜太郎に汗で冷えた背中を抱きしめられ、繋がりがより深くなったが、藍はホッとした。
「早くあなたのなかで達きたいんですが、このまま永遠に繋がっていたいって思ってるんです。……女の人には苦痛かもしれませんが」
「……いいえ。わたしもそう思ってました。さっき」
呂律があやしいので、きちんと聞こえたかわからないが。
「しゅんたろうさん。ひとつだけ、おねがいがあるんですが、いいでしょうか?」
「なんですか? なんだって叶えてあげますよ」
バリトンが耳に優しく響いて、ぞくぞくするのも止まらない。身体の芯もトロトロになっているのがよくわかる。
藍は身体をよじって振り返り、舜太郎の精悍な頬にキスをして、目を合わせた。優しい色の瞳に自分が映っているのは、ことさら特別な感じがする。
「藍って、呼んでください。あの、さっき、よびすてで呼ばれて……、ぼくのつま、おくさんって言ってもらえるいじょうに、うれしくて」
藍はふにゃんと笑う。玉の汗が頬を伝う。
「そんなのでいいんですか?」
お願いごとがあまりにも小さく可愛らしくて、舜太郎はまばたきを繰り返す。
「舜太郎さんは、めったに人を呼び捨てにしないでしょう? だから……特別感というか、スペシャルな感じがあって」
照れ隠しに笑うと、舜太郎が唇を噛むような勢いでキスをしてきた。唇も口内も興奮のままに奪われて、藍は溺れ喘ぐ。腟内にいる、舜太郎の分身がびくんびくん跳ねて、膣壁のあちこちを刺激する。
キスが止むと、藍の柔和な頬を両手で包んだ舜太郎が真剣な眼差しで見つめた。
「……そんなのでいいんですか? ……あなたって人は欲がない」
「ありますよ。独占欲。すっごくあるんです。舜太郎さん」
笑おうと思ったが、急に立ち上がられて、目を白黒させた。きゃあっと言わなかったのは、言えなかったからだ。キスをしながら、舜太郎は立位のまま抽挿を再開した。しかも激しく、深く、幾度も。片足を大きく上げられ、藍は鏡に手をつく。
乳房を揺さぶりよがり狂ういやらしい自分より、自分をひたすら求めてくれる舜太郎の姿に魅入りながら、強烈な快感に身を任せる。
「藍。藍。……僕の、藍」
「あ♡ あ♡ しゅ、たろ、さん♡♡♡」
藍と呼ばれるたびに、腟が射精を促すようにぎゅんぎゅん収斂している。舜太郎は(魔性だ)と思いながら、奥歯を噛み締めて我慢している。
乱れに乱れている藍が、狂おしいほど愛しくて。
「射精るっ。……藍、あいっ」
ずっとイきっぱなしの藍から舜太郎は出て、白いお腹と乳房に熱い精液を勢いよく掛ける。びゅっ、びゅゅっ、びゅるっ! 飛んだ白い体液を、藍はうっとりとしたまま壁を背にしてずるずると沈んでいきながら、粘度の高い精液を手で触り、ぺろぺろと舐めとる。
「は……、はぁっ。僕の匂いと味はどうですか?」
舜太郎は、鈴口からまだ精液を零す肉棒を、愛蜜と先走りでふやけさせた秘所に、ぐじゅんっと、差し込む。
「あ……、藍。まだ終わらないよ」
「ん、ふぅっ♡」
恍惚としている藍は、一度目よりもさらに敏感だ。全身が性感帯にでもなったように、手で軽く触れるだけで感じる。それがいい。
お腹にぶっかけた精液を舜太郎は、染み込ませるように丹念に擦り込ませる。乳房も自分のものだと主張するように青臭い液体を塗り込み、ツンツンに尖った乳首を舌で念入りに可愛がる。
「あ……あ、まって。まだ……」
とろとろに蕩けた顔の藍は、快感が過剰だと訴えたいようだが、腟が衰え知らずの肉棒をぎゅうぅっと締めつけながら、いいところに当たるように腰を捻らせる。
自然にやっている、貪欲で淫靡な妻が愛しい。愛しくて、おかしくなりそうだ。
「藍のなかで果てたい。藍も欲しいでしょう?」
「ん。んん……っ。しゅんたろうさんの、せいえき、いっぱいください♡ すき♡ だいすき♡」
ぎゅっと抱きついて藍が言う。果たして、彼女は覚えているだろうか?
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