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10.ロゼッタと魔力の貸借
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しおりを挟む「そんな物足りない顔をするなよ、ロゼッタ」
「……もの、足りなくないです」
カウチソファから降りたマシューを目が追いかけ、彼が膝をついた。
え? と思うロゼッタをよそに、汗ばんだ太腿を持ち上げられて、慌てて秘所を隠そうと手を伸ばしたが、ソファに倒れ込んだせいで隠せなかった。
「や……! 見ないで、ください」
「つれないことを言うな、ロゼッタ」
艶然としたアメジストの瞳に見つめられ、ロゼッタは顔を隠した。マシューに見つめられると困るのだ。
「そんなところ……」
秘所がヒクヒク勝手にひくついて、潤みきっているのに新しく愛液をはしたなく滴らせてしまう。
彼が太腿を肩に担いだから、足を閉じることもできない。
──堪えきれない。
「だめ、だめです」
指の隙間から、秘所を見つめているマシューを見ると、その色っぽくたれた目と目が合った。
彼は猛獣が狙いを定めたように目を細くして笑った。
「なにを……」
彼が足の間に顔を埋める。まさか。
「やぁ……、あ!」
熱くてぬるぬるとした舌が秘所を這う。指とは全然違う感触が背筋と腰をふるふる震わせた。
「想像したんだろ?」
「して、ない……、ですってば、ひあ、ああ……」
第一、こんな破廉恥極まりないことは本に書かれてなかった。
「やめ……、おね、がい、ぃ……ぁ、くふぅ」
「そのお願いは叶えてあげられないな」
「はぁ……あぁ……、ふあ、ああ。とけちゃう……ぅ」
舌をねっとりと這わされると茹だった全身が蕩けてしまいそうに力が抜けて、くらくらとしてしまう。かと思えば、じゅるじゅると音を立てて吸われ、ロゼッタはいやいやと首を振って人参色……夕焼け色の髪を振り乱す。
「ひ、うっ……ぅ」
過敏になった女芯を尖った舌先でつんつんとつつかれて、びくんと腰が跳ねた。同時に未開通の蜜壺に硬い指を入れられ、足先にぎゅっと力が入る。
「二本にすると、キツいな」
隘路はぎちぎちで、ロゼッタの意に反して指を締めつけてしまう。痛くはないが、異物感がある。
マシューが女芯をぺろりと舐めて、ちゅうっと優しく吸いつく。指で扱かれるのとはまた違う快感がやって来て、ロゼッタを翻弄させる。
蜜洞の異物感はなくなったかわりに、浅い部分を引っ掻かれて、蜜とともにマシューへの思いが溢れる。
「あ──ああ、すき、好きです。マシュー、さぁ……ん……んん」
ロゼッタは彼の長い髪を掻き混ぜて、絶頂し続ける。
「────ひ、ああ」
なにも考えられない。マシューがくれる快楽に身を委ねてひたすらあられもない声を上げ続ける。
「かわいいよ、俺のロゼッタ」
「…………──あああ──!」
強く女芯を吸われ、蜜壺をぐりっと掻き回されて、大きすぎる絶頂の波にさらわれた。
多幸感と恍惚が降り注ぐ。蜜壺の奥は切なくきゅんきゅんしている。マシューに処女を捧げるのだとロゼッタは期待した。
しかし、マシューはロゼッタの乱れたガウンを直して、座り直すと息が整ってないロゼッタの髪を手ぐし丁寧に直した。
「マシュー……さん、はぁ……」
「今はまだ、これ以上はしない。俺のケジメだ」
「……はい」
それに。と付け足した彼の目線の先は、強い輝きを発する魔術スティックだ。
「魔力が充分そうだな」
(こんなにも、強く……輝くんですね。安心しました)
アメジストの光がマシューの横顔を照らしている。魔力を借りられたのだと、ロゼッタは安心した。
ガウンを直してもらっても、火照りがなかなか引いていかない。彼は息を乱していないのに。
「マシューさん。手を、つないでてもいいですか?」
ロゼッタは、まだじんと疼く下腹部に違和感を感じながらソファに深く座わる。マシューの肩に、まだ髪乱れが残る頭を預けて深呼吸を繰り返す。
もちろん、マシューがどれだけ我慢しているか、ロゼッタは知る由もない。
「ああ、いいよ」
いつもよりも色香が強いマシューの声が胸をきゅうっと締めつけ、落ち着こうとしているのを阻む。
瞼を下ろして呼吸を整える。
(まだ、魔術の途中……なのが、すごく、すごーく、残念です。もっと……触って、愛してほしかったです。だけど、切り替えなきゃ。ロゼッタ・フリューズ。わたしは魔術師。大ウィスタリア王国一番の大魔術師・アルター・ボールドウィンが愛弟子。
マシューさんにかっこいいところを見せるんです)
「……マシューさんにも過去視が見れるようしますから呼吸を合わせてください。……それからは、わたしが導くので、任せてください」
「頼りにしてるよ、魔術師ロゼッタ」
「はいっ」
マシューとの呼吸が合ってきた頃、長い呪文を唱えながら、近頃よく馴染むマシューの体温と雰囲気に意識を集中させる。身体の芯がポカポカとあたたかくなって、優しいメロディを聞いたようになごんでいく。
(マシューさんと魔力を合わせる感覚……。美しいハーモニーが、広がっていくみたいです)
薄目を開けると、書いた魔術式が微かな紫色に輝きながら浮かんで、ゆっくりと回り始めた。
(発動した……、よかった! あとは……)
同じビジョンが見れように、強く願いながら意識を眉間に向ける。
「マシューさん。聞こえますか? ふたりでゆっくり身体の力を抜いていきましょう。まずは足先から……」
全身の力を抜くように静かに誘導しながら、ロゼッタも力を抜いていく。隣の体温がゆっくりソファに身体を沈めたのを肩で感じ、ロゼッタもまた、静かに沈んでいった。
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