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 目を覚ますと見慣れない青いカーテンの向こうが明るい。

(……ここ……)

 ロマンティックな見慣れた天蓋がぼんやりと見える。そして、身体がとっても気だるい。

(のどが、カラカラだわ……)

「フェリス」

「……める……うぃる、さま」

 思ったよりも声がかすれていた。
 シャツとトラウザーズという珍しくラフな姿の夫が、水差しから水をくれる。ゆっくり水を飲んでいると、メルヴィルがバツの悪い顔をした。

「おはよう。昨日は……今朝方までだが……、やりすぎた。すまない」

 思えば、夕日が落ちる前から子作りに励んでいた。三回、四回と求められた記憶が不確かながら朧気にある。

「えっ、あのっ。あ、謝らなくて、ください。わたくしは……メルヴィルさまに、深く愛されていて。情熱的に身も心も求められて。妻になれて嬉しかったんです」

「ありがとう、フェリス。どこも痛くないか?」

「はい。とくに」

 処女喪失後はお腹が痛むとお茶会で夫人たちのお喋りに混ざったときに聞いたような。
 フェリスの痛みがないのは、強力な媚薬混じりの唾液と精液のせいでもある。が、本人たちは知らない。

「こちらへ、フェリス」

 起き上がったフェリスは裸だった。しかも、愛された形跡が白い肌に濃厚に残されている。
 明るい寝室で立ったフェリスは胸と恥丘を隠そうとしたが、メルヴィルに隠すなと言われて、所在なさげに手が下がる。
 椅子に座っているメルヴィルがじっくりと見ている。見られている。かぁっと顔が熱くなり、もじっと足を動かすと、さらりと男女の体液が太腿を伝う。排出されないほど子種を残されたのが嬉しいような、恥ずかしいような。

「フェリスは見られているだけで乳首を立たせるのか?」

「だって……メルヴィルさまが、みてる、から……」

 椅子から立ち上がったメルヴィルがフェリスを見下ろす。眼鏡の奥の青い瞳がどこを見ているのか、恥ずかしくて顔を上げられないフェリスはわからない。
 彼の大きな手がまろやかな乳房のまるみを確かめるようにさわさわと撫でる。
 くすぐったさと心地よさが乳房から波紋のように広がっていく。

(メルヴィルさまの、手のひら……、少し、あったかい)

 やがてやわやわと揉みしだかれ、膨らみつつある乳暈を男の指が弄ぶ。

(昨日の、思い出してしまうわ。メルヴィルさまがおっぱいをちゅうちゅう吸う、なんて)

「あ♡」

 長身をかがめたメルヴィルが大きく口を開けて、舌を出し、乳嘴を舐めようとしていたのを、見てしまった。昨日よりも破廉恥だと思うのは、明るいから? それとも、快感を知ってしまったから?
 目が合うとメルヴィルはにやり笑う。

「甘くておいしい。たとえようもない、おいしい果実だ」

「う、そ……です」

 肉厚な舌でれろれろ乳嘴を舐められ、しゃぶられて足の付け根がはしたなくじんじんしてくる。
 フェリスはメルヴィルの肩につかまって、いやらしさと恥ずかしさから逃げようともがく。

「フェリスはいい子だから、そのうちおっぱいだけで達せるようになる。私がすべて教えるから安心しなさい」

(メルヴィルさまが、おっぱいっておっしゃった! メルヴィルさまはおっぱいなんて言っちゃだめなんですっ)

「んん♡」

 夫の膝が恥丘をぐりぐり押して、足のあいだを広げようとしている。

「ふぁ♡」

 声をあげると、するりと夫の手が秘所に忍び込む。

「精液の残りだけじゃないな?」

「わか、りませ……ん」

「正直に言いなさい」

 フェリスは困った。言えない。でも、正直に言えとメルヴィルに命令されたら逆らえない。

「おっ、ぱいを……吸われ、て……。メルヴィルさま、だから……きもち、よくて……♡ かってに、でちゃ……ったの、です♡」

 小さな声しか出ない。恥ずかしい。恥ずかしいのに、さらに恥ずかしいことをされている。
 濡れ襞をかき分けた夫の指に、勃ちつつある陰核を見つけられてしまった。片手が恥丘をくいっとあげ、剥き出された陰核にしゃがんだメルヴィルが吸いつく。
 淫蜜と精液の匂いが濃いはずなのに。信じられないが、そこまで愛されていると思うだけで達してしまいそうだった。

「あ、ぁあああ……ぁ♡♡」

 知ってしまった禁断の味を啜らずにいられないとばかりに、吸い上げられ、未熟なフェリスは呆気なく絶頂した。

「フェリス。イくと言わないといけないな」

 ちゅばっとそこから離れたメルヴィルにベッドに押し倒される。
 トラウザーズと下着をくつろがせた彼は、フェリスにそそり立つ極大な淫靡な肉を見せつけた。
 そして、胸に跨られた。朝日が逆光になっていて、夫も、そのそそり立つ極大の雄肉も恐ろしいくらいだ。

「これの名前がわかるか?」

「……はい」

「言いなさい。それがお仕置だ」

「……っ、そんな……、言えな……」

「フェリス」

 鼻先にメルヴィルの濃ゆいいやらしい匂いがする。言わなければ、なにか恐ろしいことが起こりそうだ。

「だ、男性器、です……」

「よく聞こえなかったな」

 唇に凶暴なつるりとした先が当たっている。ぬるぬると唇に先の穴から出てきた体液を塗られる。リップでも塗るように。

「淑女が口にしてはいけない、俗な言葉を知っているだろう?」

 目をぎゅっと瞑ったフェリスはこくこく頷く。唇に粘着質な男の体液が付着し、糸を引かせる。

「お……ち、ん……ち、ん、です」

 小さく唇を動かすと、卑猥なかたちの巨大な肉の先にキスをしているみたいだ。とてもいやらしすぎて、恐ろしくて泣いてしまいそうだった。

「正解だ。よく言えたな。今度はご褒美をあげよう」

 口元から恐ろしげな肉棒が下がった。



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