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第4章
第83話
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そして……。
「これは……凄くクセのある機体ですね…。乗っていると気分も悪くなりましたし、クセが強過ぎて、ボクでは扱い切れませんね……。」
張り切ってくれたけど、トニーさんも、敢え無く撃沈っていう…。
「やっぱ、これ、オレやロクスリーが乗る必要ないだろ? 誰が乗っても、ダメだって、このKG。」
ケビンさんが、投げやりに言って来る。
まあ、その気持ちも分かるけどね。
ここまで、誰も扱い切れない機体に、オイラたちが適合できるとは思えないもん。
「アカンて! ロクスリー君が乗ってくれるかは、ともかく、ケビンは乗らな、またアイツが文句言って来るんやから!」
「へいへい。しゃあないから、乗ってみますけど、やっぱしダメでも勘弁して下さいよ?」
そう言って、ケビンさんも乗り込み、シミュレーターを起動……。
したんだけど……。
「あーッ! ホント、乗ると気分悪くなるしッ! だから言ったじゃないですかッ⁉ ダメなんスよ、このKGッ‼」
宣言通り、やっぱしケビンさんでもボロボロの結果っていう……。
「ミケさん! ミケさんッ! もう、このKG、明らかにダメな子ですってッ! ケビンさんまで全滅する様な、こんな扱いのムズい機体に、更《さら》にダメなオイラが乗っても、ダメな結果しか出ないですってッ!」
余りの結果の酷さに懇願するオイラに、
「何や、ノリの悪い子やなぁ。でも、まあ、そうやね。必要なデータは取れたんやし、あとは、クライアントのとこに着くまで、シュタイガーンバオアーには、Gデッキで眠って貰おうかね。」
ミケさんが、仕方無いなぁという感じで、妥協案を述べてくれる。
良かった。いちいち、結果が見えてるのに、恥の上塗りするなんてアレだったから。
でも、まあ、普通は、こうなるよね。
「まあ、もう他に仕事の予定もないですし、先生のところには、直ぐに到着できるでしょう。」
マカロニさんが、メガネを中指でクイッと上げながら言って来る。
「クライアントの注文やから急いだってはおるけど、ま、シュタイガーンバオアーの強奪の時は、気まぐれでアイツが注文付けて来おったから注文聞いたってザインたちは見逃したったけど、それはその時だけで、他の注文は受けてへんねんから、この前のトニー君の時は、ラフィンスカルたちのスクラップの部分パーツとかも拾えたし、ファトス村で奪ったFGは、これからアイツに会う前に途中の町で売って金にしてもええって許可は既に取り付けてんねんから、これからも、突然、うちらに楯突《たてつ》くアホ共《ども》が、仰山《ぎょうさん》、現れてくれたら、もっと金になってくれんねんけんどな!」
うししッ、とイタズラした子供みたいな顔で、ミケさんが豪語するが、
「ま、儲かる分には、どれだけバカな人たちが来てくれても良いんだけど、あの人には、急げって言われてるから、結局、できるだけ早く、あの人に会わなきゃいけないのは変わらないのよね。」
と、ユリンさんが溜息交《ためいきま》じりに被《かぶ》りを振《ふ》るい、
「まあ、野郎に、また会うのは気が乗らねぇが、姐《あね》さんや兄弟たちの為だから、超不本意だけど、仕方無く、野郎に会ってやるさ。」
ケビンさんが、ちょっと渋《しぶ》めながら、明るい声で言う。
「ミケさんたちのクライアントさんって、どういう人なんです?」
至極当然の疑問をミケさんにぶつけてみる。
「これは……凄くクセのある機体ですね…。乗っていると気分も悪くなりましたし、クセが強過ぎて、ボクでは扱い切れませんね……。」
張り切ってくれたけど、トニーさんも、敢え無く撃沈っていう…。
「やっぱ、これ、オレやロクスリーが乗る必要ないだろ? 誰が乗っても、ダメだって、このKG。」
ケビンさんが、投げやりに言って来る。
まあ、その気持ちも分かるけどね。
ここまで、誰も扱い切れない機体に、オイラたちが適合できるとは思えないもん。
「アカンて! ロクスリー君が乗ってくれるかは、ともかく、ケビンは乗らな、またアイツが文句言って来るんやから!」
「へいへい。しゃあないから、乗ってみますけど、やっぱしダメでも勘弁して下さいよ?」
そう言って、ケビンさんも乗り込み、シミュレーターを起動……。
したんだけど……。
「あーッ! ホント、乗ると気分悪くなるしッ! だから言ったじゃないですかッ⁉ ダメなんスよ、このKGッ‼」
宣言通り、やっぱしケビンさんでもボロボロの結果っていう……。
「ミケさん! ミケさんッ! もう、このKG、明らかにダメな子ですってッ! ケビンさんまで全滅する様な、こんな扱いのムズい機体に、更《さら》にダメなオイラが乗っても、ダメな結果しか出ないですってッ!」
余りの結果の酷さに懇願するオイラに、
「何や、ノリの悪い子やなぁ。でも、まあ、そうやね。必要なデータは取れたんやし、あとは、クライアントのとこに着くまで、シュタイガーンバオアーには、Gデッキで眠って貰おうかね。」
ミケさんが、仕方無いなぁという感じで、妥協案を述べてくれる。
良かった。いちいち、結果が見えてるのに、恥の上塗りするなんてアレだったから。
でも、まあ、普通は、こうなるよね。
「まあ、もう他に仕事の予定もないですし、先生のところには、直ぐに到着できるでしょう。」
マカロニさんが、メガネを中指でクイッと上げながら言って来る。
「クライアントの注文やから急いだってはおるけど、ま、シュタイガーンバオアーの強奪の時は、気まぐれでアイツが注文付けて来おったから注文聞いたってザインたちは見逃したったけど、それはその時だけで、他の注文は受けてへんねんから、この前のトニー君の時は、ラフィンスカルたちのスクラップの部分パーツとかも拾えたし、ファトス村で奪ったFGは、これからアイツに会う前に途中の町で売って金にしてもええって許可は既に取り付けてんねんから、これからも、突然、うちらに楯突《たてつ》くアホ共《ども》が、仰山《ぎょうさん》、現れてくれたら、もっと金になってくれんねんけんどな!」
うししッ、とイタズラした子供みたいな顔で、ミケさんが豪語するが、
「ま、儲かる分には、どれだけバカな人たちが来てくれても良いんだけど、あの人には、急げって言われてるから、結局、できるだけ早く、あの人に会わなきゃいけないのは変わらないのよね。」
と、ユリンさんが溜息交《ためいきま》じりに被《かぶ》りを振《ふ》るい、
「まあ、野郎に、また会うのは気が乗らねぇが、姐《あね》さんや兄弟たちの為だから、超不本意だけど、仕方無く、野郎に会ってやるさ。」
ケビンさんが、ちょっと渋《しぶ》めながら、明るい声で言う。
「ミケさんたちのクライアントさんって、どういう人なんです?」
至極当然の疑問をミケさんにぶつけてみる。
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