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第2章

第37話

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 林の茂みに身を潜め、ザインの部下たちを迎《むか》える。

「ロクスリー君! 当たらんで良い、とにかく相手の足止めや! 近づかさん様に弾幕を張り! うちも行く!」

 そう叫ぶなり、ミケさんはシュタイガーンバオアーのレーザーライフルを乱射する。


「了解っス!」
 オイラも、ゲズのバズーカをザインさんの部下たちに向かって乱射! オイラの腕じゃ当たりはしないけど、オイラだって、足止めくらい!




「フッ…フフフ…ハハハ…ッ!」
奥の方で、急にザインさんが大爆笑し始める。

「何や? スナッチャーザイン? 気でも触れたか?」
 ミケさんがザインさんを睨みつける。

「いや、なに、嬉しくてねぇ。オマエたちがオレの仕掛けにマンマと掛ったのが嬉しくてねぇッ!」
 そうザインさんが言ったかと思うと、


「ヒャハハ! KGナイトギアの後ろを取ったぜ!」

「特別報酬はオレのモノだ!」
 ザインさんの部下たちが、オイラたちの後ろからも現れて、完全に四方を囲まれる⁉


「なっ⁉」
 ミケさんが驚愕《きょうがく》の表情を見せる。

「ど…どうなってんスか、ミケさん⁉」

「クッ…マンマと、この場所に誘い出されてもうた! うちらがセオリー通り、林を遮蔽物《しゃへいぶつ》に籠城《ろうじょう》すると踏んで、うちらがここに来たら囲める様に部隊を展開《てんかい》しとったんや!」
 ミケさんが苦しそうに言う。




「フフフ…ハハハッ! その通り! だが、まだあるんだぜ?」

 ザインさんが笑いながらも目をギラつかせる!

 すると、林の上からネットが落ちて来るッ⁉


「ウガッ…マジで⁉ 今日、2回目なんだけどッ⁉」

 スタンネット! まさかのスタンネット!

 絡みついたネットが電気を流し、ゲズとシュタイガーンバオアーのジェネレーターを麻痺させる!




「クッ…ネットまで仕掛けてたやなんて…⁉」
 ミケさんが悔しそうに嗚咽を漏らす。

「へへへ…KGナイトギアも~らい!」
 ザインの部下が近寄って来て、なされるがままにミケさんのシュタイガーンバオアーが運ばれる。




「コイツどうする?」
 オイラのゲズをザインさんの部下の皆さんが間近《まぢか》に囲む。

「ゲズなんか二束三文《にそくさんもん》にしかなんねぇーし、バラしゃ良いんじゃね?」

「へへ…じゃあ、オレやる! オレやる! 一度、パイロットごと、Gギアを撃墜って、やってみたかったんだよな! へへへッ!」
 ザインさんの部下の皆さんが下卑《げび》た笑いを浮かべる。




「ちょっ⁉ ま…タンマ…⁉ ミ…ミケさん…! 助け…」

 そこで、全身に衝撃を感じた。

 ザインさんの部下の一人のゲズが、オイラのゲズのコックピットに向けてバズーカを直撃させた衝撃が、全身を貫いたんだ!
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