僕だけのための歌

リリっ子

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嫌な予感

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はちさんは私の前で真剣な面持ちで言った。
「実話はな、、」
「はい、、」
「ん~いやこんなところで話してる場合ちゃうねん」
「なんなんですかぁ」
「ええから!早用意せえ~いまからいくでぇ」
「どこにですかぁ?」
「Aベック本社や」
「Aベック本社???」

嫌な予感がした。脳裏には思い当たる節しかない。
私はすぐに用意を済ませた。
玄関から出るとそこには、はちさんの姿はなかった。
「はや」

私は急いで、ロビーへと降りた。

梶さんはまた黒い外車の周りを、まわっている。
「はあーまた違法駐車ーーーほんで、今回の車は次は、、千代田??、世田谷の次は千代田区か??」

まこは少し遠目から2人の様子を見ている。

まこ「あっ梶さん、、そして、あれおっさん、?、」
はちは梶さんの背後から声をかけた。
おっさん「はいはいはい、、そこをおどき?」
梶「うぁ」
おっさん「この車は僕のだよ?」
梶「、、、なんや。おっさんっ」
おっさん「なんや。おばはんかい!スラーってしてるから綺麗なお姉ちゃんやと思ったのに」

梶「いやこっちのセリフや!またあのイケメンボウイやと思ったのに、、なんでよりによっておっさんやねん」
「おおおばはんいい度胸するなぁ。この俺ちゃまをおっさん呼ばわれするってな~」
「俺ちゃまてなんやねん」
まこ「はいはいーはーい!!おっさんもおばさんも!仲良く、」
「おっさん?」
「おばさん?」
「やば」
「アー梶さん!今日からくら寿司、ランチ500円になるらしいです!!」
「ほんまかいな!」
「3時までっす!」
「えっマジかい」
梶はiPhoneでくら寿司のホームページを開き出した。

「はちさん、車だしてください」
まこは小声ではちに言った。
「俺のことおっさんゆーたやろ」
はちは何度も連呼しながら、車のエンジンをかける準備を始める。
助手席にすわるまこ。
「お前俺のことおっさ、」
「いやぁついごめんなさいっごめんなさい。はちさん!梶さんが」

その瞬間エンジンがついた。
音に気づいた梶。

「また!いつのまに!あんたーカンのゴミ出しの日は火曜にや~でーーー」






車が走り出して、数分経ってからはちは、淡々と昨日のAベック社長秘書との電話のやりとりのことを、まこに話し始めた。








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