大好きなお父さん

ももたろ

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節分

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鬼は~外、福は~内。

私は節分が好きだ。

私が小さい頃からの我が家の毎年恒例行事。

いつもその日は父が家に居なかった。

母と2人、豆を撒く準備をする。

準備が整った頃、鬼が家に入ってきた。


この鬼こそが父なのである。

私と母は父に向かって一生懸命豆を撒いた。

鬼は~外、福は~内!!

楽しそうな声と豆を撒く音が家の中に響く。

最後の一掴み。母と一緒に投げた。

その豆を投げられた鬼が家から出て行った。

そんな私ももう大人になった。

今年もまたこの日がやってきた。

例年通り私は母と2人、豆を撒く準備をする。

いくら待てども鬼は来ない。

父は私が成人する少し前、家から出て行った。

その時は豆を撒いていないのに。

あの時、鬼は外なんて言って豆を撒いた事少し後悔した。

もう鬼は外なんて言わないからうちに帰ってきてよ。

そんなことを思いながらいるはずのない鬼に向かって今年も豆を撒く。

鬼は~外、福は~内。


だから私は節分が嫌いだ。




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