正反対の2人

ももたろ

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正反対の2人

交わるはずなかった2人

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彼は人気者だ。

いつもクラスの中心にいて誰に対しても優しい彼。

休み時間は彼のところに人が集まる。

そんな彼とは真逆の僕。

なるべく目立たずに教室の端にいる僕。

あまり人と関わらない為友達も少ない。

人と関わるのが苦手な僕はこの生活が好きだった。

卒業するまでずっとこのまま過ごせると思ってた。

そんな高校3年生の夏のことだった。

その日は席替えをした。

僕と彼は隣になった。

彼は窓側の1番後ろの席。

その隣が僕だった。

少し嫌な予感がした。

そんな僕の予感は当たってしまった。

隣になった日から彼は僕によく話しかけてくる。

でも僕は人と話すのが苦手な為うまく返すことができなかった。

正直、やめてほしいと思った。

彼のせいで僕の今までの生活が崩れかけていた。

学校に行くのが少し苦痛に感じ始めた頃、彼はその日学校を休んだ。

僕は少し嬉しかった。

やっと平和な日常を過ごせると思った。

なのに僕は少し気分が晴れなかった。

その原因がわからぬままその日は終わった。

次の日、彼は学校に来ていた。

またいつもの日々が始まると思ったら憂鬱になった。

でも彼は話しかけてこなかった。

不思議に思ったが、僕にとっては好都合だったので何も聞かなかった。

その次の日も彼は話しかけてこなかった。

僕は今までの生活が戻りつつあり嬉しいはずなのに何か物足りなく感じてしまった。

結局その後も彼は何も話しかけてこなかった。

1週間そんな生活を続けるうちに、彼から話しかけられるのを待っている僕がいた。

流石に我慢できなくなり僕は彼に初めて話しかけてみた。

「ねぇ、あの、、さ、、、」

話しかけたはいいがなんて言おうか考えていなかった僕は言葉に詰まってしまった。

すると彼は

「なに?」

少し機嫌が悪そうに聞いてきた。

僕は思い切って聞いた。

「なんで最近話しかけてくれないの?」

すると彼は驚いた顔をした後、やっぱりまた機嫌が悪そうにこう言った。

「お前俺が話しかけると嫌そうな顔するから」

僕は何も言えなかった。

事実だったからだ。

僕が何も言えずに俯いていると彼は続けてこう言った。

「なに、それだけ?」

今度は少し怒ったように言い放ちその場を離れてしまった。


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