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入隊前の話し
入隊するまで
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200◯年4月
書くことが思いつかないくらい怠惰な中学生活が終わって、高校に進学した。
高校生になるとスケベ心だけがムクムクと成長して、2年生になる頃にはギャルゲーや同人誌というものを嗜む立派なオタクになっていた。
当時は「ブギーポップ」や「キノの旅」がマイブームで、いわゆるラノベが大好きだったのだが、
同時にパソコン部(という名のオタクの巣窟)に入部したのが運の尽き。
ガンダム、アーマード・コア、ミリタリー、サバゲ、ネトゲ、葉鍵、BL、Fate、あらゆる分野のオタク文化に触れて順調にキモオタへと成長していった。
反比例するように元々低かった学力が下がり続け、成績は5段階評価の1~2が並ぶ始末である。
そして2年生の3学期、遂に親から「進学しないなら就職して出ていけ」と宣言された。
「これはマズイ」と思うのだがオタクは止められない。
バイトもロクにできない10代のクソガキ(しかもクソキモデブオタである)が、卒業と同時に衣食住を充足させる術を求められたのだ。
当然全力で現実逃避し、ゲーセンに通うか、ネトゲの日々である。
そんな子の馬鹿さ加減を親はよく理解していたのだろう
「お前みたいなどうしようもない奴は警察か自衛隊で鍛え直せ」
と怒鳴る。
今でこそ頼もしくヒーローのように言われる自衛隊も、当時はまだ馬鹿と鼻つまみの矯正施設のようなイメージだった。
仕事というものに意識がなく、ダラダラと生きてきた私は
「どうせ働くならミリオタも齧ってるいるし、そっち方面にいくか」と、怒鳴られた翌日には地連(当時は地方連絡部という人さらいー入隊斡旋事務所があった)を訪ねて、
入隊試験の願書を受け取っていた。
高校の担任からは「お前じゃ1か月ももたない」と言われ、
親からは「もっと真面目に考えろ」と怒鳴られ、
友人からは正気を疑われ、
親戚には爆笑された。
唯一、祖母だけが心配しながらも期待して送り出してくれたことが印象に残っている。
当時は知らなかったのだが、既に亡くなっていた祖父は召集(いわゆる赤紙)ではなく志願で入った軍人だった。
かなり後に知ったのだが、後年私が自衛隊でやっていた仕事に近い種類の部署にいたこともわかった。
それ故だったのかもしれない、入隊後もたまに会いに行くと大変喜んでくれた。
様々な反応を受ける中、入隊一次試験には朝までラグナロクをやって寝不足だったけど合格できた。
二次試験は面接で、希望する職種について聞かれた。
私は陸空海の順で希望ですと答えた。
一番の希望は陸自の戦車乗りになりたい、機甲科が希望。
次いで空自で給油係でもいいから戦闘機に触れる仕事がしたいと答えた。
この時は海自にはまったく興味がなかったし、どのような仕事をしているのかというイメージも湧かなかった。
なのであえて触れもしなかったように思う。
そして二次試験の合否通知書が届く、結果は合格。
自身も認めるほど高校の成績があまりに酷い私が合格できたことが、当時の自衛隊の不人気っぷりをよく表しているのではないか?
とりあえず卒業後にホームレスになる心配がなくなりひと安心。
だがそれも束の間、合格の通知書には「海上自衛隊に合格」の予想外の文言があった。
それでも卒業後にいきなり追い出される恐怖よりマシ、とにかく衣食住を確保したのだから一任期だけでもやってみようと軽く考えながら
卒業までの期間を学校をサボりながら覚えたてのラグナロクオンラインをするか、寝ているだけの怠惰な生活で過ごしたのであった。
書くことが思いつかないくらい怠惰な中学生活が終わって、高校に進学した。
高校生になるとスケベ心だけがムクムクと成長して、2年生になる頃にはギャルゲーや同人誌というものを嗜む立派なオタクになっていた。
当時は「ブギーポップ」や「キノの旅」がマイブームで、いわゆるラノベが大好きだったのだが、
同時にパソコン部(という名のオタクの巣窟)に入部したのが運の尽き。
ガンダム、アーマード・コア、ミリタリー、サバゲ、ネトゲ、葉鍵、BL、Fate、あらゆる分野のオタク文化に触れて順調にキモオタへと成長していった。
反比例するように元々低かった学力が下がり続け、成績は5段階評価の1~2が並ぶ始末である。
そして2年生の3学期、遂に親から「進学しないなら就職して出ていけ」と宣言された。
「これはマズイ」と思うのだがオタクは止められない。
バイトもロクにできない10代のクソガキ(しかもクソキモデブオタである)が、卒業と同時に衣食住を充足させる術を求められたのだ。
当然全力で現実逃避し、ゲーセンに通うか、ネトゲの日々である。
そんな子の馬鹿さ加減を親はよく理解していたのだろう
「お前みたいなどうしようもない奴は警察か自衛隊で鍛え直せ」
と怒鳴る。
今でこそ頼もしくヒーローのように言われる自衛隊も、当時はまだ馬鹿と鼻つまみの矯正施設のようなイメージだった。
仕事というものに意識がなく、ダラダラと生きてきた私は
「どうせ働くならミリオタも齧ってるいるし、そっち方面にいくか」と、怒鳴られた翌日には地連(当時は地方連絡部という人さらいー入隊斡旋事務所があった)を訪ねて、
入隊試験の願書を受け取っていた。
高校の担任からは「お前じゃ1か月ももたない」と言われ、
親からは「もっと真面目に考えろ」と怒鳴られ、
友人からは正気を疑われ、
親戚には爆笑された。
唯一、祖母だけが心配しながらも期待して送り出してくれたことが印象に残っている。
当時は知らなかったのだが、既に亡くなっていた祖父は召集(いわゆる赤紙)ではなく志願で入った軍人だった。
かなり後に知ったのだが、後年私が自衛隊でやっていた仕事に近い種類の部署にいたこともわかった。
それ故だったのかもしれない、入隊後もたまに会いに行くと大変喜んでくれた。
様々な反応を受ける中、入隊一次試験には朝までラグナロクをやって寝不足だったけど合格できた。
二次試験は面接で、希望する職種について聞かれた。
私は陸空海の順で希望ですと答えた。
一番の希望は陸自の戦車乗りになりたい、機甲科が希望。
次いで空自で給油係でもいいから戦闘機に触れる仕事がしたいと答えた。
この時は海自にはまったく興味がなかったし、どのような仕事をしているのかというイメージも湧かなかった。
なのであえて触れもしなかったように思う。
そして二次試験の合否通知書が届く、結果は合格。
自身も認めるほど高校の成績があまりに酷い私が合格できたことが、当時の自衛隊の不人気っぷりをよく表しているのではないか?
とりあえず卒業後にホームレスになる心配がなくなりひと安心。
だがそれも束の間、合格の通知書には「海上自衛隊に合格」の予想外の文言があった。
それでも卒業後にいきなり追い出される恐怖よりマシ、とにかく衣食住を確保したのだから一任期だけでもやってみようと軽く考えながら
卒業までの期間を学校をサボりながら覚えたてのラグナロクオンラインをするか、寝ているだけの怠惰な生活で過ごしたのであった。
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