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風の音

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羽繕いの話が終わる頃、静葉さん達が動けるようになった。二人とも模糊さんと同じように、柔軟を行い獣化する。インコ兄さんの翼は輝きを増し、毛はフワフワに。しかし、静葉さんは全身の毛がより黒くなり、艶が消えた。

「ホー♪」

でも本人はご機嫌だ。部屋の中を無音で飛び回り、喜んでいる。

「本当に凄いですね!コンディションを整えるだけでなく、能力も強化するんですね。ああ、能力って言うのは静葉の隠密飛行や、俺の招き鳥おきとりの様な物です。これだけ輝くなら、多くの魔物を引きつけれそうです。」
「三人は魔物と戦うんですか?」
「私は狩り担当だから戦う。静葉は夜間警備で街に近づく魔物を。蓮流れんるは大群と戦う時だけ戦う。」
「そういえば名前教えていなかったね。俺の名前は蓮流、よろしくね。ちなみに俺は配送担当だから、他の街の事は一番詳しいよ。ああ、でも歴史とかは知らないからそこは期待しないで欲しいでね。」
「僕は猫山精一です。」

自己紹介を終え、猫の街の事を教えてもらおうとした瞬間。羽ばたく音が聴こえた。最初は他の獣人だろうと思っていたが、遠くから聞こえる気がする。

「他にも誰か来るんですか?」
「ホー」
「ここは物置みたいな場所だから、他には来ないと思うが・・・もしかして何か聞こえたのか?」
「猫族は耳が良い種族だからね、俺達より察知能力は高いんですよ。でも、視力は酉族の方が優れた獣人多いんだけどね。」


どうやら僕にしか聞こえていないようだ。模糊さん達とは違う、空気を乱すような音。荒々しい台風のような、静葉さんと真逆な存在。段々音は近づきながら大きくなり。僕以外の三人が気づいて外に飛び出る頃には、ヘリコプターのような轟音に変化し始めた。






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