12 / 43
風の音
しおりを挟む
羽繕いの話が終わる頃、静葉さん達が動けるようになった。二人とも模糊さんと同じように、柔軟を行い獣化する。インコ兄さんの翼は輝きを増し、毛はフワフワに。しかし、静葉さんは全身の毛がより黒くなり、艶が消えた。
「ホー♪」
でも本人はご機嫌だ。部屋の中を無音で飛び回り、喜んでいる。
「本当に凄いですね!コンディションを整えるだけでなく、能力も強化するんですね。ああ、能力って言うのは静葉の隠密飛行や、俺の招き鳥の様な物です。これだけ輝くなら、多くの魔物を引きつけれそうです。」
「三人は魔物と戦うんですか?」
「私は狩り担当だから戦う。静葉は夜間警備で街に近づく魔物を。蓮流は大群と戦う時だけ戦う。」
「そういえば名前教えていなかったね。俺の名前は蓮流、よろしくね。ちなみに俺は配送担当だから、他の街の事は一番詳しいよ。ああ、でも歴史とかは知らないからそこは期待しないで欲しいでね。」
「僕は猫山精一です。」
自己紹介を終え、猫の街の事を教えてもらおうとした瞬間。羽ばたく音が聴こえた。最初は他の獣人だろうと思っていたが、遠くから聞こえる気がする。
「他にも誰か来るんですか?」
「ホー」
「ここは物置みたいな場所だから、他には来ないと思うが・・・もしかして何か聞こえたのか?」
「猫族は耳が良い種族だからね、俺達より察知能力は高いんですよ。でも、視力は酉族の方が優れた獣人多いんだけどね。」
どうやら僕にしか聞こえていないようだ。模糊さん達とは違う、空気を乱すような音。荒々しい台風のような、静葉さんと真逆な存在。段々音は近づきながら大きくなり。僕以外の三人が気づいて外に飛び出る頃には、ヘリコプターのような轟音に変化し始めた。
「ホー♪」
でも本人はご機嫌だ。部屋の中を無音で飛び回り、喜んでいる。
「本当に凄いですね!コンディションを整えるだけでなく、能力も強化するんですね。ああ、能力って言うのは静葉の隠密飛行や、俺の招き鳥の様な物です。これだけ輝くなら、多くの魔物を引きつけれそうです。」
「三人は魔物と戦うんですか?」
「私は狩り担当だから戦う。静葉は夜間警備で街に近づく魔物を。蓮流は大群と戦う時だけ戦う。」
「そういえば名前教えていなかったね。俺の名前は蓮流、よろしくね。ちなみに俺は配送担当だから、他の街の事は一番詳しいよ。ああ、でも歴史とかは知らないからそこは期待しないで欲しいでね。」
「僕は猫山精一です。」
自己紹介を終え、猫の街の事を教えてもらおうとした瞬間。羽ばたく音が聴こえた。最初は他の獣人だろうと思っていたが、遠くから聞こえる気がする。
「他にも誰か来るんですか?」
「ホー」
「ここは物置みたいな場所だから、他には来ないと思うが・・・もしかして何か聞こえたのか?」
「猫族は耳が良い種族だからね、俺達より察知能力は高いんですよ。でも、視力は酉族の方が優れた獣人多いんだけどね。」
どうやら僕にしか聞こえていないようだ。模糊さん達とは違う、空気を乱すような音。荒々しい台風のような、静葉さんと真逆な存在。段々音は近づきながら大きくなり。僕以外の三人が気づいて外に飛び出る頃には、ヘリコプターのような轟音に変化し始めた。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
バイクごと異世界に転移したので美人店主と宅配弁当屋はじめました
福山陽士
ファンタジー
弁当屋でバイトをしていた大鳳正義《おおほうまさよし》は、突然宅配バイクごと異世界に転移してしまった。
現代日本とは何もかも違う世界に途方に暮れていた、その時。
「君、どうしたの?」
親切な女性、カルディナに助けてもらう。
カルディナは立地が悪すぎて今にも潰れそうになっている、定食屋の店主だった。
正義は助けてもらったお礼に「宅配をすればどう?」と提案。
カルディナの親友、魔法使いのララーベリントと共に店の再建に励むこととなったのだった。
『温かい料理を運ぶ』という概念がない世界で、みんなに美味しい料理を届けていく話。
※のんびり進行です
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
その科学は魔法をも凌駕する。
神部 大
ファンタジー
科学が進みすぎた日本の荒廃。
そんな中最後の希望として作られた時空転移プログラムを用い歴史を変える為に一人敵陣に乗り込んだフォースハッカーの戦闘要員、真。
だが転移した先は過去ではなく、とても地球上とは思えない魔物や魔法が蔓延る世界だった。
返る術もないまま真が選んだ道は、科学の力を持ちながらその世界でただ生き、死ぬ事。
持ちうる全ての超科学技術を駆使してそんな世界で魔法を凌駕しろ。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる