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第Ⅰ章 平穏90%・歪度10%
brocen 16 幸せにすること ♥
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彼のとの遊び、ゲームもお洒落もテレビも〝イイこと〟も、麻薬みたいな中毒性がある。気づいたときには一日が終わってしまうし、明日仕事であることに気分が塞いでしまう。こんな感覚、今までなかったのに。
悪い子になっちゃってないかな、こんなにいろんな娯楽を楽しんでいていいのかな。他の天使に聞こうにも、ディアンシャとの約束は破れない。ディアンシャが幸せなら、わたしが少し天使らしくなくなっても大丈夫なんだろうか。わたしはまだ、ちゃんと天使でいられているんだろうか。
たまに複雑な顔をしているわたしを見兼ねて、ディアンシャは首を傾げ尋ねた。
「どうしたの」
その質問は反則だ。嘘をつけない天使は、正直に心の内を伝えなきゃいけない。
「ディアンシャと……遊んでばかりで、よくないかなぁって」
彼は思案を巡らすように少し顔を歪めた。
ついこの前完全に治った翼は、わたしのものより一回り大きく、彼の背中でたまに羽ばたく姿が美しいと思った。悪魔の翼には悪魔の翼なりの美しさがある。最近人間たちのいろいろな芸術に触れているおかげか、素直にそう思えた。
まだ怖いこともあるけど……少なくともディアンシャのは好きだ。
「そもそも、お前が天使としていちばん大事にしたいことってなんなんだ?」
「え……」
改まって聞かれたことがなく、一瞬口篭る。わたしの白い翼がはらりと大きく羽ばたき、甘い香りを流した。
「人を幸せにすること……。人をいい方向に導くこと、かな」
「いい方向に導くことが、本人にとって不幸せだったときはどうするんだ?」
視線を左右に彷徨わせる。どうすればいいんだろう。そんなことあるの? あるのかな?
「いい人になれば、みんな幸せじゃないの?」
「その〝いい〟ってなんだよ?」
「〝いい〟は〝いい〟だよ……、えっと……」
「お前が遊んだゲームとかテレビは、悪いもんなのか?」
悪いとは言い難いけれど、天使は享楽に耽るものではないと教えられたことがある。娯楽ばかりに興じている天使はいない、と。
「俺は地獄に堕ちる人間を知っている。〝いい〟と〝悪い〟を、天国に行くか地獄に行くかで決めるなら──。売女が必ずしも地獄に堕ちるわけじゃねえし、大食いが、ゲームをしてばかりの引きこもりが、みんな地獄に堕ちてるわけじゃない」
「じゃあ誰が堕ちるの……?」
彼は目を細める。
「心が卑しい者、だと思う」
「どういうこと?」
「実際に何をしてきたか、何をしてしまったかではなく、その本質が大事なんじゃねえかな」
ディアンシャはわたしの胸にとん、と手を置いた。
「この心の根っこの部分がさ、腐ってんのか、腐らせてしまったのか」
わたしは目を瞬く。
「でも、たくさんの人を悲しませた人は悪い人だよ? 心が綺麗な人なら、いい人なの?」
「たくさんの人を悲しませるやつは、心は綺麗じゃない」
「……え?」
「そういうやつは大体、心が死んでる」
首を傾ける。ディアンシャの翼がゆっくりと丸まり、また開いた。
「心が死んで何も考えられなくなっているだけで、それは綺麗とは言えねえと思う」
「じゃ、じゃあ。誰かのために人を殺してしまった人は?」
彼は唇を薄く噛み、視線を横に向ける。
「ちと難しいな。例えばそこに、死んだ相手を忍ぶ者がいないという仮定を添えれば、もっと話は複雑になる。悲しんでいる者がいないのなら殺していいのかとか、殺すに値する悲しみや絶望を背負っているのならその権利があるのかとか」
うんうん。わたしは頷き彼の続きを待った。
「結局、俺たち悪魔にも、天使にも、善悪を捌く権利は与えられていない。それをするのは神だけで、指標さえ教えてもらってないだろ」
「でも、熾天使様は神様から聞いてお仕事をしてるって……」
「どうかな、何年も前から神の話は聞かねえが」
わたしは膝の上で拳を握った。
「でも……神様はいるよ? わたしは神様に仕えてるもん」
彼の双眸が柔らかくなり、頬に手を当てられた。
「悪りい、そういうつもりじゃなくて……。難しい話はやめよう。俺が言いたかったのはさ」
彼が近づき微かに首を傾げる。
「ゲームをしていても地獄に堕ちてねえ人間はたくさんいるから、お前も大丈夫だよって言いたかったんだ」
「でもそれは人間だけの話じゃないの? 天使は……」
「もし本当に悪いことなら、お前は今ごろ堕天してるだろ」
「えっ!?」
思わず自分の光輪へ視線を上げた。
「で、でも神様が……今はまだ見てないだけで……」
「神なんだから見えてんだろ」
急に怖くなって左右を見渡した。部屋の窓や扉におかしなところはない。いつもの風景だ。
「じゃあディアンシャが天界にいるのも、知ってるってこと?」
「さあ、たぶん」
「……許してくれてるの?」
「考えてんのかもな」
ええ? 神様が? なんとなくおかしくて思わず吹きだした。
彼が表情を崩す。
「──やっと笑った」
「へ?」
言われてから、頬に両手を当てて視線を揺らした。そっか、ずっと険しい顔してたのかな。
「お前が気になるなら、遊ぶのはやめる。でも俺が思うに……本質はそこじゃないと思うから、気にしなくていいんじゃねえかな」
「本質はどこ?」
「ふたつ挙げてたが、いちばんは『人を幸せにすること』だろ。俺が幸せなら……それだけじゃだめ?」
服の裾を掴み、おずおずと尋ねる。
「わたしが遊ぶのやめたら、ディアンシャは幸せじゃなくなる?」
見下ろす彼の眼がおかしそうに笑った。
「幸せじゃないとは言わねえが、ちと悲しいな」
「うん、わかった!」
もしかしたら、わたしが最近幸せだから余計疑問に思ってしまったのかもしれない。わたしの幸せより、大事なのはディアンシャの幸せだから。わたしの今の行動が彼を幸せにしているなら、わたしは天使でいいはずだ。
「これからは、もっとディアンシャの好きな映画を見よう?」
「え? そういう話になんの?」
きょとんとして首を傾げる。
「違うの? ディアンシャが幸せにならないといけないから……」
彼は観念したように言う。
「わかった。俺の幸せはお前がそうやって笑ってること、楽しんでること、幸せだって俺に言ってくれること。いい?」
「え……そんな……。ん……」
「で、お前と遊ぶのも俺の希望だから、まず俺の願いを叶えて一緒に遊んで?」
「う、うん」
「その上で、お前がしたいと思ったことをするのが、俺にとっての幸せだよ」
視界がまたうるうると揺れた。彼の首に抱きつく。
「ディアンシャ優しい。ディアンシャだいす──」
わたしは慌てて口を閉ざした。
「な、なんでもない」
彼の悪戯っぽい声が聞こえる。
「なに、聞かして」
「だめ。なんでもない。間違えた」
「間違えた? なんて言おうとしたの? どういう間違い?」
顔が熱くなる。
そういう意味じゃないのに。ただその……少し感極まって、嬉しくてつい言葉に出そうとしちゃっただけ。恋人とか、恋愛とかじゃなくて……人として……あ、悪魔として? でも言っちゃダメって言われたから、曖昧なことをしないためにも言うのをやめただけだし……。
「秘密です。言いません!」
「天使なのに意地悪していいの?」
わたしは体を起こして、胸を張って声を上げた。
「これは意地悪じゃないし、ディアンシャのほうが意地悪だもん!」
「いんだよ、俺は悪魔なんだから」
むむむむむ…………。ずるい、どう考えてもディアンシャはずるい。なんて返そうかと俯いて忙しく視線を動かすわたしに、彼はことりと零した。
「ほんと好きだわ」
わたしの肩を掴み、頬にキスをする。
「お前、本当だったらとっくに堕としてるからな」
「え? え? どういうこと?」
「こっちの話」
もう一度抱きしめ、白い翼に手を添える。指をゆっくりと滑らせ、羽根の柔らかさを確かめるように愛撫する。
耳にちゅうとキスをした。首筋に牙を突き立てる。
「で、ディアンシャ。ま。まだ、夜じゃ、ない」
わたしは彼の腕を掴んで懸命に声を上げる。
「朝の分、もらってねえじゃん」
「でも、それされると、わたし、変にな、ちゃ……」
全部言いおわる前にざくりと太い牙が差し込まれ、快い疼痛が回っていく。じゅる、と血を啜る音が聞こえる。
「いいよ、変になって」
血を吸いながらも首筋にキスを落としたり耳朶をくすぐったり、甘く冷たい吐息が触れたり、じわじわ脳内が蕩けていく。もっと気を強く持てば──堪えられるかもしれないけど、この感覚が好きで、ついつい流されるほうを選んでしまう。
「あ。あれ、はずかし、ッ、あ……ん」
血を抜かれていく感覚が気持ちよくて、目をとろんと緩めた。脳内が甘い蜜でひたひたに犯され、体の軸が崩れて彼にもたれかかる。翼がだらりと背中に被さると、それを覆うように悪魔の翼が重なった。
「ん……ん、ぁッ……。なんで。気持ちい……いの」
熱い吐息と一緒に声を漏らす。彼はくつくつと笑った。
「その悪魔に好感を持ってると、そのぶん気持ちよくなるらしいぜ」
「え。え、え……?」
じゃあ、とっても気持ちいいってことはとっても好感を持ってるってこと? そんなの恥ずかしい。じゃあさっき言いかけた言葉もディアンシャにはもうバレてしまっているんだろうか。
「ほ、ほんと? ディあんしゃ、ぁ……」
「まあ、地獄で食い物にされてた天使はこんな反応しなかったからな」
大きな動悸に胸が苦しい。腕が持ちあがらなくなり、さらに四肢から力が抜けていく。ディアンシャはそれをそっと抱きしめて、もう少しだけ血を飲んだ。
顔を上げてわたしを見る。
「どうする? 続きしたい?」
彼の服を掴む。盛んに欲情が心を攻めたて、上擦った声で囁いた。
「した、い……。気持ちよくして?」
ディアンシャの眼が冷え冷えと嗤う。
「りょうかい」
「ディアンシャ?」
彼はわたしの体をベッドに横たえた。ふわりと布団が膨らみ、同時に天使の翼が大きく包むように丸くなる。柔らかく開いてから、腰に乗っているディアンシャの姿に気づく。ぞくぞくと胸が高鳴った。
髪は銀でも、服や翼は真っ黒だ。特に部屋を覆うほどに広がった翼がゆったりと羽ばたき、わたしに影を落とす様子はかっこいい。妖しく嗤う眼が細まって、体を倒す。首筋をつうと舌が這っていく。
服越しに胸を触ると、膨らみに指を埋め、掬い、捏ねるように弄られる。指先が頂きの周囲を焦らすように挟み撫でて、わたしは足や体をくねらせた。
「は、ぁ、あ……。やん、や……。ね、え……」
おねだりするように彼の腕に縋り、上目で見つめる。ディアンシャは「脱がせなきゃいいのかな」と呟いて、布の隙間からそのひんやりとした手を差し入れた。
粟立っていく肌を追いかけるように、指先が艶乳を這い撫でる。直に体を触れられたのは初めてで、知らない快感にまた腰がぴくと弾んだ。
もう一方の手は腰元を撫で降り、纏っている布を捲りあげる。ショーツの端に指をかけ、じりじりと臍の近くへ指を滑らせていく。
「ぁ、あ……は。で、でぃあんしゃ、あ……ん」
気持ちいい。幸せ。彼に触られるたび、キスをされるたび、舐められるたびにとても愛されていると本能で感じた。ふわふわして、天使の翼みたい柔らかくて温かくて、ずっとこの腕に包まれていたいと思う。
「や、ぁ……」
既にぬるぬるになった秘園に指が沈んでいく。ショーツのあいだに手が差し込まれれば、つぅ、と糸を引く粘液でぐちゅぐちゅに溢れていたことに気づかされる。彼の指は快楽を植えつけるように愛涎を掬い、粒に塗ってやわやわと弾く。
「かわい」
耳元でそう囁かれたあと、熱い肉感を伴って舌が耳孔をなぶる。もう片方は別の手で塞がれ、粘着質な音が脳内に響いていく。秘部を弄っている音と錯覚しそうになり、ますます体が溺れていく。
ずぷりとナカへ入りこむ指の感覚に、足先がぴくぴくと痙攣する。ディアンシャは嗤い、その肉壁の凹凸を擦るように奥へ侵入させていく。涙目になって彼の腕を掴んだ。
「ぁ、や……ぁ……。だ。やぁ、だ。きもち、……きもち、い。ぃ、や……いや、ぁ」
「お前がねだったんだろ」
いつもより冷たい声色がさらに劣情を煽り、胎の奥を掻くソレに重く意識が沈んでいく。ぐちゅぐちゅと愛液と指がかき混ざり、内側の好いところをこりこりと刺激する。
「ぁん、や……。そ、れ。すき、ぃ……。ね、ぁ……」
半開きの目から熱い涙が零れ、口をぱくぱくと開閉させる。ディアンシャは別の指を咥内に差し入れて、頬の裏や歯茎をじわじわとなぶった。
何かが瞬きそうになると彼は別のところを弄るので、不完全な快楽にもどかしさが募っていった。甘えるように彼の指を舐め、唾液で喉が苦しくなると彼がそれを掬う。
ディアンシャは体を落として顔を近づける。頬を包み首筋にキスをしたあと、目尻をぺろと舐めた。無理やり眼をこじ開けて瞳に甘い唾液が塗られ、脳がじりじりと焦がれていく。
「ッは、あ……。ぁ、あ。は……ね。ねが、い」
焦らされていることに気づき、求めるように腰を動かす。ディアンシャは嗤って指を抜いてしまい、花芽やその花弁をくすぐってしまう。
「やぁ、……ね。ぁ……や、だ」
目尻を濡らす涙を舐めとり、そのあと唇の端にキスをする。ぞく、と心臓が戦慄く。彼は首を傾けて唇を近づけていく。別の指が下唇を羽根のように這い撫でて、彼の熱い視線がそれに注がれる。
「なあ……キスしよう」
「ぁ、んッ。は、ッあ、あ……」
今も裂け目の入口を指が出たり入ったりしている。ほしい、ほしい。気持ちいいのがほしい。いやだ。重い快美が波のようにしなり、胎内をいっそう煽りたてる。
「そしたらイかしてあげる」
「ぇ、あ。……ん、ッあ。は……」
頭が回らない。なに、なにが。どうしたらって。
彼の吐息が唇を濡らし、わたしは餓えるように口が開けた。ほしい、気持ちくしてほしい。気持ちいいのがほしいよ。ね、え。
ディアンシャは舌を摘んで引っ張った。裂けるような痛みに顔を顰めた直後、舌が絡み合い一気に快へと引きずり込む。柔く弄られる舌遣いがもどかしくて、もっとほしいと懸命に口を開ける。息が熱を帯び、色香を伴って漏れだしていく。
彼はくつくつと嗤いながら舌を舐めて、するりと咥内へ差し入れる。長い舌が唇を舐め、その裏側をちゅんちゅんと擽る。
「ゃ、あ。んッ……、は、あ」
もっとしたい。もっとしてほしい。気持ちいい。知らぬ間に彼の腕を掴んで下へ引っ張っていた。彼がぐっと力を込めて顔をあげる。
「これ以上は無理。許可して」
「ぁ、は、や……え? んッ……」
なにが、なんの。
ディアンシャは耳元に唇を寄せる。
「キスしよう? な?」
蠱惑的な声は脳内をひと舐めして、心ごと奪い去りそうだった。こくと頷きかけた首は、ぎりぎりで意識をとり戻した。
「ね。だめ、ね。だめ」
焦らされた悦楽に潤んだ視界が揺らぐ。腕を強く掴み懸命に首を振る。
「や、だ。だめ、だ、め。ッ、あ、ん……」
青眼が不機嫌に細まり、甘い声色が落ちる。
「嫌なの」
「ちが。んッ……。や、やじゃ……ぁ、な。いッ」
秘部は長いあいだ捏ねられたせいで、蜜が溢れて焦れったくヒクヒクと蠢いている。彼の指が奥に差し入り、敏感なところを撫ではじめる。びく、びく、と胎内が震え、無意識に腰が浮く。
「じゃあしたい?」
ディアンシャの焦がれるような視線が穿たれる。脈打った体を堪えて、泣きそうになりながら頷く。
「し、た。い……よ、でも。でッ、も……ぁ」
彼の視線が外れ、襲いくる倒錯に身を委ねる。ディアンシャが少し指を早めただけで、ぐちゅぐちゅに熟れたそこは一瞬で果てた。
「ッは、あ。あ……。は……ぁ……」
喘ぐように呼吸をして、息を整えようとする。ディアンシャは体を下ろしてわたしの隣に横たわった。丸くなるわたしを引き寄せ、強く抱きしめる。
「かわいい。ほんとかわいい」
「あ、ん。でぃあ、んしゃ」
「額ってキスしていいんだっけ」
わたしが頷くと、彼はそっと労わるように唇を寄せた。やわやわと頭を撫でる。
「なんで俺悪魔なんだろ。いっそのこと人間ならよかった」
そんなことを言う彼が可哀想で、愛おしくて、わたしはさらに強く腕を回す。
「ディアンシャ……」
彼はわたしの頬を包む。
「意地悪したな。ごめんね」
本当に辛そうに謝るから、わたしはきゅっと唇を結んで俯いた。
「え、と……。ん……」
ディアンシャはゆるゆると背中の翼を撫でて、はあ、と透明な息を漏らした。
悪い子になっちゃってないかな、こんなにいろんな娯楽を楽しんでいていいのかな。他の天使に聞こうにも、ディアンシャとの約束は破れない。ディアンシャが幸せなら、わたしが少し天使らしくなくなっても大丈夫なんだろうか。わたしはまだ、ちゃんと天使でいられているんだろうか。
たまに複雑な顔をしているわたしを見兼ねて、ディアンシャは首を傾げ尋ねた。
「どうしたの」
その質問は反則だ。嘘をつけない天使は、正直に心の内を伝えなきゃいけない。
「ディアンシャと……遊んでばかりで、よくないかなぁって」
彼は思案を巡らすように少し顔を歪めた。
ついこの前完全に治った翼は、わたしのものより一回り大きく、彼の背中でたまに羽ばたく姿が美しいと思った。悪魔の翼には悪魔の翼なりの美しさがある。最近人間たちのいろいろな芸術に触れているおかげか、素直にそう思えた。
まだ怖いこともあるけど……少なくともディアンシャのは好きだ。
「そもそも、お前が天使としていちばん大事にしたいことってなんなんだ?」
「え……」
改まって聞かれたことがなく、一瞬口篭る。わたしの白い翼がはらりと大きく羽ばたき、甘い香りを流した。
「人を幸せにすること……。人をいい方向に導くこと、かな」
「いい方向に導くことが、本人にとって不幸せだったときはどうするんだ?」
視線を左右に彷徨わせる。どうすればいいんだろう。そんなことあるの? あるのかな?
「いい人になれば、みんな幸せじゃないの?」
「その〝いい〟ってなんだよ?」
「〝いい〟は〝いい〟だよ……、えっと……」
「お前が遊んだゲームとかテレビは、悪いもんなのか?」
悪いとは言い難いけれど、天使は享楽に耽るものではないと教えられたことがある。娯楽ばかりに興じている天使はいない、と。
「俺は地獄に堕ちる人間を知っている。〝いい〟と〝悪い〟を、天国に行くか地獄に行くかで決めるなら──。売女が必ずしも地獄に堕ちるわけじゃねえし、大食いが、ゲームをしてばかりの引きこもりが、みんな地獄に堕ちてるわけじゃない」
「じゃあ誰が堕ちるの……?」
彼は目を細める。
「心が卑しい者、だと思う」
「どういうこと?」
「実際に何をしてきたか、何をしてしまったかではなく、その本質が大事なんじゃねえかな」
ディアンシャはわたしの胸にとん、と手を置いた。
「この心の根っこの部分がさ、腐ってんのか、腐らせてしまったのか」
わたしは目を瞬く。
「でも、たくさんの人を悲しませた人は悪い人だよ? 心が綺麗な人なら、いい人なの?」
「たくさんの人を悲しませるやつは、心は綺麗じゃない」
「……え?」
「そういうやつは大体、心が死んでる」
首を傾ける。ディアンシャの翼がゆっくりと丸まり、また開いた。
「心が死んで何も考えられなくなっているだけで、それは綺麗とは言えねえと思う」
「じゃ、じゃあ。誰かのために人を殺してしまった人は?」
彼は唇を薄く噛み、視線を横に向ける。
「ちと難しいな。例えばそこに、死んだ相手を忍ぶ者がいないという仮定を添えれば、もっと話は複雑になる。悲しんでいる者がいないのなら殺していいのかとか、殺すに値する悲しみや絶望を背負っているのならその権利があるのかとか」
うんうん。わたしは頷き彼の続きを待った。
「結局、俺たち悪魔にも、天使にも、善悪を捌く権利は与えられていない。それをするのは神だけで、指標さえ教えてもらってないだろ」
「でも、熾天使様は神様から聞いてお仕事をしてるって……」
「どうかな、何年も前から神の話は聞かねえが」
わたしは膝の上で拳を握った。
「でも……神様はいるよ? わたしは神様に仕えてるもん」
彼の双眸が柔らかくなり、頬に手を当てられた。
「悪りい、そういうつもりじゃなくて……。難しい話はやめよう。俺が言いたかったのはさ」
彼が近づき微かに首を傾げる。
「ゲームをしていても地獄に堕ちてねえ人間はたくさんいるから、お前も大丈夫だよって言いたかったんだ」
「でもそれは人間だけの話じゃないの? 天使は……」
「もし本当に悪いことなら、お前は今ごろ堕天してるだろ」
「えっ!?」
思わず自分の光輪へ視線を上げた。
「で、でも神様が……今はまだ見てないだけで……」
「神なんだから見えてんだろ」
急に怖くなって左右を見渡した。部屋の窓や扉におかしなところはない。いつもの風景だ。
「じゃあディアンシャが天界にいるのも、知ってるってこと?」
「さあ、たぶん」
「……許してくれてるの?」
「考えてんのかもな」
ええ? 神様が? なんとなくおかしくて思わず吹きだした。
彼が表情を崩す。
「──やっと笑った」
「へ?」
言われてから、頬に両手を当てて視線を揺らした。そっか、ずっと険しい顔してたのかな。
「お前が気になるなら、遊ぶのはやめる。でも俺が思うに……本質はそこじゃないと思うから、気にしなくていいんじゃねえかな」
「本質はどこ?」
「ふたつ挙げてたが、いちばんは『人を幸せにすること』だろ。俺が幸せなら……それだけじゃだめ?」
服の裾を掴み、おずおずと尋ねる。
「わたしが遊ぶのやめたら、ディアンシャは幸せじゃなくなる?」
見下ろす彼の眼がおかしそうに笑った。
「幸せじゃないとは言わねえが、ちと悲しいな」
「うん、わかった!」
もしかしたら、わたしが最近幸せだから余計疑問に思ってしまったのかもしれない。わたしの幸せより、大事なのはディアンシャの幸せだから。わたしの今の行動が彼を幸せにしているなら、わたしは天使でいいはずだ。
「これからは、もっとディアンシャの好きな映画を見よう?」
「え? そういう話になんの?」
きょとんとして首を傾げる。
「違うの? ディアンシャが幸せにならないといけないから……」
彼は観念したように言う。
「わかった。俺の幸せはお前がそうやって笑ってること、楽しんでること、幸せだって俺に言ってくれること。いい?」
「え……そんな……。ん……」
「で、お前と遊ぶのも俺の希望だから、まず俺の願いを叶えて一緒に遊んで?」
「う、うん」
「その上で、お前がしたいと思ったことをするのが、俺にとっての幸せだよ」
視界がまたうるうると揺れた。彼の首に抱きつく。
「ディアンシャ優しい。ディアンシャだいす──」
わたしは慌てて口を閉ざした。
「な、なんでもない」
彼の悪戯っぽい声が聞こえる。
「なに、聞かして」
「だめ。なんでもない。間違えた」
「間違えた? なんて言おうとしたの? どういう間違い?」
顔が熱くなる。
そういう意味じゃないのに。ただその……少し感極まって、嬉しくてつい言葉に出そうとしちゃっただけ。恋人とか、恋愛とかじゃなくて……人として……あ、悪魔として? でも言っちゃダメって言われたから、曖昧なことをしないためにも言うのをやめただけだし……。
「秘密です。言いません!」
「天使なのに意地悪していいの?」
わたしは体を起こして、胸を張って声を上げた。
「これは意地悪じゃないし、ディアンシャのほうが意地悪だもん!」
「いんだよ、俺は悪魔なんだから」
むむむむむ…………。ずるい、どう考えてもディアンシャはずるい。なんて返そうかと俯いて忙しく視線を動かすわたしに、彼はことりと零した。
「ほんと好きだわ」
わたしの肩を掴み、頬にキスをする。
「お前、本当だったらとっくに堕としてるからな」
「え? え? どういうこと?」
「こっちの話」
もう一度抱きしめ、白い翼に手を添える。指をゆっくりと滑らせ、羽根の柔らかさを確かめるように愛撫する。
耳にちゅうとキスをした。首筋に牙を突き立てる。
「で、ディアンシャ。ま。まだ、夜じゃ、ない」
わたしは彼の腕を掴んで懸命に声を上げる。
「朝の分、もらってねえじゃん」
「でも、それされると、わたし、変にな、ちゃ……」
全部言いおわる前にざくりと太い牙が差し込まれ、快い疼痛が回っていく。じゅる、と血を啜る音が聞こえる。
「いいよ、変になって」
血を吸いながらも首筋にキスを落としたり耳朶をくすぐったり、甘く冷たい吐息が触れたり、じわじわ脳内が蕩けていく。もっと気を強く持てば──堪えられるかもしれないけど、この感覚が好きで、ついつい流されるほうを選んでしまう。
「あ。あれ、はずかし、ッ、あ……ん」
血を抜かれていく感覚が気持ちよくて、目をとろんと緩めた。脳内が甘い蜜でひたひたに犯され、体の軸が崩れて彼にもたれかかる。翼がだらりと背中に被さると、それを覆うように悪魔の翼が重なった。
「ん……ん、ぁッ……。なんで。気持ちい……いの」
熱い吐息と一緒に声を漏らす。彼はくつくつと笑った。
「その悪魔に好感を持ってると、そのぶん気持ちよくなるらしいぜ」
「え。え、え……?」
じゃあ、とっても気持ちいいってことはとっても好感を持ってるってこと? そんなの恥ずかしい。じゃあさっき言いかけた言葉もディアンシャにはもうバレてしまっているんだろうか。
「ほ、ほんと? ディあんしゃ、ぁ……」
「まあ、地獄で食い物にされてた天使はこんな反応しなかったからな」
大きな動悸に胸が苦しい。腕が持ちあがらなくなり、さらに四肢から力が抜けていく。ディアンシャはそれをそっと抱きしめて、もう少しだけ血を飲んだ。
顔を上げてわたしを見る。
「どうする? 続きしたい?」
彼の服を掴む。盛んに欲情が心を攻めたて、上擦った声で囁いた。
「した、い……。気持ちよくして?」
ディアンシャの眼が冷え冷えと嗤う。
「りょうかい」
「ディアンシャ?」
彼はわたしの体をベッドに横たえた。ふわりと布団が膨らみ、同時に天使の翼が大きく包むように丸くなる。柔らかく開いてから、腰に乗っているディアンシャの姿に気づく。ぞくぞくと胸が高鳴った。
髪は銀でも、服や翼は真っ黒だ。特に部屋を覆うほどに広がった翼がゆったりと羽ばたき、わたしに影を落とす様子はかっこいい。妖しく嗤う眼が細まって、体を倒す。首筋をつうと舌が這っていく。
服越しに胸を触ると、膨らみに指を埋め、掬い、捏ねるように弄られる。指先が頂きの周囲を焦らすように挟み撫でて、わたしは足や体をくねらせた。
「は、ぁ、あ……。やん、や……。ね、え……」
おねだりするように彼の腕に縋り、上目で見つめる。ディアンシャは「脱がせなきゃいいのかな」と呟いて、布の隙間からそのひんやりとした手を差し入れた。
粟立っていく肌を追いかけるように、指先が艶乳を這い撫でる。直に体を触れられたのは初めてで、知らない快感にまた腰がぴくと弾んだ。
もう一方の手は腰元を撫で降り、纏っている布を捲りあげる。ショーツの端に指をかけ、じりじりと臍の近くへ指を滑らせていく。
「ぁ、あ……は。で、でぃあんしゃ、あ……ん」
気持ちいい。幸せ。彼に触られるたび、キスをされるたび、舐められるたびにとても愛されていると本能で感じた。ふわふわして、天使の翼みたい柔らかくて温かくて、ずっとこの腕に包まれていたいと思う。
「や、ぁ……」
既にぬるぬるになった秘園に指が沈んでいく。ショーツのあいだに手が差し込まれれば、つぅ、と糸を引く粘液でぐちゅぐちゅに溢れていたことに気づかされる。彼の指は快楽を植えつけるように愛涎を掬い、粒に塗ってやわやわと弾く。
「かわい」
耳元でそう囁かれたあと、熱い肉感を伴って舌が耳孔をなぶる。もう片方は別の手で塞がれ、粘着質な音が脳内に響いていく。秘部を弄っている音と錯覚しそうになり、ますます体が溺れていく。
ずぷりとナカへ入りこむ指の感覚に、足先がぴくぴくと痙攣する。ディアンシャは嗤い、その肉壁の凹凸を擦るように奥へ侵入させていく。涙目になって彼の腕を掴んだ。
「ぁ、や……ぁ……。だ。やぁ、だ。きもち、……きもち、い。ぃ、や……いや、ぁ」
「お前がねだったんだろ」
いつもより冷たい声色がさらに劣情を煽り、胎の奥を掻くソレに重く意識が沈んでいく。ぐちゅぐちゅと愛液と指がかき混ざり、内側の好いところをこりこりと刺激する。
「ぁん、や……。そ、れ。すき、ぃ……。ね、ぁ……」
半開きの目から熱い涙が零れ、口をぱくぱくと開閉させる。ディアンシャは別の指を咥内に差し入れて、頬の裏や歯茎をじわじわとなぶった。
何かが瞬きそうになると彼は別のところを弄るので、不完全な快楽にもどかしさが募っていった。甘えるように彼の指を舐め、唾液で喉が苦しくなると彼がそれを掬う。
ディアンシャは体を落として顔を近づける。頬を包み首筋にキスをしたあと、目尻をぺろと舐めた。無理やり眼をこじ開けて瞳に甘い唾液が塗られ、脳がじりじりと焦がれていく。
「ッは、あ……。ぁ、あ。は……ね。ねが、い」
焦らされていることに気づき、求めるように腰を動かす。ディアンシャは嗤って指を抜いてしまい、花芽やその花弁をくすぐってしまう。
「やぁ、……ね。ぁ……や、だ」
目尻を濡らす涙を舐めとり、そのあと唇の端にキスをする。ぞく、と心臓が戦慄く。彼は首を傾けて唇を近づけていく。別の指が下唇を羽根のように這い撫でて、彼の熱い視線がそれに注がれる。
「なあ……キスしよう」
「ぁ、んッ。は、ッあ、あ……」
今も裂け目の入口を指が出たり入ったりしている。ほしい、ほしい。気持ちいいのがほしい。いやだ。重い快美が波のようにしなり、胎内をいっそう煽りたてる。
「そしたらイかしてあげる」
「ぇ、あ。……ん、ッあ。は……」
頭が回らない。なに、なにが。どうしたらって。
彼の吐息が唇を濡らし、わたしは餓えるように口が開けた。ほしい、気持ちくしてほしい。気持ちいいのがほしいよ。ね、え。
ディアンシャは舌を摘んで引っ張った。裂けるような痛みに顔を顰めた直後、舌が絡み合い一気に快へと引きずり込む。柔く弄られる舌遣いがもどかしくて、もっとほしいと懸命に口を開ける。息が熱を帯び、色香を伴って漏れだしていく。
彼はくつくつと嗤いながら舌を舐めて、するりと咥内へ差し入れる。長い舌が唇を舐め、その裏側をちゅんちゅんと擽る。
「ゃ、あ。んッ……、は、あ」
もっとしたい。もっとしてほしい。気持ちいい。知らぬ間に彼の腕を掴んで下へ引っ張っていた。彼がぐっと力を込めて顔をあげる。
「これ以上は無理。許可して」
「ぁ、は、や……え? んッ……」
なにが、なんの。
ディアンシャは耳元に唇を寄せる。
「キスしよう? な?」
蠱惑的な声は脳内をひと舐めして、心ごと奪い去りそうだった。こくと頷きかけた首は、ぎりぎりで意識をとり戻した。
「ね。だめ、ね。だめ」
焦らされた悦楽に潤んだ視界が揺らぐ。腕を強く掴み懸命に首を振る。
「や、だ。だめ、だ、め。ッ、あ、ん……」
青眼が不機嫌に細まり、甘い声色が落ちる。
「嫌なの」
「ちが。んッ……。や、やじゃ……ぁ、な。いッ」
秘部は長いあいだ捏ねられたせいで、蜜が溢れて焦れったくヒクヒクと蠢いている。彼の指が奥に差し入り、敏感なところを撫ではじめる。びく、びく、と胎内が震え、無意識に腰が浮く。
「じゃあしたい?」
ディアンシャの焦がれるような視線が穿たれる。脈打った体を堪えて、泣きそうになりながら頷く。
「し、た。い……よ、でも。でッ、も……ぁ」
彼の視線が外れ、襲いくる倒錯に身を委ねる。ディアンシャが少し指を早めただけで、ぐちゅぐちゅに熟れたそこは一瞬で果てた。
「ッは、あ。あ……。は……ぁ……」
喘ぐように呼吸をして、息を整えようとする。ディアンシャは体を下ろしてわたしの隣に横たわった。丸くなるわたしを引き寄せ、強く抱きしめる。
「かわいい。ほんとかわいい」
「あ、ん。でぃあ、んしゃ」
「額ってキスしていいんだっけ」
わたしが頷くと、彼はそっと労わるように唇を寄せた。やわやわと頭を撫でる。
「なんで俺悪魔なんだろ。いっそのこと人間ならよかった」
そんなことを言う彼が可哀想で、愛おしくて、わたしはさらに強く腕を回す。
「ディアンシャ……」
彼はわたしの頬を包む。
「意地悪したな。ごめんね」
本当に辛そうに謝るから、わたしはきゅっと唇を結んで俯いた。
「え、と……。ん……」
ディアンシャはゆるゆると背中の翼を撫でて、はあ、と透明な息を漏らした。
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