超能力者一家の日常

ウララ

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第1章 憶斗の1日

10話 依頼内容

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「・・・は?」
僕はあまりの事に素っ頓狂な声を出してしまった。何しろ薬を飲んだら全身が透明になって元に戻らなくなったと言うのだ。

「それは詰まり、薬を飲んだら能力が向上したってことか?」

「恐らく。能力を使っていると言う感じは有るので。只、何故か自分の意思で能力を解除出来ないんです。発動も勝手にしたので」

「うーん」
能力を向上させる薬か。確かにそんな薬があるのは知っているが、能力の発動を強制させて更に解除出来ない何てのは知らないな。そもそもそんな事出来るのか?

「幾ら薬のせいで能力のコントロールが出来ないからって、体力が尽きれば解除されるんじゃないの?」
エミリーが宍戸さんにそう疑問を投げ掛ける。

「確かに疲れる感じは有るんですけど、不思議と能力が使えなくなるような疲労困憊にはならないんですよ。一週間もこの状態何ですけど。不思議ですね」

「え?嘘だろ!幾ら何でも一週間はおかしいだろ!そんな効力続く何て聞いたこと無いぞ!
ってか一週間も透明なままって大丈夫なのか?」
僕は思わず矢継ぎ早に話してしまった。だけどさ、一週間もこの状態って色々とやばいだろ。

「は、はぁ」
宍戸さんは茫然とした声を漏らした。

「学校とかはどうしてるの?誰にも見られ無いんでしょ」

「学校は風邪で休みと言うことにしています。家は1人暮らしなのでバレていません。只、学校から出れなくなったのが辛いですが」

「学校から出れないって透明なままなのが怖いのか?」

「そう言う訳では無く物理的に出れないんです。どう足掻いても透明の壁がある見たいで。他の人は普通に通っているんですが何故か私だけ」

「あ」

「どうしたエミリー?」

「ううん。何でもない」

「そうか?まぁ良いや。
取り敢えず、まとめると怪しい薬を飲んで能力が向上したのは良いけどコントロールが出来なくて透明なまま。更にどういう訳か学校から出れないと」

「はい、そうです」

「で、それを解決すればいいんだな?薬を貰ったと言うお爺さんは調べなくて良いんだな?」

「?はい。元に戻ればいいので」

「分かった。五万だな」

「えーっと。ゴマン?何ですか?」

「依頼料が五万円だってことだ」

「えー!お金取るんですか!しかも高い!」

「当たり前だ。暗闇の何でも屋は誰だろうがどんな事だろうが依頼として受けるがそれ相応の対価を貰う。お金が無いなら同価値の物でも構わないが」

「うぅ。分かりました。このまま手を子招いてもどうしようも無いので助けて下さい。」
宍戸さんは少しの間考え込んだが渋々ながらも依頼として頼んで来た。

「了解。じゃあ依頼開始だ」
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