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第3章 偽りの平和
32話 日常or非日常
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「リ、リュウ?」
その声を聞いて顔を上げると一人の女の子が地べたに座り込んでいた。
「コハク!?」
その子はゲーム仲間のコハクだった。
「う、後ろ!」
コハクの忠告通りゴブリンが2体襲い掛かって来る。だけど既に気付いていた。≪サンダークロー≫でゴブリンを切り裂く。
「「ギャァァァァァ」」
断末魔を上げて倒れるゴブリン。
「大丈夫か?」
その光景を見て怖がっているのか震えているコハクに手を差し伸べる。
「う、うん」
コハクを起こすと他にモンスターがいないか≪魔眼≫で確認する。
「ッ!」
ゴブリンの群れだ!辺りを見回してみれば道路に、家の屋根に、至る所にゴブリンがいた。
「「「「「ギャァァァ!」」」」」
「な、なんなの!」
≪人払い≫のスキルを使っているので一般人が被害に遭う事は無いとは思うが…。コハクが迷い込んだ事を考えるとこのスキルも完璧ではないらしい。
「取り敢えず俺から離れないくれ」
「う、うん」
「≪スパーク≫」
四方八方に雷を放つ。
ゴブリン共が怯んでいる隙にコハクを抱えて空に逃げ、≪竜化:30%≫を使い空中に留まる。
ゴブリンの数はざっと100体。ゲームとは違って実際に人が住んでいるので建物を傷つけない様に照準を合わせる。
「≪サンダーレイン≫」
雷の雨がゴブリン共に降り注ぐ。
「「「「「グガァァァァ」」」」」
雷に打たれて次々と倒れていく。この調子ならすぐに全滅出来るだろう。だけどそう都合良くは行かないのが現実だ。
「え?あれって、空蛇!」
俺達の前に現れたのは体長10mはある羽を生やした蛇だ。遠くから見れば龍と見間違う事からフェイクドラゴンとも呼ばれている。おまけにドラゴンと呼ばれるだけあってそれなりの実力はありAランクだ。
「≪ガーネット≫コハクを頼む」
「承知致しました」
名前を呼ぶとガーネットが何処からともなく現れる。コハクを預けるとすぐさま空蛇に向かって飛んでいく。その間にも≪サンダーレイン≫を使い続ける。
「シャァァァ!」
「≪サンダークロー≫」
空蛇はその巨体で体当たりをしてくるがそれを間一髪で避け頭から尻尾に向かって斬り付ける。尻尾まで辿り着くと雷で模った爪で尻尾を食い込むように掴む。これで逃げられまい。
「はぁああああ!」
空蛇を力一杯上空に投げ飛ばす。
「≪フレイムカノン≫」
「シャアァァ!」
空蛇は炎の光線に飲まれ絶命する。飛ぶ力を失った空蛇はこっちに向かって落下してくるが≪アイテムボックス≫を使う事で押し潰されるのを防ぐ。
下を見ると全てのゴブリンが倒れていた。だがそれに気付いていなかったので雷はまだ無造作に落ちている。
◆ ◆ ◆
「……」
私は地上に降りて行くリュウをただ眺めていた。だってゲームで戦っている時とほぼ同じ光景を見せられたら驚くしかない。
ここは現実、これは現実。
一体何が起きているの?
その声を聞いて顔を上げると一人の女の子が地べたに座り込んでいた。
「コハク!?」
その子はゲーム仲間のコハクだった。
「う、後ろ!」
コハクの忠告通りゴブリンが2体襲い掛かって来る。だけど既に気付いていた。≪サンダークロー≫でゴブリンを切り裂く。
「「ギャァァァァァ」」
断末魔を上げて倒れるゴブリン。
「大丈夫か?」
その光景を見て怖がっているのか震えているコハクに手を差し伸べる。
「う、うん」
コハクを起こすと他にモンスターがいないか≪魔眼≫で確認する。
「ッ!」
ゴブリンの群れだ!辺りを見回してみれば道路に、家の屋根に、至る所にゴブリンがいた。
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≪人払い≫のスキルを使っているので一般人が被害に遭う事は無いとは思うが…。コハクが迷い込んだ事を考えるとこのスキルも完璧ではないらしい。
「取り敢えず俺から離れないくれ」
「う、うん」
「≪スパーク≫」
四方八方に雷を放つ。
ゴブリン共が怯んでいる隙にコハクを抱えて空に逃げ、≪竜化:30%≫を使い空中に留まる。
ゴブリンの数はざっと100体。ゲームとは違って実際に人が住んでいるので建物を傷つけない様に照準を合わせる。
「≪サンダーレイン≫」
雷の雨がゴブリン共に降り注ぐ。
「「「「「グガァァァァ」」」」」
雷に打たれて次々と倒れていく。この調子ならすぐに全滅出来るだろう。だけどそう都合良くは行かないのが現実だ。
「え?あれって、空蛇!」
俺達の前に現れたのは体長10mはある羽を生やした蛇だ。遠くから見れば龍と見間違う事からフェイクドラゴンとも呼ばれている。おまけにドラゴンと呼ばれるだけあってそれなりの実力はありAランクだ。
「≪ガーネット≫コハクを頼む」
「承知致しました」
名前を呼ぶとガーネットが何処からともなく現れる。コハクを預けるとすぐさま空蛇に向かって飛んでいく。その間にも≪サンダーレイン≫を使い続ける。
「シャァァァ!」
「≪サンダークロー≫」
空蛇はその巨体で体当たりをしてくるがそれを間一髪で避け頭から尻尾に向かって斬り付ける。尻尾まで辿り着くと雷で模った爪で尻尾を食い込むように掴む。これで逃げられまい。
「はぁああああ!」
空蛇を力一杯上空に投げ飛ばす。
「≪フレイムカノン≫」
「シャアァァ!」
空蛇は炎の光線に飲まれ絶命する。飛ぶ力を失った空蛇はこっちに向かって落下してくるが≪アイテムボックス≫を使う事で押し潰されるのを防ぐ。
下を見ると全てのゴブリンが倒れていた。だがそれに気付いていなかったので雷はまだ無造作に落ちている。
◆ ◆ ◆
「……」
私は地上に降りて行くリュウをただ眺めていた。だってゲームで戦っている時とほぼ同じ光景を見せられたら驚くしかない。
ここは現実、これは現実。
一体何が起きているの?
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