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第3章 偽りの平和
31話 鍛錬の日々
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「はぁー、≪炎刀・焔≫」
赤い刀身に赤い炎を纏った刀を持ち斬り掛かって来る男。
その攻撃をすんでの所で回避する。そして、すぐさま≪サンダーフィスト≫を繰り出して反撃する。だが、その攻撃は刀で受け止められてしまった。
「っ」
体制を立て直す為に一度後退する。
強い。だが≪竜化≫スキルを使えば勝てるだろう。何しろ相手は格下のSランク。だけど今の戦いはそういうのじゃない。如何にスキルを使いこなすかの戦いだ。
そもそも碌に運動もしてなかった俺が現実で戦えているのは≪格闘技≫スキルで何となく戦い方がわかっていたからだ。だけど何となくじゃダメだ。意識して、自分で考えて戦わなければならない。
その為にも、……
「≪サンダーフォール≫」
高質量の雷が男に向かって落ちる。
「っと」
だが男は難なく後ろに避ける。
「≪サンダーフィスト≫」
その回避の最中に攻撃を仕掛ける。≪サンダーフォール≫で視界が遮られ、対面に居る俺の接近には気づけなかったはずだ。身動きは出来まい。
「≪炎刀・炎舞≫」
当たった!と思ったが手応えは無い。当たったのは炎だ。
「ッ!」
気が付けば赤い刀身が俺の喉に当たっていた。あの状況で躱された。しかも逆に追い込まれた。
「降参だ」
両手を挙げ戦う意思がない事を示す。すると男も刀を収め戦闘態勢を解く。
「ふぅ。お疲れさん。良い試合だったよ」
「お疲れ様。こっちこそ良い試合だったよ。自分もまだまだたと分かったからな」
互いに労いの言葉を掛け合う。さっきの戦いは実践訓練だ。ここは『ガーディアン』が所有する建物の1つ。学校の体育館と同じくらいの広さがあり、尚且つスキルによる防音や防火、衝撃対策がされており頑丈で外に戦いの様子を漏らさない様に出来ている。他にも筋トレに使う道具が揃ったトレーニングルームがあったりする。というか表向きはフィットネスジムとなっている。
そして、俺と戦っていたのは佐久間 啓太。20歳丁度の大学生で『ガーディアン』の戦闘員だ。彼とは4歳も年が離れているがなんやかんや合って今では親友だ。
「そういえば、もうそろそろ竜也の学校も文化祭があるんだっけ」
「ああ」
「良いよなぁー。彼女と模擬店周ったりするんだろ。俺もそんな青春したかったなぁ」
「彼女じゃないし!只の幼馴染み!」
「はいはい」
全く。啓大には何度も只の幼馴染みと言っているのに彼女と茶化されてしまう。
「そろそろ見回りの時間だし帰るわ」
何とか話を逸らし帰路に付く。
外に出ればもうすっかり暗くなっていた。時計は午後の8時を回っていた。
「何か最近は放課後の時間を殆どこの場所で過ごしているな」
◆ ◆ ◆
「じゃあね。また明日、絵里ちゃん」
「うん。また明日、華蓮ちゃん」
学校からの帰り道、いつもの場所で絵里ちゃんと別れる。
「ギャァァァ」
「え?」
突如、悲鳴のような声が空から聞こえてくる。疑問に思い見上げてみると緑色の物体が落ちてきた。
「ギィ、ギィ」
落ちてきたのはゴブリンだった。
「ギヒィ」
ゴブリンは私を見つけると手に持った棍棒を振り被り襲い掛かる。
「へ?」
余りにも唐突過ぎて理解が追い付かないけど、これ本物?。そう思った頃にはゴブリンは目の前にいた。
こ、殺される!
「≪サンダーフィスト≫」
「ギャァァァ!」
「ふ、ふぇ?」
思わず尻餅を付いてしまった。足元にはゴブリンの持っていた棍棒、ゴブリン自体は倒れており、その上に男の人がのしかかっていた。それにその男には見覚えがある。
「リ、リュウ?」
もう、訳分かんない!
赤い刀身に赤い炎を纏った刀を持ち斬り掛かって来る男。
その攻撃をすんでの所で回避する。そして、すぐさま≪サンダーフィスト≫を繰り出して反撃する。だが、その攻撃は刀で受け止められてしまった。
「っ」
体制を立て直す為に一度後退する。
強い。だが≪竜化≫スキルを使えば勝てるだろう。何しろ相手は格下のSランク。だけど今の戦いはそういうのじゃない。如何にスキルを使いこなすかの戦いだ。
そもそも碌に運動もしてなかった俺が現実で戦えているのは≪格闘技≫スキルで何となく戦い方がわかっていたからだ。だけど何となくじゃダメだ。意識して、自分で考えて戦わなければならない。
その為にも、……
「≪サンダーフォール≫」
高質量の雷が男に向かって落ちる。
「っと」
だが男は難なく後ろに避ける。
「≪サンダーフィスト≫」
その回避の最中に攻撃を仕掛ける。≪サンダーフォール≫で視界が遮られ、対面に居る俺の接近には気づけなかったはずだ。身動きは出来まい。
「≪炎刀・炎舞≫」
当たった!と思ったが手応えは無い。当たったのは炎だ。
「ッ!」
気が付けば赤い刀身が俺の喉に当たっていた。あの状況で躱された。しかも逆に追い込まれた。
「降参だ」
両手を挙げ戦う意思がない事を示す。すると男も刀を収め戦闘態勢を解く。
「ふぅ。お疲れさん。良い試合だったよ」
「お疲れ様。こっちこそ良い試合だったよ。自分もまだまだたと分かったからな」
互いに労いの言葉を掛け合う。さっきの戦いは実践訓練だ。ここは『ガーディアン』が所有する建物の1つ。学校の体育館と同じくらいの広さがあり、尚且つスキルによる防音や防火、衝撃対策がされており頑丈で外に戦いの様子を漏らさない様に出来ている。他にも筋トレに使う道具が揃ったトレーニングルームがあったりする。というか表向きはフィットネスジムとなっている。
そして、俺と戦っていたのは佐久間 啓太。20歳丁度の大学生で『ガーディアン』の戦闘員だ。彼とは4歳も年が離れているがなんやかんや合って今では親友だ。
「そういえば、もうそろそろ竜也の学校も文化祭があるんだっけ」
「ああ」
「良いよなぁー。彼女と模擬店周ったりするんだろ。俺もそんな青春したかったなぁ」
「彼女じゃないし!只の幼馴染み!」
「はいはい」
全く。啓大には何度も只の幼馴染みと言っているのに彼女と茶化されてしまう。
「そろそろ見回りの時間だし帰るわ」
何とか話を逸らし帰路に付く。
外に出ればもうすっかり暗くなっていた。時計は午後の8時を回っていた。
「何か最近は放課後の時間を殆どこの場所で過ごしているな」
◆ ◆ ◆
「じゃあね。また明日、絵里ちゃん」
「うん。また明日、華蓮ちゃん」
学校からの帰り道、いつもの場所で絵里ちゃんと別れる。
「ギャァァァ」
「え?」
突如、悲鳴のような声が空から聞こえてくる。疑問に思い見上げてみると緑色の物体が落ちてきた。
「ギィ、ギィ」
落ちてきたのはゴブリンだった。
「ギヒィ」
ゴブリンは私を見つけると手に持った棍棒を振り被り襲い掛かる。
「へ?」
余りにも唐突過ぎて理解が追い付かないけど、これ本物?。そう思った頃にはゴブリンは目の前にいた。
こ、殺される!
「≪サンダーフィスト≫」
「ギャァァァ!」
「ふ、ふぇ?」
思わず尻餅を付いてしまった。足元にはゴブリンの持っていた棍棒、ゴブリン自体は倒れており、その上に男の人がのしかかっていた。それにその男には見覚えがある。
「リ、リュウ?」
もう、訳分かんない!
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