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ウララ

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第1章 仮想世界

15話 防衛戦終了

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目の前が真っ白だ。
奴の攻撃に飲み込まれたからか、既にゲームオーバーしたからか解らないが360°全てが真っ白だ。

「っう」

だが、暫くして視界が開けてくる。

「なっ!」

目にしたのはただただ荒れ果てた地面それだけだ。そこにはコハク達も地上で戦っていた千の竜軍もサイクロプスも居なかった。

「ギャァァァァァ!」

一人立ち尽くしていると突如、白いドラゴンの咆哮が鳴り響く。

ドラゴンは先程よりも大きく威圧的に見える。いや、俺の竜化が解けて大きく見えるのか。HPも残り1割を切っている。絶望的状況だ。

ピロン

こんな状況の中通知音がなる。
その通知を見た俺は思わずにやける。まだ勝機が残っているのだ。

「特殊スキル、≪竜化:120%≫!」

特殊スキル。それは一定の条件を達成する事によりスタミナを使わずに発動させる事の出来るスキル。

今回の場合、1ヶ月に一回の使用制限とHPが1割を切っている事が条件だった。その条件が今の通知で揃ったのだ。

俺は100%の時よりも大きい体長50mの黒いドラゴンの姿になる。更に見た目も荒々しくなり迫力満点だ。

「行くぞ!」

「グギャァァァァァ!」

俺が戦闘体制に入ったからか白い光線を放つドラゴン。

「≪ドラゴンフルフレイムカノン≫」

それに対抗するため赤黒い炎の光線を放つ。
二つの光線が衝突し互いに押し合う。

ドオォォン

均衡していた光線は限界に達したのか爆発し煙が湧き出る。

その煙に紛れてドラゴンに接近する。

「≪ドラゴンフルサンダーフィスト≫」

「ギャァァァァ」

ドラゴンも俺に気付き白く輝く拳で迎え撃つ。

「くっ」

だがすぐに決着は付かず力のぶつかり合いが続く。奥の手である120%の力でも足ない。押し返されるのも時間の問題だ。

「これは」
突如として目の前に通知が現れる。

『特殊スキル≪ブラックフィスト≫を習得しました。』

戦闘時でもスキルを習得する事はある。でもその殆どは初心者で習得しきる。今更戦うだけで習得出来るのならEXランクなんてゴロゴロいるだろう。

不安は感じるがもうこれに頼るしかない。

「頼むぞ≪ブラックフィスト≫」

スキルが発動すると拳に纏っていた雷が黒い靄に変わる。
それだけでなく黒い靄は徐々に体全体を覆っていく。

「すごい」

黒い靄を纏えば纏う程力が溢れて来る。

「行けぇぇぇ!」

形勢が逆転しドラゴンの拳を押し返す。
押し返し俺の拳はドラゴンの鳩尾を殴る。

「グギャァァァァァ!」

「はあぁぁぁ!」
ドラゴンは悲鳴を上げ、俺は更に力を込める。

「ギャァァァァァァァァァ!!」

最後に激しい悲鳴を上げ白いドラゴンは消滅した。

ゲームクリア。都市防衛戦が終了したのだ。


 ◆ ◆ ◆


人気が無くなった会議室。そこに一人初老の男性がいた。古木と呼ばれている人物だ。
古木はタブレットを操作し今回のイベントの参加者リストを見ていた。

「ふむ。中々の出来ですね。特にリュウとか言うプレイヤーは。とはいえあの『白竜』を倒したのですから。それに、にも気に入られているみたいですしね。」

古木は何やらぶつぶつと独り言を話していた。
その最後には「では最終段階に入りましょうか」と呟いていた。
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