16 / 68
第1章 仮想世界
15話 防衛戦終了
しおりを挟む
目の前が真っ白だ。
奴の攻撃に飲み込まれたからか、既にゲームオーバーしたからか解らないが360°全てが真っ白だ。
「っう」
だが、暫くして視界が開けてくる。
「なっ!」
目にしたのはただただ荒れ果てた地面それだけだ。そこにはコハク達も地上で戦っていた千の竜軍もサイクロプスも居なかった。
「ギャァァァァァ!」
一人立ち尽くしていると突如、白いドラゴンの咆哮が鳴り響く。
ドラゴンは先程よりも大きく威圧的に見える。いや、俺の竜化が解けて大きく見えるのか。HPも残り1割を切っている。絶望的状況だ。
ピロン
こんな状況の中通知音がなる。
その通知を見た俺は思わずにやける。まだ勝機が残っているのだ。
「特殊スキル、≪竜化:120%≫!」
特殊スキル。それは一定の条件を達成する事によりスタミナを使わずに発動させる事の出来るスキル。
今回の場合、1ヶ月に一回の使用制限とHPが1割を切っている事が条件だった。その条件が今の通知で揃ったのだ。
俺は100%の時よりも大きい体長50mの黒いドラゴンの姿になる。更に見た目も荒々しくなり迫力満点だ。
「行くぞ!」
「グギャァァァァァ!」
俺が戦闘体制に入ったからか白い光線を放つドラゴン。
「≪ドラゴンフルフレイムカノン≫」
それに対抗するため赤黒い炎の光線を放つ。
二つの光線が衝突し互いに押し合う。
ドオォォン
均衡していた光線は限界に達したのか爆発し煙が湧き出る。
その煙に紛れてドラゴンに接近する。
「≪ドラゴンフルサンダーフィスト≫」
「ギャァァァァ」
ドラゴンも俺に気付き白く輝く拳で迎え撃つ。
「くっ」
だがすぐに決着は付かず力のぶつかり合いが続く。奥の手である120%の力でも足ない。押し返されるのも時間の問題だ。
「これは」
突如として目の前に通知が現れる。
『特殊スキル≪ブラックフィスト≫を習得しました。』
戦闘時でもスキルを習得する事はある。でもその殆どは初心者で習得しきる。今更戦うだけで習得出来るのならEXランクなんてゴロゴロいるだろう。
不安は感じるがもうこれに頼るしかない。
「頼むぞ≪ブラックフィスト≫」
スキルが発動すると拳に纏っていた雷が黒い靄に変わる。
それだけでなく黒い靄は徐々に体全体を覆っていく。
「すごい」
黒い靄を纏えば纏う程力が溢れて来る。
「行けぇぇぇ!」
形勢が逆転しドラゴンの拳を押し返す。
押し返し俺の拳はドラゴンの鳩尾を殴る。
「グギャァァァァァ!」
「はあぁぁぁ!」
ドラゴンは悲鳴を上げ、俺は更に力を込める。
「ギャァァァァァァァァァ!!」
最後に激しい悲鳴を上げ白いドラゴンは消滅した。
ゲームクリア。都市防衛戦が終了したのだ。
◆ ◆ ◆
人気が無くなった会議室。そこに一人初老の男性がいた。古木と呼ばれている人物だ。
古木はタブレットを操作し今回のイベントの参加者リストを見ていた。
「ふむ。中々の出来ですね。特にリュウとか言うプレイヤーは。模造品とはいえあの『白竜』を倒したのですから。それに、あの人にも気に入られているみたいですしね。」
古木は何やらぶつぶつと独り言を話していた。
その最後には「では最終段階に入りましょうか」と呟いていた。
奴の攻撃に飲み込まれたからか、既にゲームオーバーしたからか解らないが360°全てが真っ白だ。
「っう」
だが、暫くして視界が開けてくる。
「なっ!」
目にしたのはただただ荒れ果てた地面それだけだ。そこにはコハク達も地上で戦っていた千の竜軍もサイクロプスも居なかった。
「ギャァァァァァ!」
一人立ち尽くしていると突如、白いドラゴンの咆哮が鳴り響く。
ドラゴンは先程よりも大きく威圧的に見える。いや、俺の竜化が解けて大きく見えるのか。HPも残り1割を切っている。絶望的状況だ。
ピロン
こんな状況の中通知音がなる。
その通知を見た俺は思わずにやける。まだ勝機が残っているのだ。
「特殊スキル、≪竜化:120%≫!」
特殊スキル。それは一定の条件を達成する事によりスタミナを使わずに発動させる事の出来るスキル。
今回の場合、1ヶ月に一回の使用制限とHPが1割を切っている事が条件だった。その条件が今の通知で揃ったのだ。
俺は100%の時よりも大きい体長50mの黒いドラゴンの姿になる。更に見た目も荒々しくなり迫力満点だ。
「行くぞ!」
「グギャァァァァァ!」
俺が戦闘体制に入ったからか白い光線を放つドラゴン。
「≪ドラゴンフルフレイムカノン≫」
それに対抗するため赤黒い炎の光線を放つ。
二つの光線が衝突し互いに押し合う。
ドオォォン
均衡していた光線は限界に達したのか爆発し煙が湧き出る。
その煙に紛れてドラゴンに接近する。
「≪ドラゴンフルサンダーフィスト≫」
「ギャァァァァ」
ドラゴンも俺に気付き白く輝く拳で迎え撃つ。
「くっ」
だがすぐに決着は付かず力のぶつかり合いが続く。奥の手である120%の力でも足ない。押し返されるのも時間の問題だ。
「これは」
突如として目の前に通知が現れる。
『特殊スキル≪ブラックフィスト≫を習得しました。』
戦闘時でもスキルを習得する事はある。でもその殆どは初心者で習得しきる。今更戦うだけで習得出来るのならEXランクなんてゴロゴロいるだろう。
不安は感じるがもうこれに頼るしかない。
「頼むぞ≪ブラックフィスト≫」
スキルが発動すると拳に纏っていた雷が黒い靄に変わる。
それだけでなく黒い靄は徐々に体全体を覆っていく。
「すごい」
黒い靄を纏えば纏う程力が溢れて来る。
「行けぇぇぇ!」
形勢が逆転しドラゴンの拳を押し返す。
押し返し俺の拳はドラゴンの鳩尾を殴る。
「グギャァァァァァ!」
「はあぁぁぁ!」
ドラゴンは悲鳴を上げ、俺は更に力を込める。
「ギャァァァァァァァァァ!!」
最後に激しい悲鳴を上げ白いドラゴンは消滅した。
ゲームクリア。都市防衛戦が終了したのだ。
◆ ◆ ◆
人気が無くなった会議室。そこに一人初老の男性がいた。古木と呼ばれている人物だ。
古木はタブレットを操作し今回のイベントの参加者リストを見ていた。
「ふむ。中々の出来ですね。特にリュウとか言うプレイヤーは。模造品とはいえあの『白竜』を倒したのですから。それに、あの人にも気に入られているみたいですしね。」
古木は何やらぶつぶつと独り言を話していた。
その最後には「では最終段階に入りましょうか」と呟いていた。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
和風MMOでくノ一やってたら異世界に転移したので自重しない
ペンギン4号
ファンタジー
和風VRMMO『大和伝』で【くノ一】としてプレイしていた高1女子「葵」はゲーム中に突然よく分からない場所に放り出される。
体はゲームキャラそのままでスキルもアイテムも使えるのに、そこは単なるゲームの世界とは思えないほどリアルで精巧な作りをしていた。
異世界転移かもしれないと最初はパニックになりながらもそこにいる人々と触れ合い、その驚異的な身体能力と一騎当千の忍術を駆使し、相棒の豆柴犬である「豆太郎」と旅をする。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!
しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。
βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。
そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。
そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する!
※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。
※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください!
※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる