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2章3部フィナールの街編

61話 組合

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娼婦達の環境改善の為にマチルダと娼婦達の休憩用の部屋にやって来たタケル。マチルダに娼婦達の現状を聞き、コンドームを使う事を提案したが、マチルダが客離れを心配していた為にあるゴーレムを作り、そのゴーレムを相手にマチルダに日本の特殊浴場のサービスを体験して貰った。サービスを体験したマチルダはこれならイケるとし、その後実際にお客を取って試してみる事になった。そして後日タケルが結果を聞くと予想以上に好評で、更に思わぬ効果も発現した事が判った。 そしてタケルはマチルダと様々な話をするうちに、娼婦の現状の事ばかりで娼婦にならざるをえなかった原因の事を忘れていた事に気付き自分に腹を立て落ち込んでいた。そんなタケルをマチルダは抱き締めながら言葉を掛けて励ましていた。

「ん、んん~。」

タケルはマチルダに抱き締められていたが、顔を胸に押し付けられていた為に声を出さないでいた。

「あらっ、私ったら。ごめんなさい、大丈夫だった?ぼうや。」

「ぶはっ!ハア、ハア、え、ええ。大丈夫です。ちょっとドキドキしちゃいましたが、問題無いです。」

「あらっ、私の胸で興奮してくれったって事かしら?昨日私のあんな姿を見たのに何もして来なかったから興味無いのかと思ったわ。」

マチルダはそう言いながら嬉しそうにして、胸を持ち上げ強調していた。

「興味が無いなんてそんな、マチルダさんはとても魅力的な女性だと思ってますよ。」

「あら、ぼうやったらお上手ね。ぼうや、経験は有るのかしら?ぼうやならお金は要らないわ。仕事としてじゃなく、個人的にどうかしら?」

マチルダはそう言いながらタケルの顔を触ると、指先で頬を愛撫をするかのように下へ移動させて行った。

「マチルダさん。マチルダさんはとても魅力的で素敵な女性です。けど俺には婚約者が居て、初めてはその婚約者とって決めて要るんです。」 

タケルはマチルダの手を掴んで愛撫のような動きを止めさせると、マチルダとは出来ないという事を話した。

「あら、そうなの?残念、お姉さんフラれちゃったわ。でも素敵ね、その婚約者が羨ましいわ。」

マチルダはそう言って冗談のように笑っていたが、羨ましいとい言ったその言葉は本心のように感じた。

「あ、そうだ。元締めの方ってお会い出来るんですかね?」

タケルは妙な空気になりつつあるその場の雰囲気を変えるために、無理やり話題を変えてマチルダに尋ねた。 

「ああ、元締めね。それならもう話は付いてるわよ。」

「えっ?」

「この界隈には元締めっていうのは居なくてね、女性達が組合のような物を作ってるのよ。それでその女性達を今纏めてるのが私。」

「ええ!?」

タケルは驚いた。元締めに話す前にとマチルダに話をしたつもりだったが、実はマチルダが元締めのような役割をしている人物だったのだ。

「ごめんね、隠すつもりは無かったんだけど、元締めとは違うし、別に言わなくても良いかなって思ってたの。」

「そうでしたか。少し驚きましたが、むしろ手間が省けて良かったです。」

「そう言って貰えると助かるわ。」

「ところで、ここら辺の建物って所有者は誰なんですか?」

「んん~、そうね・・・」

マチルダは少し考え込んでいた。どうやらマチルダは誰の名義なのか知らないようであった。

「ごめなさい、判らないわ。私が纏め役になるずっと前からこの状態だったのよ。ここを使う女性達が少しずつお金を出し合って壊れた所とかを直してるのよ。」

タケルはそう言われ、室内を改めて見回してみた。良く見ると至る所が補修されており、大事に使われて来た事が伺える。

「そうなんですか、じゃあ所有者は居ないかもしれないって事ですね?」

「そうなるかしらね。」

タケルはそう言うと、少し考え込んでいるようで、顎に手を当ててブツブツと呟いていた。

「マチルダさん、俺はちょっと出掛けて来ますね。」

タケルはそう言うと立ち上がり、部屋の外へ出ていこうとした。マチルダは慌ててタケルに声を掛けて呼び止めた。

「えっ、ちょっと。ぼうやったらいったいどこへ行くのよ。」

「ちょっとフィナール伯爵の所に行って来ますね。」

「えっ、フィナール伯爵って?え?えっ?」

タケルは驚くマチルダに手を振ると、扉を開けて出て行き、路地裏に入ると転移で伯爵の屋敷へ向かった。

「こんばんは。タケル様。どうされましたか?」

いつものように顔パスで門を通ると玄関で執事のバルタサールがタケルを出迎えた。

「こんばんは、バルタサールさん。今日はちょっと確認したい事が有りまして。」

「畏まりました。旦那様はお食事を終えて寛いでおられます。こちらへどうぞ。」

バルタサールはタケルをフィナール伯爵の居るリビングへタケルを案内すると扉をノックした。

「旦那様。タケル様がいらっしゃいました。」

バルタサールがそう声を掛けると返事よりも先に扉が開き、フィナール伯爵が笑顔でタケルを出迎えた。

「やあ、タケル君。どうしたんだい?」

「こんばんは、伯爵。ちょっと確認したい事が有りまして。」

「そうか、じゃあ入って。バルタサール、タケル君にお茶を。」

「畏まりました。」

バルタサールは頭を下げるとお茶の準備をしに離れて行った。フィナール伯爵はタケルをリビングに招き入れるとソファーに座り、笑顔でタケルに話し掛けた。

「今日はどうしたんだい?」

「ええ、ちょっと確認したい事が有りまして。」

フィナール伯爵が用件を聞くと、タケルはソファーに腰を下ろしながらそう言って用件を伝えた。

「確認したい事?何を確認したいんだい?」

「実は、娼婦街の事なんですが、あそこの建物の名義を知りたくて来たんですよ。あそこの建物を使ってる本人に聞いても判らないって言うもので。」

「えっ?タケル君あそこを使ってるのかい?」

フィナール伯爵はタケルが娼館を使っていると思ったのか、目を丸くして驚いてそう聞いてきた。

「いえいえ、違いますよ。実は学校の生徒に娼婦も居ましてね・・・・」

タケルはフィナール伯爵にコンドームの事や、娼婦達の置かれている環境等を話した。

「成る程。そういう事だったのか。てっきりタケル君が使ってるのかと思って驚いてしまったよ。」

「いやいや。まだ成人もしてませんし、初めてはアルミスとって決めてるんです。」

「アルミスと言うと、あの白虎族のか、そうかそうだったか、仲が良いとは思っていたが、あの娘はタケル君の恋人だったか。」

「いえ、アルミスは俺の婚約者です。成人したらすぐに結婚するつもりです。」

タケルがそう言うと、フィナール伯爵は満面の笑みを浮かべてタケルの肩を叩きながら話し掛けて来た。

「おお、そうかそうか。いやあ、成人したらすぐに結婚か、これは盛大に祝わないといけないな。」

フィナール伯爵はタケルが結婚する事をまるで自分の息子が結婚でもするかのように喜んでいた。

「まだ一年位有りますから、気が早いですよ。」

「いやいや。この街一番の実力者のタケル君の結婚だ。今から準備を始めても早いという事はないだろ。」

「あの、お願いですから街を挙げてのお祝いとか絶対に止めて下さいね。」

「え?どうしてだい?タケル君程の者が結婚するとなると、皆が祝いたいと思うはずだけど、嫌なのかい?」

フィナール伯爵は街を挙げてタケルの結婚を祝うつもりだったらしく、タケルに止めてくれと言われると少し残念そうにしてタケルの気が変わらないかと遠回しに説得してきた。

「その話はまた今度しましょう、アルミスの意見を聞かないといけませんし、今度アルミスと一緒に話をしましょう。それよりも今日は娼館の建物の事ですよ。」

「ああ、そうだったね。確かあの辺りの建物は女性達が管理してると思ったな。名義は不明だけど、事実上あそこの娼婦達の物だね。」

「本当ですか?」

タケルはフィナール伯爵の話を聞くと、少し興奮気味に身を乗り出して本当か尋ねた。

「あ、ああ、本当だよ。昔父に聞いた話なんどけど、あそこの場所は昔から女性達が助け合って維持してきた場所なんだ。父が物心付いた時には既にあの状態だったらしくて、父も祖父に聞いた話だと言ってたな。」

「そうなんですか。ではあそこが彼女達の物になっても問題は無い訳ですね?」

「ああ、それは構わないけど。それよりもタケル君、君はまた何かするつもりだね?今度はいったい何をするつもりなんだい?」

フィナール伯爵はタケルがまた何かをしようとしていると判り、その事に興味が湧いてきたようで、身を乗り出して楽しそうにそう聞いてきた。

「ええ、実は通常の娼婦の方達の近くに奴隷娼館が有るんですよ。そっちも何とかしたいと思いまして。」

「何とかってまさか全員買い取るとでも言うのかい?」

「いやあ、まさか。今有る娼館を新しくして奴隷娼館が太刀打ち出来ないようにするのが目的です。そしてゆくゆくは奴隷の方達も普通の娼婦として働けるようにしたいんです。」

「でも娼婦な事には変わり無いんだろ?」

「伯爵。俺が今考えてるのは、数年娼婦として働けばかなりの額が貯蓄出来るような仕組みなんです。」

「それはいったいどんな仕組みなんだい?」

「まず、望まない妊娠をしないようにコンドームの着用を義務付けます。そして女性に渡るお金が増えるように金額を上げます。その代わり今までに無い技を駆使したサービスを実施して客の不満を無くし、高くても満足出来るようにします。」

「成る程。しかし金額を高くしても満足出来る程のサービスとはいったい・・・」

フィナール伯爵がタケルの言うサービスがどんな物なのか興味有りげに身を乗り出そうとした時、いつの間にかタケルの分のお茶を持って来ていたバルタサールが咳払いをした。

「ゴホン!旦那様。」

「ば、バルタサール、いつの間に・・・あっいや、別に私が経験してみたい訳では無いぞ!」

フィナール伯爵は少し慌てた様子で聞いてもいないのに言い訳をしていた。

(伯爵も男だからな。そりゃ興味が湧くよな。)

バルタサールは何事も無かったようにタケルの分のお茶を注ぐと、会釈をして出て行った。

「伯爵、それであの周辺の建物を新しくするにあたって、建物の名義をハッキリさせておきたいんですよ。」

「えっ?ああ。建物の名義だな、構わんが誰にするんだ?」

「名義は個人ではなくて団体にしたいんです。娼婦の女性達に組合を作って貰い、その組合名義にするんです。」

「組合?それはどんなものだ?」

「え~と。判りやすく言うと、ギルドみたいな感じです。女性達が自ら組織を作り、自衛して女性達を守るんです。組合費を払うか、部屋代を払う事で護衛も雇えますからね。」

タケルの話を聞いて伯爵は少し黙り込んで考え込んでいた。

「タケル君。本当に私よりも街の事を考えているんだね。君が街を治めた方が良いじゃないかと思ってしまって少し落ち込みそうになるよ・・・けど私達には無い発想で凄い面白いよ。」

フィナール伯爵はそう言うと満面の笑みを浮かべてそう言うとカップを口に運びお茶を飲んだ。タケルもバお茶を一口飲んで喉を潤した。

「よし!タケル君。あの一帯の建物の名義は組合が出来次第そちらに移すようにしよう。それと建物の建設だけど、くれぐれも騒ぎにならないように頼むよ。今までと違って街中だからね。」

フィナール伯爵はカップを置くと、そう言ってタケルにクギを刺した。今迄と違い街中である事と、夜でも人通りが多い為に人目に付きやすい為である。

「分かりました。十分気を付けます。」

「それと、奴隷娼婦の件だけど。現状この国では違法では無いんだ。だから無理矢理とかは止めてくれよ?」

「大丈夫ですよ。きっと向こうから仲間に入れてくれって言って来ますから。」

「随分と自信が有るんだね。」

「ええ。」

「そうか。それじゃあどんな結果になるか楽しみにしてるよ。」

「ええ。早速戻って組合の話をして来ますね。」

タケルはそう言ってフィナール伯爵に頭を下げると転移で街へ戻って行った。そしてタケルが居なくなったリビングで、フィナール伯爵がタケルの話を思い出して呟いた。

「新しい技とサービスか・・・・気になるな・・・」


 街へ戻ったタケルは、マチルダに伯爵と話した事を伝えた。

「えっ?本当に伯爵と話をして来たの?」

「ええ。ですから組合を早急に作る必要が有ります。組合が出来たら名義を組合に変更出来ますので、そうしたら建物が建て替えられるんですよ。」

「判ったわ。でもみんな組合に参加してくれるかしら・・・」

マチルダは組合を作るのは同意したが、果たして女性達が参加してくれるかどうか不安であった。タケルの話は素晴らしいが、余りにも自分達に有利過ぎる話で有る為に、他の女性が信じてくれるかどうか判らなかったからである。そしてタケルの持ってき来たコンドームやローション、新しい技を体験した自分でさえ、まるで夢でも見ているのではと感じる程であった為でもあった。

「そこは話をして理解して貰うしか無いですね。なんならマチルダさんが先生になって技を教えたら良いんじゃ無いですか?」

「まあっ。ぼうやったら・・・でもそれも有りね。アレは1度経験してみない事には理解出来ないものね。それに1度経験すれば分かって貰える筈・・・いえ、絶対に分かって貰えるわ。そして全員を納得させてみせるわ!」

マチルダはタケルの提案を聞いて少し顔を赤らめていたが、その声は次第に決意に満ち溢れていき、最後はタケルの目を見て全員を納得させると決意していた。その姿は娼婦のまとめ役のマチルダでは無く、まるで女性の権利を守るために立ち上がった議員のようだとタケルは感じていた。

「では10日後に説明会を開くというので良いですか?マチルダさんは1人ずつ説明して回っても構いませんし、俺に会わして頂ければまたゴーレムで体感して貰う事も出来ますからね。」

「あら、ぼうやも協力して貰えるのね、私1人じゃ限界が有るから頼もしいわ。」

「じゃあマチルダさんが誘って、俺がゴーレムで体感して貰うってのにしましょうか。」

タケルはそう言うとアイテムボックスから革袋を取り出してマチルダに手渡した。

「ぼうや、これって・・・」

「取り敢えずこの建物を暫く貸し切りにします。そうすれば同時に何人も相手に出来ますからね。」

「分かったわ。じゃあこれで誘って来れば良いのね。」

「そうですね。俺はここで準備して待ってますんでお願いします。」

そうして組合を作る為に新しい技を知って貰う為の作戦が始まった。そして程なくしてマチルダが1人の女性を連れてきた。1人目はマチルダが1番可愛がってるミランダという女性であり、とても美しい女性であった。

「マチルダねえ私に会いたがってる客ってこのぼうやなの?」

マチルダは手っ取り早く会いたがってる客が居ると言って連れてきたようだ。

(出来ればちゃんと説明して連れて来て欲しかったな・・・まあ仕方ないか。)

「こんばんは。タケルと言います。取り敢えず座って下さい、少し話が有るんですが・・・」

タケルは伯爵に話したのと同じ事をミランダに説明した。説明し終わるとミランダは多少信じられないという感じであったが、他ならぬマチルダの頼みでもあるという事で渋々了承していた。

「マチルダ姉がそう言うなら従うけど、本当にその新しい技っていうのは凄いの?私達も色々と試してるけど、そんなに凄いなんて信じられないわ。タケル君って言ったかしら?そんなに言うなら私にその技試してみてよ。納得いったら他の子にも声を掛けてあげるわよ。」

ミランダはマチルダの言う事だから従うが、タケルの言う新しい技というのが信じられないと言い、タケルの顎に指を這わせながら挑発するかのように笑っていた。

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何とか更新出来ましたが、続きが書けるかどうか・・・皆様も風邪には気を付けて下さいね。
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