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2章3部フィナールの街編
55話 学校で使う物
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レイス退治を心配で見に来たフィナール伯爵にレイスの正体を明かすと、フィナール伯爵はフラメルの事を思い出し、そして街を守り瘴気に侵されたフラメルに感謝した。その後問題が解決し学校を魔法で建設したタケルはノートや鉛筆が無いのに気が付いた。そこでジライヤの里に山積みになっている鉱石の中に黒鉛が有った事を思い出し、ジライヤの里にやって来た。しして出迎えたジライヤに里のイビルエイプ達がグレーターエイプに進化した事を告げられ驚いたが、黒鉛の採集が目的であった為採集だけして鉛筆工場へ帰って来ており、タケルは工場で鉛筆を作る前に何かを作っていた。
「タケル様、それは・・・」
「これは増幅装置だよ、ここに有る機械は全て魔石が組み込んであって魔力で動くんだけど、結構な魔力が必要なんだよね。だから少ない魔力でも動くように魔力を増幅させる装置を作ったんだよ。」
タケルは当初オットーの馬車工場と同じ様な機械を設置したが、材料を手に入れ試作を作る段になり、大事な事に気付いたのである。オットーの時はレベル上げをして魔力を大幅に上昇させたが、ここは学校の卒業生や街の住人に働いて貰う予定で作った工場である。なので沢山の魔力を必要とする機械だと動かせない可能性が有った。しかし幸いこの世界の住人は、魔法を使えない者でも魔力は持っていたので少ない魔力でも動かせるように増幅装置を作ったのである。
「よし、これで良いかな、後は全ての機械に設置してっと。」
タケルは増幅装置を複数作り、全ての機械に組み込んだ。
「よし、これで良いかな。じゃあアルミス、コンロに使う位の魔力を流してみて。」
「はい、ここに流せば良いのですか?」
アルミスが機械に書いてある説明を見てタケルに確認をしてきた。タケルは全ての機械に使い方の説明を書いており、誰でも仕えるようにした。識字率が低いこの世界でも学校の卒業生に働いて貰う予定なので特に問題は無かった。
「うん。そうそう。」
アルミスが魔石に少量の魔力を流すと機械が動き始めた。
「あ、本当に少量で動くんですね。」
アルミスは動き出した機械を見て嬉しそうにしていた。
「よし、じゃあ早速作ってみようか。」
「はい!」
タケルは採集してきた材料を機械にセットして作業を開始した。
「タケル様、これは?」
「コレが鉛筆の芯になるんだよ、こうやって一旦細かく砕いてから粘土と混ぜて固さを調整するんだ。」
「へ~。何だか面白いですね。」
アルミスはこういった機械が動くのが珍しいのか、目をキラキラと輝かせて楽しそうにしていた。その後に幾つかの工程を経て鉛筆の芯が完成した。
「コレが鉛筆の芯という物なんですか?」
アルミスが出来上がった鉛筆の芯を不思議そうに見てそう聞いてきた。
「そうだよ、けどこれだけだとまだ脆くて使えないんだけどね。」
タケルはそう言うと、出来上がった芯を一本つまみ上げてアルミスに渡した。
「床に何か書いてみ。」
「はい・・・凄い、簡単に書けますね。あっ!」
アルミスは芯を受け取り言われるままに地面に適当に線を書き、その書きやすさに驚いたがすぐに芯が折れてしまった。
「タケル様、芯が折れてしまいました。」
アルミスは折れた芯を持って少し悲しそうな顔をしながらタケルを見上げてそう言ってきた。
(うっ!アルミス、カワイイよ!)
「そうだね、だから折れないように軸と言われる補強を付けて完成なんだよ。」
タケルはそう言って魔法で作った鉛筆を取り出してアルミスに渡した。
「これは魔法で作ったやつなんだけど、コレが完成品だよ。」
タケルが取り出した鉛筆は塗装もされておらず木目がそのままであったが、本来有る筈の繋ぎ目が無くキレイな木の棒のようであった。そして鉛筆削りで削ったようにキレイに尖っており、すぐに仕える状態であった。
「これがエンピツ・・・」
アルミスは完成品の鉛筆をキラキラした目でマジマジとみていた。
「はい、これはアルミスにあげるよ。」
「宜しいのですか?」
「うん、別に貴重な物でもないしね、それにこれから大量に作るんだから構わないよ。」
「有り難う御座います!」
アルミスはタケルから鉛筆を受け取ると、まるで宝石でも貰ったかのように喜び鉛筆を持って嬉しそうに眺めていた。
「じゃあ次の工程に移るよ。」
「はい、タケル様。」
タケルは次の工程としてアイテムボックスから木の板を取り出すと機械にセットした。機械は木の板に溝を掘る機械で、そこに芯をセットして同じように掘った板で挟んだ。本来は接着剤を使うのだが、変わりに粘度の強い樹液で代用した。そして圧着して樹液が固まったら板を切り分けて、使いやすいように六面にカットしたら完成である。
「よし、出来た。本当はこれに塗装をすれば良いんだけど。それはまあ追々やってみる事にすれば良いか。」
「タケル様、これを削って使うのですか?」
「そうだよ・・・あっ!そうか、鉛筆用の刃物も必要なのか。」
「短剣では駄目なんですか?」
「アルミス、ちょっとコレをさっきあげた鉛筆みたいに削ってみてよ。」
アルミスはタケルから鉛筆を受け取ると、短剣をマジックポーチから取り出して短剣を鉛筆に当てて削り始めた。
「ん、んんっ。ん~~、あっ。」
アルミスは鉛筆を短剣で削ろうと頑張っていたが、先端をスパッと切り落としてしまった。
「ね、難しいでしょ?」
タケルはそういうと 【メイクアップアイテム】で切り出しナイフを作り上げると、鉛筆を一本持って削り始めた。
「本当はカッターナイフとかが良いんだけどね。鉛筆削りっていう専用の道具も俺の世界には有ったけど、俺は鉛筆ぐらい削れないとって思ってたし、こうやって削った方が好きなように削れるから好きなんだよね。ほいっ出来た。」
タケルはそう話しながら見事に鉛筆を削り、アルミスに渡した。
「凄い綺麗ですね。」
「まあ、俺の年代では鉛筆削るくらいはね。それに仕事でも鉛筆は使ってからね。はい、コレでやってみ。」
タケルはそう言ってアルミスに切り出しナイフも手渡した。アルミスは切り出しナイフを渡されると、先程切り落としてしまった鉛筆を再度削り始めた。
「あ、凄い。削りやすいですね。」
アルミスは切り出しナイフの削りやすさにそう言って驚いていた。そしてキレイに鉛筆を削りあげた。タケル程では無いが、タケルが地球で仕事をしていた時の若い社員よりも断然上手であった。
「アルミス凄いね、初めてでこんなにキレイに削れるなんて。」
「いえ、タケル様に比べたらまだまだです。」
アルミスはタケルに誉められそう言って謙遜していたが、顔はほころび誉められた事を嬉しそうにしていた。
(アルミス、可愛い。)
「さて、鉛筆も出来た事だし次は紙を作らないとね。」
「紙ですか?紙なら既に有るのでは無いですか?」
アルミスの言う紙は、ギルド等で使っている紙のような物の事で、タケルからすればあれは紙とは言えず、学校で使えるような代物では無いと思っていた。
「あれは俺からすると紙じゃ無いんだよね。学校で使うにはもっとキレイな紙じゃないと。」
「そうなんですか。」
タケルとアルミスはそんな紙の事を話しながら製紙工場へ移動して行った。
「何だか大きな機械が多いですね。」
「そうだね、鉛筆に比べると大きいよね、コレでも最小限の大きさなんだけどね。」
タケルが作った製紙工場は、取り敢えず学校で使う分と、多少の販売分を作れるだけのギリギリの大きさの工場であった。
「じゃあ作ってみようか。」
タケルはそう言ってアイテムボックスから材木を取り出して機械にセットした。
「材木は何でも良いんだけど、まずはシーバムの大森林の木で始めようか。」
タケルはそう言って機械を動かし、紙を作る作業を始めた。幾つかの工程を経て出来上がった紙を見てタケルは満足そうに頷いていた。
「うん。良い感じだな。アルミス、鉛筆で何か書いてご覧。」
タケルがそう言って出来上がったばかりの紙を渡すと、アルミスは紙を持ってサラサラと鉛筆を走らせた。
「凄い!コレが本当の紙!スラスラと書ける!」
アルミスは紙と鉛筆の使いやすさに感動していた。
「これなら勉強も捗るでしょ。後は消しゴムだけど、コレは後で探すとして。テキスト何かを作る用に印刷機も欲しいな。」
「インサツキとは何ですか?」
アルミスは印刷機を知らなかった。いや、印刷機を知らないのではなく、この世界には印刷の技術自体が無かった。現代では印刷である書物等は全て直筆か書写で作られていたのである。
「そっか、印刷が解らないか。説明するよりも実際に見て貰おうか。」
タケルはそういと、【メイクアイテム】で一枚の金属の板を作り上げた。その板には文字が書いてあり、文字の部分だけ盛り上がっていた。
「それは何ですか?何か変な文字が浮き上がってますが・・・」
アルミスは金属板を見て不思議そうに首を傾げていた。
「まあ見ててよ。ここにインクを塗って・・・そしてら紙を乗せて擦るっと。」
タケルは金属板から紙を剥がしてアルミスに見せた。
「ほら。こうなるんだよ。」
「ちゃんとした文字が!コレが印刷・・・凄いですね。これはもしかして同じものが何枚も作れるって事ですか?」
「そう!分かって貰えたみたいだね。この技術が有れば本も量産出来るし、教科書も作れるんだよ。この金属板は1枚だけど、文字毎に細かいピースにして文章を作れるすればどんな文章でも作れるようになるんだよ。」
タケルはそう言うと印刷された紙をアルミスに渡し、再度【メイクアイテム】使用して判子のような文字のピースを作った。同じ文字を数十個ずつ作り、全ての文字を作りあげた。片方は文字が普通に掘ってあり、反対側は判子のように文字が出っ張っていた。文字を作る際は正常に見える向きで並べて行き、文章が完成したら裏返して使うのである。
「よしっと。これで印刷は良いかな。」
「何だか文章を作るの面白そうですね。」
「そう?結構大変だと思うよ。1枚とか2枚なら楽しいかも知れないけど、何枚も作るってなったら大変だと思うよ。」
「ああ、そうですね。確かに朝からずっとは疲れそうですね。」
「うん。まあでも書写に比べれば格段に楽だと思うけどね。」
「そうですね。」
「さて、じゃあ次は消しゴムだな。」
タケルがそう言って消しゴムの材料を探しに行こうとしてると、アルミスが何か言いたそうにしていた。
「ん?アルミスどうしたの?」
「あの、タケル様。今日はもう遅いですし、帰って食事にしませんか?」
タケルは作業に夢中になる余り、昼食も摂らずに鉛筆や紙や印刷機を作っていたのである。アルミスに言われて外を見るともう暗くなっており、そしてタケルに付き合い何も食べずにいたアルミスのお腹が鳴った。
「ごめん、アルミス。お腹減ったよね、帰って食事にしよう。」
「はい。タケル様。」
アルミスはお腹を押さえながら照れ笑いしながら返事をした。その日一旦帰ったタケルは食事を摂り体を休めると、翌朝朝食を食べた後すぐに消しゴムの材料を探しにシーバムの大森林に来ていた。
「確かこの木だったよな。」
タケルは1本の大きな木の前でそう呟くと、木に向かって話し掛け始めた。
「おーい。ちょっと聞きたいんだけど良いかな?」
タケルがそう言うと、木の幹に顔が現れて話し始めた。その木は以前会話をした事がある、木の魔物のエントであった。
「おや、強き少年。さっき会ったばかりだがどうかしたのか?」
(さっきって・・・あれから結構経つけどな・・・どんだけのんびりなんだよ。)
「ちょっと聞きたい事が有ってね、この辺りに樹液が白くてネバネバしてて、固まると弾力が出るって木とか無いかな?」
「ああ、有るぞ。すぐそこに生えている。」
「本当?どこら辺なの?」
「確か人の足で5日程歩いた所に生えていたな。」
「えっ!そんなに離れてるの?結構距離有るよ!」
「そうか?強き少年よ。お主ならもっと早く着けるであろう?」
「いや、そうだけどそれだと範囲が広すぎるんだよね。」
「そうか、ではワシが案内しよう。」
「え?アンタ移動出来るの?」
タケルはエントが移動出来ると知り驚いた。魔物の情報は図鑑で知っていたが、移動するとは書いていなかったからである。
「ああ。出来るぞ、ワシはエントだからな。どれ、行くとするか、この枝に乗ってくれ。」
エントはそう言うと長く伸びた枝を曲げてタケル達の元へ下ろしてきた。
「えっ、これに?大丈夫かな・・・」
エントに乗れと言われた枝は細く、とてもタケルは達を支えられるとは思えなかった。タケルはそっと足を乗せて枝の上に乗ると、アルミスの手を取りアルミスも乗せた。
「では上げるぞ。」
エントはそう言うとタケル達を持ち上げた。心配された枝の細さは全く問題無く、景色が見えなければ持ち上げられている事に気付かない程に静かでスムーズな動きであった。
「おお。何だかアトラクションを体験してるみたいだ。」
「アトラ・・・?」
アルミスはタケルが言った事の意味が分からずに首を傾げていた。
「ん?アルミスどうした?」
「アトラ何とかとは何ですか?」
「ああ、アトラクションね、ブランコみたいな遊具をもっと大掛かりな装置を使って楽しむ物をアトラクションって言うんだよ。」
「私子供の頃ブランコ好きでした。」
「そっか、じゃあ遊園地も好きになれるかもね。」
「遊園地?」
アルミスは遊園地の意味が分からずにまたも首を傾げた。
「遊園地って言うのは、さっき言ったような大掛かりな装置を使った物を沢山集めた場所で、そこで子供から大人まで遊べる場所なんだよ。」
「そんな所が有るんですね!素敵です。」
アルミスは目をキラキラとさせて遊園地と言うのがどんな物なのかを自分なりに想像していた。この世界には娯楽が少なく遊園地は勿論サーカスも存在しなかった。多くの人が日々の生活で精一杯で、娯楽を楽しむ余裕が無いのだ。しかし学校が開校して庶民の学力が底上げされれば余裕が出る筈だとタケルは考えていた。
「そのうち作ってあげるよ。」
「本当ですか!凄い楽しみです。」
「うん。学校が軌道に乗ったらね。」
「はい!」
アルミスは遊園地を作ってくれるというタケルの言葉を聞き、まるでオモチャを買って貰う約束をした子供のように嬉しそうにしていた。
「強き少年よ、そろそろ移動しても良いかな?」
「ああ、ごめん。大丈夫だよ、お願い。」
「では掴まっていてくれ。」
エントがそう言うと、地面から根が出て来たかと思うと根が絡み合い、2本の足のようになった。そしてそれを交互に動かして歩き始めたのである。
「おお。結構早いな」
エントの一歩は非常に大きく、思いの外移動速度は早かった。その後エントの枝に乗りタケルは移動し、数時間で目的の場所に到着した。エントの言う人の足とは通常の冒険者の事であり、通常の冒険者の移動速度は索敵をしながらなので非常に遅かった。
「強き少年よ、着いたぞ。確かあの木がそうだ。」
エントはそう言って1本の木を枝で指し示した。
「これか、地球のゴムの木とは随分と違うけど、ちょっと確認。」
タケルはそう言うと短剣を取り出して幹を傷つけようとしたその時であった。
「やめてくれ!」
「え?」
タケルが樹液を確認しようとした木の幹に顔が現れ、喋ったのだ。ゴムの木とされた木は、タケル達を運んで来たエントとは違う種類のエントであったのである。
「マジか・・・」
タケルは取り敢えず短剣を仕舞い、嘆息するとゴムの木のエントに話し掛けた。
「タケル様、それは・・・」
「これは増幅装置だよ、ここに有る機械は全て魔石が組み込んであって魔力で動くんだけど、結構な魔力が必要なんだよね。だから少ない魔力でも動くように魔力を増幅させる装置を作ったんだよ。」
タケルは当初オットーの馬車工場と同じ様な機械を設置したが、材料を手に入れ試作を作る段になり、大事な事に気付いたのである。オットーの時はレベル上げをして魔力を大幅に上昇させたが、ここは学校の卒業生や街の住人に働いて貰う予定で作った工場である。なので沢山の魔力を必要とする機械だと動かせない可能性が有った。しかし幸いこの世界の住人は、魔法を使えない者でも魔力は持っていたので少ない魔力でも動かせるように増幅装置を作ったのである。
「よし、これで良いかな、後は全ての機械に設置してっと。」
タケルは増幅装置を複数作り、全ての機械に組み込んだ。
「よし、これで良いかな。じゃあアルミス、コンロに使う位の魔力を流してみて。」
「はい、ここに流せば良いのですか?」
アルミスが機械に書いてある説明を見てタケルに確認をしてきた。タケルは全ての機械に使い方の説明を書いており、誰でも仕えるようにした。識字率が低いこの世界でも学校の卒業生に働いて貰う予定なので特に問題は無かった。
「うん。そうそう。」
アルミスが魔石に少量の魔力を流すと機械が動き始めた。
「あ、本当に少量で動くんですね。」
アルミスは動き出した機械を見て嬉しそうにしていた。
「よし、じゃあ早速作ってみようか。」
「はい!」
タケルは採集してきた材料を機械にセットして作業を開始した。
「タケル様、これは?」
「コレが鉛筆の芯になるんだよ、こうやって一旦細かく砕いてから粘土と混ぜて固さを調整するんだ。」
「へ~。何だか面白いですね。」
アルミスはこういった機械が動くのが珍しいのか、目をキラキラと輝かせて楽しそうにしていた。その後に幾つかの工程を経て鉛筆の芯が完成した。
「コレが鉛筆の芯という物なんですか?」
アルミスが出来上がった鉛筆の芯を不思議そうに見てそう聞いてきた。
「そうだよ、けどこれだけだとまだ脆くて使えないんだけどね。」
タケルはそう言うと、出来上がった芯を一本つまみ上げてアルミスに渡した。
「床に何か書いてみ。」
「はい・・・凄い、簡単に書けますね。あっ!」
アルミスは芯を受け取り言われるままに地面に適当に線を書き、その書きやすさに驚いたがすぐに芯が折れてしまった。
「タケル様、芯が折れてしまいました。」
アルミスは折れた芯を持って少し悲しそうな顔をしながらタケルを見上げてそう言ってきた。
(うっ!アルミス、カワイイよ!)
「そうだね、だから折れないように軸と言われる補強を付けて完成なんだよ。」
タケルはそう言って魔法で作った鉛筆を取り出してアルミスに渡した。
「これは魔法で作ったやつなんだけど、コレが完成品だよ。」
タケルが取り出した鉛筆は塗装もされておらず木目がそのままであったが、本来有る筈の繋ぎ目が無くキレイな木の棒のようであった。そして鉛筆削りで削ったようにキレイに尖っており、すぐに仕える状態であった。
「これがエンピツ・・・」
アルミスは完成品の鉛筆をキラキラした目でマジマジとみていた。
「はい、これはアルミスにあげるよ。」
「宜しいのですか?」
「うん、別に貴重な物でもないしね、それにこれから大量に作るんだから構わないよ。」
「有り難う御座います!」
アルミスはタケルから鉛筆を受け取ると、まるで宝石でも貰ったかのように喜び鉛筆を持って嬉しそうに眺めていた。
「じゃあ次の工程に移るよ。」
「はい、タケル様。」
タケルは次の工程としてアイテムボックスから木の板を取り出すと機械にセットした。機械は木の板に溝を掘る機械で、そこに芯をセットして同じように掘った板で挟んだ。本来は接着剤を使うのだが、変わりに粘度の強い樹液で代用した。そして圧着して樹液が固まったら板を切り分けて、使いやすいように六面にカットしたら完成である。
「よし、出来た。本当はこれに塗装をすれば良いんだけど。それはまあ追々やってみる事にすれば良いか。」
「タケル様、これを削って使うのですか?」
「そうだよ・・・あっ!そうか、鉛筆用の刃物も必要なのか。」
「短剣では駄目なんですか?」
「アルミス、ちょっとコレをさっきあげた鉛筆みたいに削ってみてよ。」
アルミスはタケルから鉛筆を受け取ると、短剣をマジックポーチから取り出して短剣を鉛筆に当てて削り始めた。
「ん、んんっ。ん~~、あっ。」
アルミスは鉛筆を短剣で削ろうと頑張っていたが、先端をスパッと切り落としてしまった。
「ね、難しいでしょ?」
タケルはそういうと 【メイクアップアイテム】で切り出しナイフを作り上げると、鉛筆を一本持って削り始めた。
「本当はカッターナイフとかが良いんだけどね。鉛筆削りっていう専用の道具も俺の世界には有ったけど、俺は鉛筆ぐらい削れないとって思ってたし、こうやって削った方が好きなように削れるから好きなんだよね。ほいっ出来た。」
タケルはそう話しながら見事に鉛筆を削り、アルミスに渡した。
「凄い綺麗ですね。」
「まあ、俺の年代では鉛筆削るくらいはね。それに仕事でも鉛筆は使ってからね。はい、コレでやってみ。」
タケルはそう言ってアルミスに切り出しナイフも手渡した。アルミスは切り出しナイフを渡されると、先程切り落としてしまった鉛筆を再度削り始めた。
「あ、凄い。削りやすいですね。」
アルミスは切り出しナイフの削りやすさにそう言って驚いていた。そしてキレイに鉛筆を削りあげた。タケル程では無いが、タケルが地球で仕事をしていた時の若い社員よりも断然上手であった。
「アルミス凄いね、初めてでこんなにキレイに削れるなんて。」
「いえ、タケル様に比べたらまだまだです。」
アルミスはタケルに誉められそう言って謙遜していたが、顔はほころび誉められた事を嬉しそうにしていた。
(アルミス、可愛い。)
「さて、鉛筆も出来た事だし次は紙を作らないとね。」
「紙ですか?紙なら既に有るのでは無いですか?」
アルミスの言う紙は、ギルド等で使っている紙のような物の事で、タケルからすればあれは紙とは言えず、学校で使えるような代物では無いと思っていた。
「あれは俺からすると紙じゃ無いんだよね。学校で使うにはもっとキレイな紙じゃないと。」
「そうなんですか。」
タケルとアルミスはそんな紙の事を話しながら製紙工場へ移動して行った。
「何だか大きな機械が多いですね。」
「そうだね、鉛筆に比べると大きいよね、コレでも最小限の大きさなんだけどね。」
タケルが作った製紙工場は、取り敢えず学校で使う分と、多少の販売分を作れるだけのギリギリの大きさの工場であった。
「じゃあ作ってみようか。」
タケルはそう言ってアイテムボックスから材木を取り出して機械にセットした。
「材木は何でも良いんだけど、まずはシーバムの大森林の木で始めようか。」
タケルはそう言って機械を動かし、紙を作る作業を始めた。幾つかの工程を経て出来上がった紙を見てタケルは満足そうに頷いていた。
「うん。良い感じだな。アルミス、鉛筆で何か書いてご覧。」
タケルがそう言って出来上がったばかりの紙を渡すと、アルミスは紙を持ってサラサラと鉛筆を走らせた。
「凄い!コレが本当の紙!スラスラと書ける!」
アルミスは紙と鉛筆の使いやすさに感動していた。
「これなら勉強も捗るでしょ。後は消しゴムだけど、コレは後で探すとして。テキスト何かを作る用に印刷機も欲しいな。」
「インサツキとは何ですか?」
アルミスは印刷機を知らなかった。いや、印刷機を知らないのではなく、この世界には印刷の技術自体が無かった。現代では印刷である書物等は全て直筆か書写で作られていたのである。
「そっか、印刷が解らないか。説明するよりも実際に見て貰おうか。」
タケルはそういと、【メイクアイテム】で一枚の金属の板を作り上げた。その板には文字が書いてあり、文字の部分だけ盛り上がっていた。
「それは何ですか?何か変な文字が浮き上がってますが・・・」
アルミスは金属板を見て不思議そうに首を傾げていた。
「まあ見ててよ。ここにインクを塗って・・・そしてら紙を乗せて擦るっと。」
タケルは金属板から紙を剥がしてアルミスに見せた。
「ほら。こうなるんだよ。」
「ちゃんとした文字が!コレが印刷・・・凄いですね。これはもしかして同じものが何枚も作れるって事ですか?」
「そう!分かって貰えたみたいだね。この技術が有れば本も量産出来るし、教科書も作れるんだよ。この金属板は1枚だけど、文字毎に細かいピースにして文章を作れるすればどんな文章でも作れるようになるんだよ。」
タケルはそう言うと印刷された紙をアルミスに渡し、再度【メイクアイテム】使用して判子のような文字のピースを作った。同じ文字を数十個ずつ作り、全ての文字を作りあげた。片方は文字が普通に掘ってあり、反対側は判子のように文字が出っ張っていた。文字を作る際は正常に見える向きで並べて行き、文章が完成したら裏返して使うのである。
「よしっと。これで印刷は良いかな。」
「何だか文章を作るの面白そうですね。」
「そう?結構大変だと思うよ。1枚とか2枚なら楽しいかも知れないけど、何枚も作るってなったら大変だと思うよ。」
「ああ、そうですね。確かに朝からずっとは疲れそうですね。」
「うん。まあでも書写に比べれば格段に楽だと思うけどね。」
「そうですね。」
「さて、じゃあ次は消しゴムだな。」
タケルがそう言って消しゴムの材料を探しに行こうとしてると、アルミスが何か言いたそうにしていた。
「ん?アルミスどうしたの?」
「あの、タケル様。今日はもう遅いですし、帰って食事にしませんか?」
タケルは作業に夢中になる余り、昼食も摂らずに鉛筆や紙や印刷機を作っていたのである。アルミスに言われて外を見るともう暗くなっており、そしてタケルに付き合い何も食べずにいたアルミスのお腹が鳴った。
「ごめん、アルミス。お腹減ったよね、帰って食事にしよう。」
「はい。タケル様。」
アルミスはお腹を押さえながら照れ笑いしながら返事をした。その日一旦帰ったタケルは食事を摂り体を休めると、翌朝朝食を食べた後すぐに消しゴムの材料を探しにシーバムの大森林に来ていた。
「確かこの木だったよな。」
タケルは1本の大きな木の前でそう呟くと、木に向かって話し掛け始めた。
「おーい。ちょっと聞きたいんだけど良いかな?」
タケルがそう言うと、木の幹に顔が現れて話し始めた。その木は以前会話をした事がある、木の魔物のエントであった。
「おや、強き少年。さっき会ったばかりだがどうかしたのか?」
(さっきって・・・あれから結構経つけどな・・・どんだけのんびりなんだよ。)
「ちょっと聞きたい事が有ってね、この辺りに樹液が白くてネバネバしてて、固まると弾力が出るって木とか無いかな?」
「ああ、有るぞ。すぐそこに生えている。」
「本当?どこら辺なの?」
「確か人の足で5日程歩いた所に生えていたな。」
「えっ!そんなに離れてるの?結構距離有るよ!」
「そうか?強き少年よ。お主ならもっと早く着けるであろう?」
「いや、そうだけどそれだと範囲が広すぎるんだよね。」
「そうか、ではワシが案内しよう。」
「え?アンタ移動出来るの?」
タケルはエントが移動出来ると知り驚いた。魔物の情報は図鑑で知っていたが、移動するとは書いていなかったからである。
「ああ。出来るぞ、ワシはエントだからな。どれ、行くとするか、この枝に乗ってくれ。」
エントはそう言うと長く伸びた枝を曲げてタケル達の元へ下ろしてきた。
「えっ、これに?大丈夫かな・・・」
エントに乗れと言われた枝は細く、とてもタケルは達を支えられるとは思えなかった。タケルはそっと足を乗せて枝の上に乗ると、アルミスの手を取りアルミスも乗せた。
「では上げるぞ。」
エントはそう言うとタケル達を持ち上げた。心配された枝の細さは全く問題無く、景色が見えなければ持ち上げられている事に気付かない程に静かでスムーズな動きであった。
「おお。何だかアトラクションを体験してるみたいだ。」
「アトラ・・・?」
アルミスはタケルが言った事の意味が分からずに首を傾げていた。
「ん?アルミスどうした?」
「アトラ何とかとは何ですか?」
「ああ、アトラクションね、ブランコみたいな遊具をもっと大掛かりな装置を使って楽しむ物をアトラクションって言うんだよ。」
「私子供の頃ブランコ好きでした。」
「そっか、じゃあ遊園地も好きになれるかもね。」
「遊園地?」
アルミスは遊園地の意味が分からずにまたも首を傾げた。
「遊園地って言うのは、さっき言ったような大掛かりな装置を使った物を沢山集めた場所で、そこで子供から大人まで遊べる場所なんだよ。」
「そんな所が有るんですね!素敵です。」
アルミスは目をキラキラとさせて遊園地と言うのがどんな物なのかを自分なりに想像していた。この世界には娯楽が少なく遊園地は勿論サーカスも存在しなかった。多くの人が日々の生活で精一杯で、娯楽を楽しむ余裕が無いのだ。しかし学校が開校して庶民の学力が底上げされれば余裕が出る筈だとタケルは考えていた。
「そのうち作ってあげるよ。」
「本当ですか!凄い楽しみです。」
「うん。学校が軌道に乗ったらね。」
「はい!」
アルミスは遊園地を作ってくれるというタケルの言葉を聞き、まるでオモチャを買って貰う約束をした子供のように嬉しそうにしていた。
「強き少年よ、そろそろ移動しても良いかな?」
「ああ、ごめん。大丈夫だよ、お願い。」
「では掴まっていてくれ。」
エントがそう言うと、地面から根が出て来たかと思うと根が絡み合い、2本の足のようになった。そしてそれを交互に動かして歩き始めたのである。
「おお。結構早いな」
エントの一歩は非常に大きく、思いの外移動速度は早かった。その後エントの枝に乗りタケルは移動し、数時間で目的の場所に到着した。エントの言う人の足とは通常の冒険者の事であり、通常の冒険者の移動速度は索敵をしながらなので非常に遅かった。
「強き少年よ、着いたぞ。確かあの木がそうだ。」
エントはそう言って1本の木を枝で指し示した。
「これか、地球のゴムの木とは随分と違うけど、ちょっと確認。」
タケルはそう言うと短剣を取り出して幹を傷つけようとしたその時であった。
「やめてくれ!」
「え?」
タケルが樹液を確認しようとした木の幹に顔が現れ、喋ったのだ。ゴムの木とされた木は、タケル達を運んで来たエントとは違う種類のエントであったのである。
「マジか・・・」
タケルは取り敢えず短剣を仕舞い、嘆息するとゴムの木のエントに話し掛けた。
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我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
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実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
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異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
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買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
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なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
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初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
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