えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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2章3部フィナールの街編

5話 レベル上げ

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冒険者ギルドで説明を受けたタケル達は説明を聞き終わったタケルは、全員が昇格試験を受けたいと伝えると、ギルドマスターのビエントがやって来た、本来なら受けられないミレイアの昇格試験も条件付きで確約し、魔物の買い取りで倉庫い移動し魔物を大量に出すと、ビエントはタケルが高ランク並の実力が有るのを見抜き、ギルドマスター権限でAランクになったタケル。その後足取り軽くサビオ達の待つ飲食スペースに戻ってきたタケルは、先程出した魔物の明細と、自分のギルドカードの更新が終わるのを待っていた。

「ええ!本当か?!」

「アル!ちょっと声が大きいよ。」

タケルがAランクに昇格したという話を聞き、アルセリオは思わず大きな声をあげ、周囲の冒険者が振り返り、アルセリオの方を見た。大きな声で注目を浴びて、それ以上注目されないようにタケルはアルセリオを注意し、タケルは周囲の視線が無くなった事を確認すると、小声で話始めた。

「ああ、何だか成り行きでね、Aランクまではギルドマスター権限で昇格出来るらしいね。」 

「ほっ、流石タケル殿だの、登録してすぐにAランクになるとは。」

「タケル様、素晴らしいです。」

サビオとアルミスはタケルがAランクになった事を喜んでいたが、他のメンバーはイマイチピンと来ていないようであった。
その時、ギルドの出入口が少し騒がしくなった。

「なんだこの野郎!」

「アンタこそいい加減にしろよ!」

「Cランク位で粋がってんじゃねーよ!」

先程アルセリオに絡んでいたデボレ達が目覚めたようである。

「なんだと!お前ら、依頼の報酬で散々ご馳走してやっただろ!」

「ハッ!ふざけんな!あれくらいで恩を売ろうってのか!」

「そうだよ!もう少し稼いで甘い汁が吸えるかと思ったが、Cランク止まりとはな、良い機会だ、お前みたいな勘違い野郎とは今日でおさらばた。」

「おい、今まで偉そうにしてくれたお返しだ、やっちまえ!」

「なっ!・・・・お前達・・・」

会話が止んだかとおもうと、デボレのうめき声と、何かを叩くような鈍い音が何度も聞こえて来た。

(なるほど、さっきの魔法で本性が出たんだな。デボレよりも取り巻きが最低なグズだったか。)

タケルが止めさせる為に席を立とうと思った時、先にアルミスが席を立って出口の方へ向かって行った。

「アナタ達、そこのアホが無抵抗なのを良い事に、一人に対して大勢で取り囲んで暴行とは、グズね。それにさっきの話だとそこのアホにタカるドアホかと思ったけど、どうやらウジ虫やコバエだったようね。害虫は駆除しないといけないわね。さあ、どの虫から駆除しようかしら。」

アルミスが静かにキレて、冷たいオーラを放ち取り巻き達に近づいていくと、取り巻き達は顔を青くして慌てて扉を開けて外へ出ていった。

「怖っ・・・・」
 
アルセリオがアルミスの恐怖を思いだし、顔を青くして震えていた。

取り巻きが逃げ、残されたデボレは気を失っていた、アルミスはデボレをヒョイっと抱え上げ、タケルの方へ運んで来た。

「タケル様・・・」

アルミスが懇願するような目でタケルを見つめて来た。

「アルミスは優しいね、いいよ、治してあげるからそこに寝かせて。」

タケルがそう言うとアルミスはデボレを床に寝かせた。タケルは席を立ちデボレにヒールを掛けた、するとデボレは目を覚まし、声をあげた。

「お前達!」 

そして、辺りをキョロキョロと見渡すと状況を理解したのか、静かに口を開いた。

「あいつら・・・スマン、アンタ達が介抱してくれたみたいだな、礼を言う。」

デボレはタケル達に頭を下げた、それを見てタケルがデボレに声を掛けた。

「お礼ならアルミスに言いなよ、追い払ったのはアルミスで、ここへ運んだのもアルミスだから。」

デボレはアルミスを見て、声を上げた。

「アンタが・・・け、結婚してくれ!」

「ブーーッ!!」

デボレの突然のプロポーズにタケルは飲んでいたお茶を吹き出した。

「うわ、タケル!汚いな!」

お茶をモロに被ったアルセリオが声を上げた。

「ゴメンゴメン、アル。それよりアンタいきなり何言ってるんだよ!」

タケルはアルセリオにクリーンを掛けながらデボレに話し掛けた。

「こんなステキな女神のような女性は初めて見て思わず・・・でも、結婚して欲しい!」

デボレの言葉を聞いたアルミスは、照れてるかと思いきや、冷たい目でデボレを見下ろし、冷たくデボレに話始めた。

「いきなり何を言うかと思えば、どうやらアホじゃなくて、貴様もあいつらと一緒のドアホだったようね。私はタケル様の婚約者なのよ、貴様のようなゴミ虫と結婚する事は無いわ。」

アルミスの冷たい言葉にアルセリオは震えていたが、当のデボレは違った。

「ああ、その冷たい目と人を見下した口調もステキだ、もっと言ってもらって構わない、結婚してくれ!」

どうやらアルミスの冷たい視線と言葉を気に入ってしまったようだ。

(ええーー!そっちの人だったの?てかこっちの世界でも居るのか。)

タケル達がデボレにドン引きしていると、周囲からヒソヒソと話し声が聞こえて来た。

「おい、デボレの奴またやってるぞ!」

「どうせまたフラれてやけ酒に純銀貨一枚だ。」

「流石、炎の求婚魔デボレ、この間は3日前にギルドの新人にプロポーズしてたぞ。」

どうやらこの男はすぐにプロポーズをしてしまう癖があるようだ、周囲もそれを承知で、デボレは不名誉な二つ名を付けられていた。

「ハイハイ、だからアルミスは俺の婚約者なの、手を出したら駄目だよ!」

タケルが言うとデボレはシュンとして俯いてしまった。そして暫くすると何かを話し始めた。

「スマン、どうも俺は先走ってしまってな。あいつらにも先走り過ぎだって言われてたな。」

(何か語り出したぞ?)

タケルは少しだけ驚いた様子でサビオ達と顔を見合わせた。

「元々俺は田舎の小さな村の出身でな、6人兄弟の長男だったんだ、けど俺は冒険者になりたくて尾頭と達を置いて村を出て来たんだ。そして冒険者になった俺は頑張ってCランクになった、そんな時だったな、魔物に教われてるあいつらを助けてな。それからあいつらが俺になついて来てな、村に残して来た弟達と被って、俺も可愛がって来たんだ、それなのにあいつら・・・なあ、アンタらはどう思う?ってあれ?」

デボレは辺りをキョロキョロと見回した、先程まで居たタケル達が居なくなっていたからである。

そんな時、一人の女性がデボレに声を掛けて来た。

「あのー。ここに居た人達なら、用件が済んでかえりましたよ、それとこれ、ここに居た人達からの差し入れだそうです。」

女性は飲食スペースの新人ウェイトレスであった、ウェイトレスの女性がタケル達に言われた差し入れのエールを渡そうとすると、デボレはウェイトレスの女性の手を掴み、声を上げた。

「なんて美しいんだ!俺と結婚してくれ!」

デブレの行動を見た周囲から声が上がった。

「お!もう違う女性に行った、最速記録じゃないか!」

「くそー!やけ酒じゃないから賭けは俺の負けか!」

「流石は炎の求婚魔だな。その名に相応しい求婚っぷりだ。」 ・・・・・ 


ギルドで魔物の明細とAランクに更新されたタケルのギルドカードを受け取ったタケル達は、明後日の魔物の買い取りのお金を受け取る時に、ついでに昇格試験を受ける事にしたが、その前に一旦宿に戻ることにした。宿の女主人、メリッサが心配するといけないと思ったからである。

「なあ、タケル。どこに狩りに行くんだ?」

「ほっ、そうだの、この辺はシーバムの大森林程では無いが、森や洞窟が多く点在してるからな。街から少し離れればオーク程度はすぐに見付かると思うぞ。」

どこで狩りに行くのかタケルに尋ねたアルセリオにサビオが答えた。

「そうなんですか、じゃあ折角だからその近場の森や洞窟に行ってみますか?」

「ほっ、そうだの。では馬車で行くとするか、街を出たという記録が残らないとまずいからな。」

ただ街を出て行くだけであればタケルの魔法で出ても問題は無かったが、ギルドで魔物を買い取って貰ったり、昇格の申請の際に街を出たという記録が無いと、有らぬ疑いを掛けられる心配があった為である。

「そっか、じゃあメリッサさんに声を掛けたらすぐに出るようですね。」

タケル達が明後日までの予定を話しながら歩いていると、宿が見えて来た。

「あ、ミレイアちゃ~ん。」

宿の前で地面に絵を描いていたミレーナがギルドから帰って来たミレイアに気付き、手を振って走り寄ってきた。

「ミレイアちゃん、おかえりなさい、どこに行ってたの?一緒に遊ぼ!」

「ミレーナ、ごめんなさいね、私達は用事が有ってすぐに出掛けなくちゃならないの。」

「なんだ~。そうなんだ~、ザンネン。一緒に遊びたかったな。」

ミレーナは、ミレイア達がすぐに出掛けてしまうと知り、ションボリとしていた。

「ごめんなさいね、帰って来たら遊びましょ。」

「本当?約束だよ!早く帰って来た来てね。私待ってるから。」

ミレーナはミレイアの手を握りブンブンと降っていた。

「ええ、そうね。早く帰って来られるかは判らないけれど、一緒に遊びましょうね。」

ミレイアはミレーナの手を離し、タケル達の元へ戻った、メリッサとの話が終わったタケル達は馬車に行き、エスペランサと疾風を馬車に繋ぐと、街に来た時とは反対側の門に向かい馬車を走らせて行った。

街の反対側の門はあまりに人がおらず、すんなりと出る事が出来、タケル達は一番違い森を目指して馬車を走らせた。

『なあ、そろそろか?』

『そうだね、街も見えないし、人の気配も無いから良いんじゃないかな。』

「よーし、じゃあエスペランサ!飛ばして行こう!」

アルセリオはもう飛ばしても良いか確認し、許可が出ると早速エスペランサに話し掛け、馬車のスピードを上げた。

「疾風、着いて行って。」

アルミスが疾風に指示を出し、先行してスピードを上げたエスペランサを追い、馬車のスピードを上げ走り始めた。

『森が見えて来た。あれで良いのかな?』

『そうだね、あの森で良いと思うよ。』

馬車は森の手前で減速し、すぐ近くまで来て停まり、一同は馬車から降りどうするかを話し合っていた。

「どうしますか?全員で動いてもパーティーで隠匿掛ければ目立たないと思いますが。」

「ほっ、そうだの。タケル殿が先行して魔物を探し、皆を誘導するのはどうかの?」

「なるほど、じゃあ。俺が先行して魔物の場所まで行って、その後転移で戻り皆を転移で魔物の場所まで転移で連れてくって感じでどうですかね?」

「ほっ、なるほど。それなら時間も大幅に短縮出来るな。」

「じゃあ、ちょっと魔物を探します。」

タケル達は狩りの方法を決め、タケルがマップで魔物を探し始めた。

「お、見つけた。これで良いかな?」

タケルはマップで索敵を初めると、すぐに魔物を見つけ、サビオ達に声を掛けた。

「じゃあ、ちょっと行って来ます。」

そう言うとタケルは転移してサビオ達の目の前から消えて行った。

「便利だよなあ、俺も使えるようになりたいよ。」

「ほっ、そうなのか、では特訓するかの?」

サビオの目が怪しく光り、アルセリオは背筋に冷たいものを感じ、サビオの特訓を辞退した。

「あ、いや。遠慮しておきます。」

「ほっ、そうか、残念だの。」

「お兄様が、やらないなら私がやらせて貰いますわ。」

「ほっ、そうかの。今度教えてあげるからな。」

サビオの目のアヤシイ光が消えると、ミレイアが特訓をやると言い出した、しかしサビオは優しく微笑んで教えてあげるというだけであった。

「あれ?俺の時と雰囲気が違く無いですか?」

「ほっ、ミレイア殿は素質が有るからな、その点アルセリオ殿は魔法を使えるようにするのには、大変な努力が必要だからの。」

最後にサビオの目が怪しく光り、アルセリオはまたも背中に冷たいものを感じた。

「どうした?アル。青い顔して、具合でも悪いのか?」

タケルは転移で戻って来るなり、そうアルセリオに声を掛けた。

「あ、いや、何でも無い。」

「そう?なら良いんだけど。」

タケルは何でも無いと言われ、特に気にする事無く、皆に向け話し始めた。

「じゃあ準備は良いかな?この先にハーピーの巣が有ったんだ。」

「タケル、エスペランサ達はどうするんだ?」

アルセリオがエスペランサを指差しタケルに聞いてきた。

「そうか、忘れてた、そのままでも大丈夫だと思うけど、念の為ちょっと細工してくる。」

タケルは馬車の近くに行き、手をかざすと、馬車がほのかに光り、すぐに消えて元に戻った。そしてタケルがエスペランサに話し掛けると、エスペランサは馬車を引いて歩き始めたかと思うと、エスペランサの姿が頭から消えて行き、次に馬車も前方から徐々に消えて行き、完全に姿を消した。同じように疾風も馬車を引いて消えて行った。

「これでよしっと。じゃあ行きますか。」

タケルは振り返り、そう言うと皆を連れて転移でハーピーの巣の近くに移動した。
 ハーピーとは鳥の魔物で、上半身は人のような形をしており、顔も人にどことなく似ているが、顔だけ見ても人では無いと判るくらいだ。そして腕が翼になっており、空を飛ぶ事が出来る、下半身は鳥のように羽と羽毛で覆われており、形も鳥のそれと同じである、しかし爪は鋭く、足も大きく、人の胴体くらいなら掴める程である。そのハーピーの群れが幾つもの巣を木の上に巣を作っていた。

『じゃあ、今回はルシアナさんとミレイアのレベル上げだから、この巣は俺とサビオさん、で片付けて来るよ、ルシアナさん達には、もう少し先にもう一つ巣が有るから、そっちで戦闘を経験して貰いますね。じゃあアルミス、念のためここを宜しく。』

『判りました、タケル達様。』

『私達は次なのね、判ったわ。』

アルミスとルシアナがタケルに返事をすると、タケルとサビオはウォーターバレットを展開させ飛び出して行った。
ハーピーは100匹程居たが、タケルとサビオは互いに数十個のウォーターバレットを展開しており、同時に撃ち放つとハーピーがボトボトと落ちてきた、タケルとサビオはすかさず次弾を放ち、ハーピーがまたも次々に落ちて、ハーピーの数はあと数匹となったが、タケルが再度ウォーターバレットを放ち、ハーピーの姿は見えなくなった。タケルとサビオの奇襲により、ハーピー達は特に騒ぐ事も無くあっという間に殲滅された。

「凄いわね~。あっという間だったわね。」

「オークの時はもっと凄かったんですよ、母上。」

ルシアナがタケルとサビオの凄さに驚いていると、アルセリオがルシアナにそう言った。

「私が見たのはもっと凄くてですな、ドラゴンを素手で殴っていましたな。」

ベルナルドがそう言うと、ルシアナとミレイアは目を見合せ、目をキラキラさせタケルを見ていた。

「見てみたいわね~。」

「そうですね、お母様。」

ルシアナとミレイアはベルナルドの話を聞いて自分達も実際に見てみたいと思ったようで、二人でタケルが、ドラゴンを殴っている姿を想像していた。

「ルシアナ様、ミレイア様・・・・」

そんな二人を見て、実際にタケルがドラゴンを殴っているのを見たベルナルドはちょっと引いてしまっていた。

「終わりましたよ。どうですか?結構レベル上がったんじゃないですか?」

倒したハーピーを回収し終わり戻ってきたタケルがルシアナ達に話し掛けて来た。

「タケルさん♪」

「タケル♪」

タケルはルシアナとミレイアのおかしな表情と言動に気付き、近くに居たベルナルドに話し掛けた。

「えっ、なんですか?・・・ベルナルドさん、何か有ったんですか?」

タケルがそう言うと、ベルナルドは申し訳無さそうにし、訳を話した。

「それが、タケル殿が以前にドラゴンを素手で殴って倒した話をしたんですが、お二方がその話をいたく気に入ってしまいましてな、自分達もドラゴンを殴る所を見てみたいと言い出しましてな・・・」

「そうだったんですか、何がそんなに琴線に触れたんでしょうね?」

タケルはベルナルドから理由を聞いたが、イマイチ理解出来なかった。

「ルシアナさん!ミレイア!いつまでも妄想に浸ってたら駄目ですよ!今から魔物と戦闘してもらうんですから!」

タケルに言われ、ルシアナとミレイアがハッ!と我に返り、口を開いた。

「あら、嫌だわ私ったら。うふふ。」

「タケル!ドラゴンを殴る所を私も見たい!」

タケルは苦笑し、二人に答えた。

「今度ね、それよりも今は魔物との戦闘に備えて下さい。相手はハーピーで空を飛ぶ魔物ですよ、サポートはしますが、油断するとケガしますよ!」

タケルが少し強い口調で話すと、ルシアナとミレイアはようやく気持ちを入れ替えたようだ。

「ごめんなさいね、タケルさん。がんばりますね。」

「悪かったわね、タケル。準備は良いわ。」

「では、少し歩きますよ。」

タケル達は次のハーピーの巣に向かい森を歩いていった。













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