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1章 転生~幼年期

26話 もう一人の訪問者

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尊流の作り出した異空間で、尊流の魔法の修行に励むサビオと尊流。ファイーヤーストームの魔法に興奮し、サビオの杖がただの木の杖だと判ったあの日から1年が経過していた。
 二人は来る日も来る日も魔法の練習をした、サビオが見本を見せて、尊流がアレンジを加え、その豊富な魔力とスキルの恩恵で更に強力な魔法を繰り出す。そんな毎日が続いていた。
 そして食事の時間は尊流が食事を毎回作っていた、そのお陰で尊流は今では料理人のジョブを獲得しており、より美味しい料理を作れるようになり、尊流の方が美味しい料理を作れるから尊流が作る。そんな毎日であった。

そして今日も尊流とサビオは尊流の作った異空間で修行に励んでいた。

「ほっほっほっ。今日は昨日と同じ自律式アイアンゴーレム改で、30体で行くかの。」

そう言ってサビオは30体ものアイアンゴーレムを召喚した、この自律式アイアンゴーレムは、サビオが作り出したゴーレムで、状況に応じて自分で行動し、見た目も普通の人間体型や大柄な体型、高身長等等、数多くあり、スピード型や、パワー型、魔法を使う物まで存在する大賢者サビオの傑作である。
 そんなゴーレムの集団を前に、見た目5歳児の尊流は全く臆する事も無く、平然と準備運動をしていた。

「いつでも良いですよ。」

尊流はそう言って手を前に突き出し、掌を上に向け、指をクイックイッと曲げて挑発するようなジェスチャーをした。

「ほっほっほっ。随分余裕だの、昨日より10体も多いんだがの、それでは行くかの。」

そう言ってサビオが指をパチンと鳴らすと、30体のアイアンゴーレムが一斉に尊流に襲いかかった、スピード型のゴーレムがいち早く尊流の元に襲いかかり、パンチを繰り出した、尊流はそれを身体強化でヒラリとかわし、すれ違いざまにアイアンゴーレムを指で頭を指差すと、アイアンゴーレムの頭に拳大の風穴が空き、崩れ落ちた。その尊流の後ろから普通体型のバランス型が両腕で掴みかかろうとしたが、尊流は瞬間移動で躱し、またも頭に風穴を開けた。そして頭上からパワー型が両腕を振り下ろして来た、尊流に当たるその手前でパワー型の両腕が宙を舞った、尊流が魔力を手から放出させ具現化した魔力剣で、腕を切り飛ばしたのだ。そのまま尊流は腕を振り下ろし、パワー型を袈裟斬りに切り裂いた。その瞬間、魔法を使う3体のゴーレムがそれぞれ違う属性のマジックランスの攻撃を放ってきた、尊流は多方向にマジックシールドを展開させ、マジックランスを防ぎ、多方向から一斉に攻めてくるゴーレムをエアバーストで弾くと、尊流は集団と一旦距離を取った。そして集団の周囲にぐるりと幾つものエアバーストを発生させ、ゴーレムを中心に向かい一斉に弾き飛ばした、ゴーレムはぶつかり合い、一瞬一塊になった、その瞬間轟音とともに雷がゴーレムに落ちたかと思うと、轟音と共に落雷は連続で発生し、絶え間なく轟音を轟かせていた、やがてその雷は、ゴーレムの上空から幾つもの落雷が発生し渦のように回転し始め、やがて渦潮の用に回転し始めた、金属であるゴーレムの体は熱せられて溶け出し、やがて溶融し始めた。轟音がしなくなり、静寂が訪れ、土煙が晴れるとそこには、大きくそしてただの金属の塊となった物がまだ熱を帯びて赤く光っていた。

「ほっほっほっ。いやはや何とも凄まじいの。まさかこれ程の短時間で片付けるとはの。とても5歳児とは思えんの。ほーっほっほっほ」

尊流の短時間での勝利にサビオはそう言って笑っていた。

「いやあ、サビオさんの指導が良かったからですよ。まだまだサビオさんには教えて貰う事は沢山有りますよ。」

そう言うと、サビオは高らかに笑い、髭を触りながら口を開いた。

「ほーっほっほっほ。いやいや、タケル殿の奇抜な戦法もなかなかだと思うがの、あのような戦い方をする者はなど見たこと無いの。さて、タケル殿。そろそろ昼食にしようかの。」

サビオはタケルにそう言うと、髭を触りながら笑っていた。

「判りました、今日の昼食は何が食べたいですか?」

「そうだのう、タケル殿の料理は何でも美味しいからの、悩むの、あれが良いかの、最初に食べたステーキとサラダが良いかの。」

「判りました、ステーキですね、美味しく焼きますよ。」

そう言いながら尊流は出口を出現させ、サビオと共に小屋へと戻って行った。

「ふう~。旨かったの、何度食べてもタケル殿の焼くステーキは美味しいの。」

「料理人のジョブも獲得してスキルが上がりましたからね。」

昼食を食べ終わり、もはや定番となったケルム草のお茶を飲んで、二人は寛いでいた。
 暫くの間、二人はお茶を飲みながら魔法談義に華を咲かせていたその時であった、尊流とサビオ気配察知に反応が有り、二人は顔を見合わせた。

「来ましたね。」

「ほほ、来たの。」

尊流は女神様との連絡ノートにて、サビオと同じように尊流のサポートをする為の人物が、そろそろもう一人やって来るというのを知っていたので、サビオの時のように警戒はしていなかった。

「少しお茶を追加しておきますか。」

尊流がそう言ってキッチンに行こうとすると、サビオが呼び止めた。

「ほほ、タケル殿、ワシが淹れておくからの、タケル殿は表で出迎えてやると良いの。」

「判りました、では出迎えに行ってきますね。」

そう言って尊流は出迎えの為に庭へと出て行った。
 すると、お茶を淹れていたサビオが髭を触りながら、ニヤニヤと笑いながら、イタズラっぽい目をしていた。

「ほほほ。さて、どんな万能かの。まさか今回来るのがあ奴だとはの。ほっほっほっ。」 

庭では尊流が間もなく姿を見せる人物を待っていた、今回やって来るのは剣士だと言うのは、女神様のメッセージで判っていたので、尊流はどんな人物なのか色々と想像していた。

「やっぱり歴戦の強者(つわもの)なのかな、それとも凄腕だけど優男とか・・・」

そう考えていると、いよいよ視界に入る目前にまで来た。尊流はゴクリと唾を飲んだ、コレから暫く寝食を共にする仲間であるが、剣士と言う事意外何も判らない、その人物が今姿を見せようとしていた。

「ん?」

サビオの時と同様、まず見えたのは頭だった、しかしその頭には人の物とは違う獣の耳がそこには有り、その存在を主張していた。

「け、ケモ耳・・・」

尊流は思わず呟いた。そしてすぐに現れた顔は色白で非常に美しい女性であった、髪は白く、肩まで伸びた髪を1つに纏めている。
そして顔には首から顎を通り目頭に向けて、細い三角刑の形に動物のように短い毛が生えていた。そしてそれがその人物の美しさを引き立たせていた。そして肩から伸びるマントのような布、外套のフードを外した状態であろう事が判る。
 そして胸元に視線が移って目を見張った、左肩から胸元までは、薄茶色で、キラキラと光る金属のプレートを着けている、その形は大きく湾曲し、胸が大きいのが想像出来る、そしてそれを証明するかのように薄い皮で押さえられたそれは、上から大きく盛り上がり、歩く度にまるでゼリーのように揺れていた。
 腹部は衣服を着けておらず、割れた腹筋がそこには有った、そして顔と同様に毛が生えており、背中からおへそに向かって細い三角の形に生えており、美しく、力強い模様のようになっていた。そして腰は女性らしく丸みを帯びているが、そこから伸びる足から、引き締まっているのがわかる。
そして短剣を下げており、ベルトに幾つか革製のポーチが取り付けられていた。
衣服は革製の腰巻きのような感じで、下着がチラチラ見えている。
足は細いが引き締まり、アスリートのそれと同様であった、膝から下はすね当てを着けており、歩く度に少しだけカチャカチャと音を立てていた。
 尊流は目を見開いたまま、固まっていた、何せ一年ぶりの女性である、しかも肌の露出も多く、胸も大きい、まして漫画やアニメでしか見たことが無い、ケモ耳の女性が居たからであった。
 その女性は尊流に気付くと、小走りに尊流の元へと近付いてきた、そして尊流の前で止まると、片膝を付き跪き、そして口を開いた。

「貴方が女神様の使徒様ですか?」

尊流は頷いた。すると女性は頭を垂れて自己紹介を始めた。

「これは失礼致しました。改めまして、女神フレイア様の使徒様。私は女神フレイア様より貴方様のお世話を仰せつかった、アルミス・ボナエストと申します。剣士をしており、剣の腕には多少自信が有りますので、貴方様のお力に成らせて頂きたく存じます。」

自己紹介が終わっても頭を垂れ続けるアルミス・ボナエスト、お陰で尊流の目の前には今にもこぼれ落ちそうな胸の膨らみが有った、左膝を地面に着いて、右膝は曲げている状態である、そして頭を垂れて腰を曲げる状態の為、その豊かな胸が太腿に押され、押し広がり、尊流から見た光景は凄い物になっていた。
 そして尊流はそれに目を奪われ、反応が出来ずにいたのだった。

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