えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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1章 転生~幼年期

24話 天ぷら

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サビオのスキルや魔法をコピーした尊流は、サビオと共に小屋の中に戻って来ていた。

「それで、サビオさん。小屋に戻って来て何をするんですか?魔法の練習では無いですよね?」

早速修行を始めると言ったにもかかわらず、サビオが小屋の中に戻って来た事を不思議に思った尊流はサビオにそう尋ねた。

「ほっほっほっ、まあそう焦る事は無いの、タケル殿、少し昼には早いが、天ぷらとやらを食べさせてもらえんかの。」

どうやらサビオは修行を開始する前に、天ぷらを食べたくて昼食にすることにしたようだ。そした修行をする気満々だった尊流は、サビオの言葉を聞きまるでコントのようにズッコケた。

「とととっ、危なくコケる所でしたよ、天ぷらが食べたいんですね。判りましたよ、作りますよ、天ぷら、だからまず踏み台をキッチンに戻して下さい。」

そう言って尊流はキッチンを指差しながら、サビオを少しジト目で見ていた。

「お、おほほほほっ。そうであったの、ワシが仕舞っておったままだったの。」

そう言ってサビオはキッチンに向かい、アイテムボックスから尊流が作った踏み台を出した。

「全く、食いしん坊でちょっと抜けてるな、とんだ大賢者さまだな。」

と、尊流は思わず呟いた。

「ん?何か言ったかの?」

「いえいえ、何でも無いですよ、食材の確認をしただけです。」

そう言って誤魔化し、尊流は食材ボックスの蓋を開け、中を覗き込んだ。

「ん?随分と内容が変わってるな、えっと、これは…山菜かな?こっちは芋だな。何か海老っぽいな。そうだ、新しい鑑定が、有ったな。」

そう言って尊流は様々な食材に鑑定を掛けて行き、天ぷらに使えそうな食材を選んで行った。

「アイテムや食材を鑑定出来るのは便利だな、お陰で天ぷらの種類を増やせて良かった。」

そう言って尊流は天ぷらに使う食材を踏み台に並べていき、そして踏み台に上がり食材を拾い上げて、カウンターに並べて行った。
尊流が食材を切っていると、サビオが庭に出て行き、暫くするとケルマ草を摘んで戻って来た。
 油も温まったので衣を付け、次々に油で揚げていく、暫く揚げつづけ全ての食材を揚げ終わり、揚げ終わった天ぷらを皿に盛り、ローテーブルに並べた。

「おほ!これが天ぷらかの、変わった料理だの。このまま食べれば良いのかの?」

そう言ってサビオは天ぷらにフォークを突き刺した。

「あ、サビオさん。この磨り潰した塩を少し掛けて食べて見てください、胡椒も同様に磨り潰して少し入れて有ります。」

そう言って尊流は磨り潰して細かくなった塩が入った小皿をサビオに差し出した。

「ほほ。塩を磨り潰した物をければ良いのかの、塩を磨り潰すとはこれまた珍しいの。」

サビオは尊流から小皿を受け取り、塩をひとつまみ取ると、天ぷらに掛け、天ぷらを口に頬張った。

「おほっ。コレは旨い、食材の味を上手く引き出し、かつ、この細かい塩が全体の味を引き締め、際立たせておるの。」

サビオが美味しそうに天ぷらを食べてるのを見て、尊流はニヤッと笑い、キッチンに行き、小鉢を持って戻って来た。

「お口に合って良かったです、そしたら次にこちらのつゆ・・・えっとスープに少し浸してから食べて見てください。」

そう言って今度は天つゆのようなスープが入った小鉢を差し出した。

「ほほ。食べ方にも種類が有るとはの、タケル殿の世界の料理は素晴らしいの。」

そう言ってサビオがは今度はフォークで天ぷらを刺し、天ぷらを天つゆもどきに浸して、天ぷらを口に頬張った。

「おほーーっ。コレも旨いの、先程とは違って口に香りが広がり、食材の味も合わさり、本当に美味しいの。」

サビオは様々な食材の天ぷらを食べる度にいちいち解説しながら食べていた。

「どこのグルメ漫画の審査員だ、この大賢者。」

尊流は思わず呟いた。

「ん?何か言ったかの?」

「いえいえ、喜んで頂き嬉しいです。」

そう言って尊流も天ぷらを頬張り、大量に有った天ぷらの皿があっという間に空になった。

「いや~、旨すぎてついつい食い過ぎてしまったの。それにしてもタケル殿の作る料理は旨いの。」

そう言いながらサビオは食べ過ぎて苦しくなったお腹を擦っていた。
 一方尊流は相変わらずお腹イッパイにはなっていなかった。

「満足して貰って良かったです、天つゆは醤油が無いので無理かと思ったんですが、似た味が出せて良かったです。」

尊流は食器を片付け、サビオが摘んできたケルム草のお茶を淹れながら、満足そうなサビオをみて、安心してそう言った。

「しょうゆ?良くわからんが、とても美味しかったからの、あのままでも大丈夫なんじゃ無いかの。」

尊流に淹れて貰ったケルム草のお茶を飲みながらサビオがそう答えた。
 尊流もソファーに座り、お茶を飲みながらサビオに話始めた。

「所でサビオさん、いつまで俺の事をタケル殿って言うんですか?修行をつけて貰うんだし、サビオさんは俺の先生だとか、師匠になるんですから、タケルと呼び捨てで構いませんよ、それに今は四歳児だし。」

すると、サビオは飲んでいたお茶を置き、髭を触りって笑いながら話はじめた。

「ほっほっほっ、タケル殿はこう言われるのは嫌なのかの?ならこう言わせて貰おうかの、大賢者タケルと。」

サビオはイタズラっぽい目をしながら髭を触り、尊流のほうを見てニヤニヤしていた。

「あ、いえ、タケル殿で良いです。」

尊流は大賢者と呼ばれたら堪らないと、下を向き、タケル殿と呼ばれる事を了承した。

「ほっほっほっ、ではタケル殿もワシの事は先生や師匠とは呼ばすにの、今まで通りサビオさんと呼んで欲しいの。どうもそう言われるとむず痒くてイカンのでの。」

サビオも先生や師匠と呼ばれずに済んで内心ホッとしていた。

お茶を飲み終わると、サビオが膝を叩き、口を開いた。

「さて、タケル殿。食後の運動も兼ねて、少しスキルや魔法に慣れるとしようかの。」

そう言ってサビオが立ち上がったので、尊流も続いて立ち上がった。すらと、サビオが髭を触りながら話始めた。

「タケル殿、コピーして新たに覚えた魔法に空間魔法という魔法が有るのは判るかの。」

タケルはステータスを展開させて確認する。

「はい、有りますね。」

「そしたらの、ルームの魔法を使うんだがの、コレは先程の空間を作り出す魔法なんだがの、少しコツが有っての、強く明確に作りたい空間をイメージをする必要が有っての、イメージが足りないと発動しない魔法なんだの。何でも良いから好きにイメージしてみて欲しいんだがの、そこで魔法を練習するのでの、的になるものが有った方が良いかの、それと広い空間が必要だからの。」

そう言われ、尊流は有る場所をイメージした。
「じゃあ、あそこが良いかも知れないな・・・・・」

目を瞑り、イメージを膨らませる尊流それをみて、サビオが口を開いた。

「どうかの、イメージは固まったかの。」

尊流が目を瞑ったままコクリと頷いた。

「ほほほ。やはり筋が良いの、イメージができたらの、最初のうちは指先で扉の場所を指定するのが良いの。」

尊流は言われた通り、指でテーブルの前の空間を指し示し、円を描くように指を動かした。
 すると、何も無かった場所にサビオが出現させた物とは違う扉が出現した、色は白く、両開きで全面に植物の彫刻が施された石造りのとても重厚な感じの扉であった。

「ほっほ!やはりタケル殿は凄いの、スキルのお陰とはいえ、初めてで成功させるとはの、扉も素晴らしい物だの、イメージがそれだけしっかりと出来ており、魔力も豊富だからだの。」

そう言ってサビオは尊流の出現させた扉を眺め、髭を触りながら感心していた。

「では、入ろうかの。扉を開けてくれんかの、タケル殿。魔法の発動者しか開けられんのじゃ。慣れれば遠隔で開けられるんだがの。」

そう言ってサビオは尊流の方をポンと優しく手を置いた。目を開けた尊流は、自分が間の前の重厚な扉を出現させた事に、まだ実感が沸かなかったが、コクリと頷いた。
 すると、目の前の扉がひとりでに開き、爽やかな風が二人の頬を撫でた。

「ほっほっほっ。流石タケル殿、初めから遠隔で扉を開けるとはの。では入るとするかの。」

サビオはそう言うと、尊流の背中をそっと押し促し、二人で扉の中へと入って行った。




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