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1章 転生~幼年期

23話 驚愕の事実

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サビオの作り出した空間に出された巨大なドラゴン、そのドラゴンは元は聖獣でサビオの友人だったと聞き、驚きつつもその悲しい結末と、目の前で静かに涙を流すサビオを見つめていた尊流であった。

「ほほ。とんだ所を見せてしまったの、さて、もうこいつは仕舞うとするかの。」

そう言うとサビオはドラゴンをアイテムボックスに仕舞った。
それを見て尊流が口を開いた。

「それで、サビオさん。ドラゴンを聖獣に戻す手段は見つかりそうなんですか?」

ドラゴンを仕舞い、尊流と向き合ったサビオが静かに首を振り答えた。

「いや、それはまだ見つかっていないの、ある程度の予測は出来ておるんじゃがの。」

ドラゴンを聖獣に戻す方法の予測があると聞き、尊流は思わず拳を握りしめ、サビオに聞いた。

「そ、それは一体どんな方法なんですか?」

すると、サビオはまた静かに首を振り、尊流の問に答えた。

「それはまだ予測の域を出ておらんでの、正しいかどうかもわからん。」

「そうですか、早く見つかると良いですね、俺に協力が出来ることが有ればその時は言って下さい、手伝わせて貰いますので。」

尊流がそう言うと、声高にサビオが笑い、尊流に話しかけた。

「ほっほっほっ。女神様の使徒様の協力が得られるとは心強いの、それではその時が来たら遠慮無くお願いするとしようかの。」

そう言いながら、サビオは髭を触りながらウンウンと頷いていた。



「さて、タケル殿、ドラゴンももう見たしの、タケル殿のスキルについての事なんじゃがの。」

そう言ってサビオは変わらず優しげな目をしながら、そして普段より少しだけ低い声で話しかけ、タケルの目を見ながら、スキルについて話し始めた。

「タケル殿はユニークスキルを持っておるの、どうやらまだ使っておらんようだの、どうしてまだ使わんのかの。」

そう言われた尊流だが、自分でも何故使わないのか解らないでいた。

「何故でしょうね、自分でも判りません。サビオさんがこちらへ来て初めての人間だからかもしれません。」

そう言って尊流はサビオの目をジッと見つめた。

「ほっほっほっ、そうか、ワシに遠慮でもしておったのかの、そのような事は気にせんでも良いのだがの、タケル殿のスキルはユニークスキルの中でもかなり強力じゃ、この世で1番かもしれん、しかし使わない事には何も始まらないからの。」

サビオは髭を触りながら、自分をジッと見つめる尊流を見て笑っていた。

「そうじゃの、タケル殿のスキル使用の1番最初の自分の座はワシが頂くとするかの、ホレ、タケル殿、遠慮せずにワシにスキルを行使してみるが良いの。」

そういってサビオは自分の胸をポンポンっと叩いた。

「判りました。それでは使ってみます。スキルを使ったあと、相手がどうなるかは判らないのでご了承ください。」

そう言うと、尊流はサビオをジッと見つめ、ステータスをオープンする時のように、スキル名を頭の中で唱えた。するとサビオのステータスがブワッと表示された、そしてその表示されたステータスに表示されているスキルや魔法の文字が次々に黒色からグレーに変わって行った、そして尊流のステータがオープンし、尊流のユニークスキル、トレースが実行されコピーが完了したことが判った。

「おわ!なんだこのスキルの数と魔法の種類は!」

スキルの効果のコピーが完了し、表示されたスキルや魔法の数のあまりの多さにたけるは驚愕していた。

「ほっほっほっ。驚いたようじゃの、驚きついでにワシの名前や職業欄も確認してみると良いの。」

そう言ってサビオは髭を触りながら、イタズラっぽい目をしながら笑っていた。

「えっと、名前はサビオ・プルーデンス、年齢は、ん?あれ、え?えええーーーーー!さ、サビオさん、サビオさんの年齢が523歳って・・・えええーーーー!!」

サビオの年齢に驚き、尊流は驚いて声を張り上げてた。そしてつぎの項目でも尊流はまた驚いた。

「えええええーーーー!え?え?ええええーーーーーー!!大賢者って、あの賢者?しかも大賢者?」

尊流はひとしきり声をあげると、目を大きく見開き、口をパクパクさせてフリーズしていた。
 その驚きぶりを見て、サビオはイタズラっぽい目をしながら声高に笑った。

「ほーっほっほっ。驚いたようだの、ワシは魔法による秘術と、精霊の加護によって随分と長く生きる事が出来ての。そのお陰で魔法の研鑽に長く励む事も出来ての、それでこの大陸初の大賢者になる事が出来たんだの。」

サビオはひとしきり尊流の反応を楽しんだ後に、自分の年齢が人より随分と長い理由を尊流に話した。

「そ、そうだったんですか。サビオさんは出来る人だろうと思ってましたが、想像以上過ぎて驚きました。」

暫くフリーズしていた尊流だが、ようやく再起動しサビオに驚きを伝えた。
 すると、サビオが驚きの事実を話始めた。

「ほっほっほっ。まだまだ驚く事が有るぞい、先日タケル殿の魔法の凄さにについて話をしたの、ワシがあの域に達する迄は何十年も掛かったんだの、それをタケル殿は使える魔法こそ初級魔法のみであったがの、非常に高度な技術をたった二週間で修得したんだの、自分が規格外と言うのが改めて解ったかの? 」

「は、はい。」

「ほほほ。続けるぞい。それで今回タケル殿のスキルを行使したことによって、大賢者のジョブもトレースして、コピー出来た筈だの、タケル殿はこの大陸で二人目の大賢者になった訳だの、間違いなくこの世界で最年少での大賢者の誕生と言う事になるの。」

アズールに来て二週間、魔法の練習ばかりで自分のスキルの事は良く検証してなかった尊流は今更ながら自分のスキルの余りにも凄いチートっぷりにまたしてもフリーズしていた。

「お、俺が大賢者・・・」

ようやく再起動した尊流であったが、そう呟くのが精一杯であった。

「ほっほっほっ、大賢者タケル殿、いきなり大賢者になり驚くのは無理も無いの、しかし、タケル殿のスキルがどんなに凄いスキルでもの、あらゆる事をトレースしコピー出来たとしてもの、その人物が学んできた知識や経験等はコピー出来んからの、暫くは覚えた魔法やスキルの性能を理解する為に修行が必要だの。」

サビオは尊流のスキルの凄さを説明しつつ、万能ではない事を伝え修行する事を伝えて来た。

「な、成る程。確かに物凄い魔法を知らずに使ったら大変な事になってしまいますからね。戦闘中にいちいち自分の魔法を鑑定しながら使うわけに行かないですしね。あっ、そうか、サビオさんはこの為に女神様に遣わされたんですね。」

尊流はサビオの話を聞き、自らのスキルの特性を理解し、そしてサビオが遣わされた理由を理解した。

「ほっほっほっ、そうだの、タケル殿のスキルの事は予め聞いておったからの。そんなスキルであればワシが長年研究しておった魔法を修得出来るかと思っての、それで快諾したんだの。」

サビオは自分が女神に遣わされた理由を長い髭を触りながら話した。

「そうだったんですね、知識の修得は勿論、その、魔法の修得もがんばります、コレから宜しくお願いします、サビオさん。」

そう言って尊流はサビオに向かい頭を下げ、お辞儀をした。

「ほっほっほっ、その謙虚な姿勢のタケル殿ならきっと成し遂げてくれるじゃろうの。こちらこそ宜しく頼むの、若い大賢者タケル殿。」

そう言ってサビオは長い髭を触りながら笑っていた。

「やめて下さいよ、確かに大賢者のジョブは得ましたが、中身が伴ってないんですから。」

そう言って尊流は腕を付き出して、手をヒラヒラとさせた。

「ほっほっほっ、やはりタケル殿は謙虚だの、では早速始めるとしようかの。と、その前に一旦ここを出るとするかの。」

そう言ってサビオと尊流は、その空間を後にし、小屋の中に戻って行った。










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