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1章 転生~幼年期
14話 全言語理解
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尊流はベッドに潜り込むと、1日を振り替えっていた。
「何だかとても充実した1日だったな、明日も魔法の練習をしてみよう。」
そう考えてるうちに、だんだん瞼が重くなり、次第に意識が薄れて行き、睡魔に身を委ねて夢の中へと旅立って行った。
朝日がリビングを照らし始めた頃、尊流は何処からともなく聴こえるチュンチュンという雀のような鳥の鳴き声に気付き、そして目を覚ましベッドから起き上がった。
「んん~!良く寝た、今何時だろ、時計が無いから判らないな。」
そう言いながらリビングからキッチンに向かい、食料の入った箱からパンとジュースを持って庭に向かって行った。
「いや~、気持ちの良い朝だな、太陽があっちから登ってるから、あっちが東か、まあ地球の概念が通用すればだけど。」
そう言いながらパンをかじり、ジュースで流し込んだ。
すると、大きな木の隣にある、果実の実った木の枝に、雀位の小さな鳥が数羽とまりチュンチュンと鳴きながら、毛繕いをしていた。
「雀とは違うみたいだな。」
そう言うと尊流はかじっていたパンを手で小さくちぎり、地面に投げ始めた。
すると、その雀位の鳥がパンを食べに尊流の近くまで飛んできて、パンをついばみ始めた。
「こっちへ来て初めての生き物だ、宜しくな。」
尊流はパンを投げながら雀のような鳥に話しかけていた。
「そうだ!鑑定!」
思い出したかのように、目の前に居る雀のような鳥に鑑定を掛けてみた。
〈ベルド鳥〉
ベルドール大陸に最も多く生息する鳥で、普段は数羽の群れで行動するが、稀に数千~数万羽で移動することがある。
人に慣れやすいが、飼うとすぐに弱って死んでしまう。
焼けば骨まで丸ごと食べられる、味はそんなに美味しくない。
「動物図鑑かよ!」
思いの外ベルド鳥の詳細が載って居たので、鑑定結果に一人ツッコミを入れた尊流であった。
「まあ、あの鳥…ベルド鳥が何かスキル持っているとは思って居ませんでしたよ。」
そう言いながらパンをちぎって投げていると、1羽のベルド鳥が尊流な肩にとまり、耳元でチュンチュンと鳴き始めた。
「ん?なんだ?随分人懐っこいな。」
肩にとまったベルド鳥を指で撫でていると、凄く小さな声が聞こえて来た。
「あ…が…う…ちそう…ま。」
「ん?」
一瞬理解が出来ず、声を漏らした。
すると、ベルド鳥は一斉に何処かへ飛んで行ってしまった。
「まさか、鳥が喋った?いや、もしかして。」
ふと、ある事を思いたち、ステータスを展開させた。
「アズール全言語理解を鑑定」
〈アズール全言語理解〉
アズールに住む全ての種族の言語を理解出来る、 自我の薄い種族や生物もおり、言葉を理解する事が辛うじて出来るが、会話出来る程では無い。
任意で特定の種族の言語理解を無効に出来る。
「やっぱり、動物の言語も理解出来てしまうのか、でも無効の機能が有って良かった、家畜とか魚とか言葉を理解出来ちゃったら食べられなくなっちゃうからな」
言葉を無効にする事が出来ると知り、ホッとして尊流であった。
「さて、それじゃあまた魔法の練習を始めますかね。」
そう言って尊流は庭の岩に視線を向けた。
「お、よかった、全部元に戻ってるな。」
昨日の練習でことごとく破壊した庭の岩だが、練習中に気付いたのだが、最初に破壊した岩がいつの間にか元に戻っていたのである。どうやら時間がたつと、元に戻るようになっているようで、一晩寝て全て元通りになっていたので、また的として使えると思い安心した尊流であった。
「さて、昨日はあれから軌道をある程度操れるようになったから、今日は一度に2個出せるか挑戦だな。」
昨日半日練習した魔法で、ある程度軌道を操れるようになっていた、前後に2つ並んだ岩の後ろだけに当てたり、的とは違う方向を向いて魔法を発動し、その後曲げて当てたりと、凄まじい上達ぶりを発揮していた。
「ん、ファイヤーボール、ファイヤーボール、よし、出来た!おりゃ!」
尊流は左右の手にそれぞれファイヤーボールを出し、的にした岩に向かって投げつけると、昨日まで出来ていた軌道制御ができず、岩に当たる前にファイヤーボール同士がぶつかり、爆音とともに炸裂した。
「うわーーー!!」
尊流は爆風に弾き飛ばされ、意識を失った。
「ん、んん~。イテテ…あれ、確かファイヤーボールを2つ出して、そうか、失敗したのか…取り敢えず、ヒール。」
尊流はどれくらい気を失って居たのか分からなかったが、辺りは薄暗くなって来ていたので、夕方だということは理解出来た。
「随分気を失っていたんだな、体は細かいキズや小さい火傷だけど、服は綺麗って事は自動修復されたのか。もう一度、ヒール。」
自分の置かれた状況と、体のキズがまだ治ってないのに気付き、もう一度ヒールをかけた、するとまた頭の中にステータスが展開された。
「ふう、治った。おっ?ヒールがレベルアップしてる。てかレベルが有るんか、この場合ワンランク上の魔法を覚えるんじゃ無いのか?ハイヒールとかさ。」
ヒールのレベルが上がった事に一瞬喜んだ尊流だか、どうにも腑に落ちない様子だった。
「今日はもう寝よう、気絶してたから寝てたようなもんだけど、何だか疲れた…」
そう言うと、余程疲れたのか、体にクリーンだけを掛けて、風呂にも入らずベッドに入ると、直ぐに寝てしまった。
「何だかとても充実した1日だったな、明日も魔法の練習をしてみよう。」
そう考えてるうちに、だんだん瞼が重くなり、次第に意識が薄れて行き、睡魔に身を委ねて夢の中へと旅立って行った。
朝日がリビングを照らし始めた頃、尊流は何処からともなく聴こえるチュンチュンという雀のような鳥の鳴き声に気付き、そして目を覚ましベッドから起き上がった。
「んん~!良く寝た、今何時だろ、時計が無いから判らないな。」
そう言いながらリビングからキッチンに向かい、食料の入った箱からパンとジュースを持って庭に向かって行った。
「いや~、気持ちの良い朝だな、太陽があっちから登ってるから、あっちが東か、まあ地球の概念が通用すればだけど。」
そう言いながらパンをかじり、ジュースで流し込んだ。
すると、大きな木の隣にある、果実の実った木の枝に、雀位の小さな鳥が数羽とまりチュンチュンと鳴きながら、毛繕いをしていた。
「雀とは違うみたいだな。」
そう言うと尊流はかじっていたパンを手で小さくちぎり、地面に投げ始めた。
すると、その雀位の鳥がパンを食べに尊流の近くまで飛んできて、パンをついばみ始めた。
「こっちへ来て初めての生き物だ、宜しくな。」
尊流はパンを投げながら雀のような鳥に話しかけていた。
「そうだ!鑑定!」
思い出したかのように、目の前に居る雀のような鳥に鑑定を掛けてみた。
〈ベルド鳥〉
ベルドール大陸に最も多く生息する鳥で、普段は数羽の群れで行動するが、稀に数千~数万羽で移動することがある。
人に慣れやすいが、飼うとすぐに弱って死んでしまう。
焼けば骨まで丸ごと食べられる、味はそんなに美味しくない。
「動物図鑑かよ!」
思いの外ベルド鳥の詳細が載って居たので、鑑定結果に一人ツッコミを入れた尊流であった。
「まあ、あの鳥…ベルド鳥が何かスキル持っているとは思って居ませんでしたよ。」
そう言いながらパンをちぎって投げていると、1羽のベルド鳥が尊流な肩にとまり、耳元でチュンチュンと鳴き始めた。
「ん?なんだ?随分人懐っこいな。」
肩にとまったベルド鳥を指で撫でていると、凄く小さな声が聞こえて来た。
「あ…が…う…ちそう…ま。」
「ん?」
一瞬理解が出来ず、声を漏らした。
すると、ベルド鳥は一斉に何処かへ飛んで行ってしまった。
「まさか、鳥が喋った?いや、もしかして。」
ふと、ある事を思いたち、ステータスを展開させた。
「アズール全言語理解を鑑定」
〈アズール全言語理解〉
アズールに住む全ての種族の言語を理解出来る、 自我の薄い種族や生物もおり、言葉を理解する事が辛うじて出来るが、会話出来る程では無い。
任意で特定の種族の言語理解を無効に出来る。
「やっぱり、動物の言語も理解出来てしまうのか、でも無効の機能が有って良かった、家畜とか魚とか言葉を理解出来ちゃったら食べられなくなっちゃうからな」
言葉を無効にする事が出来ると知り、ホッとして尊流であった。
「さて、それじゃあまた魔法の練習を始めますかね。」
そう言って尊流は庭の岩に視線を向けた。
「お、よかった、全部元に戻ってるな。」
昨日の練習でことごとく破壊した庭の岩だが、練習中に気付いたのだが、最初に破壊した岩がいつの間にか元に戻っていたのである。どうやら時間がたつと、元に戻るようになっているようで、一晩寝て全て元通りになっていたので、また的として使えると思い安心した尊流であった。
「さて、昨日はあれから軌道をある程度操れるようになったから、今日は一度に2個出せるか挑戦だな。」
昨日半日練習した魔法で、ある程度軌道を操れるようになっていた、前後に2つ並んだ岩の後ろだけに当てたり、的とは違う方向を向いて魔法を発動し、その後曲げて当てたりと、凄まじい上達ぶりを発揮していた。
「ん、ファイヤーボール、ファイヤーボール、よし、出来た!おりゃ!」
尊流は左右の手にそれぞれファイヤーボールを出し、的にした岩に向かって投げつけると、昨日まで出来ていた軌道制御ができず、岩に当たる前にファイヤーボール同士がぶつかり、爆音とともに炸裂した。
「うわーーー!!」
尊流は爆風に弾き飛ばされ、意識を失った。
「ん、んん~。イテテ…あれ、確かファイヤーボールを2つ出して、そうか、失敗したのか…取り敢えず、ヒール。」
尊流はどれくらい気を失って居たのか分からなかったが、辺りは薄暗くなって来ていたので、夕方だということは理解出来た。
「随分気を失っていたんだな、体は細かいキズや小さい火傷だけど、服は綺麗って事は自動修復されたのか。もう一度、ヒール。」
自分の置かれた状況と、体のキズがまだ治ってないのに気付き、もう一度ヒールをかけた、するとまた頭の中にステータスが展開された。
「ふう、治った。おっ?ヒールがレベルアップしてる。てかレベルが有るんか、この場合ワンランク上の魔法を覚えるんじゃ無いのか?ハイヒールとかさ。」
ヒールのレベルが上がった事に一瞬喜んだ尊流だか、どうにも腑に落ちない様子だった。
「今日はもう寝よう、気絶してたから寝てたようなもんだけど、何だか疲れた…」
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