えっ！？俺が神様になるの？ チートで異世界修行物語。

１章 転生～幼年期

７話 理由

「尊流さん、色々と話をさせて頂きましたが、今回の転生のタイミングで私が尊流さんの前に現れ、私が色々説明させて頂いたのは、それは尊流さんの転生先が、私の作った世界となっているからです。」

女神がそう言うとニッコリと微笑んだ。

「そうなんですか、ところで、転生して修行って先程言ってましたが、一体何をすれば良いんですか？」

尊流が尋ねると、女神は話を続けた。

「今回尊流さんには私の作った宇宙の一つ、その中の星でアズールに転生していただき、そこで調整者として世界のバランスを調整しながら、更に魂の格を上げて下さい。」

そう言われてもまだ何をすれば良いのか解らない尊流は、女神に問いかけた。

「やはりまだ判りません、調整者になって世界のバランスを取るって一体何をするんですか？
それに、魂の格を上げるにはどうしたら良いんですか？」

尊流の問に女神が答えた

「調整者とは、増えすぎた魔物を狩り、世界のバランスを保つ者の事です。魂の格を上げるには様々な要因は有りますが、わかりやすく言うと徳や善行を積めば上がります。」

尊流は頷いた、しかし新たな疑問が上がった。

「俺が転生するアズールって所は貴女が作ったんですよね、それなのに俺が調整者として行かなければ行けないんですか？いや、行くのは構わないんですが、どうして自分でやらないのかと思って。」

そう尊流が問いかけると、女神はほんの少しだけ悲しげな顔をし、話し始めた。

「その疑問はもっともです、しかしそれは出来ないのです。」

神だから何でも出来ると思っていた尊流だが、予想外の回答に驚いた。

「え？出来ないんですか？神様なのに？創造神ですよね？」

やはり悲しそうな顔をして女神が答えた

「ええ、出来ないのです、少し長くなりますが、良いですか？」

尊流は「ええ、構わないですよ。」と頷いた。
すると女神が少し遠くを見つめながら話し始めた。

「私達若い神は、最高神の作った沢山の世界の中から一つの世界を選び、それを真似て世界を作り上げます、地球の有る宇宙も数ある世界の一つだというのは先程話しましたよね、そして今回転生してもらうアズールのある世界は、尊流さんの住む地球、そして宇宙をモデルに作られて居ます、先程お話した遥か昔の、まだ最高神の加護が有る頃の地球がモデルなんです。しかし私達の作る世界の人々は、最高神の作った世界の人々と比べると不完全なのです、何不自由の無い世界にすると、たちまち世界は滅んでしまうのです、なので瘴気や魔素といった物をある程度発生させ、魔物や凶暴な獣を作る事でバランスを取る必要が有りました。しかしその制御が非常に困難で、瘴気や魔素、魔物が増えすぎる事が有るのです、そして増えすぎた瘴気や魔素によって強力な魔物が誕生しやすくなり、やはり世界は滅んでしまう可能性が有るのです、そこで人々に沢山の加護を授け、多くの神託をおろし、人々を助けるのですが、やはりそれだけでは限界が有るのです。」

話を聞いて尊流は「なるほど」と、顎に手を添え頷き口を開いた。

「女神様でも出来ないことが有るんですね。」

すると女神が先程より少し悲しそうな顔をし、話を再開した。

「ええ、そうですね、人々からしてみれば神は全知全能ですが、万能では無いのです、全てを完璧に作るには、まだまだ神格が足りないのです。私が直接原因を取り除こうとすれば、世界が崩壊してしまう可能性が大きいのです、それ故自らの手を加える事は出来ず、最高神の世界の人々の力を借り、調整者としてバランスをとって貰うのです。そして、その役目は魂の格を上げるために転生を繰り返し、修行をしている方が最も相応しいのです。」

だから俺なのかと納得し、尊流は頷き、そしてまた女神に訪ねた。

「ではアズールに行き、沢山魔物を倒せば良いんですか？」

そう尋ねると女神は微笑み、答え始めた。

「そうですね、そうして下さい、アズールには冒険者という仕事が有りますので、それになれば宜しいでしょう。魔物や獣を狩れば、食料やお金が手に入ります。そうして生活して魔物を狩って頂ければ、あとは自由に過ごして頂いて構いません。」

「自由にですか？それは楽そうで良いですね、あ、もしかして魔王とかも居るんですか？」

自由にして良いと言われ、少し浮かれたが、魔王が居るかもと思い、女神に聞いた。

「ええ、自由にしていただいて構いませんよ、でも犯罪者になってしまうと徳が下がり、魂の格も下がってしまう可能性が有るので気を付けて下さいね。あと、魔王ですが、１０００年前に前世の尊流さんが勇者として倒して以来誕生していませんね。」

魔王が居ないと聞き安心した尊流だが、前世の自分が魔王を倒したと聞き、またも驚いた。

「俺、前世は勇者だったんだ・・・ん？そう言えばさっきそう言われた気が・・・まあ、魔王は居ないみたいだし良いか。」

その後も尊流と女神は色々な話をし、いよいよアズールに転生する時が来た。

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未だに異世界に行けてなくてスイマセン、
次回からはいよいよアズールの地に尊流が降り立ちます。