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第二章
病院で
しおりを挟むチュンチュンチュン
・・・気付いたら朝でした。
おかしいな、眠くなかったのに・・・。なんで寝ちゃったんだろう。布団がふかふかだったから?それともご飯が美味しかったから?体が温まったから?
そんな事を悶々と考えているとファリンスが部屋に入って来た。
「おはようございます!ファリンス!」
「おはよう、シャーロット。元気だね。」
ファリンスの笑顔は私を幸せにしてくれる。また笑って朝食を食べよう、と言ってくれる。元気に頷いて、ファリンスが持っている物を覗き込む。
昨日食べた葉っぱ達にパン(?)、なんとも言えない色をしていて黄色くて半透明で綺麗な感じの飲み物(?)がある。ワクワクしながら着々と口に運ぶ。
やっぱり美味しくて笑顔が止まらない。葉っぱは昨日と同じで最高だった。私は今睨みあっている。
この謎の液体。なんとも言えない色で匂いを嗅いでみる。甘酸っぱい良い匂いだ!
「シャーロットはそれ、好きだと思うよ。」
ファリンスがそう言うなら大丈夫だと思う。でも不安で少しだけ口に含む。
「・・・!美味しいわ!」
もう、凄く凄く美味しくて大好き!口の中には林檎の味が広がって最高!こんなに美味しい林檎食べた事ないわ!ちなみに林檎ジュースと言うらしい。そのまんまなのね。
そんな感じで幸せなひと時を過ごしていると、ファリンスが急に心配そうに言う。
「シャーロット、お願いがあるんだ。今から病院に行かないか?傷を治すためには行かないと行けないんだ。怖い人は居ないし、安全なんだが・・・」
「分かったわ!」
「い、良いのか?」
ファリンスが安全って言う所。少し気になるし行ってみたい。しかもお願いだって!私が行くと言って、ホッとしているみたいだしオールOKね!
手に昨日の水晶玉を渡されて準備して来るから待っててね、と言われた。返事をして水晶玉を撫でる。いつ見ても綺麗ね!
しばらくしてからファリンスが来た。抱っこで馬車まで連れて行ってくれて、メイドさん達の視線が痛かった。
初めて見る風景に目を輝かせながら馬車に揺られて居るとあっという間だった。病院はすっっっごく大きくて白かった。
やっぱり抱っこされて病院の中に入り色々な人の視線が痛かったけれど、見た事の無い物があってそれどころでは無かった。キョロキョロと辺りを見渡していたらすれ違う人に笑われた。むぅ・・・、とファリンスを見たらファリンスにも笑われてしまった。
大人しくする事を心に決め、抱っこされながらファリンスと共に進んで行くシャーロットであった。
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