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第二章
えっち K/S
しおりを挟む「僕は凄く悪い・・・『えっちな子』なのですぅぅうううう!!!!!」
おおおおおおお兄ちゃんから『えっちな子』と言う単語を聞ける時が来るなんて・・・!じゃなくて、どうしたのお兄ちゃん!!!
お姫様抱っこが引き金で何かを思い出したのか、ルドウィン様で何かを思い出したのだろう。あるいは両方か・・・。
お兄ちゃんの『えっち』の範囲が分からない。
キスでもした?!それとも知らぬ間にヤリ済み?!
「お兄ちゃん!どうしてお兄ちゃんはえっちなの?」
「不謹慎だからだよぉ!・・・ヒック、ぅう・・・」
「あらレリィ、詳しく教えて頂戴・・・?」
グズグズのお兄ちゃんはヤダヤダと布団に包まりバタバタと足を振った。
めっちゃ可愛いなぁおい。えrrr、失礼、儚さとは違う良さが此処にある。でも、きっと布団の中では男共を誘う様な顔で涙を浮かべてい、違う。悲しく泣いて居るのだ。
でも知りたい、知りたい欲は止まらない。
「お兄ちゃん教えて~!!!お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願~い!!!!!」
「・・・・・・・・・」
「じゃあ実践で決まりね!」
お兄ちゃんはむくっと起き上がって私をルドウィン様役にすると言った。
まず求められたのはお姫様抱っこをみたいな感じで座る事だった。ルドウィン様役の右脚をお兄ちゃんの背中の支えになる様にして、右腕でお兄ちゃんの身体を支える。左足はお姉さん座りの様に少しずらして、お兄ちゃんの立てた脚の間に来る様に。お兄ちゃんの左腕がルドウィン様のお腹に着くくらいすぐ近くに、そして真上から見るようにする。
一方お兄ちゃんは、左脚は立てて右脚はそのまま真っ直ぐに、右手は腹にそっと乗せて居る。
それからお兄ちゃん曰く『えっち』な事が始まった。
まず身体を支える右手で頭を少し撫でる。そして私の左手とお兄ちゃんの右手で恋人繋ぎをする。
ルドウィン様からの恋人繋ぎだから、脈アリと言っても過言ではないと思うのだけど。ソレにお兄ちゃんは気が付かないのね。コレからの展開が気になるわ。
ワクワクしているとお兄ちゃんはルドウィン様の涙を左手で拭ったらしい。お兄ちゃんやっるぅ!
で、コレが一番許せない事らしい。なんと、ルドウィン様の口元に触れて、笑えと言ったと。
お兄ちゃんはこうだ、と言ってやってくれたけど、妹の私でも凄くドキッとした。えっちなのはコレか。
「僕は死に際だったのに、こんなえっちな事をして、今、嬉しかったなんて、思っちゃう、不謹慎な、悪い、子なんです・・・。だから、僕は、凄く悪い『えっちな子』なのですぅう!」
「あは、あはははははは!な~んだぁあ!そんな事ぉお?カレアったらぁ~、び~っくりしちゃったよぉぉ!」
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!
口元に触れるのが『えっち』じゃない場合を、普通と言える場合考えろ、日常生活で普通に行う、笑って飛ばせる様な、そんなやつ・・・!
──────分かった!
「お兄ちゃん、例えばの話なんだけど、ベンの口周りにショートケーキのクリームが付いてたらどうする?」
「取って味見する・・・」
「ソレってさ、えっち?」
「え?えっちじゃないよ?」
「だったらルドウィン様でもえっちじゃ無くない?」
「ん?確かに・・・!じゃあ僕、『えっちな子』じゃ無いんだね!」
良かったと言うお兄ちゃんに私はそうだねと激しく元気良く同意した。それにお母様もノってそうだそうだと言った。
お兄ちゃんって以外と単純だよね。
でも、ベンのクリームを取って味見するのが日常生活って大丈夫なのかな?
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