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第1章 イマドキの高校生
1話~春風と疾風と~
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「ん"…っ、うー…」
ジリリリリ、という喧しい音に目を覚ます。
唸りながら身を伸ばしその元凶、目覚まし時計をチョップした。
静かになる室内。
やっとこれでもう一眠り…と思ったらドアを叩く煩い音。
「雹太!起きてんの?遅刻するよ!」
なんだ母さんか……あれ?母さんなんでいるの?
違和感を感じて起き上がる。
おはよう、俺の名前は坂崎雹太。
母さんは出版社に務めてて世界各地を回ってるから俺は基本、この家で一人暮らしなんだけど…
そこまで思考して、はっとする。
母さんは昨日帰ってきた。
何故か。
今日、俺の入学式だから。
時計を見る。
針は8時を指していた。
「わあああ!遅刻するううう!!」
慌てて部屋を出て行き顔を洗って、リビングに行き、久々の母さんの料理を掻き込む。
俺は今日からこの、藍鐘町の藍鐘高校に入学することが決まってる。
藍鐘高校、通称アイコウは科学と魔法のどちらも学べ学校として知られていて、結構大きな学校。
寮もあって校舎もまだ新しい。
「ごひひょひゃまれしは!」
「はいはい、お粗末さま。ちゃっちゃと着替えて来なさいよー」
部屋に戻り新品の制服に手を伸ばす。
藍色のブレザーに黒に近い灰色のスラックス。
スラックスはよく見るとチェックが入ってる。
Yシャツは白で…ベストは、今日はいいかな。
ベルトは黒指定で…このネクタイが難しい。
「…よし、おっけ。」
歯を磨いて、水色の髪を軽く整えたらこれでオッケー!
全力で走れば全然間に合う!
「行ってきまーす!」
「え、ちょっとお弁当…ってもう居ないし…」
家を飛び出し歩道に出ると気持ちいい、暖かな風が吹いた。
こりゃもうすっかり春だよなあ。
暫く走ると同じ制服の人たちがちらほらと見えだした。
よかった、間に合う。
スピードを緩めていくとふと前方に見覚えのある背中があった。
小走りのまま近付いてとん、と肩を叩いた。
「あ?…お、雹太。遅刻せず来れたか、偉い偉い。」
「おっはよ、蓮斗!俺だって早起きくらい出来るし」
蘇芳蓮斗。
同じ中学出身で俺より背が高い。
そんでもって目付きが悪くて髪が赤茶で顎あたりまで伸びてる。
……うん、そういうやつ。
蓮斗の隣を歩いていると、満開の桜並木に差し掛かる。
その奥には藍鐘高校。
春の暖かい陽気のせいか、楽しい今年思い浮かばなくって、わくわくして仕方がない。
高校生活、絶対充実したものにしてやる!
(クラス、同じだといいな)
(…蓮斗って顔に似合わずかわいいこと言うよね)
(だっ、誰が強面だこら!)
(あはは、つっこむとこそっちなんだあ!)
ジリリリリ、という喧しい音に目を覚ます。
唸りながら身を伸ばしその元凶、目覚まし時計をチョップした。
静かになる室内。
やっとこれでもう一眠り…と思ったらドアを叩く煩い音。
「雹太!起きてんの?遅刻するよ!」
なんだ母さんか……あれ?母さんなんでいるの?
違和感を感じて起き上がる。
おはよう、俺の名前は坂崎雹太。
母さんは出版社に務めてて世界各地を回ってるから俺は基本、この家で一人暮らしなんだけど…
そこまで思考して、はっとする。
母さんは昨日帰ってきた。
何故か。
今日、俺の入学式だから。
時計を見る。
針は8時を指していた。
「わあああ!遅刻するううう!!」
慌てて部屋を出て行き顔を洗って、リビングに行き、久々の母さんの料理を掻き込む。
俺は今日からこの、藍鐘町の藍鐘高校に入学することが決まってる。
藍鐘高校、通称アイコウは科学と魔法のどちらも学べ学校として知られていて、結構大きな学校。
寮もあって校舎もまだ新しい。
「ごひひょひゃまれしは!」
「はいはい、お粗末さま。ちゃっちゃと着替えて来なさいよー」
部屋に戻り新品の制服に手を伸ばす。
藍色のブレザーに黒に近い灰色のスラックス。
スラックスはよく見るとチェックが入ってる。
Yシャツは白で…ベストは、今日はいいかな。
ベルトは黒指定で…このネクタイが難しい。
「…よし、おっけ。」
歯を磨いて、水色の髪を軽く整えたらこれでオッケー!
全力で走れば全然間に合う!
「行ってきまーす!」
「え、ちょっとお弁当…ってもう居ないし…」
家を飛び出し歩道に出ると気持ちいい、暖かな風が吹いた。
こりゃもうすっかり春だよなあ。
暫く走ると同じ制服の人たちがちらほらと見えだした。
よかった、間に合う。
スピードを緩めていくとふと前方に見覚えのある背中があった。
小走りのまま近付いてとん、と肩を叩いた。
「あ?…お、雹太。遅刻せず来れたか、偉い偉い。」
「おっはよ、蓮斗!俺だって早起きくらい出来るし」
蘇芳蓮斗。
同じ中学出身で俺より背が高い。
そんでもって目付きが悪くて髪が赤茶で顎あたりまで伸びてる。
……うん、そういうやつ。
蓮斗の隣を歩いていると、満開の桜並木に差し掛かる。
その奥には藍鐘高校。
春の暖かい陽気のせいか、楽しい今年思い浮かばなくって、わくわくして仕方がない。
高校生活、絶対充実したものにしてやる!
(クラス、同じだといいな)
(…蓮斗って顔に似合わずかわいいこと言うよね)
(だっ、誰が強面だこら!)
(あはは、つっこむとこそっちなんだあ!)
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