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4章〜崩れて壊れても私はあなたの事を——〜
77話「崩壊の足音6」
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冒険者ギルドから飛び出したレイジ達はなんとか追っ手から逃れることができた。しかし、建物の向こう側では冒険者たちの喧騒が聞こえてくる。レイジ達が見つかるのも時間の問題だろう。
「クソッ、まさかアイツと出くわすとは!ちゃんと考えるべきだった!」
「うぅ⋯⋯ごめんねお兄ちゃん。ゼーレ が冒険者ギルドなんか紹介しちゃったから⋯⋯」
「ゼーレ のせいじゃねえよ。それこそ俺の見通しが甘かっただけだ」
レイジ はそう言って、落ち込む ゼーレ の頭に手を置いた。普段なら猫撫で声と共に上機嫌になるが、ゼーレ の後悔と不安の表情は晴れない。
そこに——、
「いたぞ! 囲め!」
どこから発見したのか一人の冒険者が レイジ達を見つけ、大きな声で周囲にいる他の冒険者に伝わる。まるで地響きのように近づいてくる足音に舌打ちしながら、レイジはゼーレの手を引き別の方向へ走り抜ける。
「もう気づかれたのかよ!」
「お兄ちゃん⋯⋯これからどうするの?」
「こうなった以上、マーダは後回しだ。まずは、この街から出るのが最優先だが——」
まさかの事態になってしまったことは間違いない。こんな状況では予定もなにもなく、とにかく命第一にレイジ達は走った。うっすら覚えている城門へ向かっているが——、
「やっぱそうはいかねえよな」
レイジとしても予想通り。
来た時は歓迎してくれていたが、今は中にいる獲物を一匹たりとも逃さない監獄の如く門は閉ざされていた。そして、門前には大勢の兵士が武器を構え、レイジ達を待っていた。
「囲め! 手足を切り捨てても構わん!何としてでも捕まえろ!」
一際目立つマントを羽織った兵士の号令で一斉に他の兵士が武器を振りかざし——レイジ達を目指し突撃する。
「⋯⋯退くべきか?」
「「「「「うおおおおおおおおぉぉおおお!!」」」」
レイジ が後退りすると、後方から大勢の人と、轟音のような雄叫びが雪崩のように押し寄せてきた。追ってきた冒険者達だ。
前方には兵士、後方には冒険者、左右は建築物が立ち並ぶが、その隙間からは何者かが潜んでいることは明白だった。
「これは⋯⋯万事休す、か」
「⋯⋯お兄ちゃん」
最悪の事態に半ば諦めを感じた レイジ に ゼーレ が声をかけた。
その表情は絶望も後悔もしておらず、ただ、真っ直ぐに レイジ を見ていた。そして——、
「お願い⋯⋯ゼーレを置いて逃げて」
ゼーレ の口からハッキリとそう言われた。
「お、お前なにを——」
「逃げてお兄ちゃん!お兄ちゃん一人なら逃げれるでしょ!」
「な、冗談を言うな!」
「冗談じゃないよっ!」
ゼーレ の叱咤が飛んだ。
「冗談なんかじゃ⋯⋯ないよ⋯⋯」
ゼーレは震える膝を押さえながら訴えた。
確かに、レイジだけなら突破できるかもしれない。ゼーレを抱えないためある程度の負傷を覚悟もできる。しかし、レイジはため息を吐きながら——
「だが断るっ!」
「ッ! どうして!」
却下されるとは思っていなかったのだろうかゼーレは強く反発した。
そんな ゼーレ を他所に レイジ は武器を構えながら手早く理由を口にする。
「ゼーレ を残して俺だけが逃げるのはお前との約束を破ることになる」
あの日、ゼーレと結んだ約束——『一体でも多くの魔物達を救う』あの約束の中には当然ゼーレも含まれている。少なくとも、レイジはそう思っている。
「だ、ダメだよ! お兄ちゃんが死ねばミサキちゃん達はどうするの! 皆んな死んじゃうんだよ! ゼーレ なら⋯⋯ゼーレ なら死んでも他の子達は守れるんだよ!だから——」
「ゼーレッ!」
「——っ!」
自分の身よりも仲間の安全を考える ゼーレ に今度は レイジ の叱咤が飛んだ。
「誰かが誰かの為に死ぬ、そんなのはもう⋯⋯十分なんだよ」
数ヶ月前のあの日。
レイジ は強大な魔物と相対した時、自身を守ったあの勇敢な魔物を思い出した。
もう、アイツのような犠牲を出したくない。
もう、あの時のような思いは感じたくない。
もう、逃げるだけの自分には成りたくない。
「だから!なんとしてでも生き抜くぞ ゼーレ!」
「——っ!」
レイジ は ゼーレ の腰に手を回した。そして、高速で片手に持つ蛇腹の剣を振り抜く。
一度振り抜けば兵士の首を吹き飛ばし、隣にいる兵士の腕を切り落とし、その近くにいる兵士の足を傷つけた。
雄叫びと、血と、金属の打ち合う音が支配する街の一角。
押し寄せる兵士や冒険者は湯水の様に湧き出る。レイジ はそんな物量を物ともせずに剣を振り抜き、自らを鼓舞し抗い続けた。
そんな レイジ を真下から見る ゼーレ の頬にはいつの間にか涙が流れていた。
拭いきれない涙は レイジ の胸元に頭を埋め隠した。
そして、いつの間にか レイジ の服を強く握り、全てを委ねた ゼーレ の震えは止まっていた。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
押し寄せる冒険者達の奥で一人の男が状況を見守っていた。ギルドでロートを押さえつけ、レイジを怒鳴った男だ。
(これがダンジョンマスター⋯⋯か。単騎であの強さは異常だな。コッチもB級はある程度いるがA級は少ない。どうするか⋯⋯)
「クソがッ!離せ!」
そんな風に俯瞰していると足元で騒ぎ立てる声が上がった。
視線を向ければ数少ないA級冒険者のロートが手足を縛られた状態で転がっている。
「まあそういきり立つな、鬼妹」
「私がアイツを殺す! だから邪魔すんな!」
「お前ェ、今暴れたらどうなるか分かってんのか?」
「知らない!」
「知らないって⋯⋯」
そう言って呆れる男のそばに一人の冒険者がやって来た。
「ボールスさん、どうやら騎士団の連中は部隊長格を揃えてるみたいですよ」
「お、もう動き出したか。そんじゃあ、そろそろ前にいる連中に下がる様に言ってくれ。巻き込まれたら死んじまうからな」
「は、はい!」
ボールス と呼ばれた男。たった一言指示を出しただけだが、溢れ出る恐怖に冒険者は足早に戦前に走っていった。
戦前に走る冒険者の背中を見届けると ボールス は再度足元で拘束されている ロート へ視線を向けた。
「つう訳だ。そろそろ動くぞ」
「⋯⋯」
「何だ、急に静かにしやがって」
「別に⋯⋯ちょっと頭冷えただけ」
「そうけ。そんじゃあ下の連中が引いたら奴を叩くぞ」
「お姉ちゃんの仇は私が殺す。絶対に!何があっても!」
ボールス によって拘束を解かれた ロート は立ち上がり静かに、強い想いをこぼした。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
レイジ の闘いぶりを後方で見ていた一際目立つマントを羽織った兵士が居た。
(なんという執念!なんという気迫!これが噂に聞くダンジョンマスターか。とんだ化け物ではないか!)
戦いの様子に驚愕する兵士の元に別の兵士が走り近づき、片膝をついた。
「副団長、報告です! 住民の避難、各部隊長への通達が完了いたしました。今すぐにでも行動を移せます!」
「うむ、ご苦労。これ以上無駄な犠牲を出す意味はない」
マントを羽織った兵士——副団長と呼ばれた男は報告して来た兵士を一瞥すると直ぐに戦いの中心地へ目を向けた。
「では、開戦といくか」
そして、副団長は右手を大きく上げた。
「全兵に告ぐ!足止めは終いだ。死にたくない奴は退がれッ!」
命令と同時に副団長の右手は勢いよく下げられた。
まるで、役者のいない導入に終わりが告げられ、役者の揃った舞台の幕が上がる合図のように。
「クソッ、まさかアイツと出くわすとは!ちゃんと考えるべきだった!」
「うぅ⋯⋯ごめんねお兄ちゃん。ゼーレ が冒険者ギルドなんか紹介しちゃったから⋯⋯」
「ゼーレ のせいじゃねえよ。それこそ俺の見通しが甘かっただけだ」
レイジ はそう言って、落ち込む ゼーレ の頭に手を置いた。普段なら猫撫で声と共に上機嫌になるが、ゼーレ の後悔と不安の表情は晴れない。
そこに——、
「いたぞ! 囲め!」
どこから発見したのか一人の冒険者が レイジ達を見つけ、大きな声で周囲にいる他の冒険者に伝わる。まるで地響きのように近づいてくる足音に舌打ちしながら、レイジはゼーレの手を引き別の方向へ走り抜ける。
「もう気づかれたのかよ!」
「お兄ちゃん⋯⋯これからどうするの?」
「こうなった以上、マーダは後回しだ。まずは、この街から出るのが最優先だが——」
まさかの事態になってしまったことは間違いない。こんな状況では予定もなにもなく、とにかく命第一にレイジ達は走った。うっすら覚えている城門へ向かっているが——、
「やっぱそうはいかねえよな」
レイジとしても予想通り。
来た時は歓迎してくれていたが、今は中にいる獲物を一匹たりとも逃さない監獄の如く門は閉ざされていた。そして、門前には大勢の兵士が武器を構え、レイジ達を待っていた。
「囲め! 手足を切り捨てても構わん!何としてでも捕まえろ!」
一際目立つマントを羽織った兵士の号令で一斉に他の兵士が武器を振りかざし——レイジ達を目指し突撃する。
「⋯⋯退くべきか?」
「「「「「うおおおおおおおおぉぉおおお!!」」」」
レイジ が後退りすると、後方から大勢の人と、轟音のような雄叫びが雪崩のように押し寄せてきた。追ってきた冒険者達だ。
前方には兵士、後方には冒険者、左右は建築物が立ち並ぶが、その隙間からは何者かが潜んでいることは明白だった。
「これは⋯⋯万事休す、か」
「⋯⋯お兄ちゃん」
最悪の事態に半ば諦めを感じた レイジ に ゼーレ が声をかけた。
その表情は絶望も後悔もしておらず、ただ、真っ直ぐに レイジ を見ていた。そして——、
「お願い⋯⋯ゼーレを置いて逃げて」
ゼーレ の口からハッキリとそう言われた。
「お、お前なにを——」
「逃げてお兄ちゃん!お兄ちゃん一人なら逃げれるでしょ!」
「な、冗談を言うな!」
「冗談じゃないよっ!」
ゼーレ の叱咤が飛んだ。
「冗談なんかじゃ⋯⋯ないよ⋯⋯」
ゼーレは震える膝を押さえながら訴えた。
確かに、レイジだけなら突破できるかもしれない。ゼーレを抱えないためある程度の負傷を覚悟もできる。しかし、レイジはため息を吐きながら——
「だが断るっ!」
「ッ! どうして!」
却下されるとは思っていなかったのだろうかゼーレは強く反発した。
そんな ゼーレ を他所に レイジ は武器を構えながら手早く理由を口にする。
「ゼーレ を残して俺だけが逃げるのはお前との約束を破ることになる」
あの日、ゼーレと結んだ約束——『一体でも多くの魔物達を救う』あの約束の中には当然ゼーレも含まれている。少なくとも、レイジはそう思っている。
「だ、ダメだよ! お兄ちゃんが死ねばミサキちゃん達はどうするの! 皆んな死んじゃうんだよ! ゼーレ なら⋯⋯ゼーレ なら死んでも他の子達は守れるんだよ!だから——」
「ゼーレッ!」
「——っ!」
自分の身よりも仲間の安全を考える ゼーレ に今度は レイジ の叱咤が飛んだ。
「誰かが誰かの為に死ぬ、そんなのはもう⋯⋯十分なんだよ」
数ヶ月前のあの日。
レイジ は強大な魔物と相対した時、自身を守ったあの勇敢な魔物を思い出した。
もう、アイツのような犠牲を出したくない。
もう、あの時のような思いは感じたくない。
もう、逃げるだけの自分には成りたくない。
「だから!なんとしてでも生き抜くぞ ゼーレ!」
「——っ!」
レイジ は ゼーレ の腰に手を回した。そして、高速で片手に持つ蛇腹の剣を振り抜く。
一度振り抜けば兵士の首を吹き飛ばし、隣にいる兵士の腕を切り落とし、その近くにいる兵士の足を傷つけた。
雄叫びと、血と、金属の打ち合う音が支配する街の一角。
押し寄せる兵士や冒険者は湯水の様に湧き出る。レイジ はそんな物量を物ともせずに剣を振り抜き、自らを鼓舞し抗い続けた。
そんな レイジ を真下から見る ゼーレ の頬にはいつの間にか涙が流れていた。
拭いきれない涙は レイジ の胸元に頭を埋め隠した。
そして、いつの間にか レイジ の服を強く握り、全てを委ねた ゼーレ の震えは止まっていた。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
押し寄せる冒険者達の奥で一人の男が状況を見守っていた。ギルドでロートを押さえつけ、レイジを怒鳴った男だ。
(これがダンジョンマスター⋯⋯か。単騎であの強さは異常だな。コッチもB級はある程度いるがA級は少ない。どうするか⋯⋯)
「クソがッ!離せ!」
そんな風に俯瞰していると足元で騒ぎ立てる声が上がった。
視線を向ければ数少ないA級冒険者のロートが手足を縛られた状態で転がっている。
「まあそういきり立つな、鬼妹」
「私がアイツを殺す! だから邪魔すんな!」
「お前ェ、今暴れたらどうなるか分かってんのか?」
「知らない!」
「知らないって⋯⋯」
そう言って呆れる男のそばに一人の冒険者がやって来た。
「ボールスさん、どうやら騎士団の連中は部隊長格を揃えてるみたいですよ」
「お、もう動き出したか。そんじゃあ、そろそろ前にいる連中に下がる様に言ってくれ。巻き込まれたら死んじまうからな」
「は、はい!」
ボールス と呼ばれた男。たった一言指示を出しただけだが、溢れ出る恐怖に冒険者は足早に戦前に走っていった。
戦前に走る冒険者の背中を見届けると ボールス は再度足元で拘束されている ロート へ視線を向けた。
「つう訳だ。そろそろ動くぞ」
「⋯⋯」
「何だ、急に静かにしやがって」
「別に⋯⋯ちょっと頭冷えただけ」
「そうけ。そんじゃあ下の連中が引いたら奴を叩くぞ」
「お姉ちゃんの仇は私が殺す。絶対に!何があっても!」
ボールス によって拘束を解かれた ロート は立ち上がり静かに、強い想いをこぼした。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
レイジ の闘いぶりを後方で見ていた一際目立つマントを羽織った兵士が居た。
(なんという執念!なんという気迫!これが噂に聞くダンジョンマスターか。とんだ化け物ではないか!)
戦いの様子に驚愕する兵士の元に別の兵士が走り近づき、片膝をついた。
「副団長、報告です! 住民の避難、各部隊長への通達が完了いたしました。今すぐにでも行動を移せます!」
「うむ、ご苦労。これ以上無駄な犠牲を出す意味はない」
マントを羽織った兵士——副団長と呼ばれた男は報告して来た兵士を一瞥すると直ぐに戦いの中心地へ目を向けた。
「では、開戦といくか」
そして、副団長は右手を大きく上げた。
「全兵に告ぐ!足止めは終いだ。死にたくない奴は退がれッ!」
命令と同時に副団長の右手は勢いよく下げられた。
まるで、役者のいない導入に終わりが告げられ、役者の揃った舞台の幕が上がる合図のように。
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