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4章〜崩れて壊れても私はあなたの事を——〜
73話「崩壊の足音2」
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テトラが参入して早五ヶ月がすぎた頃、レイジは一つの決断を下した。
「うしっ。行くか」
この五ヶ月はただの月日ではなかった。
眠りについたエイナを助けるための歳月でもあった。宿敵、マーダを待ちに待ったがマーダはおろか誰一人としてこなかったのだ。
「まさか、こんなことになっちゃうとはねー。ゼーレも思いもしなかったよ」
「仕方ないだろ。相手が来ないなら、こっちから出向いてやるしかエイナを救えない」
「はぁー。エイナちゃんのためだしねー。しょうがないか」
結果として鍛錬に鍛錬を重ね直接マーダを討つこととなった。しかし、当然不安材料はあった。
「なぁ、ほんとうに俺たち以外は出れないのか?」
戦力の都合である。
討って出るのはパンドラの足元にも及ばず、ミサキに限っては一太刀受けるのがやっとなレイジ。そして、戦闘はできないゼーレの二人。心配がないといえば嘘である。
「ダメだよ!ゼーレたち以外はダンジョンから出ちゃ!ほんとうに危ないんだよ!」
「わ、わかったよ⋯⋯」
ゼーレの必死の説得は何度聞いても変わらない。
詳しい理由は『暴走』らしいのだが、ゼーレは細かくは語らない。
「でも、そんなに急がなくても⋯⋯エイナちゃんには悪いんだけど、お兄ちゃんが危険な目にあうのはゼーレ嫌だよ」
「ゼーレ⋯⋯」
意外にも弱気な一面を見せるゼーレ。
しかし、レイジとしても譲れないものがあった。万が一、期限の一年が過ぎてしまった場合は永遠にエイナを解放できない可能性はあるからだ。
「ゼーレの気持ちは嬉しいが、同じくらいに俺はエイナも大切だ。悪いが付き合ってもらうぞ」
「お、お兄ちゃん⋯⋯!」
なかなかに照れくさい文句をストレートに伝えるレイジ。どこか成長を感じさせる。
一方のゼーレは花も恥じらう乙女のように顔を朱色に染めていた。温度差を感じる、とはこのことだ。
「じゃあ、行ってくるぞ」
「ますたー⋯⋯お姉ちゃん、に⋯⋯きをつけて」
「貴方様、ご武運を。ゼーレ様もお気をつけて。くれぐれも、間違いは犯さないでくださいね」
「ゼーレ先輩、あんまり余計なことはしちゃダメっすよ?ただでさえ足手まといなんっすから」
「⋯⋯みんな、ひどくない?」
三者三様の手向け言葉にレイジも「お前ら⋯⋯」と半ば呆れていた。
不安はある。しかし、期待と信頼で送り出してくれる。このまま出発できればよかったのだが——、
「やあああああああぁぁっ! パパいっちゃやああああああ!!」
大粒の涙を流し、大きな声で泣く テトラ だけは行かせてくれなかった。
「テトも⋯⋯テトもいぐううううっ!!」
「お、おい、テトラ⋯⋯」
ここ五ヶ月で急激に成長し今では五歳児くらいまで成長した テトラ は レイジ の服の裾を掴み、決して離そうとしなかった。
「て、テトラちゃん。お兄さんが困ってるっすよ」
「やあ! パパがいくなら テト も行く!」
「テトラ⋯⋯」
「うううっ!」
ハクレイ と ミサキ が詰め寄りながら優しく説得するも テトラ は一向に レイジ を送り出す気配を出さず、それどころか レイジ の足にしがみついてしまった。
「こ、これは⋯⋯どうしましょうか」
「ますたー⋯⋯どうする⋯⋯?」
「うぅむ⋯⋯」
「やっ! テト もいくっ!」
一層強くしがみついた テトラ に ゼーレ が詰め寄り、説得を試みようとした。
しかし——、
「ねえ、テトラちゃ——」
「びゃああああああああああああっ!!」
より悲惨な状況に悪化した。
「なんで!? 今のは泣かれる状況じゃないよね!?」
「お前なぁ⋯⋯」
「ゼーレ先輩、いい加減自覚してくださいっす⋯⋯多分嫌われてるっすから!」
ハクレイ の言葉通り ゼーレ は テトラ に嫌がられていた。
それは テトラ が配下に加わったその日から今まで近づけば泣かれていた。
例え テトラ が起きたばっかであろうと、食事の後であろうと、運動の後であろうと、お昼寝中であろうと、お風呂の最中であろうと、眠っている時であろうと。
どんな状況、どれほど上機嫌であっても ゼーレ が近づけば必ず テトラ は大泣きしていた。
「な、何で ゼーレ ばっかり⋯⋯」
五ヶ月経っても解消されないこの現実に遂に ゼーレ の心が折れたのか隅で三角座りをしている。
「ううぅ⋯⋯ぱぱぁ⋯⋯」
よほど怖かったのか テトラ は両手を上げ抱っこのポーズを取る。
「⋯⋯はぁ、ほれ」
「ううぅぅ!」
レイジ もため息をつきながらも テトラ を抱き上げた。
すると テトラ は安心したのか目尻の涙は引っ込み、少しだけだが上機嫌になった様にも見える。
「おい、ゼーレ」
「ゼーレなんかどうせ⋯⋯ゼーレなんかいらない子ですよぉ⋯⋯フンだっ!」
「こ、コイツ⋯⋯」
「余程たまってたみたいっすね」
「お姉ちゃん⋯⋯」
「それで、貴方様どうするのですか?」
「どうするって言ってもなあ」
ゼーレ の言った通りなら魔物がダンジョンから出れば自我を失い破壊行為のためだけに動き続けてしまうらしい。
故に、レイジ は テトラ を外に出すわけにはいかなかった。
「どうしたもんかな」
「ん?どうしたんっすか? ふんふん⋯⋯へー、そうなんすか。わかったっす」
ハクレイ が突如独り言をボヤいた。それは事情を知らなければ危険な香りがするが ハクレイ の腰には妖刀が携えられて居る。
「なんか妖刀が自分を テトラちゃんに渡せって言ってるっす」
「妖刀が?」
「ほいっす」
そう言って ハクレイ は腰に携えて居た妖刀を テトラ に手渡した。
「オジちゃん? うん⋯⋯や! ⋯⋯え? うん⋯⋯うん⋯⋯で、でも!う、うぅ⋯⋯」
それから テトラ が何度も声を上げたり、唸ったりした結果——、
「⋯⋯パパ、はやく帰ってきて」
「お、おう」
テトラ が送り出してくれた。その目は若干赤く充血しており、目尻にはいあっも涙が溜まっている。
(妖刀、お前は一体何を言ったんだ?)
レイジ は疑問を浮かべながらも難航していた テトラ の説得を上手くしてくれたことに感謝した。
「それじゃあ、行ってくか」
「ゼーレなんか⋯⋯どうせ恐怖の存在ですよお⋯⋯どうせ、どうせ!⋯⋯ぐすっ」
「ゼーレいつまでそうしてるんだ! 早く行くぞ!」
「ぐすっ⋯⋯はぁい」
そう言って ゼーレ は溜まる涙を拭いながらヨロヨロと立ち上がった。
こうして、レイジ と ゼーレ は エイナ を救うべく マーダ を探すためにダンジョンの外へ出た。
その背中をが見えなくなるまで魔物達は手を振っていた。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「行っちゃったっすね」
「二人っきりの旅⋯⋯羨ましいですわ!」
「ますたー⋯⋯しんぱい⋯⋯お姉ちゃんに⋯⋯おそわれなければ⋯⋯いいけど⋯⋯」
「そこっすよね。絶対 ゼーレ先輩は襲うっすよね。これじゃあ不公平なんで帰ってきたらお兄さんを奪っちゃうっすか?」
「そ、それは⋯⋯! そ、そんなこといけませんわ!」
「パンドラ⋯⋯目⋯⋯かがやきすぎ⋯⋯せっとくりょく⋯⋯ゼロ⋯⋯」
「そ、そんなことありませんわ!」
パンドラ は ミサキ に指摘され赤くなった顔を両手で覆い見えない様にして ミサキ に張り合っている。
「はあぁ。早く帰ってきて欲しいっすね。それはそうと、妖刀は テトラちゃんに何を言ったんすか?」
パンドラ と ミサキ が言い合う様子を微笑ましく思った ハクレイ は帰ってきた妖刀に質問した。
(ん? それはやなあ——)
「オジちゃん! テト とお話しして!」
「あ、ちょ! テトラちゃん!?」
突如現れた テトラ は ハクレイ から妖刀を引ったくると ハクレイ の制止も聞かずそのまま奥に走って行ってしまった。
「⋯⋯なんだったんすかね?」
残された ハクレイ は呆然とするだけだった。
「うしっ。行くか」
この五ヶ月はただの月日ではなかった。
眠りについたエイナを助けるための歳月でもあった。宿敵、マーダを待ちに待ったがマーダはおろか誰一人としてこなかったのだ。
「まさか、こんなことになっちゃうとはねー。ゼーレも思いもしなかったよ」
「仕方ないだろ。相手が来ないなら、こっちから出向いてやるしかエイナを救えない」
「はぁー。エイナちゃんのためだしねー。しょうがないか」
結果として鍛錬に鍛錬を重ね直接マーダを討つこととなった。しかし、当然不安材料はあった。
「なぁ、ほんとうに俺たち以外は出れないのか?」
戦力の都合である。
討って出るのはパンドラの足元にも及ばず、ミサキに限っては一太刀受けるのがやっとなレイジ。そして、戦闘はできないゼーレの二人。心配がないといえば嘘である。
「ダメだよ!ゼーレたち以外はダンジョンから出ちゃ!ほんとうに危ないんだよ!」
「わ、わかったよ⋯⋯」
ゼーレの必死の説得は何度聞いても変わらない。
詳しい理由は『暴走』らしいのだが、ゼーレは細かくは語らない。
「でも、そんなに急がなくても⋯⋯エイナちゃんには悪いんだけど、お兄ちゃんが危険な目にあうのはゼーレ嫌だよ」
「ゼーレ⋯⋯」
意外にも弱気な一面を見せるゼーレ。
しかし、レイジとしても譲れないものがあった。万が一、期限の一年が過ぎてしまった場合は永遠にエイナを解放できない可能性はあるからだ。
「ゼーレの気持ちは嬉しいが、同じくらいに俺はエイナも大切だ。悪いが付き合ってもらうぞ」
「お、お兄ちゃん⋯⋯!」
なかなかに照れくさい文句をストレートに伝えるレイジ。どこか成長を感じさせる。
一方のゼーレは花も恥じらう乙女のように顔を朱色に染めていた。温度差を感じる、とはこのことだ。
「じゃあ、行ってくるぞ」
「ますたー⋯⋯お姉ちゃん、に⋯⋯きをつけて」
「貴方様、ご武運を。ゼーレ様もお気をつけて。くれぐれも、間違いは犯さないでくださいね」
「ゼーレ先輩、あんまり余計なことはしちゃダメっすよ?ただでさえ足手まといなんっすから」
「⋯⋯みんな、ひどくない?」
三者三様の手向け言葉にレイジも「お前ら⋯⋯」と半ば呆れていた。
不安はある。しかし、期待と信頼で送り出してくれる。このまま出発できればよかったのだが——、
「やあああああああぁぁっ! パパいっちゃやああああああ!!」
大粒の涙を流し、大きな声で泣く テトラ だけは行かせてくれなかった。
「テトも⋯⋯テトもいぐううううっ!!」
「お、おい、テトラ⋯⋯」
ここ五ヶ月で急激に成長し今では五歳児くらいまで成長した テトラ は レイジ の服の裾を掴み、決して離そうとしなかった。
「て、テトラちゃん。お兄さんが困ってるっすよ」
「やあ! パパがいくなら テト も行く!」
「テトラ⋯⋯」
「うううっ!」
ハクレイ と ミサキ が詰め寄りながら優しく説得するも テトラ は一向に レイジ を送り出す気配を出さず、それどころか レイジ の足にしがみついてしまった。
「こ、これは⋯⋯どうしましょうか」
「ますたー⋯⋯どうする⋯⋯?」
「うぅむ⋯⋯」
「やっ! テト もいくっ!」
一層強くしがみついた テトラ に ゼーレ が詰め寄り、説得を試みようとした。
しかし——、
「ねえ、テトラちゃ——」
「びゃああああああああああああっ!!」
より悲惨な状況に悪化した。
「なんで!? 今のは泣かれる状況じゃないよね!?」
「お前なぁ⋯⋯」
「ゼーレ先輩、いい加減自覚してくださいっす⋯⋯多分嫌われてるっすから!」
ハクレイ の言葉通り ゼーレ は テトラ に嫌がられていた。
それは テトラ が配下に加わったその日から今まで近づけば泣かれていた。
例え テトラ が起きたばっかであろうと、食事の後であろうと、運動の後であろうと、お昼寝中であろうと、お風呂の最中であろうと、眠っている時であろうと。
どんな状況、どれほど上機嫌であっても ゼーレ が近づけば必ず テトラ は大泣きしていた。
「な、何で ゼーレ ばっかり⋯⋯」
五ヶ月経っても解消されないこの現実に遂に ゼーレ の心が折れたのか隅で三角座りをしている。
「ううぅ⋯⋯ぱぱぁ⋯⋯」
よほど怖かったのか テトラ は両手を上げ抱っこのポーズを取る。
「⋯⋯はぁ、ほれ」
「ううぅぅ!」
レイジ もため息をつきながらも テトラ を抱き上げた。
すると テトラ は安心したのか目尻の涙は引っ込み、少しだけだが上機嫌になった様にも見える。
「おい、ゼーレ」
「ゼーレなんかどうせ⋯⋯ゼーレなんかいらない子ですよぉ⋯⋯フンだっ!」
「こ、コイツ⋯⋯」
「余程たまってたみたいっすね」
「お姉ちゃん⋯⋯」
「それで、貴方様どうするのですか?」
「どうするって言ってもなあ」
ゼーレ の言った通りなら魔物がダンジョンから出れば自我を失い破壊行為のためだけに動き続けてしまうらしい。
故に、レイジ は テトラ を外に出すわけにはいかなかった。
「どうしたもんかな」
「ん?どうしたんっすか? ふんふん⋯⋯へー、そうなんすか。わかったっす」
ハクレイ が突如独り言をボヤいた。それは事情を知らなければ危険な香りがするが ハクレイ の腰には妖刀が携えられて居る。
「なんか妖刀が自分を テトラちゃんに渡せって言ってるっす」
「妖刀が?」
「ほいっす」
そう言って ハクレイ は腰に携えて居た妖刀を テトラ に手渡した。
「オジちゃん? うん⋯⋯や! ⋯⋯え? うん⋯⋯うん⋯⋯で、でも!う、うぅ⋯⋯」
それから テトラ が何度も声を上げたり、唸ったりした結果——、
「⋯⋯パパ、はやく帰ってきて」
「お、おう」
テトラ が送り出してくれた。その目は若干赤く充血しており、目尻にはいあっも涙が溜まっている。
(妖刀、お前は一体何を言ったんだ?)
レイジ は疑問を浮かべながらも難航していた テトラ の説得を上手くしてくれたことに感謝した。
「それじゃあ、行ってくか」
「ゼーレなんか⋯⋯どうせ恐怖の存在ですよお⋯⋯どうせ、どうせ!⋯⋯ぐすっ」
「ゼーレいつまでそうしてるんだ! 早く行くぞ!」
「ぐすっ⋯⋯はぁい」
そう言って ゼーレ は溜まる涙を拭いながらヨロヨロと立ち上がった。
こうして、レイジ と ゼーレ は エイナ を救うべく マーダ を探すためにダンジョンの外へ出た。
その背中をが見えなくなるまで魔物達は手を振っていた。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「行っちゃったっすね」
「二人っきりの旅⋯⋯羨ましいですわ!」
「ますたー⋯⋯しんぱい⋯⋯お姉ちゃんに⋯⋯おそわれなければ⋯⋯いいけど⋯⋯」
「そこっすよね。絶対 ゼーレ先輩は襲うっすよね。これじゃあ不公平なんで帰ってきたらお兄さんを奪っちゃうっすか?」
「そ、それは⋯⋯! そ、そんなこといけませんわ!」
「パンドラ⋯⋯目⋯⋯かがやきすぎ⋯⋯せっとくりょく⋯⋯ゼロ⋯⋯」
「そ、そんなことありませんわ!」
パンドラ は ミサキ に指摘され赤くなった顔を両手で覆い見えない様にして ミサキ に張り合っている。
「はあぁ。早く帰ってきて欲しいっすね。それはそうと、妖刀は テトラちゃんに何を言ったんすか?」
パンドラ と ミサキ が言い合う様子を微笑ましく思った ハクレイ は帰ってきた妖刀に質問した。
(ん? それはやなあ——)
「オジちゃん! テト とお話しして!」
「あ、ちょ! テトラちゃん!?」
突如現れた テトラ は ハクレイ から妖刀を引ったくると ハクレイ の制止も聞かずそのまま奥に走って行ってしまった。
「⋯⋯なんだったんすかね?」
残された ハクレイ は呆然とするだけだった。
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