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1章〜異世界の地に立つ者達〜
11話「ダンジョン製作1」
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「では、お兄ちゃんに2つ目の魔物製作方法を御教え致します」
性別の件とは打って変わりゼーレの表情は真面目。どこから取り出したのか、眼鏡と指し棒で教師感を出す。
「そんな急にテンション変えられてもお兄ちゃんついていけないぞ」
一方、レイジも呼ばれることに抵抗を覚えていたことを棚にあげながらも『お兄ちゃん』感で対抗する。
「そこで必要になるのが階層です!」
「何事もなく話を進めるのかよ」
そんなレイジのツッコミをゼーレは肩を透かし、やれやれ、と首を振る。
「お兄ちゃん、キャラ崩壊が激しくない?」
その一言にレイジの中にある何かが切れた。
レイジは静かにゼーレに近ずくとーー
「だ・れ・の・せいだ!」
「にゃあああああぁぁ痛い痛い痛いいいいいぃいいいぃ!」
両手を拳にしゼーレの側頭部に押し付けて、回転を加えた。
所謂、グリグリだ。
「ごめんなさいごめんさいごめんなさいー!」
若干気が短くなってしまた気がするが、兄妹のスキンシップだと思えば可愛いものだろう。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️
「ううぅ、脳細胞がぁ。頭悪くなるぅ」
「お主ら、本当に楽しそうだのぉ」
「こっちは体力がなくなるんだがな」
一連の流れを見ていた餓鬼が微笑ましそうに言い、レイジは若干息を上げている。
「ううぅ、イヤだよぉ」
そして、ゼーレは痛みの引かない側頭部を抑えながら餓鬼のある一点を見つめて呟いた。
「イヤだよぉ、餓鬼みたいに禿げるのは⋯⋯」
「髪のことは言うでない!」
「⋯⋯気にしてたのか」
餓鬼の意外なコンプレックスが発覚したのだった。
「で、なんで階層が必要なんだ?」
脱線した話を戻そうとレイジは質問する。
「階層が必要なのは魔物を生産するためだよ」
「生産?ゲームでいうリポップみたいなものか?」
「その認識で当たってるよ。ただ、生産できるのはチケットや進化で上位個体がいる魔物だけだけどね」
「えーと、つまりレイスや餓鬼、ファントムを作った階層に置いておけば勝手に生産されるのか?」
「正確には、下位個体が生産されるんだよ」
「進化前が生まれるのか」
「そう。それも階層の力によって生まれる下位個体でも上位の魔物や最下級も魔物でマチマチだよ」
魔物を生産する条件は『上位個体の存在』と生産するための『階層の設立』。
しかも、生まれる魔物の能力は様々。
更に、下位個体は意思疎通はできないだろう。
「なるほどな。なかなか難しいな」
一通りの説明を聞かされレイジは思案する。
「じゃあ、階層ってどうやって作るんだ?」
「階層はダンジョンマスターポイント、略してDMPを使ってダンジョンマスターの技能で製作だよ!」
「ああ、ここでこいつが使われるのか」
レイジはゼーレの説明通り技能を開いていくと階層の欄を見つけた。
「お、これかな」
「どんな階層がある?」
「えーと、『洞窟』、『草原』、『部屋』、『森林』、『暗黒』、『餓鬼道』だな」
「うむ、順調に増えてるみたいだね」
「増えてる?」
「そう。今回上位個体を召喚したでしょ?その時生まれた魔物に合う階層がたまに追加されるんだよ」
「なるほどな。じゃあ、これを追加するか⋯⋯え?」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「⋯⋯た、高い」
「え?」
「高くて追加できない!」
ーーーーー
<階層>
洞窟:1000 DMP
草原:1000 DMP
森林:1000 DMP
部屋:1000 DMP
暗黒:8000 DMP
餓鬼道:10000 DMP
ーーーーー
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️
「た、確かに高いね」
「高すぎるだろ⋯⋯特に餓鬼の階層」
「なんじゃ?ワシかどうかしたのか?」
「お前専用の階層が高いから買えねぇって話だよ」
「⋯⋯っ!フェーフェッフェッフェ!なんじゃそんなことか!そりゃあワシがそれだけ凄いんじゃから仕方ないのぉ!」
階層の費用が高いことが誇りなのか餓鬼は自慢顔で高らかに笑う。
変に煽られた気分になったレイジの額には青筋がたった。
「ああ⋯⋯そういう訳だから絶っっ対お前の階層は作らねえ!」
「フェー!すまん調子乗り過ぎた!じゃから作ってくれ!時間かかってもよいから!」
レイジの一言に驚くべき速度で手のひらを返し、謝罪をする。
「ゼーレ、どうやったらDMPって増やせるんだ?」
「これ!無視するでない!」
「増やす方法は至極単純。ダンジョン内で敵を殺すことだよ」
「頼む!無視しないでくれ!」
「敵って人間か?」
「おい!おぉい!フェー!」
「だー、ウルセェ!」
あまりに会話を妨害し騒ぎ立てる餓鬼にレイジが耐えられなくなり反応してしまった。
「お主が無視するのがいけないんじゃろ!」
「わぁたから、騒ぐな!」
「なら、ワシの階層ちゃんと作ってくれるよのぉ?」
「⋯⋯考えておく」
「絶対じゃぞ」
「⋯⋯ポイントが貯まったらな」
「絶っっ対じゃぞ!」
レイジの一言が聞けて満足した餓鬼は静かになった。
「で、敵っていうのは人間だけか?」
「敵対するなら動物も、それこそ機械も関係ないよ」
「じゃあ、俺が敵って認識したやつをダンジョン内で殺せばDMPゲットか」
「DMPの量は敵の強さによって変わるけどね」
「ってことは、このダンジョンに引き込まないとなー。そういや、DMPって階層以外に何に使えるんだ?」
「食費」
「え?俺たち食事必要なの?」
「うん。それと日常雑貨とかかな」
「ダンジョンマスターになったら食事睡眠不要とかにならないの?」
「ならないよ」
「え?じゃあこいつらは?」
レイジは周りに居る魔物たちを見渡す。
「わ、わたし⋯⋯いら、ない」
「(フルフル)」
「ワシもなくても構わんが食ったほうがいいのぉ」
三者三様に答えたが全員食事はいらないとのこと。
「ゼーレは?」
「ゼーレ?ゼーレは勿論必要だよ!」
「⋯⋯」
レイジは無言でDMPで帰る食品コーナーを確認した。
物価はおおよそ日本で見た値段の1/10だった。
「⋯⋯階層は『暗黒』を購入しておくか」
「賛成ー!」
「⋯⋯!(///)」
レイジの購入の決断を聞き、ゼーレとファントムが喜んだ。
「⋯⋯いい、な」
「⋯⋯のぉ」
レイスと餓鬼は落ち込んでいたが。
性別の件とは打って変わりゼーレの表情は真面目。どこから取り出したのか、眼鏡と指し棒で教師感を出す。
「そんな急にテンション変えられてもお兄ちゃんついていけないぞ」
一方、レイジも呼ばれることに抵抗を覚えていたことを棚にあげながらも『お兄ちゃん』感で対抗する。
「そこで必要になるのが階層です!」
「何事もなく話を進めるのかよ」
そんなレイジのツッコミをゼーレは肩を透かし、やれやれ、と首を振る。
「お兄ちゃん、キャラ崩壊が激しくない?」
その一言にレイジの中にある何かが切れた。
レイジは静かにゼーレに近ずくとーー
「だ・れ・の・せいだ!」
「にゃあああああぁぁ痛い痛い痛いいいいいぃいいいぃ!」
両手を拳にしゼーレの側頭部に押し付けて、回転を加えた。
所謂、グリグリだ。
「ごめんなさいごめんさいごめんなさいー!」
若干気が短くなってしまた気がするが、兄妹のスキンシップだと思えば可愛いものだろう。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️
「ううぅ、脳細胞がぁ。頭悪くなるぅ」
「お主ら、本当に楽しそうだのぉ」
「こっちは体力がなくなるんだがな」
一連の流れを見ていた餓鬼が微笑ましそうに言い、レイジは若干息を上げている。
「ううぅ、イヤだよぉ」
そして、ゼーレは痛みの引かない側頭部を抑えながら餓鬼のある一点を見つめて呟いた。
「イヤだよぉ、餓鬼みたいに禿げるのは⋯⋯」
「髪のことは言うでない!」
「⋯⋯気にしてたのか」
餓鬼の意外なコンプレックスが発覚したのだった。
「で、なんで階層が必要なんだ?」
脱線した話を戻そうとレイジは質問する。
「階層が必要なのは魔物を生産するためだよ」
「生産?ゲームでいうリポップみたいなものか?」
「その認識で当たってるよ。ただ、生産できるのはチケットや進化で上位個体がいる魔物だけだけどね」
「えーと、つまりレイスや餓鬼、ファントムを作った階層に置いておけば勝手に生産されるのか?」
「正確には、下位個体が生産されるんだよ」
「進化前が生まれるのか」
「そう。それも階層の力によって生まれる下位個体でも上位の魔物や最下級も魔物でマチマチだよ」
魔物を生産する条件は『上位個体の存在』と生産するための『階層の設立』。
しかも、生まれる魔物の能力は様々。
更に、下位個体は意思疎通はできないだろう。
「なるほどな。なかなか難しいな」
一通りの説明を聞かされレイジは思案する。
「じゃあ、階層ってどうやって作るんだ?」
「階層はダンジョンマスターポイント、略してDMPを使ってダンジョンマスターの技能で製作だよ!」
「ああ、ここでこいつが使われるのか」
レイジはゼーレの説明通り技能を開いていくと階層の欄を見つけた。
「お、これかな」
「どんな階層がある?」
「えーと、『洞窟』、『草原』、『部屋』、『森林』、『暗黒』、『餓鬼道』だな」
「うむ、順調に増えてるみたいだね」
「増えてる?」
「そう。今回上位個体を召喚したでしょ?その時生まれた魔物に合う階層がたまに追加されるんだよ」
「なるほどな。じゃあ、これを追加するか⋯⋯え?」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「⋯⋯た、高い」
「え?」
「高くて追加できない!」
ーーーーー
<階層>
洞窟:1000 DMP
草原:1000 DMP
森林:1000 DMP
部屋:1000 DMP
暗黒:8000 DMP
餓鬼道:10000 DMP
ーーーーー
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️
「た、確かに高いね」
「高すぎるだろ⋯⋯特に餓鬼の階層」
「なんじゃ?ワシかどうかしたのか?」
「お前専用の階層が高いから買えねぇって話だよ」
「⋯⋯っ!フェーフェッフェッフェ!なんじゃそんなことか!そりゃあワシがそれだけ凄いんじゃから仕方ないのぉ!」
階層の費用が高いことが誇りなのか餓鬼は自慢顔で高らかに笑う。
変に煽られた気分になったレイジの額には青筋がたった。
「ああ⋯⋯そういう訳だから絶っっ対お前の階層は作らねえ!」
「フェー!すまん調子乗り過ぎた!じゃから作ってくれ!時間かかってもよいから!」
レイジの一言に驚くべき速度で手のひらを返し、謝罪をする。
「ゼーレ、どうやったらDMPって増やせるんだ?」
「これ!無視するでない!」
「増やす方法は至極単純。ダンジョン内で敵を殺すことだよ」
「頼む!無視しないでくれ!」
「敵って人間か?」
「おい!おぉい!フェー!」
「だー、ウルセェ!」
あまりに会話を妨害し騒ぎ立てる餓鬼にレイジが耐えられなくなり反応してしまった。
「お主が無視するのがいけないんじゃろ!」
「わぁたから、騒ぐな!」
「なら、ワシの階層ちゃんと作ってくれるよのぉ?」
「⋯⋯考えておく」
「絶対じゃぞ」
「⋯⋯ポイントが貯まったらな」
「絶っっ対じゃぞ!」
レイジの一言が聞けて満足した餓鬼は静かになった。
「で、敵っていうのは人間だけか?」
「敵対するなら動物も、それこそ機械も関係ないよ」
「じゃあ、俺が敵って認識したやつをダンジョン内で殺せばDMPゲットか」
「DMPの量は敵の強さによって変わるけどね」
「ってことは、このダンジョンに引き込まないとなー。そういや、DMPって階層以外に何に使えるんだ?」
「食費」
「え?俺たち食事必要なの?」
「うん。それと日常雑貨とかかな」
「ダンジョンマスターになったら食事睡眠不要とかにならないの?」
「ならないよ」
「え?じゃあこいつらは?」
レイジは周りに居る魔物たちを見渡す。
「わ、わたし⋯⋯いら、ない」
「(フルフル)」
「ワシもなくても構わんが食ったほうがいいのぉ」
三者三様に答えたが全員食事はいらないとのこと。
「ゼーレは?」
「ゼーレ?ゼーレは勿論必要だよ!」
「⋯⋯」
レイジは無言でDMPで帰る食品コーナーを確認した。
物価はおおよそ日本で見た値段の1/10だった。
「⋯⋯階層は『暗黒』を購入しておくか」
「賛成ー!」
「⋯⋯!(///)」
レイジの購入の決断を聞き、ゼーレとファントムが喜んだ。
「⋯⋯いい、な」
「⋯⋯のぉ」
レイスと餓鬼は落ち込んでいたが。
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