上 下
7 / 28

6 抑えられない欲求 クロードside ※

しおりを挟む
 お兄様は今日のお茶会の結果に満足そうだった。
 カイルはお兄様の美貌に一瞬当てられたが、僕の視線一つで立ち直ったので良しとしよう。
 ニコラス様は僕と同類かと思って警戒したけど、お兄様に手を出すことはなさそうだから問題ない。寧ろ今後のためにお互い情報・意見交換が必要だ。
 
 お兄様が僕のためにお茶会に着いてきてくれたのは嬉しかったが、やはりたくさんの人に大事なお兄様を見られるのは不快だった。お兄様がいつも僕を意識していると実感出来ているから許せたが。
 
「お兄様、今日はお兄様と一緒に眠りたいです。」
「もちろん良いよ! 今日は外出して疲れたから早目に休もうか。」
 
 100%肯定で返してくれるのを分かっていてお兄様に甘えてみる。毎日ではなくたまに甘えるのがコツだ。お兄様は僕を愛してくれているが、人のスペースに無理やり入るようなことはしないので、一緒にお風呂に入ろう、とか寝ようとかは言わない。なのでこちらから強請ねだるしかないのだ。
 
 
 
 夜も深まった頃。
 僕は寝ているお兄様の顔に自分の口を這わす。瞼、鼻先、額、頬、そして唇。この人は自分のものだと主張したいが年齢も力も足りない。深く眠っているのでお兄様はちょっとくらいでは起きないだろう。今の3歳差は大きい。だがあと10年もしたら体格も年齢差も変わらなくなるだろう。そしたらお兄様も罪悪感なく僕を受け入れてくれるはず。
 それまでは……。
 
 精通もまだで、性的に興奮するわけではないが、ただ所有欲と体中全てに口付けたいという欲求のみで自分の唇をレイフォードの体に滑らせていく。
 ゆっくりと布団を取り、寝衣しんいをはだけさせる。
 首に顔を寄せ、匂いを嗅ぐ。甘いような爽やかな香りがする。安心する匂いだ。特に強く香る項に舌を這わせ、舐める。
「ん……。」
 レイフォードの声が少し漏れるが気にせず首筋を舐めていく。何度も行っている行為で、起きたことは1度もない。警戒心もなく気配に鈍感すぎて少し心配だが今の自分にとっては好都合だった。
 
 胸の飾りが月明かりに照らされてピンクに色付いているのが分かる。全体的に色が薄い兄の乳首はとても可愛らしかった。向かって右側の乳首を舐めてみる。自分の唾液でテカっていやらしい。次は左を舐めながら右側の乳首は右手の親指でコロコロと触ってみる。
 
「ん……んん……。」
 
 時折吐息を漏らしながら、体をビクビクと反応する兄が可愛くて仕方ない。確か、兄も精通はまだのはずだ。何故なら今まで何度も触っていた中で、レイフォードが射精したことは無かったからだ。だが、射精しなくとも体は反応する。
 お腹、ヘソ、と舌を伸ばし、反応している兄の陰茎を取り出す。僕は心臓がドクドクと高なり、呼吸が早くなっているのを感じた。兄のモノを直接触るのは初めてだった。僕は躊躇いなく陰茎に舌を這わせた。まだ小さく、僕の口にも入る大きさだ。ビクビクと反応する兄を堪能し、寝衣を戻していく。僕の唾液で光る白い肌。本当は痕を残したいけどバレて警戒されては困る。父も僕の気持ちは知っているし、お兄様に触ったのがバレて警戒され、一緒に眠れなくなるのは嫌だ。
 
 次は精通まで見たいが、流石に起きてしまうだろう。
 何か上手い方法は無いかと考えながら、クロードはレイフォードに抱きついて目を閉じた。
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

ある日、人気俳優の弟になりました。2

樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。 平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。

ある日、人気俳優の弟になりました。

樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。 「俺の命は、君のものだよ」 初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……? 平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

あと一度だけでもいいから君に会いたい

藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。 いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。 もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。 ※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります

弟が兄離れしようとしないのですがどうすればいいですか?~本編~

荷居人(にいと)
BL
俺の家族は至って普通だと思う。ただ普通じゃないのは弟というべきか。正しくは普通じゃなくなっていったというべきか。小さい頃はそれはそれは可愛くて俺も可愛がった。実際俺は自覚あるブラコンなわけだが、それがいけなかったのだろう。弟までブラコンになってしまった。 これでは弟の将来が暗く閉ざされてしまう!と危機を感じた俺は覚悟を持って…… 「龍、そろそろ兄離れの時だ」 「………は?」 その日初めて弟が怖いと思いました。

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

悪役令息に転生しましたが、なんだか弟の様子がおかしいです

ひよ
BL
「今日からお前の弟となるルークだ」 そうお父様から紹介された男の子を見て前世の記憶が蘇る。 そして、自分が乙女ゲーの悪役令息リオンでありその弟ルークがヤンデレキャラだということを悟る。 最悪なエンドを迎えないよう、ルークに優しく接するリオン。 ってあれ、なんだか弟の様子がおかしいのだが。。。 初投稿です。拙いところもあると思いますが、温かい目で見てくださると嬉しいです!

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!

Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。 pixivの方でも、作品投稿始めました! 名前やアイコンは変わりません 主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

処理中です...