極悪令息と呼ばれていることとメシマズは直接関係ありません

ちゃちゃ

文字の大きさ
上 下
70 / 79

67 身に覚えのある痛み ※

しおりを挟む
「あ! あ! アァっ! はあ……! へぁっ……!!」
 
 ばちゅん、ばちゅんと俺とレオの間から音が響く。肌と肌がぶつかる音だ。最初はゆっくりと律動していたレオの腰だったが、俺が中で感じていると察するやいなやスピードを上げて強くねじ込んできた。初めてなのにスムーズに入っていくレオの熱い昂りに、俺は体を震わせ受け入れることしか出来ない。
 
「んっ……はぁ……ティア……大丈夫?」
「ん……へ……いき……! んぁ……」
 
 一旦休憩なのか、ゆるゆるとした動きに変わる。もう中で快感を拾ってしまう俺にはその緩やかな動きでさえ、すぐにイってしまいそうになる。
 
「あ……ゆっくり……やめて……」
「ん? ティアは激しい方が好き?」
「そんなんじゃ……なくて……」
「ゆっくりでもティアを気持ちよくさせたいから……ティアが好きなところ押してあげる」
「え……? あ! ああっ!」
 
 レオが俺の膝裏を押し倒し、赤ちゃんがオムツを変える時のような姿勢を取らされた。羞恥に中断をお願いしようと口を開ききる前に硬いままのレオの陰茎が俺の前立腺をぐん! とついてきた。脳に直接伝わるような痺れる快楽に、口からは喘ぐ声しか出ない。
 
「はあっ! あ! アァっ! ア! そこっ!」
「気持ち良い? 気持ち良いね、ティア」
「あ! 気持ち……っ……良い……あっ……そこっ……良い……」
「突くたびに中が締め付けられる……我慢出来そうにない……」
「あっ! あっ! イク! も……ダメっ……!」
「一緒にイきたい。はぁっ……ティア、イクよ」
「あっっ! アアッ! ……はぁっ!! アッアッ! ……イク! イク……っ!」
「うっ……」
 
 ぱちゅぱちゅと卑猥な音を出しながらストロークが早くなっていき、レオの熱い楔が俺の前立腺責め続け、レオが奥に自身を埋め込んだ。前立腺をレオのカリ首を掠め、中が膨らんだレオの陰茎でいっぱいになったことで、快感と共に全てが満たされた気持ちになり、そのまま達していた。
 
 ドクドク……。俺の中にレオの陰茎が入ったまま、射精されている。あ……これ……。
 
「あ……レオ……中……気持ちいぃ……」
「ん……ちゅっ……。凄く気持ち良かったよ……。ごめんね、すぐに掻き出すから」
「ううん……。レオのが中にあるの、気持ち良いから……」
「……もしかして腸から直接精液と魔力を吸収してる……のか……?」
「わかんな……でも。気持ち良かった……レオ……」
「ん……可愛いティア……大好きだよ。体を許してくれてありがとう。大事にする」
「うん……。……ん?」
「ん?」
「…大きくない?」
 
 初性行の後で、足とかお腹とか普段それ程使わない筋肉がぷるぷるしていて役に立たなそうだし、射精後の倦怠感と併せてもう体は動きそうに無かった。レオからの顔や首へのキスと抱擁を甘受していたのだが、自分のお尻の中に飲み込まれたままのレオの陰茎が再び硬く、大きくなっていることに気付いた俺は、予感を脳内に入れないように努めてレオを見上げた。
 
「朝までまだ時間はあるから」
「……え」
 
 慈愛と愛欲が混じった表情で俺の唇を塞ぐと、レオはそのまま律動を始めた。中に残っているクリームとレオの白濁が混じり、ぬちゃぬちゃと音を鳴らしながら淫らな行為を歓迎した。
 
「あっ! さっきイったばっかりだから……すぐは……ムリぃっ!」
「ゆっくりするよ。あぁ、ティアはもうココだけで感じるから辛いよね。今日はティアと中で長く繋がっておきたいんだ」
 
 懇願するようにそう言われるとダメだと断れないじゃないか、ズルい……。俺が黙っているのを許諾と捉えたのか、レオが言った通りゆっくりと中で動いている。緩い刺激でも気持ち良くてたまらない。
 
「あっ……レオ……レオ……!」
「途中でお腹すいたらこのまま一緒に食べようね。あ、なにか飲む?」
 
 ベッドのサイドテーブルの下には今日買った大量の飲み物やすぐに食べられるパンなどが……。え、まさか本当に朝まで……?
 
 レオに口移しで水を飲まされながら、明日自分の体は無事だろうか? と思いつつも、朝までレオと絡み合いたい気持ちは同じなので、このまま流されることに決めたのだった。
 
 
 
 
「ティア、水飲もうか」
「あ、ありがと……。あの、自分で……」
「はい、あーん」
「……あー……ん…」
 
 ベッドに横になったまま、レオに口移しで水を飲まされる。いつの間にか意識が無くなっていて、次に目が覚めた時は日が高くなった頃だった。主に下半身が筋肉痛で、何故か脇腹とかも痛い。レオに支えられないと体を起こすことも出来ない。えっちってこんなに大変なのか……。
 
「何か食べられる?」
「うん……お腹すいた……」
 
 おしりはまだ違和感あるし、喉も体も痛いけど、心身が健康なのでお腹は減る。レオに体を起こされ、差し出されたパンをベッドに座ったままもふもふと咀嚼し飲み込んだ。
 
「体大丈夫? この後一緒にお風呂入ってから伯爵邸に帰ろうね」
「一緒に……?」
「うん。大分無理させたから動くのダルいと思うし、オレが洗うよ。一応体は拭いたんだけど」
「ん……ありがと……」
 
 一緒にお風呂入るのはまだ少し恥ずかしいんだけど、帰る前にシャワーは浴びておきたい。レオが綺麗に拭いてくれたからか、体にベタつきは無いけど、汗かいたから頭も洗いたい。
 
 食事を終えた俺をレオが抱きかかえて風呂場に連れていき、全身丁寧に洗ってくれた。実際足腰が動かなくて、腕まで筋肉痛だった……。どこで腕使った……? と思案していたら、昨夜自分の足を抱えたり上半身を腕で支えたりしたことを思い出し、一人赤面した。うん、筋力体力付けよう。このままだと持たない。
 
 初夜だからなのかいつも通りなのか分からないが、レオの求めが凄すぎたので、せめて途中で気絶しないくらいには体力付けて応えたい。うん、可能な範囲で。
 
 お湯の溜まった湯船の中、レオに後ろから抱き締められて「可愛い」「昨日は人生最高の日だった」「一生大事にする」「ティア愛してる」と首や背中にキスされながら、新たな目標を掲げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される

田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた! なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。 婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?! 従者×悪役令息

処理中です...