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目が覚めると身綺麗になっていて、シーツも新しいものに変わっていた。対応したのがレオなのか、ジェイムズなのか、はたまた違う使用人なのか……とにかく真実を追求するとこっちが火傷を負いそうだが、レオにはお礼を言っておきたい。
「おはようレオ。その……色々と綺麗にしてくれてありがとう」
「おはようティア。体は大丈夫?」
「ぅえ!? だ、大丈夫だ」
俺の隣でベッドに横たわるレオの朝からキラキラした顔に微笑まれ、眩しくてぎゅっと目を閉じる。サラサラとした清潔なシーツを口元まで寄せるとレオがシーツごと俺を抱き締めてきた。
「なに? 今更恥ずかしくなったの?」
「なんか……幸せだなって……思って」
目が覚めるとレオがいて、それが当たり前になったことが幸せ。半年前には想像出来なかったことだ。
「俺、レオにすごく愛されてるんだなって実感して」
「ちゃんと伝わってる?」
「うん。最初はちょっと不安だったし、いつか心が離れちゃうかもって怖かったけど、毎日好きって言ってくれるし……」
毎日俺を気持ち良くしようとするくせに、自分のことは後回しで無理やり体を繋げようともしないし。
「ティアには愛されている自覚とオレ無しでは生きられない体が必要だと思って」
「う……もう十分自覚しました」
レオ無しでは生きられない体ってえっちな意味も含まれてるよな……。確かにほぼ毎日睦み合って、たまにそういうのが無い時は物足りないなって……ことも……。
「その……レオは俺の心と体が追いつくまで待っててくれたでしょ?」
「あぁ。オレはティアとこれからも、死を分かつまでずっと愛し合いたいからな。時間はたっぷりあるし、本当にオレに心も体も人生も委ねられると思ってくれるまで待とうと思ってる」
「……いいよ……」
「え?」
「だから……レオに俺の全てを委ねたいし、レオのこれからの人生は俺が丸々貰いたいなって」
「それって……」
「もう準備出来てるのに……。さ……最後まで……しないの?」
「……ティ……ティア……!!」
顔が熱くなりながらも懸命にレオに心の内を話す。じゃないとレオは俺と最後まで手を出さなそうだ。恥ずかしいけど、ちゃんと話すことの大事さを学んだんだ。
「本当にいいの? 最後まで愛したいしオレは深く繋がりたいけど……」
「男に二言は無い。俺も……同じだから」
俺だって愛する人と最後まで結ばれたい。まさかお尻に陰茎を入れられるなんて思って無かったけど……。レオなら良い。
「お尻……レオのモノが入るかな……」
「んぐぅ!」
「え!? やっぱり無理かな!?」
「いや、大丈夫。ずっと解してきたし、ちゃんと入るようにしっかり準備するから大丈夫だよ」
「うん……。もし俺がやる必要があることがあれば教えて欲しい」
「ティアにお願いしたいのは二つ。腸を綺麗にするお茶を飲んで、お風呂のホースで洗浄しよう。洗浄はオレが一緒にする」
「せ、洗浄?」
「大丈夫!! ちょっと苦しいし、ティアなら恥ずかしがるかもしれないけど、これから何度もやることだよ」
暗に慣れろということか。まぁどんな初めてもレオによって鳴らされてきたから大丈夫かな……、と嫌な予感はするものの無理やり楽観視することにした。
仕事でシャムと共に再び外国に行ったお兄様と、多忙を極めているお父様が屋敷に不在とはいえ、今更だけど伯爵邸で最後まで致すことは出来ないという俺とレオの意見一致により、レオの借りているアパートで一泊することになった。
母に外泊許可を貰いに部屋に行くと、すぐに許可が下りると同時にジェイムズがやって来て肩掛けタイプのカバンをレオに渡していた。中身は分からないが、おそらく寝所で必要な物だろう。お母様が「鬼の居ぬ間に頑張りなさい」と言っていたから何をするかバレている。屋敷内のことを全て把握している優秀なジェイムズがいる限り連日のアレコレも筒抜けだろうからどうにもならないけど居た堪れない。
「男性同士は必要だと聞いて取り寄せたから、こちらも飲んでいきなさい」
と使用人から腸を綺麗にするお茶らしきものが出された時は流石に座ったまま倒れそうになった。みんなに『今日俺がレオに抱かれる』ことを知らしめてるとか恥ずかしすぎない? 貴族ってみんな平気なの? そうなの? 教えてフリードリヒ先生。
めでたいムードに耐えられなくなりお茶を一気に飲み干し、レオの手を掴み部屋に戻り変装と出かける準備をして玄関ホールに向かうと、お母様と屋敷の使用人たちに待ち構えられていて、盛大に見送られた。
お父様たちみたいに過保護にされるのも、お母様たちのようにこうも大歓迎されるのも反応に困る。どちらにしても、俺を愛してくれていて、今まで心配してくれてたんだな……と感じるので、そのまま受け止めることにする。
街に出かけるのはレオとのデートぶりだ。心が浮き足立つままレオの手を取り街中を進んでいく。
「調理せずに飲み食い出来る物を買っておこう」
「レオはずっとうちにいるから食材無いもんね」
「それだけが理由じゃないんだけどね……」
二人で買い物をしながら久しぶりの街ブラデートを楽しみつつ、久しぶりのレオの家に着いた。
「そういえば、飲んだお茶ってどんな効果があるの?」
「ディオーネ茶っていうんだけど、腸に付着したものを綺麗に溶かしてくれるんだよ。この後少しお腹が緩くなるかもしれないけど、痛くはないと思うから」
「レオの家のトイレで用を足すことに……?」
「その後もっと凄いことやるから気にしないように」
「うぅ……」
「それまで二人でゆっくり過ごそうか」
いつか来る腹痛に戦々恐々としながら、レオの部屋で本を読んだりソファーでレオに後ろから抱き締められたまま昔話を話し合ったりして時間が過ぎていった。
「おはようレオ。その……色々と綺麗にしてくれてありがとう」
「おはようティア。体は大丈夫?」
「ぅえ!? だ、大丈夫だ」
俺の隣でベッドに横たわるレオの朝からキラキラした顔に微笑まれ、眩しくてぎゅっと目を閉じる。サラサラとした清潔なシーツを口元まで寄せるとレオがシーツごと俺を抱き締めてきた。
「なに? 今更恥ずかしくなったの?」
「なんか……幸せだなって……思って」
目が覚めるとレオがいて、それが当たり前になったことが幸せ。半年前には想像出来なかったことだ。
「俺、レオにすごく愛されてるんだなって実感して」
「ちゃんと伝わってる?」
「うん。最初はちょっと不安だったし、いつか心が離れちゃうかもって怖かったけど、毎日好きって言ってくれるし……」
毎日俺を気持ち良くしようとするくせに、自分のことは後回しで無理やり体を繋げようともしないし。
「ティアには愛されている自覚とオレ無しでは生きられない体が必要だと思って」
「う……もう十分自覚しました」
レオ無しでは生きられない体ってえっちな意味も含まれてるよな……。確かにほぼ毎日睦み合って、たまにそういうのが無い時は物足りないなって……ことも……。
「その……レオは俺の心と体が追いつくまで待っててくれたでしょ?」
「あぁ。オレはティアとこれからも、死を分かつまでずっと愛し合いたいからな。時間はたっぷりあるし、本当にオレに心も体も人生も委ねられると思ってくれるまで待とうと思ってる」
「……いいよ……」
「え?」
「だから……レオに俺の全てを委ねたいし、レオのこれからの人生は俺が丸々貰いたいなって」
「それって……」
「もう準備出来てるのに……。さ……最後まで……しないの?」
「……ティ……ティア……!!」
顔が熱くなりながらも懸命にレオに心の内を話す。じゃないとレオは俺と最後まで手を出さなそうだ。恥ずかしいけど、ちゃんと話すことの大事さを学んだんだ。
「本当にいいの? 最後まで愛したいしオレは深く繋がりたいけど……」
「男に二言は無い。俺も……同じだから」
俺だって愛する人と最後まで結ばれたい。まさかお尻に陰茎を入れられるなんて思って無かったけど……。レオなら良い。
「お尻……レオのモノが入るかな……」
「んぐぅ!」
「え!? やっぱり無理かな!?」
「いや、大丈夫。ずっと解してきたし、ちゃんと入るようにしっかり準備するから大丈夫だよ」
「うん……。もし俺がやる必要があることがあれば教えて欲しい」
「ティアにお願いしたいのは二つ。腸を綺麗にするお茶を飲んで、お風呂のホースで洗浄しよう。洗浄はオレが一緒にする」
「せ、洗浄?」
「大丈夫!! ちょっと苦しいし、ティアなら恥ずかしがるかもしれないけど、これから何度もやることだよ」
暗に慣れろということか。まぁどんな初めてもレオによって鳴らされてきたから大丈夫かな……、と嫌な予感はするものの無理やり楽観視することにした。
仕事でシャムと共に再び外国に行ったお兄様と、多忙を極めているお父様が屋敷に不在とはいえ、今更だけど伯爵邸で最後まで致すことは出来ないという俺とレオの意見一致により、レオの借りているアパートで一泊することになった。
母に外泊許可を貰いに部屋に行くと、すぐに許可が下りると同時にジェイムズがやって来て肩掛けタイプのカバンをレオに渡していた。中身は分からないが、おそらく寝所で必要な物だろう。お母様が「鬼の居ぬ間に頑張りなさい」と言っていたから何をするかバレている。屋敷内のことを全て把握している優秀なジェイムズがいる限り連日のアレコレも筒抜けだろうからどうにもならないけど居た堪れない。
「男性同士は必要だと聞いて取り寄せたから、こちらも飲んでいきなさい」
と使用人から腸を綺麗にするお茶らしきものが出された時は流石に座ったまま倒れそうになった。みんなに『今日俺がレオに抱かれる』ことを知らしめてるとか恥ずかしすぎない? 貴族ってみんな平気なの? そうなの? 教えてフリードリヒ先生。
めでたいムードに耐えられなくなりお茶を一気に飲み干し、レオの手を掴み部屋に戻り変装と出かける準備をして玄関ホールに向かうと、お母様と屋敷の使用人たちに待ち構えられていて、盛大に見送られた。
お父様たちみたいに過保護にされるのも、お母様たちのようにこうも大歓迎されるのも反応に困る。どちらにしても、俺を愛してくれていて、今まで心配してくれてたんだな……と感じるので、そのまま受け止めることにする。
街に出かけるのはレオとのデートぶりだ。心が浮き足立つままレオの手を取り街中を進んでいく。
「調理せずに飲み食い出来る物を買っておこう」
「レオはずっとうちにいるから食材無いもんね」
「それだけが理由じゃないんだけどね……」
二人で買い物をしながら久しぶりの街ブラデートを楽しみつつ、久しぶりのレオの家に着いた。
「そういえば、飲んだお茶ってどんな効果があるの?」
「ディオーネ茶っていうんだけど、腸に付着したものを綺麗に溶かしてくれるんだよ。この後少しお腹が緩くなるかもしれないけど、痛くはないと思うから」
「レオの家のトイレで用を足すことに……?」
「その後もっと凄いことやるから気にしないように」
「うぅ……」
「それまで二人でゆっくり過ごそうか」
いつか来る腹痛に戦々恐々としながら、レオの部屋で本を読んだりソファーでレオに後ろから抱き締められたまま昔話を話し合ったりして時間が過ぎていった。
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