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12 夏の終わり、穏やかな日々
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季節は巡り、大学は3年に上がり、夏が終わろうとしていた。颯と俺はお互い1週間ほど帰省したが、それ以外はずっと二人でいた。
この夏休みが終わると就活の準備もしなきゃいけないので、ゆっくり二人で過ごしたいと言われ、俺も了承した。
帰省が無ければバイトや友人と遊ぶ時以外に予定はない。二人で海に行ったり、キャンプに行ったり、プールと温泉が一緒になってるテーマパークに行って豪華なホテルに泊まったり、どこに行くにも一緒だった。あまりに俺とばかりいるので、「飽きないの?」って聞くと「まだ足りない。」って颯が言うから、まぁ、このままで良いかな? って思い、まったり過ごしていつの間にか秋学期だ。
大学3年の後期にもなると、必須科目以外は単位も結構取り終わっていて、授業のスケジュールも前よりキツキツじゃないから颯と一緒に家を出ることもある。今日がその日だ。
「千紘、オレは今日ジムのバイトだから夜遅くなる。」
「分かった、そしたら久しぶりにサークルに顔だしてから帰るよ。ご飯何が良い?」
「まだ暑いし、残ってたそうめんとか?」
「じゃあ、そうめんと天ぷらにしようかな。」
「天ぷらにするなら油気をつけてね。」
「おっけー。」
学校では別に付き合っていることも同棲(ルームシェア)していることも隠してはいないが、わざわざ話してもいない。それに俺と颯の学部は違うし、多くの学部が一緒になっているキャンパス内では、意外と噂は回らないようだ。というか気にしないというかどうでも良いんだろうな。人の恋路とか、話のネタにはなってもすぐ忘れるし。
まぁ颯の友人たちは知っているようだったが、別にからかったり、『颯の恋人』として扱われたこともない。普通……そう、自然だ。颯が俺のことを好きで、アドバイスしたという『笹原くん』は、俺たちが仲良くしているとニコニコ笑っている。多分めっちゃ良い人……! 学部違うからほとんど会えないけど。夏休みに颯の友達家に呼んで遊んだりしないの? って聞いたら「オレと千紘の空間には血の繋がった親でさえ入れたくない。」ってガチトーンで言ってたな……。笹原くんたちと仲良くなりたかったが……。
2ヶ月ぶりの授業を終え、サークルのスペースに向かう。俺はゲームプログラミング研究サークルに入っている。授業でもいくつかプログラミング言語を取っているが、ゲーム開発で使う言語の一つであるC言語は難しく、授業と自習だけでは修得が難しいのだ。サークルなら年齢性別関係なく教えあったり、実際にゲームを制作して、フリーゲームとしてアップしたりする。たまにゲーム実況者が遊んでると嬉しい。
俺は今も週一くらいでゲーム配信をしている。実況動画の投稿にしないのは時間がないのと、編集して投稿するのが大変だからだ。それに、視聴者とコメントで会話しながら進める方が楽しい。
この夏休みが終わると就活の準備もしなきゃいけないので、ゆっくり二人で過ごしたいと言われ、俺も了承した。
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まぁ颯の友人たちは知っているようだったが、別にからかったり、『颯の恋人』として扱われたこともない。普通……そう、自然だ。颯が俺のことを好きで、アドバイスしたという『笹原くん』は、俺たちが仲良くしているとニコニコ笑っている。多分めっちゃ良い人……! 学部違うからほとんど会えないけど。夏休みに颯の友達家に呼んで遊んだりしないの? って聞いたら「オレと千紘の空間には血の繋がった親でさえ入れたくない。」ってガチトーンで言ってたな……。笹原くんたちと仲良くなりたかったが……。
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俺は今も週一くらいでゲーム配信をしている。実況動画の投稿にしないのは時間がないのと、編集して投稿するのが大変だからだ。それに、視聴者とコメントで会話しながら進める方が楽しい。
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