アイテム•神の本に転生しました!?〜アイテムだけど無双します!〜

ねこねこォ

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〇〇討伐ぅ!?

褐色イケメン

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喋りかけられた─けど、お、うん、えーと…誰?

「そこで何していると聞いている! 答えろ!」

迫力ヤバぁ。ホントだれ? 怖っ。

「ど、どちら様でしょうか?」

猫かぶりモード発動! 敬語になるだけだけど。リンカ達に初めてあったときが1回目だから、コレ2回目だね。あ、そういえば違和感なく喋ってるけど、翻訳スキル発動したまんまだったんだったわ。と、なんかローブの人が槍突きつけてきた。小麦色の手に握られていたのは、実用性考えられてるんかコレ? ってぐらい金の装飾ででゴテゴテした槍。…は? この人礼儀どうした?

「質問に質問で返すとは何事だ! さては貴様が犯罪者だな!」

犯罪者ぁ!? 何がどうなってそうなるねん。失礼なこと抜かしてるヒマあったら先ず顔見せろい。っていうか、「貴様」? もしかしてこの人、犯罪者追ってきたの? でも、ウチをそうだと勘違いしたってことは、顔も知らない犯罪者を追ってるの?? いや、ウチ仮面被ってるし、もしかしたら「仮面を被っている」という特徴の犯罪者なのかもしれないけど。でも仮面外せば逃げられる説ない? そんなヤツ、どうやって捕まえるつもりだったんだおバカか。っていうか、え、じゃあこの森(いや、林かも)に犯罪者潜んでるの?? うわ、更に怖っ。

「失礼ですが、」
「問答無用!」

うわっ、危ないな! 急に攻撃してくるじゃん何この人? 至近距離だったらもっと危なかったぞ殺す気か。しかも次々と突いてくるし! どっかの猫妖怪の○烈肉球かよ。でも、こんな実用性無さそうな槍をそんな風に扱えるってことは、実はスゴいのかこの人? いや、ウチにとっては避けられる速さだけどさ。っていうかこの人思い込み激しいな。質問返ししただけで犯罪者だって決めつけて人の話聞かないし。しかも問答無用て。やっと脱出に成功した人だぞ、もっと労れよ。結構頑張ったんだからね、ウチ。

「はっ、たっ、そりゃ、そこだっ!」

ふっふっふ、当たらないねぇ~。避けられる、避けられるよッ。でも、ウチはダンジョンを脱出してきたばっかで、あぁ神よ! ウチ結構頑張ったのに、休息期間短すぎじゃな─待って? 
神様って、ウチをビンタでダンジョン送りにした人では? いや、正確にはウチはビンタで気絶しちゃったらしい(威力ヤバいな!)から、あの美人さんがこの世界に送ったのかは知らないけど。あ、でもまぁ誰がやったにせよチートにしてくれたから、それはチャラでいっか。うん、それは許そう(超上から目線)。でも休息期間短すぎると思うんだよね。長時間労働はんた~い!

っていうか、男が動くたびにフードがズレていってるんだけど。これは、風魔法を使わなくても顔を見れるのでは!? よしよし、その調子だ もっと動け~。顔を晒せ~。そしてついでに、ウチはちょっと誘い出す感じで少しずつ後ろへ避け続けている。槍だから、間合いが広いんだよね。森(林)に入るギリギリまで下がんないと中々木陰から出てこないんだけど、まぁ少しずつ付いてきてるしいっか。

「くっ、このっ、ちょこまかとっ、避けやがってっ! それでもっ、犯罪者か!」

それでも犯罪者か って何!? 犯罪者に何期待してるの。犯罪者の全員が全員、どっかの怪盗みたいに紳士的だと思うなよ? コソ泥の方が圧倒的に多いわ! まぁ、ウチはコソ泥でもなければ怪盗紳士でもないですけどね! っていうか思ったんだけど、ウチこれ反撃してもいいよね? 正当防衛成立するよね?? スキル•詳細索敵によると、周りには何もいない。よし、反撃しよ。

まず、地面を蹴って相手の方の斜め上空へ。後ろはもう木だからね。あ、森に誘い込んだほうが良かったかも。槍って案外かさばりそうだし、小回り効かないだろうから…うぁあ、失敗した~。と思ったけど、もう上へ逃げ─オッホン、避けたから、森策切り替えは諦めて反対側─男の後ろへ回り込む。男はウチの後を目で追ったから当然顔が上を向くことになったことで、男の顔を隠していたフードがとれた。そしてウチが着地したのと同時に、体をこちらに向ける。当然、バッチリ目が合─うっは、

「か─」

カッッコ……! 手の色と同じ小麦色の彫りの深いお顔に、スッと通った鼻筋。銀髪のサラサラ長髪も、一定以下の顔面偏差値なら「厨二病ちゅうにびょう わらw」って言うとこだけど、この人は一定以上だからそれがめちゃめちゃ似合っている。そして切れ長の紺青あおい両目。息は上がってるけど、唇の色形も綺麗…。あぁ、カッッッコ良……!! ってかこの世界さ、イケメンで溢れてるわけ? スメラギ君に続いてこの短期間でイケメン2人も拝めたんだけど。奇跡か? 神がウチに罪悪感を感じて授けてくれた奇跡なのか? と、ウチが御尊顔に惚けながらも攻撃を避け続けていると、ウチの顔を見てフードが外れていることに気づいたのか攻撃をやめて、慌てたようにそれを深く被り直した。どうしたんだろ? そんなに顔を見られたのが恥ずかしいん? まぁけど、槍はウチに突きつけたままだから警戒はちゃんとしてるみたいだけど。

「き、貴様! 我の顔を見たな!?」
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