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迷宮からの脱出
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ぬっ、と現れたボスの顔面にウォーターボールを叩きつける。っていうか真ん中のヤツだけ異様に攻撃くらってない? 気のせい? お前だけ顔、(というか首?)めちゃボコボコだけど。これが接近戦に不利な後衛職の辛さか……? でもごめんよ。容赦なくやらせてもらうわ。
マリ•ウン•ヘムフ!
マリ•ウン•ヘムフ!
マリ•ウン•ヘムフ─!
ウチの強みは無限魔力だからね。ひたすらにボスにウォーターボールを放ち続ける。顔、首、腕、胴体にできるだけ均等に。弱点とかあるかもだからね。とりあえず探っといて損はないっしょ。
─ギャァァア!!!
ボスが悲鳴をあげて腕と斧で己をガードするような体勢をとり、後ずさった。やっぱり水が弱点みたい。炎の壁─ファイアウォールも消える。なんてナイスタイミング。確かにあんだけ魔法使ってたし、トドメにデカめの継続系魔法使ったしなぁ。体力と違って魔力は自然回復しか回復手段ないし、魔力切れになって当然っちゃ当然なのかも。そうして再びウチの視界に光が戻る。っていうかダンジョンの天井、どうなってんの? 室内じゃん、ここ。何故に明るいんだ蛍光灯でもついてるんか? 見たところそれらしいのは無さそうだけど。
『光る岩 が使われているようです』
へぇ。便利グッズみたい。でも異世界あるあるだよね。是非1つもらっていきたいわ何に使うか分かんないけど。 ボスに向かって歩く。皆の方を見ると、だいぶ回復してきたみたい。意識も戻ってきてるし、応援してくれているのか、必死になにかを叫んでる。もうそんな元気になったのか、良かったぁ。けど、声は空気の震えだから、風の防壁に阻まれてなんて言ってんのか全然わかんないわ。ごめんよ。でもなんか初めて会った時のこと思い出すね。あのときも─
「うぎゃっ!」
痛った~い。むっ。仕返しでエアーカッターを飛ばす。…また真ん中のヤツに当たった。……(そっと手を合わせる。うん、ごめんて)。でも、もう! ここは回想シーンに入るとこでしょーが。何ファイアボールぶっ放してんの! 魔力温存で物理攻撃しろよ。斧使うかと思って油断したじゃん、もう。あっ、じゃさっき必死に叫んでたのってコレ? この攻撃のため? ……そういえばよく見るわな、こういうシーン。味方が必死に叫ぶが、戦ってる人は後ろからの攻撃に気づかず大ピンチ! ってね。んで、そういうところでコンティニュートゥーネクストって次回予告に入るんだよ。ついでにいうとそういう時は主人公は大体生き残ってて、お仲間もギリギリで生き残ってて、敵とかモブは4ぬんだよなぁ。
更にエアーカッターを放つ。もう時間稼ぎもいらないし、そろそろ本気でいこうかな。先に目くらまし代わりに、弱点の水属性魔法のウォーターウォールでボスを囲む。目には目を、歯には歯を、壁には壁を!
マリ•ウン•ルリナ!
ボスの姿が水の壁の向こうに消えた。念の為背後にまわりこむ。ウォーターウォールは円形にボスを囲んでるから、どこからでもボスの姿は見えない─けど。
「円の中にいるならどこからでも同じ、だよ、ねっ!」
ダガーを放つ。なんかダーツしてるみたいだわ。前世ではやったことないけど。ボスは図体がデカい。つまり的はデカい。当然、放ったダガーは命中した。その証拠に、悲鳴が聞こえる。いやぁ、デカいヤツもこういう時は助かるねぇ。ちなみにダガーにはこれでもかとスキルを付与しておいた。普通の状態ならまだしも、あの状態で貫けないものはほぼないと思う。
ちなみに強化ダガーは量産がめんどいので手元の二本しか持ってない。ま、多分大丈夫でしょ。とりあえずさっき咄嗟に庇ってた場所に核ありそうだから、ボスが普通に立ってると仮定してそこ狙った。なくなったら取りに行けばいいし。最終手段としてド○えもんのと○よせバッグみたいな感じで取ればいい。いくら回復スキルが強くても核を壊されたらおしまいだもんね。
だけどおっと、どうやらボスも馬鹿ではないみたいだぞ。斧をブンブン振り回し始めた。ハリケーンみたいだ。ウォーターウォールはボスが入ってちょっと隙間あるかなぐらいだから、斧が水の壁を斬って飛沫をとばす。武器は本体じゃないから当たっても問題ないのか。しかもグルグルしてるから、ものすごく狙いにくい。ボス、お前考えたな。それにしても水飛沫が邪魔だな、ウォーターウォール消すか。
パチン!
指を鳴らしてから魔法を解除する。うはは、一回やってみたかったんだよね、コレ。まさか叶うとは。と、ボスがハリケーン状態のまんま迫ってきた! あぁそっか! 水という障壁がなくなったから動けるようになったんだ。うへぇ、どしよっかな。いや、でも逆に好都合か? もしダガーがボスを貫く威力を保てるんなら、グルグルしてない時よりもこの時の方が大きく肉体が削れるハズ…! ま、とにかくやってみよ~。どうせ最初から思いつき次第試してくつもりだったし。
シュッ
シュッ
どうせならと思ったんで、思い切って二本とも飛ばしました! 人間、思い切りが大事だよね! と、冗談はこれぐらいにして。いや、あながち冗談でもないんだけどさ。ともかく、ダガーはボスに向かって飛んでいった。突き抜けろ突き抜けろ突き抜けろ突き抜けろ─! と、祈ってて気付く。─コレ、ウチが魔法で援護すれば良くね? ボスが苦手な水魔法で。ニヤッと笑う。悪い笑顔というやつだ。ウチはボスに向かって右手 手のひらをつきだした。
マリ•ウン•シリア!
マリ•ウン•ヘムフ!
マリ•ウン•ヘムフ!
マリ•ウン•ヘムフ─!
ウチの強みは無限魔力だからね。ひたすらにボスにウォーターボールを放ち続ける。顔、首、腕、胴体にできるだけ均等に。弱点とかあるかもだからね。とりあえず探っといて損はないっしょ。
─ギャァァア!!!
ボスが悲鳴をあげて腕と斧で己をガードするような体勢をとり、後ずさった。やっぱり水が弱点みたい。炎の壁─ファイアウォールも消える。なんてナイスタイミング。確かにあんだけ魔法使ってたし、トドメにデカめの継続系魔法使ったしなぁ。体力と違って魔力は自然回復しか回復手段ないし、魔力切れになって当然っちゃ当然なのかも。そうして再びウチの視界に光が戻る。っていうかダンジョンの天井、どうなってんの? 室内じゃん、ここ。何故に明るいんだ蛍光灯でもついてるんか? 見たところそれらしいのは無さそうだけど。
『光る岩 が使われているようです』
へぇ。便利グッズみたい。でも異世界あるあるだよね。是非1つもらっていきたいわ何に使うか分かんないけど。 ボスに向かって歩く。皆の方を見ると、だいぶ回復してきたみたい。意識も戻ってきてるし、応援してくれているのか、必死になにかを叫んでる。もうそんな元気になったのか、良かったぁ。けど、声は空気の震えだから、風の防壁に阻まれてなんて言ってんのか全然わかんないわ。ごめんよ。でもなんか初めて会った時のこと思い出すね。あのときも─
「うぎゃっ!」
痛った~い。むっ。仕返しでエアーカッターを飛ばす。…また真ん中のヤツに当たった。……(そっと手を合わせる。うん、ごめんて)。でも、もう! ここは回想シーンに入るとこでしょーが。何ファイアボールぶっ放してんの! 魔力温存で物理攻撃しろよ。斧使うかと思って油断したじゃん、もう。あっ、じゃさっき必死に叫んでたのってコレ? この攻撃のため? ……そういえばよく見るわな、こういうシーン。味方が必死に叫ぶが、戦ってる人は後ろからの攻撃に気づかず大ピンチ! ってね。んで、そういうところでコンティニュートゥーネクストって次回予告に入るんだよ。ついでにいうとそういう時は主人公は大体生き残ってて、お仲間もギリギリで生き残ってて、敵とかモブは4ぬんだよなぁ。
更にエアーカッターを放つ。もう時間稼ぎもいらないし、そろそろ本気でいこうかな。先に目くらまし代わりに、弱点の水属性魔法のウォーターウォールでボスを囲む。目には目を、歯には歯を、壁には壁を!
マリ•ウン•ルリナ!
ボスの姿が水の壁の向こうに消えた。念の為背後にまわりこむ。ウォーターウォールは円形にボスを囲んでるから、どこからでもボスの姿は見えない─けど。
「円の中にいるならどこからでも同じ、だよ、ねっ!」
ダガーを放つ。なんかダーツしてるみたいだわ。前世ではやったことないけど。ボスは図体がデカい。つまり的はデカい。当然、放ったダガーは命中した。その証拠に、悲鳴が聞こえる。いやぁ、デカいヤツもこういう時は助かるねぇ。ちなみにダガーにはこれでもかとスキルを付与しておいた。普通の状態ならまだしも、あの状態で貫けないものはほぼないと思う。
ちなみに強化ダガーは量産がめんどいので手元の二本しか持ってない。ま、多分大丈夫でしょ。とりあえずさっき咄嗟に庇ってた場所に核ありそうだから、ボスが普通に立ってると仮定してそこ狙った。なくなったら取りに行けばいいし。最終手段としてド○えもんのと○よせバッグみたいな感じで取ればいい。いくら回復スキルが強くても核を壊されたらおしまいだもんね。
だけどおっと、どうやらボスも馬鹿ではないみたいだぞ。斧をブンブン振り回し始めた。ハリケーンみたいだ。ウォーターウォールはボスが入ってちょっと隙間あるかなぐらいだから、斧が水の壁を斬って飛沫をとばす。武器は本体じゃないから当たっても問題ないのか。しかもグルグルしてるから、ものすごく狙いにくい。ボス、お前考えたな。それにしても水飛沫が邪魔だな、ウォーターウォール消すか。
パチン!
指を鳴らしてから魔法を解除する。うはは、一回やってみたかったんだよね、コレ。まさか叶うとは。と、ボスがハリケーン状態のまんま迫ってきた! あぁそっか! 水という障壁がなくなったから動けるようになったんだ。うへぇ、どしよっかな。いや、でも逆に好都合か? もしダガーがボスを貫く威力を保てるんなら、グルグルしてない時よりもこの時の方が大きく肉体が削れるハズ…! ま、とにかくやってみよ~。どうせ最初から思いつき次第試してくつもりだったし。
シュッ
シュッ
どうせならと思ったんで、思い切って二本とも飛ばしました! 人間、思い切りが大事だよね! と、冗談はこれぐらいにして。いや、あながち冗談でもないんだけどさ。ともかく、ダガーはボスに向かって飛んでいった。突き抜けろ突き抜けろ突き抜けろ突き抜けろ─! と、祈ってて気付く。─コレ、ウチが魔法で援護すれば良くね? ボスが苦手な水魔法で。ニヤッと笑う。悪い笑顔というやつだ。ウチはボスに向かって右手 手のひらをつきだした。
マリ•ウン•シリア!
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