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迷宮からの脱出
出会い
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うーん....。仮面を被っても特に何も起きない.....。ま、一応被っとこう。っていうか、今すっごく階段へと向かいたい。もう走ろーかな?走ろーかな?よし、走ろう!!ついでに魔物も倒しながら!ドロップアイテムは....もう、諦めよ....。いや、やっぱあとから取りに来るか!!
タタタタタタ.....ザシュポン!
タタタタ.....ザン!ポン!
実はさっき人面蔦を倒したあたりぐらいから脳内地図の階段に青点が現れたんだよね。いや、青点自体は沢山あるんだよ。殺気のない魔物もいるからさ。でも、コレは魔物じゃないよ絶対。階段に現れたのが何よりの証拠。だって普通、魔物は階段に寄り付かないもん。だから、魔物なはずがない。ま、ウチみたいな転生者とかっていう異例はあるけどね~。
ってわけで魔物じゃないなら人間じゃないのかな~?って思って。人間かぁ。会ってみたいなぁ。でもイキナリ攻撃されないかな?っていうかそもそも人間かなぁ?でももしかしたらこの世界、人間が支配してるわけじゃないかもしれないし。何しろ7つも種族がいるんだもん。しかもそのうち1つは獣人!獣の人!人って付くからには知能高いんだろうな。あ、待ってちょっと会ってみたくなった。
カインさーん!どうやったら会えるかな?
『普つウに 歩いテイれば ちらほラ見カけること もアるでしょう』
歩くって町中でってこと?
『そうデす』
町ねぇ。じゃ、まずはダンジョンをさっさと脱出しますか!
ってわけだから、会ってみよ。青い点の主に!というわけでやって参りました、KA•I•DA•N!の近くの蔦の陰。だって緊張するじゃん!....ま、とりあえず見てみるか。さあさあ、天使が出るか、悪魔が出るか?!そろーりそろーりと顔を覗かせる。っていうか仮面ちょっと邪魔だわ。視界が狭い。いや、仮面だからしょうがないけどさ。でももうちょっと周り見えるようにしてほしいわ。
うわっ?!急に視界が開けた....!仮面かぶる前とほぼ同じように見える。えどうなってんの?あ、アレか?これくれた人が気を利かせてくれたってこと?うわ、天才....ありがとう....。じゃなくて!まずは集中!さあ、何がでる?
えーと、人?人型魔物?いや、人だ。えっ、人だぁ!!大当たり一等賞ぉ!大盾持ってるデカイ男が一番前で、盾の斜め後ろに女の子....あれ、持ってるの剣?いや待って、刀じゃん!時代劇とかでよく見るヤツだ。でもなんで刀?まいいや。そして反対の斜め後ろにピッカピカの鎧を来た男の子。顔はカッコいいけど、鎧は見てるこっちが恥ずかしい程の厨二病感.....(引)。残念男子ってヤツだ....。なんか、ザ•勇者パーティー!みたいだね。これからは勇者パーティー(仮)と呼ぼう。ってかなんで皆構えてんの?
あれ?っていうか点って3つだったっけ?4つだよね?もう一人はどこだ?脳内地図!あ、3人の後ろにいるのか。そりゃあ見えねぇわ。ってことで相手の正体も分かっことだし、そろそろ出てこ。挨拶したいしね。....言語が通じるならだけど。ま、大丈夫っしょ。
泥棒が警察に降参するときみたいに手を上げてゆっくりと物陰(いや、蔦陰?)から出る。だってあっちめっちゃ戦闘態勢だもん。無いことを祈るけどもしかしたらウチの討伐目的で構えてるかも知んないし。そうじゃなくても刺激したらだめじゃん?だからこっちに敵意はないって伝えなきゃ。
あ、こっちに気づいた。え待ってめちゃくちゃ怯えてるんだけどあの人達。人の顔見て怯えるって失礼すぎじゃない?ま、変な仮面つけてるからかもだけどさ。でもちょい悲しいわ。初めて人間に会うからもっと、こう、何ていうの?感動的な?何かを?求めていたわけであってさ。あーもう何言ってんだろウチ。まいいや。
それにしても怯え方尋常じゃないね。あれかな、もしかしてウチの後ろのヤツに怯えてんのかな?いやぁ、実は敵意はないけどの斜め後方になんかいるんだよね。脳内地図によると。魔物なのは間違いないけど、そんな怯える?でも今んとこ害無さそうだし無視していっか。ってわけで声かけてみよ。
「คุ....คุณเป็นใครคะ? และทำไมคุณถึงอยู่ที่นี่ได้?」
「....!?」
え、あっちから話しかけてきた!あの刀持ってる子だ。勇気を振り絞って声をかけてきたーって感じだけど。いやごめん、なんて言ったの?すげぇ申し訳ないけど通じてない。やっぱ言語違ったかぁ。カインさーん、これどうにかならない?あの子が不憫すぎだわ。せっかく話しかけてくれたのに。
『スキル を使えバいいと思イます』
スキル!え、なに?使えんの?ってかそんなスキルあるの?
『はい スキル•翻訳デす』
翻訳ねぇ。使ってみるか!
スキル•翻訳/常時発動!
なんかほんやくコンニャクみたいだなw。向こうをみてみると、なんかこっちチラチラ見ながら話してるんだけど。あんまいい気はしないな、これ。んじゃ、とりま話しかけてみよ。今回は通じるはず。
「あの....。」
「「「「!?」」」
あ、さっきと立場が逆転してる(笑)。
とりあえず、手ぇ下ろそ。そろそろ疲れてきたし。
「こんにちは。すみませんが、さっき何を言ったのかよく聞こえなかったもので。」
おぉ、とっさにしてはいい感じにごまかせたんじゃない?あ、刀持ってる子が前に出た。
「はい、こんにちは。先程の事は気にしないでください。大したことではないので。」
えー、そう言われると余計気になるんだけど?
「ところで、1ついいですか?」
「はい、どうぞ?」
「このダンジョンのこと、教えてくれませんか?」
「.......はい?」
ダンジョンのことを教えてくれ?なんで?
「理由を.....伺ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。実はこのダンジョン、色々と判明していないことがありまして。それで情報を共有できたらと思いましてね。まあ、それだけですよ。」
にゃるほどねぇ。確かに情報を共有できたらウチにとっても相手にとってもありがたいだろう。
『気をつけテ下サい 嘘をつイテ います』
え嘘ついてんの?!ってかなんで分かったの?
『あなたは神ノ本 なので どンな些細な出キ事でも 把握しテいます』
すげーな、ウチ!いや、ウチのチカラか!どっちでもいいけど!でもそれじゃあ、なんで嘘ついてるんだろう?あ、試してるとか?確かに、何者?って思われても仕方ないけど。それじゃ、なんて答えようかな?下手に答えたら、なんか察せられそう。だって勘鋭そうじゃん。しっかりしてそうだし。でも早く答えなきゃ、沈黙も答えとして受け取られてしまうかもしれない。
あ、こいつ何か打開策を考えてるな?みたいな感じでさ。だから、私はこう答えようじゃないか。
「すみません、今記憶が曖昧でして。私、自分の名前も分からないんです。」
はい出た、困った時のお約束ぅ。便利だよね、記憶喪失っていう設定。だ~け~ど~?ウチの場合ちょぉっと違うんだよねぇ。そう!曖昧という素敵な素敵な表現を使ってるんだよー。これで何かヘマしても「記憶が混乱したみたいですぅ(テヘペロ☆)」で乗り切れる!はず!
「そう、ですか。」
何やら腑に落ちない感じって顔だね。しょうがないけどさ。嘘ついてるもん。でも相手も嘘ついてるんだからこれで貸し借りナシってことでいいじゃん。そしてこっちも聞きたいことがあるんだよねぇ。
「ところですみません、ここはどこなんですか?ほら、私記憶が混乱していて....」
「その問にお答えする前に、1つお願いしてもよろしいでしょうか?」
むむっ、人が聞いてるのに聞き返すとは何様?!俺様?!おこちゃま?!でもいいや。今世での貴重な人間との会話、寛大になろうじゃないか!
「.....分かりました。なんでしょうか?」
「私達を....ここの最奥─1番奥へ連れて行ってください。」
.........はい?いや、記憶喪失(設定)のウチにそんなこときく?
「1番奥、とはどういう─「とぼけないでいただきたい。」
おぉう、被せられた。え、何このデジャヴ?
「貴方は知っている筈です、この迷宮の事を。でも教えない。それはなぜか?知っていると知られたら都合が悪いからです。」
うわバレてら。でももう少し粘ってみよう。
「.......。どうしてそうお考えで?」
「貴方の言動におかしな点があるからです。記憶が曖昧だと言うのに、全く動揺する素振りすらない。そしてここがダンジョンだと言っても驚きもしない。」
........あ。まって、コレもデジャヴだ。約束の○バーランドのシスターと、この侍女子が重なって見えるわ。でもそっか、やっちまったなー。
「つまり貴方はここが何処なのか最初から分かっていたのです。」
それにしても結構強気で出てきたな。後ろの3人は固唾をのんで見守ってるだけだし。
「それならどうしてここにいるのか?ここは少なくとも私達の所属するギルドでは未踏の地とされています。普通の冒険者ではたどり着くことすら困難です。」
あ、そうなんだ~。知ってるよ~。あのときの自分に戻りたいよ出来れば。心の準備したいからって44階で妥協するんじゃなかった!勿論「オウノー!」って頭抱えたいところだけど、なんかそれは許されなそうな雰囲気だからじっとしてよ。下手に言い訳しても変に思われそうだし。
「...........」
「しかも、随分と軽装でいらっしゃいますね?」
自分を見下ろす。うん、Tシャツにジーパンは無いわな。そりゃ誰もが疑うよ。
「理由は、こんなものです。知られたくない理由はさしずめ自分が魔物だと知られたくないからでしょうかね。」
ほうほう、この子凄いね。......って、ん!?ちょっとまって?「自分が魔物だと知られたくないからでしょう」?ウチが魔物だってなんで知ってるの?いや、正確にはアイテムだけど、人間じゃないって見抜かれた。え、名探偵ですか?めっちゃ動揺したけど表には出さない。それより返事をしなくては。こういうとき、なんて言うのがいいんだろ?........よし、これでいこう。
「理由は分かりました。確かに私は知っています。1番奥なのかは分かりませんが、私が知る限り最も深いところへ案内しましょう。」
うぅ、鋭い観察眼を持つパーティーのブレーンに惨敗!仕方なくダンジョンの最奥へ案内する.......というフリ!ふふん、どうだこのサブキャラっぷり、とくと見よ!「ダンジョンに潜った勇者パーティー(仮)のダンジョン攻略を手助けする親切な人」の役、我ながら上手いのでは?
いや、別に本当に真実当てられたからとかそういうんじゃないから!「私が人間じゃない」という事を何故知ったかってことを知りたいだけだからね!......誰に言い訳してんだろ。あ、カインさんか。
タタタタタタ.....ザシュポン!
タタタタ.....ザン!ポン!
実はさっき人面蔦を倒したあたりぐらいから脳内地図の階段に青点が現れたんだよね。いや、青点自体は沢山あるんだよ。殺気のない魔物もいるからさ。でも、コレは魔物じゃないよ絶対。階段に現れたのが何よりの証拠。だって普通、魔物は階段に寄り付かないもん。だから、魔物なはずがない。ま、ウチみたいな転生者とかっていう異例はあるけどね~。
ってわけで魔物じゃないなら人間じゃないのかな~?って思って。人間かぁ。会ってみたいなぁ。でもイキナリ攻撃されないかな?っていうかそもそも人間かなぁ?でももしかしたらこの世界、人間が支配してるわけじゃないかもしれないし。何しろ7つも種族がいるんだもん。しかもそのうち1つは獣人!獣の人!人って付くからには知能高いんだろうな。あ、待ってちょっと会ってみたくなった。
カインさーん!どうやったら会えるかな?
『普つウに 歩いテイれば ちらほラ見カけること もアるでしょう』
歩くって町中でってこと?
『そうデす』
町ねぇ。じゃ、まずはダンジョンをさっさと脱出しますか!
ってわけだから、会ってみよ。青い点の主に!というわけでやって参りました、KA•I•DA•N!の近くの蔦の陰。だって緊張するじゃん!....ま、とりあえず見てみるか。さあさあ、天使が出るか、悪魔が出るか?!そろーりそろーりと顔を覗かせる。っていうか仮面ちょっと邪魔だわ。視界が狭い。いや、仮面だからしょうがないけどさ。でももうちょっと周り見えるようにしてほしいわ。
うわっ?!急に視界が開けた....!仮面かぶる前とほぼ同じように見える。えどうなってんの?あ、アレか?これくれた人が気を利かせてくれたってこと?うわ、天才....ありがとう....。じゃなくて!まずは集中!さあ、何がでる?
えーと、人?人型魔物?いや、人だ。えっ、人だぁ!!大当たり一等賞ぉ!大盾持ってるデカイ男が一番前で、盾の斜め後ろに女の子....あれ、持ってるの剣?いや待って、刀じゃん!時代劇とかでよく見るヤツだ。でもなんで刀?まいいや。そして反対の斜め後ろにピッカピカの鎧を来た男の子。顔はカッコいいけど、鎧は見てるこっちが恥ずかしい程の厨二病感.....(引)。残念男子ってヤツだ....。なんか、ザ•勇者パーティー!みたいだね。これからは勇者パーティー(仮)と呼ぼう。ってかなんで皆構えてんの?
あれ?っていうか点って3つだったっけ?4つだよね?もう一人はどこだ?脳内地図!あ、3人の後ろにいるのか。そりゃあ見えねぇわ。ってことで相手の正体も分かっことだし、そろそろ出てこ。挨拶したいしね。....言語が通じるならだけど。ま、大丈夫っしょ。
泥棒が警察に降参するときみたいに手を上げてゆっくりと物陰(いや、蔦陰?)から出る。だってあっちめっちゃ戦闘態勢だもん。無いことを祈るけどもしかしたらウチの討伐目的で構えてるかも知んないし。そうじゃなくても刺激したらだめじゃん?だからこっちに敵意はないって伝えなきゃ。
あ、こっちに気づいた。え待ってめちゃくちゃ怯えてるんだけどあの人達。人の顔見て怯えるって失礼すぎじゃない?ま、変な仮面つけてるからかもだけどさ。でもちょい悲しいわ。初めて人間に会うからもっと、こう、何ていうの?感動的な?何かを?求めていたわけであってさ。あーもう何言ってんだろウチ。まいいや。
それにしても怯え方尋常じゃないね。あれかな、もしかしてウチの後ろのヤツに怯えてんのかな?いやぁ、実は敵意はないけどの斜め後方になんかいるんだよね。脳内地図によると。魔物なのは間違いないけど、そんな怯える?でも今んとこ害無さそうだし無視していっか。ってわけで声かけてみよ。
「คุ....คุณเป็นใครคะ? และทำไมคุณถึงอยู่ที่นี่ได้?」
「....!?」
え、あっちから話しかけてきた!あの刀持ってる子だ。勇気を振り絞って声をかけてきたーって感じだけど。いやごめん、なんて言ったの?すげぇ申し訳ないけど通じてない。やっぱ言語違ったかぁ。カインさーん、これどうにかならない?あの子が不憫すぎだわ。せっかく話しかけてくれたのに。
『スキル を使えバいいと思イます』
スキル!え、なに?使えんの?ってかそんなスキルあるの?
『はい スキル•翻訳デす』
翻訳ねぇ。使ってみるか!
スキル•翻訳/常時発動!
なんかほんやくコンニャクみたいだなw。向こうをみてみると、なんかこっちチラチラ見ながら話してるんだけど。あんまいい気はしないな、これ。んじゃ、とりま話しかけてみよ。今回は通じるはず。
「あの....。」
「「「「!?」」」
あ、さっきと立場が逆転してる(笑)。
とりあえず、手ぇ下ろそ。そろそろ疲れてきたし。
「こんにちは。すみませんが、さっき何を言ったのかよく聞こえなかったもので。」
おぉ、とっさにしてはいい感じにごまかせたんじゃない?あ、刀持ってる子が前に出た。
「はい、こんにちは。先程の事は気にしないでください。大したことではないので。」
えー、そう言われると余計気になるんだけど?
「ところで、1ついいですか?」
「はい、どうぞ?」
「このダンジョンのこと、教えてくれませんか?」
「.......はい?」
ダンジョンのことを教えてくれ?なんで?
「理由を.....伺ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。実はこのダンジョン、色々と判明していないことがありまして。それで情報を共有できたらと思いましてね。まあ、それだけですよ。」
にゃるほどねぇ。確かに情報を共有できたらウチにとっても相手にとってもありがたいだろう。
『気をつけテ下サい 嘘をつイテ います』
え嘘ついてんの?!ってかなんで分かったの?
『あなたは神ノ本 なので どンな些細な出キ事でも 把握しテいます』
すげーな、ウチ!いや、ウチのチカラか!どっちでもいいけど!でもそれじゃあ、なんで嘘ついてるんだろう?あ、試してるとか?確かに、何者?って思われても仕方ないけど。それじゃ、なんて答えようかな?下手に答えたら、なんか察せられそう。だって勘鋭そうじゃん。しっかりしてそうだし。でも早く答えなきゃ、沈黙も答えとして受け取られてしまうかもしれない。
あ、こいつ何か打開策を考えてるな?みたいな感じでさ。だから、私はこう答えようじゃないか。
「すみません、今記憶が曖昧でして。私、自分の名前も分からないんです。」
はい出た、困った時のお約束ぅ。便利だよね、記憶喪失っていう設定。だ~け~ど~?ウチの場合ちょぉっと違うんだよねぇ。そう!曖昧という素敵な素敵な表現を使ってるんだよー。これで何かヘマしても「記憶が混乱したみたいですぅ(テヘペロ☆)」で乗り切れる!はず!
「そう、ですか。」
何やら腑に落ちない感じって顔だね。しょうがないけどさ。嘘ついてるもん。でも相手も嘘ついてるんだからこれで貸し借りナシってことでいいじゃん。そしてこっちも聞きたいことがあるんだよねぇ。
「ところですみません、ここはどこなんですか?ほら、私記憶が混乱していて....」
「その問にお答えする前に、1つお願いしてもよろしいでしょうか?」
むむっ、人が聞いてるのに聞き返すとは何様?!俺様?!おこちゃま?!でもいいや。今世での貴重な人間との会話、寛大になろうじゃないか!
「.....分かりました。なんでしょうか?」
「私達を....ここの最奥─1番奥へ連れて行ってください。」
.........はい?いや、記憶喪失(設定)のウチにそんなこときく?
「1番奥、とはどういう─「とぼけないでいただきたい。」
おぉう、被せられた。え、何このデジャヴ?
「貴方は知っている筈です、この迷宮の事を。でも教えない。それはなぜか?知っていると知られたら都合が悪いからです。」
うわバレてら。でももう少し粘ってみよう。
「.......。どうしてそうお考えで?」
「貴方の言動におかしな点があるからです。記憶が曖昧だと言うのに、全く動揺する素振りすらない。そしてここがダンジョンだと言っても驚きもしない。」
........あ。まって、コレもデジャヴだ。約束の○バーランドのシスターと、この侍女子が重なって見えるわ。でもそっか、やっちまったなー。
「つまり貴方はここが何処なのか最初から分かっていたのです。」
それにしても結構強気で出てきたな。後ろの3人は固唾をのんで見守ってるだけだし。
「それならどうしてここにいるのか?ここは少なくとも私達の所属するギルドでは未踏の地とされています。普通の冒険者ではたどり着くことすら困難です。」
あ、そうなんだ~。知ってるよ~。あのときの自分に戻りたいよ出来れば。心の準備したいからって44階で妥協するんじゃなかった!勿論「オウノー!」って頭抱えたいところだけど、なんかそれは許されなそうな雰囲気だからじっとしてよ。下手に言い訳しても変に思われそうだし。
「...........」
「しかも、随分と軽装でいらっしゃいますね?」
自分を見下ろす。うん、Tシャツにジーパンは無いわな。そりゃ誰もが疑うよ。
「理由は、こんなものです。知られたくない理由はさしずめ自分が魔物だと知られたくないからでしょうかね。」
ほうほう、この子凄いね。......って、ん!?ちょっとまって?「自分が魔物だと知られたくないからでしょう」?ウチが魔物だってなんで知ってるの?いや、正確にはアイテムだけど、人間じゃないって見抜かれた。え、名探偵ですか?めっちゃ動揺したけど表には出さない。それより返事をしなくては。こういうとき、なんて言うのがいいんだろ?........よし、これでいこう。
「理由は分かりました。確かに私は知っています。1番奥なのかは分かりませんが、私が知る限り最も深いところへ案内しましょう。」
うぅ、鋭い観察眼を持つパーティーのブレーンに惨敗!仕方なくダンジョンの最奥へ案内する.......というフリ!ふふん、どうだこのサブキャラっぷり、とくと見よ!「ダンジョンに潜った勇者パーティー(仮)のダンジョン攻略を手助けする親切な人」の役、我ながら上手いのでは?
いや、別に本当に真実当てられたからとかそういうんじゃないから!「私が人間じゃない」という事を何故知ったかってことを知りたいだけだからね!......誰に言い訳してんだろ。あ、カインさんか。
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