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お姫様VSスケベ巨乳

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 牢獄で別れた時は全裸だったはずのノエルちゃんは、どこで見つけてきたのかボロ布のような服と言えるか微妙なものを身につけている。もちろん、裾も超ミニどころの騒ぎでは無いので、少し動くだけで大事なところが見えてしまいそうだ。おまけにスケベ巨乳のノエルちゃんのおっぱいはボロボロの布に収まりきるはずもなく……あー、横乳もいいですね!

 だが、彼女の身体にはところどころ生々しい傷がついている。

「脱走するときにちょっと乱暴されて……」

 私の視線に気づいたノエルちゃんは恥ずかしそうに目を逸らした。身なりとその仕草が合わさってなんだかものすごくエッチだったが……それどころじゃない! 誰だノエルちゃんを──私のノエルちゃんを傷つけたのは! 傷害罪と文化財保護法違反で死刑だぞこらぁぁぁっ!

 私の心中などお構いなしにアンリエットが焦った様子でノエルちゃんに問いただす。

「……なぜここが分かったんですか!?」

「先生の匂いを辿ってきました」

 いや犬かよ! どうやったら匂いをたどって私の居場所が分かるの!? ストーカーの類いかしら?
 でも、ノエルちゃんこそが今しがた求めていた救世主であることに間違いなかった。ボロ布をまとったボロボロのノエルちゃんが、純白の衣装を身にまとった天使──いや、女神様に見えた。


「立ち去りなさい。もうあなたに用はありません」

「私にはあるんですけど」

「何……?」

 ノエルちゃんは追い返そうとするアンリエットに詰め寄った。その様子はいつもの眠たげなノエルちゃんとは正反対で……なにが彼女をそこまでやる気にさせているのだろうか?

「アンリエット姫。──あなたは禁忌を犯しましたね?」

「なんのことですか? エリノアさんとこういうことをしたことですか? なにがいけないんですか?」

 アンリエットは開き直って私の足と寝台の脚を繋いでいるロープを指さしながら胸を張った。
 いや、そう開き直られても困る。確かに他人を拘束することはこの国では罪に問われないのかもしれないけれど、「いけないこと」かどうかを問われると間違いなく「いけないこと」だと言わざるを得ないだろう。

 ノエルちゃんは頭を横に振った。

「違いますよ。──

「は? いったいなにを……?」

 えっ……? 何言ってるのノエルちゃんは……? 私が? 呼び寄せられた? アンリエットに?

「とぼけても無駄ですよ。アンリエット姫、こっそり異世界召喚の魔法を研究していましたね? そして闇属性魔法の使い手である姫ならそれを唱えることも可能なはずです」

 ん? ん? なんか謎解きみたいなのが始まっている?

「そんな証拠どこにあるんですか!」

 今度はアンリエットがノエルちゃんに詰め寄る。黒い下着姿のアンリエットと露出度の高いボロ布姿のノエルちゃんが顔を突合せているとなんかすごくエッチだ。そのままエッチが始まってくれても私は一向に構わない。

 ノエルちゃんは床に無造作に置かれていた古びた魔導書を指さす。えっ? これ私の相棒だけど……それとアンリエットがどう関係してるの?

「それは、闇の魔導書ですね? エリノア先生が闇魔法しか使わないので気になっていましたが……そういうことでしたか。姫が先生にその本を渡したんですね?」

「……」

 アンリエットは気まずそうに目を逸らした。確かにあの魔導書は「あ、そういえばこれ、エリノアさんの持ち物ですよね? さっき倒れた時に落とされましたよ?」って渡されたものだった。……まさか闇魔法の魔導書だったなんて! 闇魔法はエッチな魔法ばっかりなんですね! ってことはアンリエットはエッチってことに……。

「姫は可哀想だと思いますよ。黒髪をバカにされて、望まぬ相手と婚約を結ばされて。……自分を求めてくれる相手を欲しがるのは分かりますけど、まさか異世界からその相手を召喚してしまうなんて……」

「同情しないでよ! あなたに何がわかるの! ……寂しかったのよほんとに……壊れてしまいそうだった! だから仕方なかったの!」

 ノエルちゃんの言葉にアンリエットは感情をあらわにした。それはノエルちゃんの言葉が事実だと認めているようなものだった。ってことはやっぱり私はアンリエットに異世界──元いた杏里のいる世界から召喚されたんだ。アンリエットの寂しさを紛らわせるために。

「全部はわかりません。でも、虐められる惨めさと、エリノア先生が元の世界に帰りたがっていること分かります!」

 ノエルちゃんもノエルちゃんで苦労して生きてきたようだ。貴族では下っ端の男爵家に生まれ、虐められることも多かったのだろう。そりゃあスケベ巨乳に成長してしまうのもわかる。だが、この言葉はアンリエットに綺麗に突き刺さったようだった。
 露骨に傷ついたような表情をするアンリエット。


「うそ……エリノアさんが元の世界に帰りたがっている……? デタラメを言わないで……エリノアさんは私のことが好きなの! 私じゃないとダメなの! 私がいないと生きていけないの! 」

 目を剥き、唾を飛ばしながらそう自分に言い聞かせるように主張する姿はヤンデレそのもので……。

「下がって……!」

 スッと滑るようにノエルちゃんが私とアンリエットの間に割って入る。──あっ、見えた。でも今はそれどころではない。

「行かないで! 帰して!」

 アンリエットは両手に紫色の魔力の塊を生み出してそれを二つまとめてノエルちゃんに投げつける。対するノエルちゃんは光の力をまとった右腕で払うようにして闇の魔力を打ち消す。
 バチィッ! と何かが弾けるような音がした。うぉぉ、ここに来て異世界ファンタジーっぽくなってきた! 戦ってる二人の服装はアレだけど。

 ノエルちゃんに払われたかに思われた闇の魔力はしゅるしゅると形を変えて長いロープのようなものに変化した。そしてそのままノエルちゃんの身体に巻きついていく──いや、あれはよく見ると……。

「──触手ちゃん!?」

 私もフローラちゃんに散々使った触手。あれが闇魔法ならアンリエットが使えないわけがなく。ノエルちゃんはたちまち触手に拘束されてしまった。あっ、エッチなことが始まる……(歓喜)
 って、ダメじゃん。救世主のノエルちゃんが負けちゃったら私はアンリエットに何されるかわかったものではない。

「……んっ、このっ……! んぁっ……うぅっ……!」

 優秀な触手ちゃんたちは早速ノエルちゃんのボロ布を難なく破り捨ててその豊満なボディーを貪り始める。上半身に巻きついたものは胸に巻きついて触手の先端で乳首を刺激し、下半身巻きついたものは膣穴と尻穴を集中的に責めたてる。

「やっ、やめっ……んぁぁっ! せ、せんせっ……たすけ……あぁぁぁぁっ!」

 エッチなノエルちゃんはすぐに限界を迎えてしまったようで、触手たちはたちまちジュルジュルと音を立てながらノエルちゃんから愛液という名の魔力を吸い取り始めた。

「さてと……邪魔者はこれで片付きましたね」

 ノエルちゃんから興味を失ったアンリエットが私に歩み寄ってくる。
 やっぱり私はアンリエットのおもちゃになる運命だったらしい。……それならそれでも。

「せんせっ……私なら……できますっ……んんっ!?」

「えっ?」

「ぁぁっ……先生を……元の世界に……もどすことが……ぁぁぁうっいっ、いくぅぅぅっ! いったら……ま、魔力がすわれちゃったら……むりに……なりますよっ……ふあぁぁぁっ」

 私、帰れるの……? 杏里のところへ? 元の世界に……?
 私に迫ってくるアンリエットに視線を向け──傍で犯されているノエルちゃんに目を向け──脳内に杏里の姿を思い浮かべる。
 最愛の、世界に一人しかいない私の、私だけの杏里! 笑顔が素敵で私に懐いてくれて、料理が得意で歌とギターが上手い。運動は少し苦手だけど心優しくて、オシャレで愛想よく、誰からも好かれるけれど一番好きなのは私! 誰にも渡したくない。


 ──帰りたい。


 もう一度杏里に会いたい。そう強く思った。
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