36 / 44
騎乗位?
しおりを挟む「ふぅ、上手くいったわね」
そんな美声が聞こえて目を開けると、なんと私は金髪の美少女の背中に抱きつくようにして何かに座っていた。
そして、お尻から伝わってくるパカラッパカラッという規則的な振動と、揺れ……もしかして私、馬に乗ってない!?
でもって私が抱きついているのは……!
「ステファニーママ!」
「はい、ステファニーです。先生はご無事でなによりです!」
「ま、ママぁぁぁ……怖かったよぉ……」
「え……よ、よしよし……でもごめんなさい。いま手網を持っているので手が離せないんです……」
「あっ、ごめん……」
ステファニーちゃんが乗っているのは立派なたてがみの白い馬。彼女はその馬を巧みに操って街中を走っていく。綺麗な白馬を駆る金髪の美少女の姿を、通行人たちは唖然とした様子で眺めていた。こちらとしてはなかなか気分がいい。
「ねぇ、ステファニーちゃん。ルナちゃんは……」
「ルナなら大丈夫。なにせあの子はドMだから、並大抵のことでは苦痛を感じないし、ご褒美だと思ってるに違いないわ」
「確かに……」
ドM恐るべしである。
「で、ステファニーちゃんはどうやってここまで来たの?」
「先生のピンチと聞いて家から馬を拝借して駆けつけたんです。そしたら城壁の上で戦っている先生たちを見つけて……ルナはすぐ私に気づいてくれたみたいですけど」
だからルナちゃんは自信満々に私を飛ばせたんだ……自分の魔法と、ステファニーちゃんのおかげで逃げられると分かっていたから。
「で、これからどうするの? このまま街を出るの? なんかルナちゃんはそんなことを言ってたけど」
「本当はそうしたいところなんですけど……どうやらそう簡単には逃げさせてくれないみたいですね!」
「なにっ!?」
私がステファニーちゃんの陰から前をうかがうと、通りの前方には兵士たちがびっしりと隊列を組んで封鎖していた。予想外に兵士たちの対応がはやい! またもや絶体絶命?
「……くっ!」
ステファニーちゃんは素早く馬の方向を変え、狭めの路地に入っていく。背後から「逃がすな! 追え!」みたいな怒号が飛んでいるが、気にせずにステファニーちゃんは路地裏を疾走する。蹴散らかされたゴミが背後に散乱し、水溜まりの水が跳ねてステファニーちゃんと私の服の裾を濡らした。
再び通りに出たステファニーちゃんは、王都の外を目指して白馬を駆る。白馬は緩やかな下り坂を信じられないようなスピードで駆け下りていった。私は思わずステファニーちゃんの胸の前に手を回す。……そしてその形のいいおっぱいをもみもみと……
「ちょ、ちょっと!? こんな時になにしてるんですか!」
「ねぇママ、おっぱいー!」
「──はぁ?」
「おっぱいちょうだい」
ステファニーママの柔らかなおっぱいの感触に我を忘れてしまった私は、夢中でそのおもちのようなお胸を揉みしだいた。
「ふあっ……んっ……くぅぁぁっ!」
ママの身体がビクッと震え、コントロールを失ったのか、白馬が急に道の端に寄る。──すると、背後から私の顔のそばを何かが高速で通り過ぎていった。あれは……もしかして矢?
「は、背後から狙われてる……!?」
「危なかったね。私がステファニーちゃんのお胸を揉んでなかったら今頃死んでたね」
真っ赤に染まった顔を青ざめさせるステファニーちゃんに優しく声をかけながら、私はその胸を揉み続けた。
「んんぁっ……だめっ……せんせ……んっ!」
ステファニーちゃんはお馬さんの上でビクビクと震え始める。
すると、私たちの前後から挟み撃ちするように兵士たちが迫ってくるのがわかった。これは急がないと!
私は細かい過程をすっ飛ばしてステファニーちゃんの股間に手を伸ばす。そして服の上からグチュグチュと……
「あ、あぁぁぁっ! ……も、もうむりっ! こ、こんなのしらないっ……んんぁぁぁっ!」
「ほらほら、はやくイかないと兵士がきちゃうよ?」
喘ぎ声を上げて身体を捩るステファニーちゃんを急かしていると、ステファニーちゃんは身を屈めながら前方に手を突き出してこう叫んだ。
「い、いくぅぅぅぅっ!?」
──ドガガガガッ!!
前方に凄まじい光と衝撃が走った。と、同時にステファニーちゃんの股間から激しく液体が溢れ出すのも感じた。随分と激しいイキ方ね。
「……ふぅ、これでよし……と」
満足した私が前方を見ると、なんとそこにいたはずの兵士たちは綺麗に吹き飛ばされていて、地面にはクレーターのような大きな穴が空いていた。そして後方の兵士たちも呆気に取られた様子でそれを眺めている。
「──ステファニーちゃん、今よ!」
「……んっ!」
馬に乗りながらイくという貴重な体験をしたステファニーちゃんは、我に返って再び手網を握り直す。そしてそのままクレーターを迂回するようにして前方へ走り始めた。
「くそっ! 逃がすな!」
後方の兵士たちは次々に矢を放って攻撃してくるが、何とか避けきり、私たちは矢の射程外まで逃げることができたのだった。
。・:+°。・:+°。・:+°。・:+°。・:+°
少し走ったところで、ステファニーちゃんは馬を止めた。ゆっくりと歩く馬はなんか動きが不自然だった。……なんというか、足を引きずっているような……。
後ろを振り返ってみると、お馬さんのお尻には矢が刺さっていた。お馬さん……私の代わりに矢を受けて……痛かったでしょ、ごめんね……?
「追っ手は撒いたみたいですし……ここで馬を捨てていくしかないですね」
路地裏に入ったステファニーちゃんは馬から飛び降りて、そう呟いた。私もステファニーちゃんに手伝ってもらって馬から降りる。
ステファニーちゃんは、慣れた手つきで矢を引き抜いて馬の手当をした。馬はその間少しも暴れなかったし、ステファニーちゃんのことを信頼しているようだった。まあ、ステファニーちゃんはママなので、そのせいかもしれない。
「シロは私の相棒なんです。子馬の頃から一緒で……戦に出た時もシロに乗って出陣しました」
ステファニーちゃんは、令嬢たちの中で唯一戦を経験していると前に聞いたことがある。だからあんなに馬の扱いが上手いのか……馬だけに。
ていうかお馬さんの名前、シロちゃんっていうのか……可愛い。
「ごめんね。私のせいで……シロちゃんが……」
「いえ、いいんですよ! シロも先生のお役に立てて嬉しいって言ってます!」
本当にそうだろうか?
「でもステファニーちゃん、そのシロちゃんに乗ったままイっちゃったわよね? ──はっ、これが本当の『騎乗位』ってやつでは!?」
「全然上手くありません!」
ドヤ顔で言い放った私に、呆れ顔でツッコミを入れるステファニーちゃん。でもお陰で張り詰めた空気感は幾分か和らいだ気がする。
私はシロちゃんを「ありがとー!」と言って撫でると。
「──行きなさいシロ」
ステファニーちゃんがシロちゃんのお尻を叩き、シロちゃんはどこへともなく走っていった。
0
お気に入りに追加
217
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
真夏の温泉物語
矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる