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第1章 守護龍の謎
第40話 そして……?
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数日後、俺とフラウは新しく建て直された王宮の謁見の間にいた。玉座に座っているのは大男のシドニウスである。彼が玉座に座っているとなんだか不自然な気もするが、そのうち慣れるだろう。
「ようこそ諸君。よく来てくれた」
謁見の間に集まった俺を含めた戦士たちを見渡し、彼はニヤリと笑った。
「早速だが、魔王が復活したというのは本当のようだ。……そして、それに対抗するためにはドラゴンライダーの力だけでは足りん。この国の総力を結集する必要がある」
「その通りね。ウチらだけで倒せるような相手じゃないわ。……で、そのために呼んだのがあんたたちってわけ」
玉座の隣に立っていたアイシアは主に俺とフラウの方を見ながら言った。
「そうだ。……ロイ、フラウ、お前たちに頼めるか?」
「もちろんだ。任せてくれ」
「はい、私たちに任せてください」
2人は揃って答えた。すると、シドニウスは満足そうにうなずき、傍らに置いてあった大剣を手に取った。
「お前たちがドラゴンライダーとして戦ってくれるというなら、俺は王ではなく1人の戦士としてお前たちを全力でサポートする。……魔王を倒した暁には、再びこの国を救った英雄として盛大に祝おうじゃないか」
「やれやれ、英雄なんて柄じゃないんだがな……」
「それに、嬢ちゃんとの勝負もまだついていないしな」
シドニウスはそう付け加えてフラウに視線を送った。フラウは少しだけムッとした表情をしたが、すぐに元の微笑みを浮かべた。またこの2人の飲み比べに付き合わなきゃいけないと思うと、かなり気が滅入る。2人ともかなり酒が強いクセに、めんどくさい酔い方をして俺にだる絡みしてくるからだ。
「他のやつらはロイとフラウの指揮下に入れ。力を合わせて魔王を撃退するぞ」
「了解!」
その場に居並んだ全員が声を上げた。
「よし、じゃあ行くか!」
俺は仲間たちを引き連れて、新しい戦いの場へと向かうことにした。だが、意気揚々と謁見の間を後にした時、誰かが俺の肩に手を回してきた。
「よお、久しぶりじゃねぇかロイ! いや、大将殿と呼んだ方がいいか?」
「……何の用だ?」
声と態度だけで分かる。こいつはいつか俺を役立たず呼ばわりして追放してくれたSランクパーティーのリーダーの金髪男だ。1回コテンパンにしてやったから懲りたかと思ったが、どうやらそうではなかったらしい。
「いやな? オレもSランクパーティーとして魔王討伐に参加することになってよぉ」
「で?」
「オレとロイの仲じゃん。オレがお前にしたこと、秘密にしておいてくれてるんだよなぁ? じゃあさ、オレを副将にしてくんねーかなって」
「断る」
俺は即答した。こいつと組むくらいなら死んだ方がマシである。
ついでに、こいつが俺を追放したことを誰にも話していないのは、話す価値もないことだったし、なにより俺はこいつと違って女神との戦いやフラウの面倒で忙しかったからだ。しかし、男は食い下がってきた。
「まあまあそうつれないことを言うなよ。オレは強いぜ? なんといってもSランクパーティーだからな!」
「だから何だよ。お前が強いことと俺がお前と仲良くすることは全く関係ないだろ。それに、俺の方がお前より強いのは、この前証明してやっただろ」
俺が冷たく言い放つと、男は舌打ちして顔をしかめた。
「チッ! 相変わらず可愛げのない野郎だぜ。……いいのかよ、そんな態度を取っても。お前の大事な女が死ぬことになるかもしれねえんだぞ?」
「!?」
その言葉に、俺は思わず目を見開いた。まさかコイツ──
俺が反応するよりも前に、金髪男は素早くフラウの背後に回り込むと、その喉元に短剣を突きつけた。
「動くんじゃねぇ! ……少しでも妙な真似をしてみろ。この女の首を掻っ切るぜ?」
俺はため息をついた。俺には敵わないとみてフラウを狙ったのだろうが、それは大きな間違いだ。哀れだな。
「……やめといた方がいいぞ? そいつはめちゃくちゃ強くて、凶暴だからな」
「なに……?」
俺の言葉を聞いた男が、ゆっくりとフラウを見下ろす。すると、フラウは微笑んでこう言った。
「私を殺すのですか? ……できますか?」
「……!?」
男の額を冷や汗が流れる。フラウは微笑んだまま続けた。
「これ以上ロイを困らせないでください」
次の瞬間、フラウの腕が男の短剣を握っている右腕を掴んでそのまま捻り上げた。すると、ボキッという音と共に、あっけなく男の手からナイフが落ちてしまう。
「ぐわああああ!! 腕が! 俺の右腕があ!!」
「自業自得です」
フラウはそう言って男を解放した。
「ひぃい! バケモノ!」
「そうですね。私は人間ではありませんから」
フラウは感情を失った声でそう言うと、落ちていた短剣を拾って男の首筋に当てた。そして、冷たく囁きかける。
「次はありませんよ」
「は、はい……すみませんでした……」
フラウに睨まれた男はすっかり戦意を喪失してその場にへたり込んだ。普段のフラウからは想像できないようなキレっぷりに、見ていた俺も思わず背筋が凍ったほどだ。……フラウ、こいつが一番怒らせてはいけない相手なのかもしれない。
「さて、行きましょうかロイ」
「お、おう……。そうだな……」
俺はすっかりいつも通りの声色に戻ったフラウに促されて歩き出した。背後では、金髪の男が衛兵に連れられていく足音と男の叫び声が聞こえていた。
「……なんか、色々スッキリしたぜ、ありがとな」
「そうですか。それは良かったです」
「ああ。……あと、これからよろしく頼むぜ」
「はい。こちらこそお願いしますね」
フラウは花が咲いたような満面の笑みを浮かべると、俺の腕に抱きついてきた。俺はいつもそうしているように彼女の綺麗な銀髪を優しく撫でてやる。すると彼女は嬉しそうな声を上げる。
俺は心の底からこのパートナーに出会って良かったと思っていた。それは、契約関係が無くなった後でも変わらない。純粋に苦楽を共にした仲間というのは得がたいものだ。
あとどれくらい俺たちの冒険が続くのか分からない。どのくらいフラウと一緒にいれるのかも分からない。けれど、出来る限り長く一緒に居たい。そのために俺はもっと強くなってこいつを守ってやらないと。と、俺は心のどこかでそう思っていた。
俺たちは互いに顔を見合わせて笑みを浮かべると、新たな戦いの場へと歩みを進めたのだった。
~ひとまずおしまい~
「ようこそ諸君。よく来てくれた」
謁見の間に集まった俺を含めた戦士たちを見渡し、彼はニヤリと笑った。
「早速だが、魔王が復活したというのは本当のようだ。……そして、それに対抗するためにはドラゴンライダーの力だけでは足りん。この国の総力を結集する必要がある」
「その通りね。ウチらだけで倒せるような相手じゃないわ。……で、そのために呼んだのがあんたたちってわけ」
玉座の隣に立っていたアイシアは主に俺とフラウの方を見ながら言った。
「そうだ。……ロイ、フラウ、お前たちに頼めるか?」
「もちろんだ。任せてくれ」
「はい、私たちに任せてください」
2人は揃って答えた。すると、シドニウスは満足そうにうなずき、傍らに置いてあった大剣を手に取った。
「お前たちがドラゴンライダーとして戦ってくれるというなら、俺は王ではなく1人の戦士としてお前たちを全力でサポートする。……魔王を倒した暁には、再びこの国を救った英雄として盛大に祝おうじゃないか」
「やれやれ、英雄なんて柄じゃないんだがな……」
「それに、嬢ちゃんとの勝負もまだついていないしな」
シドニウスはそう付け加えてフラウに視線を送った。フラウは少しだけムッとした表情をしたが、すぐに元の微笑みを浮かべた。またこの2人の飲み比べに付き合わなきゃいけないと思うと、かなり気が滅入る。2人ともかなり酒が強いクセに、めんどくさい酔い方をして俺にだる絡みしてくるからだ。
「他のやつらはロイとフラウの指揮下に入れ。力を合わせて魔王を撃退するぞ」
「了解!」
その場に居並んだ全員が声を上げた。
「よし、じゃあ行くか!」
俺は仲間たちを引き連れて、新しい戦いの場へと向かうことにした。だが、意気揚々と謁見の間を後にした時、誰かが俺の肩に手を回してきた。
「よお、久しぶりじゃねぇかロイ! いや、大将殿と呼んだ方がいいか?」
「……何の用だ?」
声と態度だけで分かる。こいつはいつか俺を役立たず呼ばわりして追放してくれたSランクパーティーのリーダーの金髪男だ。1回コテンパンにしてやったから懲りたかと思ったが、どうやらそうではなかったらしい。
「いやな? オレもSランクパーティーとして魔王討伐に参加することになってよぉ」
「で?」
「オレとロイの仲じゃん。オレがお前にしたこと、秘密にしておいてくれてるんだよなぁ? じゃあさ、オレを副将にしてくんねーかなって」
「断る」
俺は即答した。こいつと組むくらいなら死んだ方がマシである。
ついでに、こいつが俺を追放したことを誰にも話していないのは、話す価値もないことだったし、なにより俺はこいつと違って女神との戦いやフラウの面倒で忙しかったからだ。しかし、男は食い下がってきた。
「まあまあそうつれないことを言うなよ。オレは強いぜ? なんといってもSランクパーティーだからな!」
「だから何だよ。お前が強いことと俺がお前と仲良くすることは全く関係ないだろ。それに、俺の方がお前より強いのは、この前証明してやっただろ」
俺が冷たく言い放つと、男は舌打ちして顔をしかめた。
「チッ! 相変わらず可愛げのない野郎だぜ。……いいのかよ、そんな態度を取っても。お前の大事な女が死ぬことになるかもしれねえんだぞ?」
「!?」
その言葉に、俺は思わず目を見開いた。まさかコイツ──
俺が反応するよりも前に、金髪男は素早くフラウの背後に回り込むと、その喉元に短剣を突きつけた。
「動くんじゃねぇ! ……少しでも妙な真似をしてみろ。この女の首を掻っ切るぜ?」
俺はため息をついた。俺には敵わないとみてフラウを狙ったのだろうが、それは大きな間違いだ。哀れだな。
「……やめといた方がいいぞ? そいつはめちゃくちゃ強くて、凶暴だからな」
「なに……?」
俺の言葉を聞いた男が、ゆっくりとフラウを見下ろす。すると、フラウは微笑んでこう言った。
「私を殺すのですか? ……できますか?」
「……!?」
男の額を冷や汗が流れる。フラウは微笑んだまま続けた。
「これ以上ロイを困らせないでください」
次の瞬間、フラウの腕が男の短剣を握っている右腕を掴んでそのまま捻り上げた。すると、ボキッという音と共に、あっけなく男の手からナイフが落ちてしまう。
「ぐわああああ!! 腕が! 俺の右腕があ!!」
「自業自得です」
フラウはそう言って男を解放した。
「ひぃい! バケモノ!」
「そうですね。私は人間ではありませんから」
フラウは感情を失った声でそう言うと、落ちていた短剣を拾って男の首筋に当てた。そして、冷たく囁きかける。
「次はありませんよ」
「は、はい……すみませんでした……」
フラウに睨まれた男はすっかり戦意を喪失してその場にへたり込んだ。普段のフラウからは想像できないようなキレっぷりに、見ていた俺も思わず背筋が凍ったほどだ。……フラウ、こいつが一番怒らせてはいけない相手なのかもしれない。
「さて、行きましょうかロイ」
「お、おう……。そうだな……」
俺はすっかりいつも通りの声色に戻ったフラウに促されて歩き出した。背後では、金髪の男が衛兵に連れられていく足音と男の叫び声が聞こえていた。
「……なんか、色々スッキリしたぜ、ありがとな」
「そうですか。それは良かったです」
「ああ。……あと、これからよろしく頼むぜ」
「はい。こちらこそお願いしますね」
フラウは花が咲いたような満面の笑みを浮かべると、俺の腕に抱きついてきた。俺はいつもそうしているように彼女の綺麗な銀髪を優しく撫でてやる。すると彼女は嬉しそうな声を上げる。
俺は心の底からこのパートナーに出会って良かったと思っていた。それは、契約関係が無くなった後でも変わらない。純粋に苦楽を共にした仲間というのは得がたいものだ。
あとどれくらい俺たちの冒険が続くのか分からない。どのくらいフラウと一緒にいれるのかも分からない。けれど、出来る限り長く一緒に居たい。そのために俺はもっと強くなってこいつを守ってやらないと。と、俺は心のどこかでそう思っていた。
俺たちは互いに顔を見合わせて笑みを浮かべると、新たな戦いの場へと歩みを進めたのだった。
~ひとまずおしまい~
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