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第1章 守護龍の謎
第20話 守護龍の書を手に入れました
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その日は適当な洞窟をねぐらにして、翌日俺たちはフラウの生まれた地を目指して旅を続けた。
「この辺りです」
フラウは山の一角を指し示した。そこには切り立った崖があり、昨日ねぐらにした洞窟よりもだいぶ深そうな洞窟が口を開けている。
「ここに昔住んでいたんです」
「今は誰も住んでないのか?」
「どうでしょう? ドラゴンのねぐらには少し目を離した隙に他の魔物が住みつくことが多いので、もしかしたら……」
フラウの言う「ちょっと目を離した隙」っていうのは、人間の時間に換算するとどうせ数年単位だと思うので、あまり気にしないことにする。
「とりあえず中に入ってみるか?」
「そうですね……」
洞窟の中に入ると、ひんやりとした空気に包まれた。薄暗い洞窟内を進んでいくと、やがて広い空間に出た。天井からは鍾乳石が垂れ下がり、地面や壁を伝う水滴がピチョン、ピチョンという音を立てながら地面に吸い込まれていく。
「なんか気味が悪いな……」
「私はこれくらいの方が落ち着きますけどねっ」
フラウはそう言いながらも、俺の腕に抱きついてきた。
「おい、あんまりくっつかない方がいいぞ」
「どうしてですか?」
「地面が滑りやすいからバランス崩すだろ?」
「ふーん……」
フラウはつまらなさそうに唇を尖らせると、今度は腰に手を回してきた。
「これで問題ありませんよね?」
「まあな……」
それからしばらくのあいだ、俺たちは無言のまま歩き続けた。時折、何かが動く気配を感じることもあったが、襲ってくるようなことはなかったため、無視して先に進むことにした。
だが、突如として洞窟の奥から何か大きなものが近づいてくる気配がした。足音からして、大型の魔物だろうか。
「フラウ!」
俺はフラウに注意を促すと、進化した龍鎧をまとい、剣を抜いて身構える。
俺たちの目の前に現れたのは、巨大な単眼の巨人──サイクロプスだった。その膂力もさることながら、強力な再生能力があるので厄介な相手だ。
「グァァァッ!」
サイクロプスが咆哮し、手に持っていた棍棒を振り上げる。
「邪魔だぁぁぁっ!」
俺は勢いよく奴の間合いに踏み込むと、棍棒を振り下ろす暇も与えず胴体を一閃した。すると、それだけでサイクロプスの腹部は木っ端微塵に粉砕された。
「グォォォォ……」
「……これが完全契約の力か」
感心している暇はない。奴が再生する暇を与えず、素早く背後に回り込んで両脚を吹き飛ばし、倒れたところに脳天に一撃。さらに首をはねてトドメをさした。
「さすがですロイ」
背後でフラウが手を叩いていた。
「ま、まさかあのサイクロプスをこんなに簡単に葬れるなんて……」
「言いましたよね? 完全契約したドラゴンライダーは、それはもう強いんですよ」
「……これならもう女神と戦っても勝てるんじゃないか?」
「それは、どうでしょうか?」
苦笑するフラウ。
ふと、俺は洞窟の壁になにか違和感を感じた。まるでなにかを隠しているかように、そこだけ岩肌の色が違うのだ。
「ロイ、そっちは行き止まりですよ?」
「ああ、わかってる」
俺はそう答えると、足を止めて壁に手を当てた。
「……ここだな」
「何がわかったんですか?」
「見てればわかるさ。──『解呪』!」
俺が魔法を唱えると、なにか封印のようなものが壊れる感覚があった。そしてそのまま右手を壁に押し当てると、ゆっくりと力を込めていった。すると、ゴゴッと鈍い音がして、目の前の壁が横にスライドしていく。
「隠し扉……!?」
「みたいだな」
「凄いです! ここに住んでた私でも、全く気づかなかったです!」
「そりゃそうだ。見た感じ、相当強力な封印が施されていたみたいだしな」
俺は苦笑しながら、開いた通路の奥へと進んで行った。そしてその先には
「これは……祭壇?」
大きな部屋の中にポツンと置かれた台座の上には、白い布が敷かれており、その上には銀色に輝く小さな箱が置かれていた。
「フラウ、これがなんだか知ってるか?」
「はい……。おそらく、守護龍の秘宝……でも、こんな所にあったなんて……」
「フラウはこの場所を知ってたんだろ?」
「ええ。私はここで生まれましたし。でも、隠し扉のことも祭壇のことも全く知りませんでした。……秘宝も、既に失われたものと……」
「どうやらまだまだ守護龍とドラゴンライダーにまつわる秘密は山積みらしいな」
「そのようですね……」
フラウは複雑そうな表情を浮かべると、俺の手を握った。
「フラウ、お前はどうしたい?」
「え?」
「全てを知ってしまったら、引き返すことはできないかもしれない。お前が隠し扉や秘宝のことを知らされていなかったのはなにか理由があるんだろうと思う。……それでも真実を知りたいのか?」
「……」
俺の言葉を聞いたフラウはしばらくの間無言で俯いていたが、やがて顔を上げると俺の目を見つめ返した。
「わかりません。でも、私はロイと一緒にどこまでも行きます。例えそれが地獄のような道であっても、二人で歩むことができるなら、きっとそれは幸せですから」
「フラウ……」
「それに、私たち守護龍が本当はどんな存在で、何をするために生まれてきたのか、知りたい気持ちもあるんです」
「……」
「だから、全て受けいれます。守護龍のこと、ドラゴンライダーのこと、その真実を全て……」
「わかったよ」
俺はフラウの手を引いて、部屋の中央に置かれた銀製の箱の前に立った。そして、蓋を開けると、中には白銀の指輪が入っていた。
「綺麗……」
フラウはその輝きに見惚れていた。俺も同じ感想だった。
「この指輪を嵌めるのは誰なんだろうな……」
「聞いた話では、ドラゴンと契約した者がその証として装着したようです」
「そうか。じゃあ、試してみるしかないな」
俺は左手の薬指に指輪を嵌めた。すると、指輪が眩く光り輝いた。
「まさか、本当に……」
「ああ。どうやらフラウとの契約者は俺で間違いないようだな」
俺は苦笑いを浮かべながら言った。
「当たり前じゃないですかぁ……あれだけのことをしたのに、まだ契約が不十分だっていうなら、それこそ怒ります」
フラウは頬を膨らませて不満そうに呟くと、俺の腕に抱きついてきた。
「おい、だからそんなにくっつくなって……」
「嫌です。絶対に離れませんから」
「ったく……」
俺はため息をつくと、フラウに微笑みかけた。すると、フラウは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。
「フラウ? どうかしたか?」
「な、なんでもありません!」
「そっか。とりあえずこの部屋を調べてみよう。他にも何かあるかもしれない」
「はい……」
俺たちは部屋をくまなく調べてみたが、他に特にめぼしいものはなかった。
諦めて引き返そうとした時、唐突にフラウが指輪の入っていた箱を指さして叫んだ。
「ロイ!」
「はいはい、なんだよびっくりするなぁ……」
「ロイ! あれに解呪をかけてみてもらえますか?」
「なんでだ? 何の変哲もない箱に見えるけど?」
「……ローイー?」
「わかったよ! ──『解呪』!」
俺が箱に近づいて魔法を唱えると、箱は眩い光を放ちながら消滅し、それのあった場所に一冊の古びた本が現れた。
俺はその本を拾い上げると表紙を見た。そこには掠れた文字でこう書かれていた。
【守護龍の書】
「この辺りです」
フラウは山の一角を指し示した。そこには切り立った崖があり、昨日ねぐらにした洞窟よりもだいぶ深そうな洞窟が口を開けている。
「ここに昔住んでいたんです」
「今は誰も住んでないのか?」
「どうでしょう? ドラゴンのねぐらには少し目を離した隙に他の魔物が住みつくことが多いので、もしかしたら……」
フラウの言う「ちょっと目を離した隙」っていうのは、人間の時間に換算するとどうせ数年単位だと思うので、あまり気にしないことにする。
「とりあえず中に入ってみるか?」
「そうですね……」
洞窟の中に入ると、ひんやりとした空気に包まれた。薄暗い洞窟内を進んでいくと、やがて広い空間に出た。天井からは鍾乳石が垂れ下がり、地面や壁を伝う水滴がピチョン、ピチョンという音を立てながら地面に吸い込まれていく。
「なんか気味が悪いな……」
「私はこれくらいの方が落ち着きますけどねっ」
フラウはそう言いながらも、俺の腕に抱きついてきた。
「おい、あんまりくっつかない方がいいぞ」
「どうしてですか?」
「地面が滑りやすいからバランス崩すだろ?」
「ふーん……」
フラウはつまらなさそうに唇を尖らせると、今度は腰に手を回してきた。
「これで問題ありませんよね?」
「まあな……」
それからしばらくのあいだ、俺たちは無言のまま歩き続けた。時折、何かが動く気配を感じることもあったが、襲ってくるようなことはなかったため、無視して先に進むことにした。
だが、突如として洞窟の奥から何か大きなものが近づいてくる気配がした。足音からして、大型の魔物だろうか。
「フラウ!」
俺はフラウに注意を促すと、進化した龍鎧をまとい、剣を抜いて身構える。
俺たちの目の前に現れたのは、巨大な単眼の巨人──サイクロプスだった。その膂力もさることながら、強力な再生能力があるので厄介な相手だ。
「グァァァッ!」
サイクロプスが咆哮し、手に持っていた棍棒を振り上げる。
「邪魔だぁぁぁっ!」
俺は勢いよく奴の間合いに踏み込むと、棍棒を振り下ろす暇も与えず胴体を一閃した。すると、それだけでサイクロプスの腹部は木っ端微塵に粉砕された。
「グォォォォ……」
「……これが完全契約の力か」
感心している暇はない。奴が再生する暇を与えず、素早く背後に回り込んで両脚を吹き飛ばし、倒れたところに脳天に一撃。さらに首をはねてトドメをさした。
「さすがですロイ」
背後でフラウが手を叩いていた。
「ま、まさかあのサイクロプスをこんなに簡単に葬れるなんて……」
「言いましたよね? 完全契約したドラゴンライダーは、それはもう強いんですよ」
「……これならもう女神と戦っても勝てるんじゃないか?」
「それは、どうでしょうか?」
苦笑するフラウ。
ふと、俺は洞窟の壁になにか違和感を感じた。まるでなにかを隠しているかように、そこだけ岩肌の色が違うのだ。
「ロイ、そっちは行き止まりですよ?」
「ああ、わかってる」
俺はそう答えると、足を止めて壁に手を当てた。
「……ここだな」
「何がわかったんですか?」
「見てればわかるさ。──『解呪』!」
俺が魔法を唱えると、なにか封印のようなものが壊れる感覚があった。そしてそのまま右手を壁に押し当てると、ゆっくりと力を込めていった。すると、ゴゴッと鈍い音がして、目の前の壁が横にスライドしていく。
「隠し扉……!?」
「みたいだな」
「凄いです! ここに住んでた私でも、全く気づかなかったです!」
「そりゃそうだ。見た感じ、相当強力な封印が施されていたみたいだしな」
俺は苦笑しながら、開いた通路の奥へと進んで行った。そしてその先には
「これは……祭壇?」
大きな部屋の中にポツンと置かれた台座の上には、白い布が敷かれており、その上には銀色に輝く小さな箱が置かれていた。
「フラウ、これがなんだか知ってるか?」
「はい……。おそらく、守護龍の秘宝……でも、こんな所にあったなんて……」
「フラウはこの場所を知ってたんだろ?」
「ええ。私はここで生まれましたし。でも、隠し扉のことも祭壇のことも全く知りませんでした。……秘宝も、既に失われたものと……」
「どうやらまだまだ守護龍とドラゴンライダーにまつわる秘密は山積みらしいな」
「そのようですね……」
フラウは複雑そうな表情を浮かべると、俺の手を握った。
「フラウ、お前はどうしたい?」
「え?」
「全てを知ってしまったら、引き返すことはできないかもしれない。お前が隠し扉や秘宝のことを知らされていなかったのはなにか理由があるんだろうと思う。……それでも真実を知りたいのか?」
「……」
俺の言葉を聞いたフラウはしばらくの間無言で俯いていたが、やがて顔を上げると俺の目を見つめ返した。
「わかりません。でも、私はロイと一緒にどこまでも行きます。例えそれが地獄のような道であっても、二人で歩むことができるなら、きっとそれは幸せですから」
「フラウ……」
「それに、私たち守護龍が本当はどんな存在で、何をするために生まれてきたのか、知りたい気持ちもあるんです」
「……」
「だから、全て受けいれます。守護龍のこと、ドラゴンライダーのこと、その真実を全て……」
「わかったよ」
俺はフラウの手を引いて、部屋の中央に置かれた銀製の箱の前に立った。そして、蓋を開けると、中には白銀の指輪が入っていた。
「綺麗……」
フラウはその輝きに見惚れていた。俺も同じ感想だった。
「この指輪を嵌めるのは誰なんだろうな……」
「聞いた話では、ドラゴンと契約した者がその証として装着したようです」
「そうか。じゃあ、試してみるしかないな」
俺は左手の薬指に指輪を嵌めた。すると、指輪が眩く光り輝いた。
「まさか、本当に……」
「ああ。どうやらフラウとの契約者は俺で間違いないようだな」
俺は苦笑いを浮かべながら言った。
「当たり前じゃないですかぁ……あれだけのことをしたのに、まだ契約が不十分だっていうなら、それこそ怒ります」
フラウは頬を膨らませて不満そうに呟くと、俺の腕に抱きついてきた。
「おい、だからそんなにくっつくなって……」
「嫌です。絶対に離れませんから」
「ったく……」
俺はため息をつくと、フラウに微笑みかけた。すると、フラウは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。
「フラウ? どうかしたか?」
「な、なんでもありません!」
「そっか。とりあえずこの部屋を調べてみよう。他にも何かあるかもしれない」
「はい……」
俺たちは部屋をくまなく調べてみたが、他に特にめぼしいものはなかった。
諦めて引き返そうとした時、唐突にフラウが指輪の入っていた箱を指さして叫んだ。
「ロイ!」
「はいはい、なんだよびっくりするなぁ……」
「ロイ! あれに解呪をかけてみてもらえますか?」
「なんでだ? 何の変哲もない箱に見えるけど?」
「……ローイー?」
「わかったよ! ──『解呪』!」
俺が箱に近づいて魔法を唱えると、箱は眩い光を放ちながら消滅し、それのあった場所に一冊の古びた本が現れた。
俺はその本を拾い上げると表紙を見た。そこには掠れた文字でこう書かれていた。
【守護龍の書】
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