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♡ガチャ召喚とハードクエスト♡
急襲クエスト! 〜ドMなので身代わりになります!〜
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「――やるじゃねえか魔導族の娘! それでこそ我が妃に相応しい!」
「ですから、私はあなたの妃にはなりませんから!」
セレナちゃんはアンラマンユの大剣を右脚で思いっきり蹴っ飛ばし、がら空きになった胴体に日本刀で袈裟斬り、すぐさま刃を返して水平斬り、そして左脚で蹴りを放ってアンラマンユを吹き飛ばす。
「ぐっ……!」
アンラマンユのHPは半分を切っている。明らかに攻撃が効いているが、セレナちゃんのHPの減少の方が激しいように見える。このままだと、敵を倒す前にセレナちゃんのHPが尽きてしまう! アンラマンユもそれに気づいたのか、無理に攻めることはしないで、回避に専念しているようだ。
「――ちょこまかと!」
「放っておけば勝手に負けてくれるのに、わざわざ倒しにいく必要もないよなぁ? そら、どんどん加速するぞ!」
悪態をつくセレナちゃんを嘲笑うかのように、アンラマンユは紫色のオーラをまといながら逃げに徹する。が、セレナちゃんも必死にそれに食らいつき、少しずつHPを削っていく。
「いけるか……? いけそうか?」
「いや、どうだろうな。微妙なところか……?」
クラウスさんとホムラちゃんは相変わらず真剣に決闘の行方を見守っているし、他の人も、『ハーフリング』の二人に至るまで固唾を飲んで攻防を眺めている。
ついに、【被虐体質】によって素早さ極振りのユキノちゃんくらいまで加速し、攻撃力極振りのホムラちゃんくらいの威力の攻撃を放ち始めたセレナちゃんは、アンラマンユを追い詰めて、連続攻撃でそのHPを削り切りにいく。
「くっ……ここまでか――」
ついにアンラマンユのHPバーが消滅しようという時――
「――なんてなぁ! 【完全回復(フルキュア)】!」
「――!?」
みるみるアンラマンユのHPは回復していき――全快になってしまった。
「そんな――」
「ふふふふ……いいぞ、その絶望に歪んだ顔――アンラマンユ様はそれが見たかったのだ!」
「うわぁぁぁぁぁっ!! やばい!! ドSだぁぁぁぁっ!!」
「――でも、【被虐体質】のドMとドSで案外いい組み合わせなのかもしれ――ぶべらっ!!」
とんでもないことを言い始めたキラくんを反射的にぶん殴ってしまった。ごめんなさい。あとで回復薬あげるから。でも、例えばほら、夜の営みとかで、アンラマンユがセレナちゃんをバシバシ叩いてたりして、セレナちゃんがそれに快楽を感じているような光景は――なんというか、想像するだけで、おぇぇぇっ!! ってなるよ!!
「――さて、どうする? 降参するか? それとも最後までやるか?」
アンラマンユがセレナちゃんに声をかける。もう完全に勝利を確信しているような声。――でも。
「まさか。まだ負けてませんよ?」
セレナちゃんのこの声を合図に私はウィンドウを操作する。――発動するのは『エンゲージリング』によって使用可能になっているミルクちゃんの魔法。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【身代わり】
発動すると、一定時間味方の受けるダメージを代わりに受ける。
属性︰無
消費MP︰5
習得条件︰契約相手と愛を誓う
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
魔法【身代わり】を発動しました!
一定時間味方の受けるダメージを代わりに受けます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私は【身代わり】の魔法を発動し、対象にセレナちゃんを選択する。
「……ぅあぁぁっ」
思わず声が漏れた。お腹のあたりに銀色の光が宿ってセレナちゃんの代わりに私のHPが削られ始める。身体の中から何かを絶えず抉り取られているような感覚が私を襲った! セレナちゃんって、さっきまでこんな感覚をずっと味わってたんだ……これは確かに、ドMじゃないと耐えられないかも!
でも、同じ【被虐体質】持ちでHP極振りの私なら、まだまだ耐えられるっ!!
「ココアさん大丈夫ですか? なんか顔色悪いですけど……」
あぁぁぁぁっもう! こっち見んなキラくん! 私は必死なんだからさ!
「だ、大丈夫……」
「お前が変なこと言うけん、ご主人様が気分悪うなってしもうたんやなかと!?」
ミルクちゃんからのナイスアシストが入って、キラくんはこれ以上詮索することはなかった。――助かったぁ。目ざといキラくんのせいで迂闊に回復薬も飲めないや……。
「はぁぁぁぁっ!!」
セレナちゃんが再びアンラマンユに斬りかかる。いつまで経ってもHPが削り切られないセレナちゃんに対して、アンラマンユの顔に焦りが見え始めた。
「クソッ! 何故だ! HPは既に底をついているはずだろ!」
「そんなの! 根性でなんとでもなりますっ! はぁぁっ!!」
※根性ではありません!!
「――ぐぁぁっ!! クソッ!! クソックソッ!! 【ファントムムーヴ】!!」
このままじゃ埒が明かないと思ったのか、アンラマンユが魔法を唱えて黒いオーラをまとい、無理やり攻勢に出る。――だがそれが命取りだった。
セレナちゃんは素早い動きでアンラマンユのHPを削っていく。
「――はぁっ、はぁっ……」
私のHPも既に半分近く削られて――急いで、急いでセレナちゃんっ!! セレナちゃんもチラッと私のHPを横目で確認して、攻撃のスピードを上げる。
「――そこだぁっ!!」
「しまっ――!?」
アンラマンユの大剣が一瞬の隙をついてセレナちゃんの身体を捉えた。
「――んぐぅぅっ!?」
私の脇腹辺りにピンク色のダメージエフェクトが光って、HPがグンッと削られた。多分200以上は削られた。防御力は実際に受けたセレナちゃんの防御力をもとに算出されているはずだから、相当な攻撃力だ。私じゃなかったら死んでたかも!
――私は敵と味方に悟られないように必死に口を押えて声を出さないようにした。バレたら全て台無しになっちゃう!
「――なんだと!?」
アンラマンユは、攻撃が通用していないセレナちゃんを見て驚愕している。セレナちゃんはチラッとこちらを見て、まだ私のHPが残っていることを確認すると、にっこり笑った。
「――蚊が刺したんですかね? そんなちゃちい攻撃じゃ、私は倒せませんよ?」
「な、ななななっなんだと!? お前、化け物か!?」
「なんとでも、お好きなようにお呼びください」
完全に腰が引けてしまったアンラマンユ様に対して、セレナちゃんは容赦なく日本刀で連撃を見舞う。セレナちゃんが無敵なのは私のHPが続く限りだから、その前にアンラマンユを倒しきってもらわないと……。
「わ、分かった! もういい! 降参だ! 今日のところは引き上げてやる!」
ついに心が折れたアンラマンユが両手を上げて降参した。――勝者はセレナちゃん。
「「やったぁぁぁぁぁっ!!!!」」
パーティメンバーは一斉に歓声を上げ――私はその場にしゃがみこんだ。よかったぁ……バレなくて。――死ななくて。
また来るからなぁぁぁっ! という捨て台詞を残しながら撤退していく(約束は守るタイプらしい)アンラマンユを見送ると、興奮冷めやらぬクラウスさんといくつか言葉を交わし、セレナちゃんは私の元にゆっくりと歩いてきた。
「セレナちゃん……」
「ココアさん……助かりました。――ごめんなさい、痛い思いをさせてしまいましたね」
「いえ、大丈夫です。痛いのは慣れているので……」
「え、マジですかドMですか!?」
「――セレナちゃんもじゃないですか」
ぎゅっと、セレナちゃんは私を抱きしめた。あぁぁぁぁっ、またセレナちゃんの触り心地のいい程よいサイズのお胸に埋もれて……すごく安心する。この感覚、どこかで味わったような気がするような……? きっとデジャヴかな?
しかし、私を解放してくれたセレナちゃんは一言、私が聞こえるか聞こえないかくらいの声でこう呟いた。
「――やはり血は争えないものですね」
「……?」
「いえ、こちらの話です」
セレナちゃんは私を振り返ってふふふとミステリアスな笑みを浮かべた。
「ですから、私はあなたの妃にはなりませんから!」
セレナちゃんはアンラマンユの大剣を右脚で思いっきり蹴っ飛ばし、がら空きになった胴体に日本刀で袈裟斬り、すぐさま刃を返して水平斬り、そして左脚で蹴りを放ってアンラマンユを吹き飛ばす。
「ぐっ……!」
アンラマンユのHPは半分を切っている。明らかに攻撃が効いているが、セレナちゃんのHPの減少の方が激しいように見える。このままだと、敵を倒す前にセレナちゃんのHPが尽きてしまう! アンラマンユもそれに気づいたのか、無理に攻めることはしないで、回避に専念しているようだ。
「――ちょこまかと!」
「放っておけば勝手に負けてくれるのに、わざわざ倒しにいく必要もないよなぁ? そら、どんどん加速するぞ!」
悪態をつくセレナちゃんを嘲笑うかのように、アンラマンユは紫色のオーラをまといながら逃げに徹する。が、セレナちゃんも必死にそれに食らいつき、少しずつHPを削っていく。
「いけるか……? いけそうか?」
「いや、どうだろうな。微妙なところか……?」
クラウスさんとホムラちゃんは相変わらず真剣に決闘の行方を見守っているし、他の人も、『ハーフリング』の二人に至るまで固唾を飲んで攻防を眺めている。
ついに、【被虐体質】によって素早さ極振りのユキノちゃんくらいまで加速し、攻撃力極振りのホムラちゃんくらいの威力の攻撃を放ち始めたセレナちゃんは、アンラマンユを追い詰めて、連続攻撃でそのHPを削り切りにいく。
「くっ……ここまでか――」
ついにアンラマンユのHPバーが消滅しようという時――
「――なんてなぁ! 【完全回復(フルキュア)】!」
「――!?」
みるみるアンラマンユのHPは回復していき――全快になってしまった。
「そんな――」
「ふふふふ……いいぞ、その絶望に歪んだ顔――アンラマンユ様はそれが見たかったのだ!」
「うわぁぁぁぁぁっ!! やばい!! ドSだぁぁぁぁっ!!」
「――でも、【被虐体質】のドMとドSで案外いい組み合わせなのかもしれ――ぶべらっ!!」
とんでもないことを言い始めたキラくんを反射的にぶん殴ってしまった。ごめんなさい。あとで回復薬あげるから。でも、例えばほら、夜の営みとかで、アンラマンユがセレナちゃんをバシバシ叩いてたりして、セレナちゃんがそれに快楽を感じているような光景は――なんというか、想像するだけで、おぇぇぇっ!! ってなるよ!!
「――さて、どうする? 降参するか? それとも最後までやるか?」
アンラマンユがセレナちゃんに声をかける。もう完全に勝利を確信しているような声。――でも。
「まさか。まだ負けてませんよ?」
セレナちゃんのこの声を合図に私はウィンドウを操作する。――発動するのは『エンゲージリング』によって使用可能になっているミルクちゃんの魔法。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【身代わり】
発動すると、一定時間味方の受けるダメージを代わりに受ける。
属性︰無
消費MP︰5
習得条件︰契約相手と愛を誓う
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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魔法【身代わり】を発動しました!
一定時間味方の受けるダメージを代わりに受けます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私は【身代わり】の魔法を発動し、対象にセレナちゃんを選択する。
「……ぅあぁぁっ」
思わず声が漏れた。お腹のあたりに銀色の光が宿ってセレナちゃんの代わりに私のHPが削られ始める。身体の中から何かを絶えず抉り取られているような感覚が私を襲った! セレナちゃんって、さっきまでこんな感覚をずっと味わってたんだ……これは確かに、ドMじゃないと耐えられないかも!
でも、同じ【被虐体質】持ちでHP極振りの私なら、まだまだ耐えられるっ!!
「ココアさん大丈夫ですか? なんか顔色悪いですけど……」
あぁぁぁぁっもう! こっち見んなキラくん! 私は必死なんだからさ!
「だ、大丈夫……」
「お前が変なこと言うけん、ご主人様が気分悪うなってしもうたんやなかと!?」
ミルクちゃんからのナイスアシストが入って、キラくんはこれ以上詮索することはなかった。――助かったぁ。目ざといキラくんのせいで迂闊に回復薬も飲めないや……。
「はぁぁぁぁっ!!」
セレナちゃんが再びアンラマンユに斬りかかる。いつまで経ってもHPが削り切られないセレナちゃんに対して、アンラマンユの顔に焦りが見え始めた。
「クソッ! 何故だ! HPは既に底をついているはずだろ!」
「そんなの! 根性でなんとでもなりますっ! はぁぁっ!!」
※根性ではありません!!
「――ぐぁぁっ!! クソッ!! クソックソッ!! 【ファントムムーヴ】!!」
このままじゃ埒が明かないと思ったのか、アンラマンユが魔法を唱えて黒いオーラをまとい、無理やり攻勢に出る。――だがそれが命取りだった。
セレナちゃんは素早い動きでアンラマンユのHPを削っていく。
「――はぁっ、はぁっ……」
私のHPも既に半分近く削られて――急いで、急いでセレナちゃんっ!! セレナちゃんもチラッと私のHPを横目で確認して、攻撃のスピードを上げる。
「――そこだぁっ!!」
「しまっ――!?」
アンラマンユの大剣が一瞬の隙をついてセレナちゃんの身体を捉えた。
「――んぐぅぅっ!?」
私の脇腹辺りにピンク色のダメージエフェクトが光って、HPがグンッと削られた。多分200以上は削られた。防御力は実際に受けたセレナちゃんの防御力をもとに算出されているはずだから、相当な攻撃力だ。私じゃなかったら死んでたかも!
――私は敵と味方に悟られないように必死に口を押えて声を出さないようにした。バレたら全て台無しになっちゃう!
「――なんだと!?」
アンラマンユは、攻撃が通用していないセレナちゃんを見て驚愕している。セレナちゃんはチラッとこちらを見て、まだ私のHPが残っていることを確認すると、にっこり笑った。
「――蚊が刺したんですかね? そんなちゃちい攻撃じゃ、私は倒せませんよ?」
「な、ななななっなんだと!? お前、化け物か!?」
「なんとでも、お好きなようにお呼びください」
完全に腰が引けてしまったアンラマンユ様に対して、セレナちゃんは容赦なく日本刀で連撃を見舞う。セレナちゃんが無敵なのは私のHPが続く限りだから、その前にアンラマンユを倒しきってもらわないと……。
「わ、分かった! もういい! 降参だ! 今日のところは引き上げてやる!」
ついに心が折れたアンラマンユが両手を上げて降参した。――勝者はセレナちゃん。
「「やったぁぁぁぁぁっ!!!!」」
パーティメンバーは一斉に歓声を上げ――私はその場にしゃがみこんだ。よかったぁ……バレなくて。――死ななくて。
また来るからなぁぁぁっ! という捨て台詞を残しながら撤退していく(約束は守るタイプらしい)アンラマンユを見送ると、興奮冷めやらぬクラウスさんといくつか言葉を交わし、セレナちゃんは私の元にゆっくりと歩いてきた。
「セレナちゃん……」
「ココアさん……助かりました。――ごめんなさい、痛い思いをさせてしまいましたね」
「いえ、大丈夫です。痛いのは慣れているので……」
「え、マジですかドMですか!?」
「――セレナちゃんもじゃないですか」
ぎゅっと、セレナちゃんは私を抱きしめた。あぁぁぁぁっ、またセレナちゃんの触り心地のいい程よいサイズのお胸に埋もれて……すごく安心する。この感覚、どこかで味わったような気がするような……? きっとデジャヴかな?
しかし、私を解放してくれたセレナちゃんは一言、私が聞こえるか聞こえないかくらいの声でこう呟いた。
「――やはり血は争えないものですね」
「……?」
「いえ、こちらの話です」
セレナちゃんは私を振り返ってふふふとミステリアスな笑みを浮かべた。
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