トロイメア・オンライン! 〜ブラコンでロリ巨乳の私は、クソザコステータス『HP極振り』と残念魔法『自爆魔法』で、最強で快眠な女子になります〜

早見羽流

文字の大きさ
上 下
61 / 100
♡クール美人と修行開始♡

チートスキルを手に入れた! 〜変態の世界へようこそ!〜

しおりを挟む
「なるほど。つまり、罠にかかってレイプされそうになったけど、ミルクさんを投げてユキノさんが変身して気づいたら全裸になっていたと……」

「だから、最初そう言いましたよね!?」

 私は、神妙な様子で頷いているセレナちゃんにツッコミを入れた。ほら、セレナちゃんだって上手く表現できないじゃん。

「――にわかには信じられません。そもそも私たち『魔導族』は基本的にソロプレイヤーなので、『追憶の試練』なるクエストをクリアしたものはいないと思います」

 あー、確かに魔導族はパーティのメンバーと一緒に街に入ったりするとすぐにNPCから襲われるから、パーティ組みづらいのかも。セレナちゃんと同じ魔導族のホムラちゃんもずっとソロでダンジョンに潜ってたし……。『追憶の試練』みたいな、火力役とサポート役と俊足ランナーが必要なクエストは難しそうだ。


「魔導族って大変なんですね……」

「魔法によって改造された人間という設定ですから。身体のパーツが魔法で動く機械のようなものでできていて……アンドロイドみたいな感じです。要するに生き物ではないので、人間からすると受け入れ難いのかも――」

「でも、意思はあるし見た目はほとんど人間と変わらないじゃないですか!」

「見た目と触れた感触とかは人間と変わらないと思いますけど、私たちには体温がないので、少し冷たかったり……腕とか斬られると壊れて内部のパーツとか見えたりしますし……魔法を使ったりすると腕や脚が変形することもあって、結構抵抗ある人が多いみたいです」

「……」

 そういうものなのかなぁ。私は、かっこよくていいなって思うけど……うーん、やっぱり人によって考え方、感じ方は違うようだ。無意識に自分たちとは異なる者を排除しようとする本能。生き残る上では大事な事だと思うけれど、それが要らぬ差別を生んでいる。私はずっと病気を持って、いわゆる『障害者』として差別に晒されて生きてきたからその事が痛いほどよくわかった。なんとかしたいけど……これは難しい問題だ。

 でも、いつかこの世界から差別がなくなるといいな……。


「セレナちゃん! 私、セレナちゃんのことすごく尊敬しています! とても強いし、何回も助けてくれて、こうやって話してくれて……だから私はセレナちゃんのこと、人間と変わらないと思ってます!」

 まあ、リアルの中身が人間なのは事実だろうし……それに、可愛ければなんでもOKなんだよ。
 セレナちゃんはフッと自嘲気味に笑う。そして小さく「ありがとうございます」と呟いた。

「私たちは失敗作です。ココアさんの『ホムンクルス』も魔法で造られた生命体ですが、魔導族と違ってホムンクルスは完全な有機生命体。おまけに、短命であるものの魔力が高め。差別もされません。羨ましいです」

「私はセレナちゃんを失敗作だなんて思ってませんから!」

 意地の張り合いになってしまった。セレナちゃんはそんなやり取りを不毛だと思ったのか、そういえば、と話を変えてきた。

「『フェアリー』の種族スキルが【変化】だというのは分かりましたが、『ホムンクルス』の種族スキルって何なんですか?」

「ふっふっふー、今日はそれを見てもらおうと思ってたんです! ていうか私のステータスまとめて見てください! で、戦い方のアドバイスくださいっ!」

「えっ、いいんですか!?」

 セレナちゃんはかなり驚いた様子だ。まあ、自分のステータス覗かれるのをすごく嫌がっていたセレナちゃんだから、他人のステータスを覗くのも抵抗があるのかもしれない。でも、別に私は見られて困るようなスキルは……あるけど、私にはもう失うものはないから、セレナちゃんには見せちゃうよ!

「えーっと……ステータスの公開は……」

「ステータス画面を開いて『ステータス開示』と言えばできますけど……」

「あ、ありがとうございます! ――ステータス開示!!」


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前︰ココア
 性別︰『女』
 種族︰『ホムンクルス』
 ジョブ︰『闇霊使い』

 ステータス
 レベル︰13
 HP︰780
 MP︰100
 STR︰10
 VIT︰13
 INT︰18
 RES︰17
 AGI︰10
 DEX︰16
 RUK︰32

 スキル
【即死回避】 【幻惑】 【自動反撃】 【究極背水】 【初心者の証】 【殺戮者】 【被虐体質】 【魔力精製】

 魔法
【完全脱衣】 【ディストラクション+】 【看破】

 装備
 武器︰闇霊の杖 / 混沌精霊龍・カオスフェアリードラゴン
 頭︰生命のサークレット
 体︰精霊のワンピース
 腕︰生命の腕輪
 足︰生命のアンクレット
 装飾品︰エンゲージリング

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「――うわぁ」

「ちょっと! 引かないでください! 確かに変態的なスキルとか魔法とかありますけど!」

 セレナちゃんは、私の前に近づいてきて、私のステータス画面に触れる。セレナちゃんが触れたのは【魔力精製】のスキル。さすがセレナちゃん。そう、それが種族スキルです。
 スキルに触れると、セレナちゃんもそのスキルの説明が読めるようだ。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【魔力精製】
 敵を倒す度にMPが回復し、次に唱える魔法の詠唱時間が短縮される。
 習得条件:種族『ホムンクルス』で、エクストラクエスト【追憶の試練】をクリアする。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「……」

 セレナちゃんは【魔力精製】のスキルを眺めながら固まってしまった。あれ? どうしたんだろう? 確かに強いスキルだと思うけど、私の場合敵を倒すまでが大変なんだけど……。

「――な」

「な?」


「――なんてスキルを習得してしまったんですかあなたは!!!!」

「はぁっ!?」

「このスキル……下手するとゲームバランスを崩しかねませんよ!?」

 えー、なにそれ、いくらなんでもそんなに強いわけ……。

 ……。

 …………。

 ………………。

「はぁぁぁぁぁぁっ!?!?」


「あぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 私が上げた叫び声に合わせるように、すっぽんぽんでぼーっと立っていたユキノちゃんがこの世のものとは思えない声で絶叫した。あっ、そういえばユキノちゃん達のことを忘れてたよ。

「ど、どったのユキノちゃん!?」

 どったのって言っても、すっぽんぽんなんだからどったのもクソもない。



「――【完全脱衣(フルパージ)】って……何なんですかこのスキルはぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 あ、ごめんユキノちゃん。それ私も持ってるやつ……。いらっしゃい、変態(こっち)の世界へ!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ
SF
日本が地球の盟主となった世界に 宇宙から強力な侵略者が攻めてきた、 此は一隻の宇宙戦艦がやがて銀河の英雄戦艦と 呼ばれる迄の奇跡の物語である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...