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♡イケメン騎士と過ごす第1夜♡
初めての自爆! 〜ロリ巨乳だってボスを倒したい!〜
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――ガンッ!!
硬いもの同士がぶつかり合う音。――ん? この表現ちょっと卑猥? ――まあいいや、とにかくそんな音がして、『アーマードスタッグ』の大顎を、クラウスさんが盾で弾き返した。そしてすぐさまロングソードで反撃! モンスターの脚を思いっきり斬りつけた。
――ゴンッ!!
「クソッ! やっぱり効かねぇか!」
「頑張ってくださいクラウスさん!」
「おう!」
私の声援に、クラウスさんは軽く手を上げて応える。自爆魔法以外の攻撃手段を持ち合わせていない私は、ただ少し離れたところからその様子を見守るしかない。そう、今はあと50秒……ううん40秒、ノーダメージで耐えることが私の仕事!
――キァァァァァァッ!!
『アーマードスタッグ』は、再び咆哮を上げて、今度は大顎を大きく開いてクラウスさんを挟みにきた!
「させるかよっ!」
――ガシッ!!
クラウスさんは、大きな盾を横向きにして『アーマードスタッグ』の大顎の間に押し込んだ。すると、敵の顎は開いたまま閉じられなくなってしまった。だが――
――キェァァァァァァッ!!
「ぐっ!?」
敵がひょいと首をもたげると、盾はそのままクラウスさんの手を離れ、敵の背後の茂みへと飛んでいった。
――ギァァァァァァァッ!!
『アーマードスタッグ』の大顎が、盾を失ったクラウスさんの身体を挟む。そして、敵は何やら口から紫色の液体を噴射した。液体の直撃を受けたクラウスさんのHPは、今までほとんど減っていなかったのが、急速に減少し始める。どうなっているんだろう? とにかく助けなきゃ!
「クラウスさんっ!!」
「おいやめろ! 来るな! 毒攻撃だ!」
「知らないですよそんなの!」
私は巨大なクワガタムシ――『アーマードスタッグ』に側面から駆け寄ると
「えーいっ!」
――コツンッ
杖で一撃殴りつけた! でも、当たり前だけど効いていない! 私の物理攻撃力はたったの4だからね! でもダメージを与えるのが目的じゃない。なぜなら――
――ギシャァァァァァァァァッ!!
よし、いい子いい子、こっちにおいで!
『アーマードスタッグ』がクラウスさんを解放して私に向き直る。そして、大顎を振りかざして私を餌食にしようとしてきた! 回避できない! 素早さ足りないし!
「お嬢ちゃんっ!!」
クラウスさんの悲痛な叫び声が聞こえる。
でも、私はじっとクワガタムシを見つめていた。来い……来い……そのまま!!
ついに、その顎が私の横腹を捉えようとした時――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スキル【幻惑】が発動しました! 攻撃を回避しました!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クワガタムシの大顎はあらぬ方向へ逸れていく。
――そして
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スキル【自動反撃(オートカウンター)】が発動しました!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「食らっとけぇぇぇぇぇっ!!」
私の杖から黒いトカゲみたいな形をした影のようなものが伸びて、目の前の敵に襲いかかる!
――ギァァァァァァァァッ!!
敵のHPが少しだけだけど減った! 物理防御は高いけれど魔法の防御はそこまでじゃないのかもしれない!
そして、【自動反撃】によって起こったことはそれだけではなかった。
『アーマードスタッグ』は、黒い影の攻撃を受けて、大顎が上に跳ね上げられ、大きく仰け反ったのだ!
「『ノックバック』だ! 今だお嬢ちゃん!」
言われなくてもそのつもりだよクラウスさん! 視界上部の水色のバーはちょうど削りきられ、『【ディストラクション】発動可能』のメッセージがウィンドウに現れたところだった。私のHPはまだ少しも削られていない! 機は熟した!
――そんじゃあ派手にぶちかましますか!!
「地獄の淵で反省しろぉぉぉぉぉぉっ!!!!
――【ディストラクション】ッッッ!!!!!!」
[125399600/1589370481.png]
叫びながら、私はクワガタムシの脚に抱きつく。と、同時に私の下腹部からなんとも言えない熱いようなムラムラするような感覚とともに黒い光のようなものが迸(ほとばし)った。
その光はたちまち私の身体と敵と……あとその周辺の諸々(もろもろ)を包み込んでいき――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スキル【即死回避】が発動しました!
スキル【究極背水】が発動しました!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――ギャァァァァァァァァッ!?!?!?
「あぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
えーっと、上から『アーマードスタッグ』と、私と、あとクラウスさんの断末魔の叫びです。いかがでしょうか? えっ? なんでクラウスさんが苦しんでるのかって? ……なんでだろう?
とにかく私は全身が灼けるような感覚と、あとなんとも言えない爽快感に襲われて、荒い息をつきながらその場に崩れ落ちた。
見ると、『アーマードスタッグ』は跡形もなく消え去っているし、周りの草木も、クラウスさんも……消え去ってしまっていた。えっと、私のHPが450で、【究極背水】で2倍のダメージだから、900のダメージをそこらじゅうに撒き散らしてしまったらしい。
「はぁ……はぁ……うぉぉ……しゅ、しゅごいよこれ……」
痛みに関しては、病気のせいで小さい頃から痛みに強い私からしてみれば大したことなかったけど、この穢れを全て出し切ったかのような爽快感が半端ない! うーん、私が男の子だったら『夢精(むせい)』っていうのをしてしまったかもしれない!
すると、ピコンッとステータス画面にメッセージが……なんだろう。今それどころじゃないのに……。これが『賢者タイム』ってやつなのかな?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『アーマードスタッグ』を撃破しました!
素材アイテム『クワガタムシのツノ』を手に入れました!
ココアはレベル7になりました!
スキル【自爆強化】を習得しました!
【自爆強化】
自爆魔法のダメージが2倍になる。
習得条件︰死亡せずに自爆魔法を使用する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あれ、レベルが2も上がってる。【初心者の証】ボーナスかな? しかもなんか素材っぽいアイテムと、自爆魔法を強化してくれるスキルを手に入れてる。やったぁ!
それを見て賢者タイムから復活した私は、早速ボーナスポイントを全てHPに振り、青色でラムネの味がする回復薬と、緑色でメロンソーダの味がするMP回復薬をガブガブ飲んでHPとMPを回復させると辺りを見回した。
あれ、あそこにある銀色のマテリアルは……? アイテムかな?
近づくと、なんか鎧のようなものが落ちているし……あ、あっちには盾……こっちには剣……これ、クラウスさんの装備じゃん!!
ピコンッとまたメッセージが出てくる。今度はシステムメッセージじゃなくて、プレイヤーからのものらしい。確認してみると案の定クラウスさんからだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
差出人︰クラウス
タイトル︰死んだわwww
本文︰自爆魔法の範囲を甘く見ていたようだな。見事にお嬢ちゃんに殺されたwww
そこら辺に俺の装備が落ちてないか?
悪いが他のプレイヤーに回収される前に拾っておいてくれ。
あとお嬢ちゃん一人でうろうろするのは危ないから俺がそこに行くまで待っていてくれよ。
……それじゃあまた後で!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
えーっ、またクラウスさんがえっちらおっちら何時間もかけてここまで来るまで待ってなきゃいけないの!? そんなぁ!!
私はクラウスさんの装備をかき集めながら、途方に暮れたのだった。
硬いもの同士がぶつかり合う音。――ん? この表現ちょっと卑猥? ――まあいいや、とにかくそんな音がして、『アーマードスタッグ』の大顎を、クラウスさんが盾で弾き返した。そしてすぐさまロングソードで反撃! モンスターの脚を思いっきり斬りつけた。
――ゴンッ!!
「クソッ! やっぱり効かねぇか!」
「頑張ってくださいクラウスさん!」
「おう!」
私の声援に、クラウスさんは軽く手を上げて応える。自爆魔法以外の攻撃手段を持ち合わせていない私は、ただ少し離れたところからその様子を見守るしかない。そう、今はあと50秒……ううん40秒、ノーダメージで耐えることが私の仕事!
――キァァァァァァッ!!
『アーマードスタッグ』は、再び咆哮を上げて、今度は大顎を大きく開いてクラウスさんを挟みにきた!
「させるかよっ!」
――ガシッ!!
クラウスさんは、大きな盾を横向きにして『アーマードスタッグ』の大顎の間に押し込んだ。すると、敵の顎は開いたまま閉じられなくなってしまった。だが――
――キェァァァァァァッ!!
「ぐっ!?」
敵がひょいと首をもたげると、盾はそのままクラウスさんの手を離れ、敵の背後の茂みへと飛んでいった。
――ギァァァァァァァッ!!
『アーマードスタッグ』の大顎が、盾を失ったクラウスさんの身体を挟む。そして、敵は何やら口から紫色の液体を噴射した。液体の直撃を受けたクラウスさんのHPは、今までほとんど減っていなかったのが、急速に減少し始める。どうなっているんだろう? とにかく助けなきゃ!
「クラウスさんっ!!」
「おいやめろ! 来るな! 毒攻撃だ!」
「知らないですよそんなの!」
私は巨大なクワガタムシ――『アーマードスタッグ』に側面から駆け寄ると
「えーいっ!」
――コツンッ
杖で一撃殴りつけた! でも、当たり前だけど効いていない! 私の物理攻撃力はたったの4だからね! でもダメージを与えるのが目的じゃない。なぜなら――
――ギシャァァァァァァァァッ!!
よし、いい子いい子、こっちにおいで!
『アーマードスタッグ』がクラウスさんを解放して私に向き直る。そして、大顎を振りかざして私を餌食にしようとしてきた! 回避できない! 素早さ足りないし!
「お嬢ちゃんっ!!」
クラウスさんの悲痛な叫び声が聞こえる。
でも、私はじっとクワガタムシを見つめていた。来い……来い……そのまま!!
ついに、その顎が私の横腹を捉えようとした時――
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スキル【幻惑】が発動しました! 攻撃を回避しました!
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クワガタムシの大顎はあらぬ方向へ逸れていく。
――そして
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スキル【自動反撃(オートカウンター)】が発動しました!
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「食らっとけぇぇぇぇぇっ!!」
私の杖から黒いトカゲみたいな形をした影のようなものが伸びて、目の前の敵に襲いかかる!
――ギァァァァァァァァッ!!
敵のHPが少しだけだけど減った! 物理防御は高いけれど魔法の防御はそこまでじゃないのかもしれない!
そして、【自動反撃】によって起こったことはそれだけではなかった。
『アーマードスタッグ』は、黒い影の攻撃を受けて、大顎が上に跳ね上げられ、大きく仰け反ったのだ!
「『ノックバック』だ! 今だお嬢ちゃん!」
言われなくてもそのつもりだよクラウスさん! 視界上部の水色のバーはちょうど削りきられ、『【ディストラクション】発動可能』のメッセージがウィンドウに現れたところだった。私のHPはまだ少しも削られていない! 機は熟した!
――そんじゃあ派手にぶちかましますか!!
「地獄の淵で反省しろぉぉぉぉぉぉっ!!!!
――【ディストラクション】ッッッ!!!!!!」
[125399600/1589370481.png]
叫びながら、私はクワガタムシの脚に抱きつく。と、同時に私の下腹部からなんとも言えない熱いようなムラムラするような感覚とともに黒い光のようなものが迸(ほとばし)った。
その光はたちまち私の身体と敵と……あとその周辺の諸々(もろもろ)を包み込んでいき――
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スキル【即死回避】が発動しました!
スキル【究極背水】が発動しました!
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――ギャァァァァァァァァッ!?!?!?
「あぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
えーっと、上から『アーマードスタッグ』と、私と、あとクラウスさんの断末魔の叫びです。いかがでしょうか? えっ? なんでクラウスさんが苦しんでるのかって? ……なんでだろう?
とにかく私は全身が灼けるような感覚と、あとなんとも言えない爽快感に襲われて、荒い息をつきながらその場に崩れ落ちた。
見ると、『アーマードスタッグ』は跡形もなく消え去っているし、周りの草木も、クラウスさんも……消え去ってしまっていた。えっと、私のHPが450で、【究極背水】で2倍のダメージだから、900のダメージをそこらじゅうに撒き散らしてしまったらしい。
「はぁ……はぁ……うぉぉ……しゅ、しゅごいよこれ……」
痛みに関しては、病気のせいで小さい頃から痛みに強い私からしてみれば大したことなかったけど、この穢れを全て出し切ったかのような爽快感が半端ない! うーん、私が男の子だったら『夢精(むせい)』っていうのをしてしまったかもしれない!
すると、ピコンッとステータス画面にメッセージが……なんだろう。今それどころじゃないのに……。これが『賢者タイム』ってやつなのかな?
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『アーマードスタッグ』を撃破しました!
素材アイテム『クワガタムシのツノ』を手に入れました!
ココアはレベル7になりました!
スキル【自爆強化】を習得しました!
【自爆強化】
自爆魔法のダメージが2倍になる。
習得条件︰死亡せずに自爆魔法を使用する。
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あれ、レベルが2も上がってる。【初心者の証】ボーナスかな? しかもなんか素材っぽいアイテムと、自爆魔法を強化してくれるスキルを手に入れてる。やったぁ!
それを見て賢者タイムから復活した私は、早速ボーナスポイントを全てHPに振り、青色でラムネの味がする回復薬と、緑色でメロンソーダの味がするMP回復薬をガブガブ飲んでHPとMPを回復させると辺りを見回した。
あれ、あそこにある銀色のマテリアルは……? アイテムかな?
近づくと、なんか鎧のようなものが落ちているし……あ、あっちには盾……こっちには剣……これ、クラウスさんの装備じゃん!!
ピコンッとまたメッセージが出てくる。今度はシステムメッセージじゃなくて、プレイヤーからのものらしい。確認してみると案の定クラウスさんからだった。
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差出人︰クラウス
タイトル︰死んだわwww
本文︰自爆魔法の範囲を甘く見ていたようだな。見事にお嬢ちゃんに殺されたwww
そこら辺に俺の装備が落ちてないか?
悪いが他のプレイヤーに回収される前に拾っておいてくれ。
あとお嬢ちゃん一人でうろうろするのは危ないから俺がそこに行くまで待っていてくれよ。
……それじゃあまた後で!
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えーっ、またクラウスさんがえっちらおっちら何時間もかけてここまで来るまで待ってなきゃいけないの!? そんなぁ!!
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