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♡ちゅ〜とりある♡
お兄ちゃんっ子だってゲームとリアルの区別はついてますから!
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◇ ◆ ◇
「えっ!? じゃあみんな『トロイメア・オンライン』をやってたの!?」
ゲームからログアウトしたあと、食事の席で私は驚きの声を上げた。お兄ちゃんはやってるの分かってたけど、まさかお父さんとお母さんまでやってたなんて……。
「そうよ? 今日の夕食は昨日の残りのカレーだから、数分前に起きてちゃちゃっと作っちゃったわ」
と、私の目の前のテーブルに置かれた皿を手に取って、鍋のカレーをよそいながらお母さんが笑った。いやいや、手抜きアピールされても嬉しくないよ!
「今日はサービス開始日だからな。俺も仕事を早めに切り上げて、少しだけ弄ってきた」
と、今度は私とテーブルを挟んで反対側に座っているジャージ姿のお父さん。もうすっかりリラックスしている。普段だとまだ仕事してる時間なのに!
「たまには家族団欒もいいですよね~」
「あぁ」
普段はあまり言葉を交わさないお母さんとお父さんは、珍しく顔を見合わせてにこにこしている。よほど快眠だったらしい。
かくいう私も、ログアウトした後の爽快感が半端なくて、ついゲームの癖でその場で歩きだそうとして転びかけたりした。危ない危ない。
「なーんだ。言ってくれればゲームでも会いに行ったのに! 私なんか凄かったよ! いきなり大冒険しちゃったもん! 銀髪オッドアイの美人、セレナちゃんに抱っこされてー、あ、あと、可愛いユキノちゃんって子とか、ホムラちゃんって子にも――」
「――ブフッ!?」
私の隣の席で、水を飲んでいたお兄ちゃんが突然むせた。もう、何事?
「お兄ちゃん大丈夫?」
「ゲホッゲホッ……すまん変なところに入った」
「急いで食べるからそうなるんだよ……」
「……ん、あぁ」
心配してあげたのに、私から目を逸らすお兄ちゃん。他の家族も何故か誰も言葉を発しない。気まずい沈黙が流れた。あれ? 私なんか変なこと言っちゃった?
「――なぁ心凪(ここな)?」
「なによ改まって」
しばらくして口を開いたお兄ちゃん。お兄ちゃんが私の事を「お前」じゃなくて名前で呼ぶってことは、大事な話だということだ。私は無意識に背筋を正した。
「ゲームのことはあくまでもゲーム。リアルはリアル。だから、ゲームのことをリアルに持ち出すのはやめよう。もちろん逆もな」
「――はい」
「ゲーム内でも家族の関係を続けるのはダルいだろ?」
「――たしかに」
言われてみればそれはちょっとめんどくさいかも。でもなんでいきなりそんなこと言い始めるんだろう……?
と、私はとんでもない可能性に気がついてしまった!
私がさっき会った人達の話をした時に場の空気が変わった。……ということは、もしかして――
――家族の誰かと
――私は会っていたのかもしれない
今日私が会ったのは、美少女で痴女でオッサンのホムラちゃん、純粋乙女で逃げ足の速いユキノちゃん、そしてクール系美人のセレナちゃん。
私はじっとお兄ちゃんの顔を伺う。そして、もぐもぐとカレーを咀嚼するお父さん。やっと席に着いて食事を始めたばかりのお母さんを伺う。
――いったい誰が誰なの!?
誰もなにも喋らなくなってしまった食卓で、私はひたすら首を傾げていた。
◇ ◆ ◇
《トロイメア・オンライン(TMO) 総合雑談掲示板♪》
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【朗報】『トロオン』ついにサービス開始!
21.名無しさん
マジかよwwちょっと今からログインしてくるわwww
22.名無しさん
>>21
正式サービス開始は変わらず9時やで 今はデモプレイみたいな感じ
23.名無しさん
>>22
今メンテしとるで
26.名無しさん
>>23
そま!?
28.名無しさん
>>23
kwsk
29.名無しさん
>>21
メンテ中だったんご(´;ω;`)
30.名無しさん
>>29
さすがに草www
35.名無しさん
>>28
なんでも『初心者の証』に関する修正らしい。装飾品扱いにしてたら、初心者から『初心者の証』を買い取ったり奪い取ったりするベータテスターの輩が大量発生して、運営が手を焼いてるんだと。だからスキル扱いにするための修正作業やってるんだって。
36.名無しさん
>>35
運営無能wwwでもそれが正式サービス開始までに分かってよかったなwww
39.名無しさん
メインフィールドが解放されたら、『初心者の証』を巡ってPK(プレイヤーキル)が多発するんですねわかります。
40.名無しさん
街の地下の隠しダンジョンが解放されてたのは知ってた? あそこで『初心者の証』をつけて無双してたベータテスターがいたらしい。
43.名無しさん
>>40
マジかよwww敵モンスター出現するところは軒並み解放されてないかと思ってたわwww羨ましすぎるwww
44.名無しさん
『白翼』のセレナちゃそ 謎の初心者を抱えて地下ダンジョンで無双の巻 一般通行人ワイ 呆然
45.名無しさん
>>44
ま!?
「えっ!? じゃあみんな『トロイメア・オンライン』をやってたの!?」
ゲームからログアウトしたあと、食事の席で私は驚きの声を上げた。お兄ちゃんはやってるの分かってたけど、まさかお父さんとお母さんまでやってたなんて……。
「そうよ? 今日の夕食は昨日の残りのカレーだから、数分前に起きてちゃちゃっと作っちゃったわ」
と、私の目の前のテーブルに置かれた皿を手に取って、鍋のカレーをよそいながらお母さんが笑った。いやいや、手抜きアピールされても嬉しくないよ!
「今日はサービス開始日だからな。俺も仕事を早めに切り上げて、少しだけ弄ってきた」
と、今度は私とテーブルを挟んで反対側に座っているジャージ姿のお父さん。もうすっかりリラックスしている。普段だとまだ仕事してる時間なのに!
「たまには家族団欒もいいですよね~」
「あぁ」
普段はあまり言葉を交わさないお母さんとお父さんは、珍しく顔を見合わせてにこにこしている。よほど快眠だったらしい。
かくいう私も、ログアウトした後の爽快感が半端なくて、ついゲームの癖でその場で歩きだそうとして転びかけたりした。危ない危ない。
「なーんだ。言ってくれればゲームでも会いに行ったのに! 私なんか凄かったよ! いきなり大冒険しちゃったもん! 銀髪オッドアイの美人、セレナちゃんに抱っこされてー、あ、あと、可愛いユキノちゃんって子とか、ホムラちゃんって子にも――」
「――ブフッ!?」
私の隣の席で、水を飲んでいたお兄ちゃんが突然むせた。もう、何事?
「お兄ちゃん大丈夫?」
「ゲホッゲホッ……すまん変なところに入った」
「急いで食べるからそうなるんだよ……」
「……ん、あぁ」
心配してあげたのに、私から目を逸らすお兄ちゃん。他の家族も何故か誰も言葉を発しない。気まずい沈黙が流れた。あれ? 私なんか変なこと言っちゃった?
「――なぁ心凪(ここな)?」
「なによ改まって」
しばらくして口を開いたお兄ちゃん。お兄ちゃんが私の事を「お前」じゃなくて名前で呼ぶってことは、大事な話だということだ。私は無意識に背筋を正した。
「ゲームのことはあくまでもゲーム。リアルはリアル。だから、ゲームのことをリアルに持ち出すのはやめよう。もちろん逆もな」
「――はい」
「ゲーム内でも家族の関係を続けるのはダルいだろ?」
「――たしかに」
言われてみればそれはちょっとめんどくさいかも。でもなんでいきなりそんなこと言い始めるんだろう……?
と、私はとんでもない可能性に気がついてしまった!
私がさっき会った人達の話をした時に場の空気が変わった。……ということは、もしかして――
――家族の誰かと
――私は会っていたのかもしれない
今日私が会ったのは、美少女で痴女でオッサンのホムラちゃん、純粋乙女で逃げ足の速いユキノちゃん、そしてクール系美人のセレナちゃん。
私はじっとお兄ちゃんの顔を伺う。そして、もぐもぐとカレーを咀嚼するお父さん。やっと席に着いて食事を始めたばかりのお母さんを伺う。
――いったい誰が誰なの!?
誰もなにも喋らなくなってしまった食卓で、私はひたすら首を傾げていた。
◇ ◆ ◇
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21.名無しさん
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22.名無しさん
>>21
正式サービス開始は変わらず9時やで 今はデモプレイみたいな感じ
23.名無しさん
>>22
今メンテしとるで
26.名無しさん
>>23
そま!?
28.名無しさん
>>23
kwsk
29.名無しさん
>>21
メンテ中だったんご(´;ω;`)
30.名無しさん
>>29
さすがに草www
35.名無しさん
>>28
なんでも『初心者の証』に関する修正らしい。装飾品扱いにしてたら、初心者から『初心者の証』を買い取ったり奪い取ったりするベータテスターの輩が大量発生して、運営が手を焼いてるんだと。だからスキル扱いにするための修正作業やってるんだって。
36.名無しさん
>>35
運営無能wwwでもそれが正式サービス開始までに分かってよかったなwww
39.名無しさん
メインフィールドが解放されたら、『初心者の証』を巡ってPK(プレイヤーキル)が多発するんですねわかります。
40.名無しさん
街の地下の隠しダンジョンが解放されてたのは知ってた? あそこで『初心者の証』をつけて無双してたベータテスターがいたらしい。
43.名無しさん
>>40
マジかよwww敵モンスター出現するところは軒並み解放されてないかと思ってたわwww羨ましすぎるwww
44.名無しさん
『白翼』のセレナちゃそ 謎の初心者を抱えて地下ダンジョンで無双の巻 一般通行人ワイ 呆然
45.名無しさん
>>44
ま!?
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