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すいーつ
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「せんぱい、今日は何しますか?」
「そうだねぇ……」
放課後、あたしはいつものように寮の部屋で先輩と過ごしていた。最近は生徒会の仕事も一段落したので、こうして二人で過ごすことが多い。
「まっちゃん、何かやりたいこととかないの? ゲームとか……」
「特にないですね……」
「そう……」
先輩は少し残念そうな顔をしている。あたしとしては、先輩と一緒だったら何でもいいんだけどね。そんなことを考えていると、先輩は急に立ち上がった。
「よし! じゃあ、出かけよう!」
「えっ、どこにですか?」
「まっちゃん、甘い物好きでしょ。だから、スイーツバイキングに行こうよ」先輩がすすんで出かけたがるのは珍しい。出かけるよりも部屋でイチャイチャしたがるタイプだから。
「本当ですか!? 行きたいです!!」
「決まりだね。着替えたら行こっか?」
「はいっ!」
あたしは嬉しくて、思わず抱きついてしまう。すると、先輩が頭を撫でてくれた。気持ち良くなって、もっとしてほしいと思ってしまう。
「せんぱい、キスしてもいいですか?」
「うん……」
先輩と唇を重ねる。しばらく続けていると、だんだん頭がボーッとしてきた。そのうちに、あたしは無意識のうちに舌を入れていたらしい。気付いた時には、先輩が苦しそうにしているところだった。慌てて離すと、「大丈夫ですか?」と尋ねる。
「うん……」
先輩はまだ苦しそうだ。顔を見ると真っ赤になっている。あたしは申し訳なくなって謝った。
「ごめんなさい……」
「ううん、気にしないで……」
先輩は笑ってくれたけど、あたしは自分が情けなくなった。
「本当にすみません……」
「もういいってば……」
「せんぱい……」
「どうしたの?」
「大好きです」
あたしはそう言うと、再び先輩と口づけを交わした。今度は優しく……。しばらくしてから離れると、今度は先輩の方からキスをしてくれた。あたしたちはしばらく見つめ合うと、どちらからともなく笑みを浮かべる。
「まっちゃん、早く準備しようよ」
「はい……」
あたしは先輩の言葉に従って、着替えを始めた。
外に出ると、あたしは先輩と腕を組んで歩いていた。時々、すれ違う人から視線を感じることがあるけれど、あまり気にしないようにしていた。
「まっちゃん、恥ずかしくないの?」
「せんぱいとなら平気ですよ」
「そっか……」
「それに、見せつけてやりましょうよ」
「うん……でも、あんまりそういうことは言わないようにね。誤解されちゃうかもだし……」
「はーい……」
あたしたちは歩き続ける。やがて、目的地が見えてきた。そこにはたくさんのお店がある。あたしは目を輝かせながら言った。
「せんぱい、楽しみです!」
「わたしもだよ……」
あたしは先輩の手を引いて入っていく。中に入ると、美味しそうな匂いが漂ってきた。あたしたちは席に着くと、メニュー表を見る。
「どれを食べますか?」
「そうだなぁ……」
「これなんてどうでしょう?」
「いいね、それ……」
二人で相談した結果、それぞれ好きなものを食べることにした。まずは先輩から食べることにする。
「いただきま~す♪」
あたしが選んだのは、パンケーキだ。生地の上にはバターと蜂蜜がかけられていて、とても甘そうだ。一口サイズに切り分けると、口に運ぶ。ふわっとした食感のあと、蜂蜜の甘味が広がる。
「おいしい……」
次はあたしが先輩の分を取る番だ。何を選ぶのか興味津々だったけど、予想に反して無難なものを選んだ。シュークリームだ。
「せんぱい、これも食べていいんですよ?」
「わたしはこれで充分だよ。それより、まっちゃんも自分の食べたら?」
「わかりました……」
あたしは自分の分のパンケーキを口にする。やっぱり甘くておいしかった。次にシュークリームを頬張る。こちらも絶品だった。先輩も満足そうにしている。良かった……と思った。
「せんぱい、クリームついていますよ……」
「えっ?」
「ほら、ここです……」
あたしは先輩の唇の端についたクリームを指で拭き取ると、そのまま舐め取った。先輩は突然のことに顔を真っ赤にしていた。
「ありがとう……」
「いえいえ……」
その後も、お互いにスイーツを堪能した。そして、会計を済ませると、店を後にした。
「うーん……おなかいっぱい」
「ちょっと食べすぎちゃったかもですね……」
「このままだと太っちゃうかも……」
「先輩は十分痩せてるので大丈夫ですよ?」
「ううんダメ。太ったらまっちゃんに嫌われちゃう」
「そんなことないですって……」
「ダメなの……! ねぇ、この後寮に戻って運動しない? ……えっちな運動」
「えぇ……」
「いいでしょ?」
「まあ、いいですけど……」
「やった!」
先輩は嬉しそうな顔であたしを見てくる。その顔を見ると、何も言えなくなってしまうのだ。先輩はほとんど毎日欠かさずえっちをしたがる。あたしが忘れていると、こうやっておねだりしてくることも多い。その理由はめちゃくちゃだったりすることがほとんどだけど、先輩がえっちしたいと思ってるということは分かるし、必死にこじつけを考えているのは可愛いので良しとすることにした。
「じゃあ、行こっか?」
「はい……」
あたしたちは手を繋いで歩き始めた。あたしは先輩のことを見上げる。すると、先輩は微笑んでくれた。それだけで幸せになれる気がした。
「せんぱい、大好きです……」
「わたしもだよ……」
いつものやり取りを繰り返す。こうやってこまめに愛を確認しないとお互い不安になってしまうのだ。でも、期待したとおりの回答が返ってくるとなんとも言えない幸福感に包まれる。
恋をするとはこういうことなのだと最近気づいた。
(でも、もし期待しているのとは違う答えが返ってくる日が来たとしたら……?)
あたしは心の中で呟いた……。想像するだけで冷や汗が出てくる。やめやめ! 変なことは考えないことにしよう。
☆☆☆
「せんぱい、まだですかー?」
「もう少し待って……」
あたしはベッドの上で寝転んでいた。先輩はさっきからシャワーを浴びていて、なかなか出てこない。あたしは退屈になっていた。もう待ちきれないのに……。
「せんぱい、早くぅ……」
「わかった、今行くよ……」
しばらくして、ようやく先輩が出てきた。バスタオル一枚の姿のまま近づいてくる。あたしは起き上がると、先輩を抱き締めた。先輩は小さく声を上げる。
「まっちゃん、いきなり抱きつかないでよ……」
「せんぱいが悪いんです。こんな格好してたら我慢できません……」
あたしはそのまま先輩を押し倒す。先輩は抵抗しなかった。むしろ受け入れてくれていた。私が急に襲っても先輩はいつも拒絶しない。それが嬉しい。
「せーんぱいっ……」
あたしは先輩にキスをする。最初は軽く触れるだけのものだったけど、だんだん激しくなっていく。やがて舌を入れようとした時だった。
「ストップ……」
先輩が制止の声を上げた。あたしはそれを無視して続けようとする。しかし、先輩はそれを許さなかった。
「これ以上やるならもっとすごいことさせてあげないよ?」
「ごめんなさい……」
あたしはすぐに謝った。先輩の顔には少し怒りの色が見える。ちょっと意地悪されているだけで本気で怒っているわけではないと思うけど、あまり調子に乗ると先輩の機嫌が悪くなるので気をつけなければならない。
「ふぅ……はい、いいよ?」
「えっ?」
「して、いいよ? わたしのこと気持ちよくして……」
「もちろんですよ……」
「そうだねぇ……」
放課後、あたしはいつものように寮の部屋で先輩と過ごしていた。最近は生徒会の仕事も一段落したので、こうして二人で過ごすことが多い。
「まっちゃん、何かやりたいこととかないの? ゲームとか……」
「特にないですね……」
「そう……」
先輩は少し残念そうな顔をしている。あたしとしては、先輩と一緒だったら何でもいいんだけどね。そんなことを考えていると、先輩は急に立ち上がった。
「よし! じゃあ、出かけよう!」
「えっ、どこにですか?」
「まっちゃん、甘い物好きでしょ。だから、スイーツバイキングに行こうよ」先輩がすすんで出かけたがるのは珍しい。出かけるよりも部屋でイチャイチャしたがるタイプだから。
「本当ですか!? 行きたいです!!」
「決まりだね。着替えたら行こっか?」
「はいっ!」
あたしは嬉しくて、思わず抱きついてしまう。すると、先輩が頭を撫でてくれた。気持ち良くなって、もっとしてほしいと思ってしまう。
「せんぱい、キスしてもいいですか?」
「うん……」
先輩と唇を重ねる。しばらく続けていると、だんだん頭がボーッとしてきた。そのうちに、あたしは無意識のうちに舌を入れていたらしい。気付いた時には、先輩が苦しそうにしているところだった。慌てて離すと、「大丈夫ですか?」と尋ねる。
「うん……」
先輩はまだ苦しそうだ。顔を見ると真っ赤になっている。あたしは申し訳なくなって謝った。
「ごめんなさい……」
「ううん、気にしないで……」
先輩は笑ってくれたけど、あたしは自分が情けなくなった。
「本当にすみません……」
「もういいってば……」
「せんぱい……」
「どうしたの?」
「大好きです」
あたしはそう言うと、再び先輩と口づけを交わした。今度は優しく……。しばらくしてから離れると、今度は先輩の方からキスをしてくれた。あたしたちはしばらく見つめ合うと、どちらからともなく笑みを浮かべる。
「まっちゃん、早く準備しようよ」
「はい……」
あたしは先輩の言葉に従って、着替えを始めた。
外に出ると、あたしは先輩と腕を組んで歩いていた。時々、すれ違う人から視線を感じることがあるけれど、あまり気にしないようにしていた。
「まっちゃん、恥ずかしくないの?」
「せんぱいとなら平気ですよ」
「そっか……」
「それに、見せつけてやりましょうよ」
「うん……でも、あんまりそういうことは言わないようにね。誤解されちゃうかもだし……」
「はーい……」
あたしたちは歩き続ける。やがて、目的地が見えてきた。そこにはたくさんのお店がある。あたしは目を輝かせながら言った。
「せんぱい、楽しみです!」
「わたしもだよ……」
あたしは先輩の手を引いて入っていく。中に入ると、美味しそうな匂いが漂ってきた。あたしたちは席に着くと、メニュー表を見る。
「どれを食べますか?」
「そうだなぁ……」
「これなんてどうでしょう?」
「いいね、それ……」
二人で相談した結果、それぞれ好きなものを食べることにした。まずは先輩から食べることにする。
「いただきま~す♪」
あたしが選んだのは、パンケーキだ。生地の上にはバターと蜂蜜がかけられていて、とても甘そうだ。一口サイズに切り分けると、口に運ぶ。ふわっとした食感のあと、蜂蜜の甘味が広がる。
「おいしい……」
次はあたしが先輩の分を取る番だ。何を選ぶのか興味津々だったけど、予想に反して無難なものを選んだ。シュークリームだ。
「せんぱい、これも食べていいんですよ?」
「わたしはこれで充分だよ。それより、まっちゃんも自分の食べたら?」
「わかりました……」
あたしは自分の分のパンケーキを口にする。やっぱり甘くておいしかった。次にシュークリームを頬張る。こちらも絶品だった。先輩も満足そうにしている。良かった……と思った。
「せんぱい、クリームついていますよ……」
「えっ?」
「ほら、ここです……」
あたしは先輩の唇の端についたクリームを指で拭き取ると、そのまま舐め取った。先輩は突然のことに顔を真っ赤にしていた。
「ありがとう……」
「いえいえ……」
その後も、お互いにスイーツを堪能した。そして、会計を済ませると、店を後にした。
「うーん……おなかいっぱい」
「ちょっと食べすぎちゃったかもですね……」
「このままだと太っちゃうかも……」
「先輩は十分痩せてるので大丈夫ですよ?」
「ううんダメ。太ったらまっちゃんに嫌われちゃう」
「そんなことないですって……」
「ダメなの……! ねぇ、この後寮に戻って運動しない? ……えっちな運動」
「えぇ……」
「いいでしょ?」
「まあ、いいですけど……」
「やった!」
先輩は嬉しそうな顔であたしを見てくる。その顔を見ると、何も言えなくなってしまうのだ。先輩はほとんど毎日欠かさずえっちをしたがる。あたしが忘れていると、こうやっておねだりしてくることも多い。その理由はめちゃくちゃだったりすることがほとんどだけど、先輩がえっちしたいと思ってるということは分かるし、必死にこじつけを考えているのは可愛いので良しとすることにした。
「じゃあ、行こっか?」
「はい……」
あたしたちは手を繋いで歩き始めた。あたしは先輩のことを見上げる。すると、先輩は微笑んでくれた。それだけで幸せになれる気がした。
「せんぱい、大好きです……」
「わたしもだよ……」
いつものやり取りを繰り返す。こうやってこまめに愛を確認しないとお互い不安になってしまうのだ。でも、期待したとおりの回答が返ってくるとなんとも言えない幸福感に包まれる。
恋をするとはこういうことなのだと最近気づいた。
(でも、もし期待しているのとは違う答えが返ってくる日が来たとしたら……?)
あたしは心の中で呟いた……。想像するだけで冷や汗が出てくる。やめやめ! 変なことは考えないことにしよう。
☆☆☆
「せんぱい、まだですかー?」
「もう少し待って……」
あたしはベッドの上で寝転んでいた。先輩はさっきからシャワーを浴びていて、なかなか出てこない。あたしは退屈になっていた。もう待ちきれないのに……。
「せんぱい、早くぅ……」
「わかった、今行くよ……」
しばらくして、ようやく先輩が出てきた。バスタオル一枚の姿のまま近づいてくる。あたしは起き上がると、先輩を抱き締めた。先輩は小さく声を上げる。
「まっちゃん、いきなり抱きつかないでよ……」
「せんぱいが悪いんです。こんな格好してたら我慢できません……」
あたしはそのまま先輩を押し倒す。先輩は抵抗しなかった。むしろ受け入れてくれていた。私が急に襲っても先輩はいつも拒絶しない。それが嬉しい。
「せーんぱいっ……」
あたしは先輩にキスをする。最初は軽く触れるだけのものだったけど、だんだん激しくなっていく。やがて舌を入れようとした時だった。
「ストップ……」
先輩が制止の声を上げた。あたしはそれを無視して続けようとする。しかし、先輩はそれを許さなかった。
「これ以上やるならもっとすごいことさせてあげないよ?」
「ごめんなさい……」
あたしはすぐに謝った。先輩の顔には少し怒りの色が見える。ちょっと意地悪されているだけで本気で怒っているわけではないと思うけど、あまり調子に乗ると先輩の機嫌が悪くなるので気をつけなければならない。
「ふぅ……はい、いいよ?」
「えっ?」
「して、いいよ? わたしのこと気持ちよくして……」
「もちろんですよ……」
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