86 / 108
episode6 後継争いを生き残れ!
85. 帝
しおりを挟む
☆ ☆
──その後しばらくして。
私たちは何故かミヤコの城の中にいた。自分でも何故こうなったのか分からないが、タマヨリヒメの住処を出た瞬間に血相を変えたユキムラによって城に拉致されたのだった。
ユキムラに問いただしたが要領の得ない返事しか帰ってこなかった。──ただ、「帝がティナさんたちをお呼びです」としか。
そしてこうやって城の一室で待たされている。
「……」
「……?」
「……ふぅ」
私とリアとミリアムの三人はお互い顔を見合せながら首を傾げた。本当なら「どうしたんだろう?」とか「いつまで待たせるんですの!?」みたいな文句を言いそうな二人も何も口にできないほど厳かな雰囲気が部屋を支配していた。
畳という草を編み込んだ敷物が一面に敷き詰められた部屋の前方は一段高くなっており、簾がで仕切られている。その向こうの様子はよく見えない。
おまけに私たちの左右には鎧から着物に着替えたユキムラを含め、着物を身につけた偉そうな人達がズラリと並んで威圧感を放っている。皆、お揃いの黒い縦長の帽子のようなものを被り、誰も一言も発したりせず正座で座ったまま微動だにしないのが異様な雰囲気を醸し出していた。
(もしかして、勝手にミヤコに入ってきたことを怒られたりするんじゃ……で、でもユキムラさんが入れてくれたんだし、サヤさんの紹介状もあるし、タマヨリヒメさんだって何もそれについては触れなかったし……)
理由がわからないが故に、時間が経つごとに不安はどんどん増してくる。
とその時、ズラリと並んでいた着物の人達の中に見知った顔を見つけた。
男の人ばかりかと思ったその集団の中でおそらく唯一の女の子──それも小柄で若い少女だった。
黒い髪を左右に垂らし、ダークブラウンの瞳で私の方をチラチラと見ているその姿は紛れもなくアメノウズメだった。
「あっ、アメノ──」
「──帝が参られます!」
私の声を遮るようにして部屋の外に控えていた兵士が声を上げた。それを合図にして一同がまたビシッと姿勢を正したので、私たちも慌ててそれにならう。
やがて、簾の向こうから何人もの人影が部屋に入ってくるのがわかった。が、詳細はよく見えないので不明だし、帝がどのような人物なのか見当もつかない。
じーっと簾の向こうに目を凝らしていると、それに気づいたユキムラが「何してるんですか頭を下げてください!」と身振り手振りで訴えてきたので、地面に額を擦り付ける勢いで頭を垂れる。
ゲーレ共和国のモウ首席に謁見した時とはまた別の緊張感があった。
簾の向こうで人の動く気配と衣擦れの音が止む。どうやら向こうの人達は全て着席したようだ。
「──面をあげよ」
簾の近くにいる重鎮らしき男の人の声に従って頭を上げると、簾の向こうがぼんやりと金色の光で輝いているのが見えた。
(帝って……どんな人だろう? 男の人? 女の人? 年齢は? 噂では正確な情報を聞いたことがないからわからないな……)
東邦の盟主──帝は、謎に包まれた存在だった。実際に目にしたことのある者が稀である上に、その者たちの証言も曖昧で、曰く「絶世の美女だった」、曰く「身長2メーテルを超える大男だった」、曰く「仙人のような老人だった」、曰く「翼が生えており、後光が差していた」、曰く「魔獣のようなおぞましい見た目だった」、曰く「特に特徴もない普通の男性だった」、曰く「幼い女児で、自分の娘に似ていた」云々……。
「帝、仰せの通りにティナ・フィルチュとその一行を連れてまいりました」
ユキムラが簾の前に進み出て告げると、向こうの人影もゆっくりと動いた。頷いたのだろうか。
「わざわざ呼び出してしまって申し訳ない。と帝は仰っております」
簾の向こうから男の声が聞こえる。どうやら帝の言葉を通訳しているらしい。帝はセイファート公用語を話せないのか──それとも。
「──!」
その時気づいたが、前方から──簾の隙間からありえないほどの魔力が溢れている。それは間違いなくライムントやタマヨリヒメ、今まであったどの人物よりも質と量の両面で群を抜いており──端的に言うと人間離れしていた。
タマヨリヒメの時もかなり驚いたが、これが帝のものだとしたら帝はそれよりもよほど超常的な能力を持っているように思える。
(帝って、もしかして神霊とかの類……?)
古来より九十九神という数多の神によって守られてきたと言われる東邦帝国ならありえなくも無い話だ。
(まさか、神によって支配される国だなんて……)
優秀な魔導士をたくさん擁するセイファート王国の侵略を数しれないほど退けてきた理由も頷ける。人間と神霊であれば勝負にすらならないだろう。
七天が七人束でかかってようやく勝てるかどうかの存在──七天の結束が必要不可欠なのは他でもない、東邦帝国の帝の存在があるからなのではないだろうか。
そんな東邦と手を結んでいる現セイファート国王はある意味賢明であるとも言える。
私の背中を冷や汗が流れた。
完全な神霊との対話なんて初めてだ。ライムントと対峙した時よりも、ユキムラやタマヨリヒメと出会った時よりも、モウ首席に謁見した時よりも数倍緊張してもうどうにかなってしまいそうだった。リアやミリアムに助けを求めようにも二人とも同じような状態だろう。
そもそも緊張感で横を伺う余裕もない。
「近う寄れと仰せです」
「はっ……?」
(近う寄れって、近くに来いって意味だよね……?)
私は簾の前まで這いながら進んできた。
「帝! それは……!」
簾の向こうの声が慌てはじめた。
「し、しかし……!」
「……」
「──かしこまりました。それでは今より簾を上げて帝のお姿をお見せいたします」
「なんと……!」
それは、私たちの左右に並んでいる重鎮たちにとっても驚きの言葉だったらしく、あんなにシーンとしていた彼らが露骨におろおろとし始めた。
「帝、どうかお考え直しを! 国外の者にお姿を見せるなどと!」
「帝のお考えに異を唱えられるおつもりか!」
簾の向こうの声が一喝して、重鎮たちはおずおずと浮かしかけた腰を下ろす。私はその一部始終をハラハラしながら見ていた。よく分からないが、今から帝が姿を見せるというレアイベントが発生するということはわかった。
(どうしよう、帝の姿がおぞましい魔獣だったら声でちゃうかも……)
だが、簾越しに見る限りは帝の姿は少なくとも人間のシルエットを保っているように見えた。
バタバタと簾の向こう側の側近たちが動き回り、簾が少しずつ上がっていく。私は下に視線を落としながら気持ちを落ち着けた。
そして、簾が上がりきった瞬間に、ふうっと息を吐き気持ちの準備を整えてから一気に顔を上げた。
「──えっ!?」
気持ちの準備をしていたにも関わらず、私は声を上げてしまった。──なぜなら。
目の前に座っていたのは白いローブをまとった金髪の美青年。
どこからどう見ても私がかつて恋心を抱いていた相手──そして、既に死んだと伝えられていた相手。
──七天『光芒一閃』のユリアーヌス・ヒルデブラントだったのだ。
私の驚いた顔を真っ直ぐ見つめ返したユリアーヌスは、僅かに笑みを浮かべた。
──その後しばらくして。
私たちは何故かミヤコの城の中にいた。自分でも何故こうなったのか分からないが、タマヨリヒメの住処を出た瞬間に血相を変えたユキムラによって城に拉致されたのだった。
ユキムラに問いただしたが要領の得ない返事しか帰ってこなかった。──ただ、「帝がティナさんたちをお呼びです」としか。
そしてこうやって城の一室で待たされている。
「……」
「……?」
「……ふぅ」
私とリアとミリアムの三人はお互い顔を見合せながら首を傾げた。本当なら「どうしたんだろう?」とか「いつまで待たせるんですの!?」みたいな文句を言いそうな二人も何も口にできないほど厳かな雰囲気が部屋を支配していた。
畳という草を編み込んだ敷物が一面に敷き詰められた部屋の前方は一段高くなっており、簾がで仕切られている。その向こうの様子はよく見えない。
おまけに私たちの左右には鎧から着物に着替えたユキムラを含め、着物を身につけた偉そうな人達がズラリと並んで威圧感を放っている。皆、お揃いの黒い縦長の帽子のようなものを被り、誰も一言も発したりせず正座で座ったまま微動だにしないのが異様な雰囲気を醸し出していた。
(もしかして、勝手にミヤコに入ってきたことを怒られたりするんじゃ……で、でもユキムラさんが入れてくれたんだし、サヤさんの紹介状もあるし、タマヨリヒメさんだって何もそれについては触れなかったし……)
理由がわからないが故に、時間が経つごとに不安はどんどん増してくる。
とその時、ズラリと並んでいた着物の人達の中に見知った顔を見つけた。
男の人ばかりかと思ったその集団の中でおそらく唯一の女の子──それも小柄で若い少女だった。
黒い髪を左右に垂らし、ダークブラウンの瞳で私の方をチラチラと見ているその姿は紛れもなくアメノウズメだった。
「あっ、アメノ──」
「──帝が参られます!」
私の声を遮るようにして部屋の外に控えていた兵士が声を上げた。それを合図にして一同がまたビシッと姿勢を正したので、私たちも慌ててそれにならう。
やがて、簾の向こうから何人もの人影が部屋に入ってくるのがわかった。が、詳細はよく見えないので不明だし、帝がどのような人物なのか見当もつかない。
じーっと簾の向こうに目を凝らしていると、それに気づいたユキムラが「何してるんですか頭を下げてください!」と身振り手振りで訴えてきたので、地面に額を擦り付ける勢いで頭を垂れる。
ゲーレ共和国のモウ首席に謁見した時とはまた別の緊張感があった。
簾の向こうで人の動く気配と衣擦れの音が止む。どうやら向こうの人達は全て着席したようだ。
「──面をあげよ」
簾の近くにいる重鎮らしき男の人の声に従って頭を上げると、簾の向こうがぼんやりと金色の光で輝いているのが見えた。
(帝って……どんな人だろう? 男の人? 女の人? 年齢は? 噂では正確な情報を聞いたことがないからわからないな……)
東邦の盟主──帝は、謎に包まれた存在だった。実際に目にしたことのある者が稀である上に、その者たちの証言も曖昧で、曰く「絶世の美女だった」、曰く「身長2メーテルを超える大男だった」、曰く「仙人のような老人だった」、曰く「翼が生えており、後光が差していた」、曰く「魔獣のようなおぞましい見た目だった」、曰く「特に特徴もない普通の男性だった」、曰く「幼い女児で、自分の娘に似ていた」云々……。
「帝、仰せの通りにティナ・フィルチュとその一行を連れてまいりました」
ユキムラが簾の前に進み出て告げると、向こうの人影もゆっくりと動いた。頷いたのだろうか。
「わざわざ呼び出してしまって申し訳ない。と帝は仰っております」
簾の向こうから男の声が聞こえる。どうやら帝の言葉を通訳しているらしい。帝はセイファート公用語を話せないのか──それとも。
「──!」
その時気づいたが、前方から──簾の隙間からありえないほどの魔力が溢れている。それは間違いなくライムントやタマヨリヒメ、今まであったどの人物よりも質と量の両面で群を抜いており──端的に言うと人間離れしていた。
タマヨリヒメの時もかなり驚いたが、これが帝のものだとしたら帝はそれよりもよほど超常的な能力を持っているように思える。
(帝って、もしかして神霊とかの類……?)
古来より九十九神という数多の神によって守られてきたと言われる東邦帝国ならありえなくも無い話だ。
(まさか、神によって支配される国だなんて……)
優秀な魔導士をたくさん擁するセイファート王国の侵略を数しれないほど退けてきた理由も頷ける。人間と神霊であれば勝負にすらならないだろう。
七天が七人束でかかってようやく勝てるかどうかの存在──七天の結束が必要不可欠なのは他でもない、東邦帝国の帝の存在があるからなのではないだろうか。
そんな東邦と手を結んでいる現セイファート国王はある意味賢明であるとも言える。
私の背中を冷や汗が流れた。
完全な神霊との対話なんて初めてだ。ライムントと対峙した時よりも、ユキムラやタマヨリヒメと出会った時よりも、モウ首席に謁見した時よりも数倍緊張してもうどうにかなってしまいそうだった。リアやミリアムに助けを求めようにも二人とも同じような状態だろう。
そもそも緊張感で横を伺う余裕もない。
「近う寄れと仰せです」
「はっ……?」
(近う寄れって、近くに来いって意味だよね……?)
私は簾の前まで這いながら進んできた。
「帝! それは……!」
簾の向こうの声が慌てはじめた。
「し、しかし……!」
「……」
「──かしこまりました。それでは今より簾を上げて帝のお姿をお見せいたします」
「なんと……!」
それは、私たちの左右に並んでいる重鎮たちにとっても驚きの言葉だったらしく、あんなにシーンとしていた彼らが露骨におろおろとし始めた。
「帝、どうかお考え直しを! 国外の者にお姿を見せるなどと!」
「帝のお考えに異を唱えられるおつもりか!」
簾の向こうの声が一喝して、重鎮たちはおずおずと浮かしかけた腰を下ろす。私はその一部始終をハラハラしながら見ていた。よく分からないが、今から帝が姿を見せるというレアイベントが発生するということはわかった。
(どうしよう、帝の姿がおぞましい魔獣だったら声でちゃうかも……)
だが、簾越しに見る限りは帝の姿は少なくとも人間のシルエットを保っているように見えた。
バタバタと簾の向こう側の側近たちが動き回り、簾が少しずつ上がっていく。私は下に視線を落としながら気持ちを落ち着けた。
そして、簾が上がりきった瞬間に、ふうっと息を吐き気持ちの準備を整えてから一気に顔を上げた。
「──えっ!?」
気持ちの準備をしていたにも関わらず、私は声を上げてしまった。──なぜなら。
目の前に座っていたのは白いローブをまとった金髪の美青年。
どこからどう見ても私がかつて恋心を抱いていた相手──そして、既に死んだと伝えられていた相手。
──七天『光芒一閃』のユリアーヌス・ヒルデブラントだったのだ。
私の驚いた顔を真っ直ぐ見つめ返したユリアーヌスは、僅かに笑みを浮かべた。
0
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
真実の愛に婚約破棄を叫ぶ王太子より更に凄い事を言い出した真実の愛の相手
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式が終わると突然王太子が婚約破棄を叫んだ。
反論する婚約者の侯爵令嬢。
そんな侯爵令嬢から王太子を守ろうと、自分が悪いと言い出す王太子の真実の愛のお相手の男爵令嬢は、さらにとんでもない事を口にする。
そこへ………
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。
◇なろうにも上げてます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる