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episode2 原住民を懐柔しろ!
34. 七天
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階段を上り、三階までたどりつくと、いつもの円卓の間の前でウーリが手招きしていた。
「こっちだティナ! 待ってたぞ」
「すみません!」
ウーリにはいろいろ言いたいことや感謝したいことがあったが、どうやら急いでいそうだったので、そのままリアと部屋に入る。すると、既にユリウスやキャロル、そしてミリアムの姿があった。
「揃ったな。では始めるか……」
私がいつものユリウスの隣の席に座り、リアがキャロルの隣に座るや否やユリウスが口を開いた。そして扉の近くに立っていたウーリに目配せをする。するとウーリは部屋の外に出て扉をしっかりと閉めた。
他の人に聞かれてはいけない内容の話をしようというのだろう。確かに『七天』について、特に私のことについては冒険者ギルドや魔法学校が秘密にしていることも多いので、できるだけ関わりのない人には知られたくなかった。
ユリウスにキャロルにリアにミリアム。私は全員の顔を見回してみる。皆真剣な顔をしているが、険しさはない。アマゾネスの二人にしても警戒している様子はなかった。
「すまぬな。料理があまりにも美味しかったのでシェフを呼んでもらったのじゃ」
「恐縮です……」
「実に美味であった。イノブタや山菜など、ワシらが普段食しているものをこうも変貌させてしまうとは……料理人というものは魔導士のようじゃな」
どうやらキャロルは私の料理を実に気に入ってくれたようだ。笑顔を浮かべながら話してくれている。
(まあ、私はもともと魔導士なんだけどね……でもそれは置いておいて、上手くいってよかった。これでユリウス様もきっと満足して……)
チラッと横目でユリウスをうかがってみたが、彼の表情は依然として真剣そのものだった。彼にとってアマゾネスの脅威は数あるヘルマー領の難題のうちの一つに過ぎず、それが解決したところで気が抜けないのは無理もない事だった。
「そう、その『魔導士』の話をしようと思っていた」
ユリウスはキャロルの言葉尻を上手く掴んで話を戻そうとする。キャロルも本来の目的を思い出したようで、ゆっくりと頷きながら私に質問を投げてきた。
「ワシらが知りたいのは『七天』という魔導士集団のこと、そしてその一員のマテウス・ブランドルという人物についてじゃ。ティナといったか……お主の知っていることを全て話してはくれまいか? そうしたらワシらもお主たちに協力を惜しまないつもりじゃ」
確認のためにユリウスに視線を送ると、彼は頷いて「話せ」といった様子だったので、私は今まで特に話してこなかった『七天』について、キャロルに説明を始めた。
☆ ☆
この世界において魔法を使うことができる種族は限られている。
ドラゴンなどの龍種、ユニコーンなどの一部の幻獣、オルティス公国に主に住んでいると言われているエルフやフェアリーなどの妖精種、キマイラなどの高位魔獣、そして一部の選ばれた人間だった。
魔法を扱うことができる人間には生まれつき『魔力器官』と呼ばれる特別な器官が備わっている。これは内臓など人体の器官とは異なり形はなく、原理もよく分かっていないが、性能に個人差があるということと、どうやら遺伝するわけではないということはわかっていた。
当然『セイファート王国』、『ゲーレ共和国』、『東邦帝国』、『ノーザンアイランド連合』、『オルティス公国』の五大国家は躍起になって魔法が使える魔導士の卵を探し、自国に魔法学校を設けてそこで魔導士の育成を始めた。──ゆくゆくは自国の優秀な戦力となることを期待して。
魔法研究において他国から頭一つ抜け出ていたセイファート王国は、国内だけでなく他国からも優秀な魔導士の卵達が集まり訓練された。厳しい訓練を乗りきったものは、これまた優秀なセイファート王国の冒険者ギルドから仕官先をあっせんされ、裕福な貴族や王族のお抱えとなりながら不自由ない生活が送れる。他国から集まってきた魔導士たちも、自国に戻ろうというものはほとんどいなかった。
年月が過ぎるにつれ、セイファート王国は大量の魔導士を抱える一大国家として他を圧倒し始める。他国も独自の新兵器を開発したり、魔獣を操ったり、エルフと手を組んだり、互いに同盟を組んでセイファート王国の包囲網を築いたりした。
結果的に五大国家は多大な犠牲を出し合った末、セイファート王国は魔法学校の廃止を誓い、五国は形だけの同盟関係を結んで和解した。それがかれこれ50年前だ。
今、セイファート王国はまた力をつけようとしている。同盟の際に結んだ他の四国との約束を破り、魔法学校に優秀な魔導士を集めて再び訓練を開始したのだ。
それには理由があった。
セイファート王国に古くから伝わる予言書に、七人の強力な魔導士の出現が記されていたのだ。国王や宰相は、この七人を王国のものとすることができれば、他の四国を叩き潰すことは容易いと考えた。
密かに国内外に調査隊が送られた。彼らはセイファート王国の優れた魔法技術を用いて、魔導士の卵を探し回り──予言がどうやら真実であることを証明した。実際に類まれなる魔法の才能を持つ子どもが七人発見されたのだ。
王国は七人の子供たちを半ば攫うようにして王都に連れてきた。そして魔法学校で訓練を積ませ、魔力の基礎となる炎、水、風、土、光、闇、無属性それぞれに特化した優秀な魔導士『七天』が誕生した。
しかし、セイファート王国の目論見どおりにはいかなかった。
そこまでを円卓に座った面々に説明した時、今まで黙って聞いていたキャロルが口を挟んだ。
「なにがあったんじゃ? 今までの話を聞く限り、王国は絶大な力を手に入れたはず……」
「そうですね。確かに王国は七天という力を手に入れました。でも、七天は王国の思い通りにはならなかった……というべきでしょうか」
「後輩ちゃんの事ですわね?」
「私が使いものにならなくなったこともありますが……七天の中には他の国出身の者も多くいたんです。そのうちの二人が魔法学校を卒業すると間もなく、姿を消したのです。高待遇を与えれば王国に尽くすかと思っていた国王や宰相は裏切られた思いだったでしょうね」
「……」
「残った四人のうち、王国がまともに手懐けられたのは自国出身のマテウス、ライムント、クラリッサの三人だけでした。これでは隣国を倒すことは出来ないと思ったのでしょう。現在も周辺国との同盟は継続したままです」
「つまり、マテウスとやらは王国に忠実なのじゃな?」
「表向きはそうです。──でも、力を持った彼が何を企んでいるかは……」
キャロルとリアは顔を見合わせると、同時に頷きあった。
「で、王国に所属しているヘルマー伯爵家がどうやってマテウスを懲らしめるんじゃ?」
「それは──前にも言ったとおり、私に考えがあります」
「こっちだティナ! 待ってたぞ」
「すみません!」
ウーリにはいろいろ言いたいことや感謝したいことがあったが、どうやら急いでいそうだったので、そのままリアと部屋に入る。すると、既にユリウスやキャロル、そしてミリアムの姿があった。
「揃ったな。では始めるか……」
私がいつものユリウスの隣の席に座り、リアがキャロルの隣に座るや否やユリウスが口を開いた。そして扉の近くに立っていたウーリに目配せをする。するとウーリは部屋の外に出て扉をしっかりと閉めた。
他の人に聞かれてはいけない内容の話をしようというのだろう。確かに『七天』について、特に私のことについては冒険者ギルドや魔法学校が秘密にしていることも多いので、できるだけ関わりのない人には知られたくなかった。
ユリウスにキャロルにリアにミリアム。私は全員の顔を見回してみる。皆真剣な顔をしているが、険しさはない。アマゾネスの二人にしても警戒している様子はなかった。
「すまぬな。料理があまりにも美味しかったのでシェフを呼んでもらったのじゃ」
「恐縮です……」
「実に美味であった。イノブタや山菜など、ワシらが普段食しているものをこうも変貌させてしまうとは……料理人というものは魔導士のようじゃな」
どうやらキャロルは私の料理を実に気に入ってくれたようだ。笑顔を浮かべながら話してくれている。
(まあ、私はもともと魔導士なんだけどね……でもそれは置いておいて、上手くいってよかった。これでユリウス様もきっと満足して……)
チラッと横目でユリウスをうかがってみたが、彼の表情は依然として真剣そのものだった。彼にとってアマゾネスの脅威は数あるヘルマー領の難題のうちの一つに過ぎず、それが解決したところで気が抜けないのは無理もない事だった。
「そう、その『魔導士』の話をしようと思っていた」
ユリウスはキャロルの言葉尻を上手く掴んで話を戻そうとする。キャロルも本来の目的を思い出したようで、ゆっくりと頷きながら私に質問を投げてきた。
「ワシらが知りたいのは『七天』という魔導士集団のこと、そしてその一員のマテウス・ブランドルという人物についてじゃ。ティナといったか……お主の知っていることを全て話してはくれまいか? そうしたらワシらもお主たちに協力を惜しまないつもりじゃ」
確認のためにユリウスに視線を送ると、彼は頷いて「話せ」といった様子だったので、私は今まで特に話してこなかった『七天』について、キャロルに説明を始めた。
☆ ☆
この世界において魔法を使うことができる種族は限られている。
ドラゴンなどの龍種、ユニコーンなどの一部の幻獣、オルティス公国に主に住んでいると言われているエルフやフェアリーなどの妖精種、キマイラなどの高位魔獣、そして一部の選ばれた人間だった。
魔法を扱うことができる人間には生まれつき『魔力器官』と呼ばれる特別な器官が備わっている。これは内臓など人体の器官とは異なり形はなく、原理もよく分かっていないが、性能に個人差があるということと、どうやら遺伝するわけではないということはわかっていた。
当然『セイファート王国』、『ゲーレ共和国』、『東邦帝国』、『ノーザンアイランド連合』、『オルティス公国』の五大国家は躍起になって魔法が使える魔導士の卵を探し、自国に魔法学校を設けてそこで魔導士の育成を始めた。──ゆくゆくは自国の優秀な戦力となることを期待して。
魔法研究において他国から頭一つ抜け出ていたセイファート王国は、国内だけでなく他国からも優秀な魔導士の卵達が集まり訓練された。厳しい訓練を乗りきったものは、これまた優秀なセイファート王国の冒険者ギルドから仕官先をあっせんされ、裕福な貴族や王族のお抱えとなりながら不自由ない生活が送れる。他国から集まってきた魔導士たちも、自国に戻ろうというものはほとんどいなかった。
年月が過ぎるにつれ、セイファート王国は大量の魔導士を抱える一大国家として他を圧倒し始める。他国も独自の新兵器を開発したり、魔獣を操ったり、エルフと手を組んだり、互いに同盟を組んでセイファート王国の包囲網を築いたりした。
結果的に五大国家は多大な犠牲を出し合った末、セイファート王国は魔法学校の廃止を誓い、五国は形だけの同盟関係を結んで和解した。それがかれこれ50年前だ。
今、セイファート王国はまた力をつけようとしている。同盟の際に結んだ他の四国との約束を破り、魔法学校に優秀な魔導士を集めて再び訓練を開始したのだ。
それには理由があった。
セイファート王国に古くから伝わる予言書に、七人の強力な魔導士の出現が記されていたのだ。国王や宰相は、この七人を王国のものとすることができれば、他の四国を叩き潰すことは容易いと考えた。
密かに国内外に調査隊が送られた。彼らはセイファート王国の優れた魔法技術を用いて、魔導士の卵を探し回り──予言がどうやら真実であることを証明した。実際に類まれなる魔法の才能を持つ子どもが七人発見されたのだ。
王国は七人の子供たちを半ば攫うようにして王都に連れてきた。そして魔法学校で訓練を積ませ、魔力の基礎となる炎、水、風、土、光、闇、無属性それぞれに特化した優秀な魔導士『七天』が誕生した。
しかし、セイファート王国の目論見どおりにはいかなかった。
そこまでを円卓に座った面々に説明した時、今まで黙って聞いていたキャロルが口を挟んだ。
「なにがあったんじゃ? 今までの話を聞く限り、王国は絶大な力を手に入れたはず……」
「そうですね。確かに王国は七天という力を手に入れました。でも、七天は王国の思い通りにはならなかった……というべきでしょうか」
「後輩ちゃんの事ですわね?」
「私が使いものにならなくなったこともありますが……七天の中には他の国出身の者も多くいたんです。そのうちの二人が魔法学校を卒業すると間もなく、姿を消したのです。高待遇を与えれば王国に尽くすかと思っていた国王や宰相は裏切られた思いだったでしょうね」
「……」
「残った四人のうち、王国がまともに手懐けられたのは自国出身のマテウス、ライムント、クラリッサの三人だけでした。これでは隣国を倒すことは出来ないと思ったのでしょう。現在も周辺国との同盟は継続したままです」
「つまり、マテウスとやらは王国に忠実なのじゃな?」
「表向きはそうです。──でも、力を持った彼が何を企んでいるかは……」
キャロルとリアは顔を見合わせると、同時に頷きあった。
「で、王国に所属しているヘルマー伯爵家がどうやってマテウスを懲らしめるんじゃ?」
「それは──前にも言ったとおり、私に考えがあります」
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